瀬戸内の島の小さな食料品店
〈クマ グローサリー〉

小豆島に新しいお店がオープン

「春に小豆島で食料品店をオープンする予定なんです」

と、素敵な女性がうちのカフェにやってきてくれたのは冬のこと。
あれから数か月、彼女の言葉通り、2022年6月18日に小豆島に新しいお店ができました。
〈クマ グローサリー〉という名前の小さな食料品店です。

2022年6月18日にオープンした食料品店〈クマ グローサリー〉。

2022年6月18日にオープンした食料品店〈クマ グローサリー〉。

〈HOMEMAKERS(ホームメイカーズ)〉のシロップ・ドレッシングも並んでいます。

〈HOMEMAKERS(ホームメイカーズ)〉のシロップ・ドレッシングも並んでいます。

お店をオープンされたのは、奈良から引っ越してこられた
三浦隆洋さん・奈苗さんご夫妻。
笑顔が素敵すぎる、爽やかなおふたりです。
隆洋さんのお父さんのご実家は小豆島。

お店を開くにあたって、ほかの土地もいろいろ見に行かれたそうですが、
どこもしっくりこず。
そういえば小豆島はどうだろうと訪れてみると、ここがいい! と感じたそう。
適度に大きくて、人もいる。田舎すぎないけど、海も山もある島。
小豆島でお店を開こう。

〈クマ グローサリー〉は、土庄(とのしょう)町の中心エリアにある
オリーブ通りにオープンしました。
島のなかで1番都会なエリアです。夜も明るい(笑)。
買い出しなどで島の人たちがよく通る道なので、お店がオープンする前から
「あそこ工事してたよ。お店ができるみたいだよ」と噂になっていました。

さて、まず気になるのはお店の名前。
クマ? 動物のクマ?
ではなくて、素敵な意味が込められています。
お店のwebサイトにはこんなふうに書かれています。

“COOMYAH”とはある国の言葉で
「こっちへおいでよ」という意味です。
現地での正しい発音は資料に乏しく実はわからないのですが、
私たちは勝手に「クマ」と発音しています。
大好きなアメリカのミュージシャンが歌う曲のタイトルから名づけました。

Come here!
ウェルカムな感じがふたりにぴったりなお店の名前。

クマさんって覚えやすい。

クマさんって覚えやすい。

それと、「クマ」という名前にしたのは、
“こっちへおいでよ”という気持ちと、シンプルですぐ覚えてもらえる響きだからだそう。
たしかにクマさんって覚えやすくて親しみやすくて呼びやすい。いい名前。

森のようちえん〈ちいろば〉
保育ではなく
「人間臭さ」を育てる

「やりたい」「楽しい」を大切に

自然という環境下での保育や、地元の有機野菜を採り入れた給食などの点だけを見れば、
特段めずらしい試みをしているわけではない。
〈認定こども園 ちいろばの杜〉(以下、ちいろば)の特徴は、
例えばこんなところに表れる
――子どもたちの発案で「探検隊」が組織され、
森に行くまでの道になっていたアケビの実を採りに冒険しに行く。
あるふたり組が帰りの会で発表した人形劇が、年長組全員が参加する演劇に発展し、
物語と配役と衣装を子どもたちがつくる。
ラグビーW杯を見て夢中になり、ボール替わりに長靴を手に、
泥だらけになって自作の「ハカ」を披露し合う。

泥だらけになって遊ぶ子どもたち。「帰りたくない」の声が響く。(写真提供:認定こども園 ちいろばの杜)

泥だらけになって遊ぶ子どもたち。「帰りたくない」の声が響く。(写真提供:認定こども園 ちいろばの杜)

森へ続く道中も遊びの宝庫。植物や昆虫の姿に目を輝かせる。(写真提供:認定こども園 ちいろばの杜)

森へ続く道中も遊びの宝庫。植物や昆虫の姿に目を輝かせる。(写真提供:認定こども園 ちいろばの杜)

小屋を建てたい、絵を描きたい、火おこしをしたい……
それぞれの子どもたちの内側から湧き出た、たくさんの「やりたい」「楽しい」気持ちと、
実現までの試行錯誤を何よりも大切にする。
大人たちが答えを手解きすることはほとんどない。
大人は少し離れて見守るか、子どもに触発されて一緒に楽しんでいる。
失敗しても構わない。評価も競争もない。
春先に芽生えた新芽のように、子どもたちが森にみずみずしく躍動している。

まずは自分でやってみるのが、ちいろば流。大人は子どもの姿をそっと見守る。(写真提供:認定こども園 ちいろばの杜)

まずは自分でやってみるのが、ちいろば流。大人は子どもの姿をそっと見守る。(写真提供:認定こども園 ちいろばの杜)

森や田んぼや畑など、自然の環境に身を置きながら、
保育や教育などを行う「森のようちえん」。
近年の生活意識の変化などから注目を集めているが、
〈NPO法人森のようちえん全国ネットワーク連盟〉によると、
同連盟の加入団体だけでも、その数は全国で250以上に広がっている。

長野県南佐久郡佐久穂町にある、ちいろばもそのひとつだ。
厳冬期は氷点下20度にもおよぶ標高約1000メートルの森の中、
八ヶ岳に連なる山々の空気と水と土に囲まれ、子どもたちは日々を生き生きと遊んでいる。

園舎からの風景。晴れた日は山々が見渡せる。

園舎からの風景。晴れた日は山々が見渡せる。

〈森の出版社 ミチクル〉の新しい絵本
土偶は、なぜ不思議な
かたちをしているの?

12年前につくり始めた、縄文時代の土偶をテーマにした絵本

大学在学中に美術系の出版社で働くようになってから約30年、編集の仕事を続けてきた。
どんな本をつくっていても何かしらの発見やワクワク感があって、
この仕事は自分に合っていると日々実感している。
けれど時々、自分の創作に突き進んでみたいという気持ちが
頭をもたげてくることがあった。

高校・大学で私は絵画制作に取り組んできたが、
表現するということがなんなのかがつかめないまま卒業してしまった。
その後、編集の仕事へとシフトしたのだが、心のどこかで、
学生時代の自分を置き去りにしたような感覚が残っていた。

今年の6月、『DOGU かたちのふしぎ』という絵本を刊行した。
この絵本をつくろうと思ったのは12年前のこと。
当時、このまま編集の仕事だけを続けていていいのだろうかという迷いと、
絵を描くことにもう一度チャレンジしてみたいという想いがあってのことだった。

日頃から本づくりをしていたこともあり、1枚の絵を描くよりも、
内容があってそれを描くほうが、手がかりがあって進めやすいと考え
絵本という形式を選んだ。

テーマは土偶。
1万年も続いた縄文時代、人々はさまざまな「ひとがた」をつくっていた。
それらは、宇宙人かと思うほどの不思議なかたちをしており、
そこに私は以前から惹かれていた。

『DOGU かたちのふしぎ』(森の出版社 ミチクル) アクリル絵の具で、リアルにかたちを描いた。

『DOGU かたちのふしぎ』(森の出版社 ミチクル) アクリル絵の具で、リアルにかたちを描いた。

仕事の合間をぬって半年ほどで完成させ、海外の絵本コンペに応募した。
結果は落選。そののちに出産。やがて東日本大震災が起こり、北海道へ移住。
忙しない日々のなかで、絵本は出版することなくお蔵入りになっていた。
そのまま10年以上、この絵本を開くことはなかった。

屈斜路湖の和琴半島。
「気軽に行ける」森の散策路を
自然ガイド・片瀬志誠と歩く

4年前に北海道に移住した井出千種です。

179市町村のなかから暮らしたい場所を探した結果、
豊かな自然があふれる森と湖の温泉郷、
道東の弟子屈町に辿り着いた。

しかし、それまで特別自然について詳しいわけでなかったのに、
どうして惹かれたのか? 心地よさの理由は何か?
自分でもまだ完全に理解できているわけではない。

そこで、弟子屈に住む「自然とともに暮らす先達」に話を聞き、
弟子屈の自然の魅力を伝え、理解を深めるとともに、
魅力を紹介する連載を始めることになった。

第1回は、自然ガイドの片瀬志誠(しのぶ)さんの話を聞きに
森に入った。

新緑が美しい和琴半島で見つけた草木コレクション

阿寒摩周国立公園の中、屈斜路湖に突き出た和琴半島。
一周約2.5キロに及ぶ森の散策路では、
天然記念物に指定されている和琴ミンミンゼミをはじめ、
希少な動植物を観察することができる。

日本最大のカルデラ湖、屈斜路湖の面積は約80平方キロメートル。東京の山手線がすっぽり入る広さ。その南側にあるのが、和琴半島。(写真提供:Shinobu Katase)

日本最大のカルデラ湖、屈斜路湖の面積は約80平方キロメートル。東京の山手線がすっぽり入る広さ。その南側にあるのが、和琴半島。(写真提供:Shinobu Katase)

6月の初め、自然ガイドの片瀬志誠(しのぶ)さんに案内してもらった。

「新緑がきれいで、花がモリモリ咲いていて、なのに虫はまだ少ない。
この時期の和琴半島は、自然のエネルギーが満ち溢れている。
週1ペースで歩いています」

長い冬を乗り越えて、草木も、動物も、人間も、
「頑張るぞ!」と気合を入れているのだ。

カツラの木。中央から右側が、春の葉っぱ。左側が、夏の葉っぱ。紅葉の時期には、甘辛い独特の匂いを発する。

カツラの木。中央から右側が、春の葉っぱ。左側が、夏の葉っぱ。紅葉の時期には、甘辛い独特の匂いを発する。

「これはカツラ。同じ木なのに、形が違う葉っぱがついている。
根元のほうは、春の葉っぱ。初夏になると、
先が少し尖った夏の葉っぱが出てくる。不思議ですよね」

散策路に落ちていたクルミの雄花。手にもついている黄色い粉が、花粉。

散策路に落ちていたクルミの雄花。手にもついている黄色い粉が、花粉。

大木の下にたくさん落ちている房を拾って、
「これはクルミの花の成れの果て(笑)。
花粉がいっぱい出ているから、雄花です」

次から次へ、草木の名前と、
どんな特徴を持っているのかを教えてくれる。

葉脈が浮き出ている丸い葉っぱが特徴の、ジンヨウイチヤクソウ。緑の蕾が開くと、小さな白い花が咲く。

葉脈が浮き出ている丸い葉っぱが特徴の、ジンヨウイチヤクソウ。緑の蕾が開くと、小さな白い花が咲く。

「この葉の形。ある内臓の形に似てません? そう、腎臓。
だから、ジンヨウイチヤクソウという名前がついている。
あと1週間もすれば、たくさんの花が開きますよ」

和琴半島の散策路にて。この日は、オオアカゲラ、エゾリス、アオサギ、ニホントカゲ、シマヘビまで! たくさんの動物にも遭遇した。

和琴半島の散策路にて。この日は、オオアカゲラ、エゾリス、アオサギ、ニホントカゲ、シマヘビまで! たくさんの動物にも遭遇した。

DJ松永と駒形宏伸(DJ CO-MA) 世界一のDJ同士が、ふるさとの 新潟を語るトークライブ第2弾が開催!

DJも農業も追求する駒形さんに、DJ松永さんが聞く

Creepy NutsのDJ松永さんと、
その師匠である駒形宏伸さん(DJ CO-MA)による師弟トークライブが、
2022年7月4日(月)20時から、『新潟県公式YouTubeチャンネル』にて生配信されます。

このイベントは、新潟県へのUIターン促進につなげる
魅力発信企画「新潟のつかいかたキャンペーン」の一環として
今年3月に開催されたトークイベント(※前回の様子はこちら)の第2弾。
前回開催の好評を受けて、第2弾がすぐに決まりました。

農業をやりながらDJとして世界一になり、
その後、お米の日本一を決める大会でも最高金賞を受賞した駒形さんと、
そんな駒形さんに弟子入りしてDJスキルを学び、
同じDJ大会で世界一になったDJ松永さん。

前回は、ふたりの出会いとDJスクール時代の思い出、
松永さんが上京してからの下積み時代、その頃にふたりで語り合った内容、
こまがた農園での米づくりやお米のコンテストの話など、
ふるさとの話に花が咲きました。
地元の仲間同士の絶妙なかけ合いは、久々に会ったことを感じさせません。

第1回トークライブの様子。

第1回トークライブの様子。

今回は「新潟の農業・農産物」が主なテーマ。
駒形さんの地元である南魚沼市は自然豊かで、
四季の移ろいがあざやかな豪雪地帯。
激しい寒暖差ときれいな水が農業に向いていて、
お米のほかにも高品質な農作物が育ちます。

特に、駒形さんも育てている「八色スイカ」は知る人ぞ知るブランドスイカ。
シャリっとした食感と高い糖度が人気の高級品です。

10%? 16%? 18%?
塩分濃度を変えて
梅干しをつけてみた

完熟梅か青梅か? 塩分濃度の違いとは?
梅干しつくりのちょっとしたコツ

梅雨入り前の家庭の行事、梅仕事。
津留崎家で10年以上続けている梅干しつくり、
昨年は塩分濃度を変えてみたり、青梅で仕込んでみたり、
さまざまな“実験”をしてみました。
さて、どんな梅干しに仕上がったのでしょうか?

家族のカタチでプランが変わる!?
愛媛県南予エリアで
オーダーメイドのワーケーションプラン
始まる

穏やかな気候と風土を楽しむ南予

温暖なイメージのある四国のなかでも、
年間平均気温が17度前後とさらに温暖な愛媛県南予地方。
県の西南部に位置する、宇和島市、八幡浜市、大洲市、西予市、
内子町、伊方町、松野町、鬼北町、愛南町の、合わせて9つの市町の総称だ。

愛媛県の3分の1の面積を占める広大な南予地方だが、
特徴はひとくくりにできるものではなく、
海も山も里も、それぞれの魅力が市町ごとに際立っている。

まずは、北部のまち内子町。
築100年以上の古民家などが軒を連ねる町並みも見どころのひとつだ。
白壁の豪商屋敷や、重要文化財に指定された芝居小屋〈内子座〉など、
当時の生活の気配が色濃く残っている。
山と川のめぐみを味わえる小田地区や、野菜収穫の体験ができる御祓(みそぎ)地区など、
多様な豊かさを味わえるのが特徴だ。

内子町の町並み。

内子町の町並み。

大洲市は城下町として、伊予の小京都と呼ばれる伝統あるエリア。
真珠や真鯛の養殖で日本一という宇和島市では、海の幸も楽しみたい。

伊方町は四国の最西端。
佐田岬半島でしか見ることのできない、海に囲まれた景色も堪能できる。

自然と共存するために石垣で積み上げられた小さな集落の風景が残るのは愛南町。
清流に囲まれた山出温泉も南予を楽しむスポットとして欠かせない。

内子町の景観。

内子町の景観。

愛媛県南予エリアで「きずな博」開催中

この南予で2022年4月24日から12月25日まで
「えひめ南予きずな博(以下、きずな博)」が開催されている。
2018年7月の豪雨災害からの復興と、
新型コロナウイルス拡大以降の
働き方の変化の受け皿を目指すことを趣旨としたプロジェクトで、
南予で感じられる豊かさ、そしてあたたかさを体験できるツアーやアクティビティを
展開している。

コワーキングスペース

〈COWORKING-HUB nanyo sign(南予サイン)〉はコワーキングスペースだけでなく移住相談窓口も設けている。

〈COWORKING-HUB nanyo sign(南予サイン)〉はコワーキングスペースだけでなく移住相談窓口も設けている。

北海道で身近な野草、
イタドリを絵本に。
15冊限定の小さな本づくり

北海道の植物をテーマにした絵本づくり

野草のイタドリをテーマにした絵本をつくり始めたのは、およそ5年前のこと。
私は〈森の出版社 ミチクル〉という出版活動を行っていて、
そのなかで『ふきのとう』という、北海道ではお馴染みの植物をテーマにした絵本を制作した。
この絵本は、造本作家である駒形克己さんにアドバイスをもらいながら、
娘の駒形あいさんにデザインを仕上げてもらった。

絵本『ふきのとう』。半透明の紙を使った切り絵で表現。

絵本『ふきのとう』。半透明の紙を使った切り絵で表現。

そして私はすぐに次回作をつくろうと考えた。
ふきのとうとともに、北海道の広範囲に生息するイタドリを取り上げたいと思った。
 
物語の骨子は、すぐに浮かんだ。
私の周りで見かけるイタドリは、オオイタドリという種類で、
ぐんぐん伸びて、あっという間に2メートルほどになる植物だ。
空き地や土手に群生し、畑ではジャマ者扱いをされることも。
調べてみると国際自然保護連合(IUCN)が発表した
「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されていて、
欧米ではイタドリが生えていると地価を左右するという事例もあるようだ。

我が家のまわりに生えているオオイタドリ。

我が家のまわりに生えているオオイタドリ。

その一方で、イタドリは日本に古くから生息していて、さまざまに活用されてきた。
「痛みをとる」が語源となっているそうで、その葉には止血作用があり、
また根などは生薬として利用されることも。
 
春には若芽を炒めて食べたり、ジャムにしたり。
またイタドリという名以外に、
スカンポ、イタンポ、ドングイ、スッポン、ゴンパチなど、地方によって呼び名も多彩。
なにより、青々と茂っていく姿は生命力に満ちていて、
荒地を再生しようと頑張っているかのように私には見えるのだ。

「ジャマ者って思われているけれど、案外いいやつなんじゃないか……」
 
そんな想いを物語として展開してみた。
絵本の判型は縦長。
黒い紙を切って貼りつけた切り絵の技法で、長く伸びていくイタドリを表した。

絵本の試作。

絵本の試作。

大人も子どもも泥だらけ!
地域のみんなを巻き込んで、
新しい田んぼで田植え!

里山の「耕作放棄地」に
賑わいがもどるまで

田植えの季節がやってきました。
津留崎家が伊豆下田に移住して5年目の田植えです。
今年は田んぼの引っ越しを経て、
しばらく耕作放棄地だった田んぼでの米づくりとなります。
多くの人たちを巻き込んでの手作業での田植え、
地域の人はどんな反応だったのでしょうか?
そんな「田んぼ」の役割や持続可能性についても考えました。

小豆島をSUPの島へ。
内海湾に集合した
約80艇のSUPボード

オリーブビーチで開催されたSUPイベント

最高に天気のいい初夏の日曜日、
小豆島で『内海湾をSUPでいっぱいに』というイベントが開催されました。
 
内海湾(うちのみわん)は、小豆島の南東にある、
ふたつの半島に囲まれたとても穏やかな湾です。
ぐるりと陸で囲まれているので、風がない日は水面が鏡みたいで、静かな湖のよう。
この湾のなかに「オリーブビーチ」という海水浴場があり、
穏やかな海と白い砂浜が人気で、夏になるとたくさんの人たちで賑わっています。
今回のイベントはそのオリーブビーチで行われました。

上空から見るオリーブビーチ。(写真提供:cubic_tt)

上空から見るオリーブビーチ。(写真提供:cubic_tt)

観光スポット「オリーブ公園」のすぐそばにあるオリーブビーチは、アクセスしやすく人気の海水浴場。

観光スポット「オリーブ公園」のすぐそばにあるオリーブビーチは、アクセスしやすく人気の海水浴場。

SUP(サップ)というのは、
「Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)」の略で、
ボードの上に立ってパドルを漕いで、海・川・湖などの水面を進んでいく
アウトドアアクティビティ。
スーイスーイと海の上を進んでいけるのがとても気持ちいい、
子どもも大人も気軽に楽しめる遊びです。
 
今回イベントを企画したのは、小豆島の小部オートキャンプ場を拠点に活動する
〈シマアソビ〉の大川大地くん。
小豆島出身の大地くんは2014年に島にUターンし、
キャンプ場の運営、SUPインストラクターとしての活動などをしています。

今回のイベントの企画者、大川大地くん。写真中央でSUPレースを中継しています。

今回のイベントの企画者、大川大地くん。写真中央でSUPレースを中継しています。

今回のイベントのためにつくられたチームユニフォーム。(写真提供:大川大地)

今回のイベントのためにつくられたチームユニフォーム。(写真提供:大川大地)

小豆島をSUPの島にしたい!
それを実現するための第一歩として、島中のSUPボードを集めて、
島中のSUP好きの人を集めて、もちろん島の外からも人を呼んで、
内海湾をSUPで埋め尽くそうというのが今回の企画。

島のあちこちから運び込まれたSUPボードがオリーブビーチに並びます。

島のあちこちから運び込まれたSUPボードがオリーブビーチに並びます。

当日の朝、オリーブビーチには80艇ほどのボードがずらり。
今、小豆島にあるレンタルボード、個人が所有しているマイボード
すべてが集まったんじゃないかなと(笑)。
ライフジャケットを着て、乗り方や漕ぎ方のレクチャーを受けて、いざ海へ!
みんなで一斉に漕ぎ出しました。

浜から一斉に海へ。ボードに乗ってパドルを漕いで。(写真提供:cubic_tt)

浜から一斉に海へ。ボードに乗ってパドルを漕いで。(写真提供:cubic_tt)

海の上で1列になって撮影。1列になるのはほんと大変でした(笑)。(写真提供:cubic_tt)

海の上で1列になって撮影。1列になるのはほんと大変でした(笑)。(写真提供:cubic_tt)

80艇ほどのボードが集まった内海湾のその光景は、
すでに小豆島はSUPの島だ! と思わせてくれるものでした。
純粋にみんな小豆島の海を楽しんでいる感じがとてもよかった。
あ、もちろん私もそのなかのひとりとして海に浮いています!
5月の海水は少しひんやりしていましたが、この日は最高気温30度ほど。
最高のSUP日和でしたね。

オリーブビーチにある海の家からの眺め。海からの風が気持ちいい。

オリーブビーチにある海の家からの眺め。海からの風が気持ちいい。

海の家で食べられるアイランドバーガー。海で遊んで大迫力のバーガーを食べるのは最高です!

海の家で食べられるアイランドバーガー。海で遊んで大迫力のバーガーを食べるのは最高です!

植物のエネルギーをお茶に込めて。
旧美流渡中学校で始まった
『魔女のお茶会』

撮影:佐々木育弥

校舎の花壇でハーブを育て、季節にあったお茶を楽しむ

昨年から旧美流渡(みると)中学校の校舎を生かして、
さまざまな取り組みをスタートさせた。
春には『みる・とーぶ展』『みんなとMAYA MAXX展』を行い、
4月から10月まで月1回ペースで開催する連続ワークショップも立ち上げた。
 
アフリカ太鼓や日本舞踊など、地域の仲間が講師となった教室がいくつかあり、
今回はそのなかで、万字(まんじ)地区で〈麻の実堂〉という名で
ハーブティーブレンドの販売を手がける
笠原麻実さんが開いているワークショップについて書いてみたい。
 
タイトルは『魔女のお茶会』。
校舎の花壇でハーブを育て、毎回季節に応じたハーブティーを飲むというもの。

笠原麻実さん。校舎のある美流渡地区から山間へと車を走らせると万字地区があり、ここで夫の将広さんと息子さんと暮らしている。(撮影:佐々木育弥)

笠原麻実さん。校舎のある美流渡地区から山間へと車を走らせると万字地区があり、ここで夫の将広さんと息子さんと暮らしている。(撮影:佐々木育弥)

「“魔女”は特別なものではなくて、身近なお母さんのようなそんな存在です」
 
お茶会に“魔女”とつけた麻実さんは、そう語る。
魔女の歴史を紐解けば、自然界にあるものを生かして
病気や怪我の治療にあたっていた存在だ。
 
それは子どもが風邪を引いたら梅干し番茶を入れたり、
怪我をすれば傷口に手を当てたり。
親が子どもに行ってきたケアに近い感覚といえるのかもしれない。
さまざまな効能のあるハーブを暮らしに取り入れて、
日々健やかに生きていく力にできればと麻実さんは考えている。

2回目のワークショップ。校舎の花壇にスペアミントを植える。「この環境で無理なく育つ、生命力の強いハーブを選んでいます」。

2回目のワークショップ。校舎の花壇にスペアミントを植える。「この環境で無理なく育つ、生命力の強いハーブを選んでいます」。

ワークショップは全7回。これまで2回が開催された。
朝晩の気温が低くてもすくすく育つ、スペアミントやタイム、
ミツバやアサツキなどの苗を麻実さんは用意。
参加者と一緒に花壇に植えていった。
 
1時間ほど汗をかいたら、そのあとにお茶会。
2回目となった5月14日は「Green witch’s tea time」と題し、
できたてホヤホヤのホーステイル&バンブーのブレンドティーが振る舞われた。

ホーステイルとバンブーをブレンドしたお茶。

ホーステイルとバンブーをブレンドしたお茶。

移住の選択肢が広がる! 茨城県古河市にコミュニティ型コワーキングスペース〈& FREAK.〉誕生

茨城県古河市にあるソーシャルストア〈“The Camp”FREAK'S STORE〉の2階に、
新しくコミュニティ型コワーキングスペース
〈& FREAK.(アンドフリーク)〉が2022年4月15日にオープンしました。

広大な敷地を持つThe Camp FREAK'S STOREの外観。

広大な敷地を持つThe Camp FREAK'S STOREの外観。

話題の複合施設を手がけているのは、
人気ファッション&ライフスタイルブランド〈フリークス ストア〉。
The Camp FREAK'S STOREは、フリークス ストアの本店でもあります。

ショップの2階エリアに、新しくコワーキングスペースが誕生しました。

コンセプトは、「夢中になれる人生をシェアしよう」。
ビジネスや趣味の拠点としてだけでなく、
スタジオやイベントスペースでのアクティビティを通じて、
好きなことを磨いたり、新たな仲間とつながることを目指しているそうです。

〈“The Camp”FREAK'S STORE〉がある茨城県古河市は池袋や新宿まで湘南新宿ラインで1本。移住や2拠点生活を考えている方はぜひチェックを。

茨城県古河市は、池袋や新宿、渋谷まで湘南新宿ラインで1本。
移住や2拠点生活を前向きに考えている方は、特にチェックしてみてくださいね。

それでは、魅力的な施設の詳細をご紹介していきます。

1日単位でも使える! コワーキングスペース

〈“The Camp”FREAK’S STORE〉の2階に、 新しくできたコミュニティ型コワーキングスペース。

まずご紹介するのは、フリーデスクのワークスペースとラウンジがある「コワーキングスペース」。
約35名が入れる開放感あるスペースになっています。

コミュニティ型コワーキングスペースは、約35名が入れる開放感あるスペースになっている。

1日利用で一律990円、月額利用でも一律16500円。
1日1時間から利用可能なので、
働き方に合わせてフレキシブルに活用することができます。

さらに、コワーキングスペースの利用者には、通話時専用の部屋を2部屋用意。
リモート会議などは、安心してこちらでどうぞ。

周りの音が気にならない、テレワークボックス

周りの音が気にならない、テレワークボックス

さらにスペース内のベンチソファでは、
休憩したり、ゆるっと作業時に活用したり、気分転換におすすめです。

スペース内のベンチソファでは、休憩したり、ゆるっと作業時に活用したり、気分転換におすすめ。

自給自足を始める5つのメソッド!
スーパー、エネルギーに頼らない
暮らしに必要なこととは

自分たちの食の一切をスーパーやコンビニに頼らずに
暮らしていくことはできるのでしょうか。
自らの手で住まいをつくり、電力を供給し
何ものにも頼らずに暮らす完全な「自給自足」の生活は難しいかもしれませんが、
衣食住を自分たちでまかなっていく暮らしに憧れて
少しずつでも自給自足の生活を実践している人がいます。

コロカルの連載「糸島での自給自足の日々を綴った ―田舎暮らし参考書―」
執筆している畠山千春さんもそのひとりです。

お米をつくることからはじまり、洗剤やエネルギー、食肉の自給まで、
〈いとしまシェアハウス〉の自給自足のメソッドをご紹介します。

自給自足のメソッド:01 
手軽に始められる洗剤ナシ生活

福岡県糸島で食べ物、エネルギー、仕事を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉を運営している畠山さんは、
上下水道が通っていない集落で、湧き水暮らしを実践しています。
自分たちが出した生活排水がそのまま畑や田んぼに流れ込むため、
化学的な洗剤などが使えない環境にあります。

日々当たり前のように食器洗剤を使っている人にとっては
想像がつかないかもしれませんが、畠山さんが実践する方法は

・汚れが落ちて
・お肌にやさしく
・環境にもよく
・さらに経済的!
・我慢しなくてOK!

な取り組みばかり。

食器洗いに使っているのは「米ぬか」と「ヘチマタワシ」。
油でギトギトになったお皿でも水で洗わず、そのまま米ぬかを振りかけます。
これまで数年間、米ぬかで食器洗いをしているそうですが
落ちなかった油汚れはほとんどないとのこと。
また、脱臭や手荒れ対策になり、
米ぬかにはビタミンEやフェルラ酸なども含まれているため保湿効果もあるそうです。

もうひとつの食器洗いの自給自足メソッドがヘチマタワシ。
ヘチマの繊維からつくられた100%天然素材のタワシで
プラスチックフリーなうえ、泡立ちもよく、使っていて気持ちがいいとのこと。
そのうえ、使い終わったら庭にポーンと放り投げておいても
自然に分解されるところが気に入っているそうです。

そのほかにも、洗剤を使わない衣類の洗濯方法についても教えてくれました。

記事はこちら:手軽に始められる“洗剤なし”生活! 食器洗い、洗濯、どんな方法があるの?

師から弟子へ。
次世代が継承する「まちの踊り」


今月のテーマ 「次世代の活動」

まちの文化や伝統を守る活動は全国で行われていますが、
今回は伝統の担い手である次の世代に注目。

「踊り」をキーワードに小学生や高校生の活動を
岩手に住むみなさんに紹介してもらいました。

まちのお祭りはもちろん、
海外遠征まで行う彼らの活動の様子をぜひご覧あれ。

【岩手県花巻市】
ユネスコ無形文化遺産を守る高校生たちの活動

岩手県花巻市大迫町(おおはさままち)には、
約500年以上前から伝承されてきた
〈早池峰神楽(はやちねかぐら)〉という神楽があります。

昭和51年には、国の重要無形民俗文化財に指定され、
平成21年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

その人気は世界中にファンがいるほどで、
毎年7月31日※に早池峰神社で行われる「早池峰神社例大祭宵宮」では
全国から数百名が神楽を観に集まり、熱狂に包まれるアツい夜となります。
※コロナの影響で2年間開催中止。

その神楽の伝承や学びの意味も込め、
県立大迫高等学校には平成28年1月より神楽の班(部活)が設立され、
今年5月の時点で1年生から3年生までの10名が所属。
月曜日から金曜日まで、週5日で練習に励んでいます。

周囲のまちの中学生のなかには、神楽班に入りたいからと
大迫高等学校を選んで入学するほどの人気ぶりだそうです。
伝統芸能の可能性を感じるとともに、
魅了される若者たちの熱い気持ちが伝わってきます。

大迫高等学校神楽班の学生

神楽を舞う様子

近年では、令和3年度の〈岩手県高等学校総合文化祭郷土芸能発表会〉で
「優良賞」を受賞するなど、精力的に活動しています。
地域のなかで声がかかれば、イベントごとに出て舞うことも。
今後の活動も楽しみな高校生たちです。

information

一般社団法人花巻観光協会

Web:一般社団法人花巻観光協会

岩手県立大迫高等学校

Web:岩手県立大迫高等学校

photo & text

鈴木寛太 すずき・かんた

1991年東京都出身。2011年に発生した東日本大震災以降、大学のボランティアプログラムで、繰り返し岩手県を訪れるようになる。一度は就職するも、2015年8月、地域おこし協力隊として花巻市に移住。大迫(おおはさま)地区で、減少が続くぶどう農家の支援やイベントの企画・調整を行っており、2018年5月にぶどう農家となる。2021年4月から独立して、本格的にぶどうを生業として活動している。

3年ぶりの開催! 東北“発”の合同展示会 〈entwine〉

蔦のように “en”が絡まる

2022年6月16日(木)~18日(土)、
東北“発”の合同展示会〈entwine(エントワイン)〉が、
3年ぶりに開催されます。
場所は岩手県・盛岡市。東北を拠点に活動するブランド・ショップを中心に、
衣・食・住にまつわる27社が全国から出展します。

会場となるのは、盛岡市内に現存する洋館の中で
最も古いとされる〈旧石井県令邸〉。
市の歴史的建造物にも指定されている煉瓦造りの3階建ての建物で、
明治18年~19年(1885~1886)に、
県令(当時の県の長官)・石井省一郎の私邸として建設されたと伝わります。

盛岡市の〈旧石井県令邸〉。赤い屋根と蔦の葉に覆われた外壁が印象的な建物です。現在は貸しギャラリーとして、展示や撮影などに利用されています。

盛岡市の〈旧石井県令邸〉。赤い屋根と蔦の葉に覆われた外壁が印象的な建物です。現在は貸しギャラリーとして、展示や撮影などに利用されています。

主催者のひとりで、盛岡市内で
家具や雑貨を販売・開発する〈Holz(ホルツ)〉の平山貴士さんに聞くと、
「絡む/絡まる」という意味ももつ〈entwine〉は、
この建物からもインスピレーションを受けたものだそう。

「建物に絡む蔦の葉ように、展示会を通じて人が絡まり、
新しい縁が生まれてほしい」という思いも込められています。

出展者でもある〈Holz〉は、オリジナルでデザインした〈kasane kop/カサネコップ〉を展示・販売します。喫茶店や食堂で一度は手にとったことがあるカタチをイメージし、岩手県の木地師・〈horimoku〉の堀秀慈郎さんと木で制作したシリーズです。

出展者でもある〈Holz〉は、オリジナルでデザインした〈kasane kop/カサネコップ〉を展示・販売します。喫茶店や食堂で一度は手にとったことがあるカタチをイメージし、岩手県の木地師・〈horimoku〉の堀秀慈郎さんと木で制作したシリーズです。

〈entwine〉の初開催は2015年。福岡など、
首都圏以外の場所でも展示会がスタートした時期で、
企画した意図には、東北のつくり手を紹介することはもちろん、
「entwineをきっかけに盛岡に足を運んでもらい、
まちを楽しんでもらいたい」という思いもあったと言います。

3年ぶりに開催となる今年の出展者は、
半分以上が東北を拠点とし、昨年立ち上がったブランドもあるなど、
はじめて参加するメンバーも複数。

〈EFRICA〉は、2021年に誕生した岩手発のアウトドアブランド。奥州市の南部鉄器工房〈及富〉と鉄玉、大迫町の〈早池峰自然科学興業〉とスパイスを開発するなど、岩手の伝統を取り入れた製品も生み出しています。

〈EFRICA〉は、2021年に誕生した岩手発のアウトドアブランド。奥州市の南部鉄器工房〈及富〉と鉄玉、大迫町の〈早池峰自然科学興業〉とスパイスを開発するなど、岩手の伝統を取り入れた製品も生み出しています。

山形からは、日本で13番目に古い酒蔵〈小嶋総本店〉が新たに開発した〈米糀のあまさけ〉が登場。2021年に販売をスタートした砂糖、保存料、着色料、香料不使用のスムージーです。(以前コロカルで紹介した記事はこちら)

山形からは、日本で13番目に古い酒蔵〈小嶋総本店〉が新たに開発した〈米糀のあまさけ〉が登場。2021年に販売をスタートした砂糖、保存料、着色料、香料不使用のスムージーです。(以前コロカルで紹介した記事はこちら

異国情緒あふれる庭と、
宇宙船のようなドームハウス

すべてはトレーラーハウスから始まった

南国のヴィラか? はたまたアメリカ西海岸の邸宅か?
今いる場所を錯覚してしまうようなBESSの家があった。
しかしここは、紛れもなく埼玉県久喜市である。
通りから奥まった場所にあり、エントランスを抜けていくと、
大きなドーム状の家〈BESS DOME〉が現れる。

扉は友人につくってもらったという。

扉は友人につくってもらったという。

住んでいるのは、宮澤さん一家。
そもそもこの土地を購入したのは10年ほど前。
当時、敷地は荒れていて、古い家屋が2軒建っていたという。
宮澤雅教さんは、まず敷地にアメリカから直輸入したトレーラーハウスを導入した。
新しく家を建てるつもりだったので、そのトレーラーハウスに住みながら、
既存の家を解体し、荒地を整備していった。
とはいえ宮澤さん一家は6人家族。さまざまな工夫をしながら暮らしていたようだ。

「庭に小さな池が見えるでしょう? あそこは当時お風呂でした。
ホースでお湯を張ってね。トレーラーハウスにはシャワーしかないから」

〈SPARTAN〉のトレーラーハウスは今も健在。

〈SPARTAN〉のトレーラーハウスは今も健在。

現在、トレーラーハウスは雅教さんの趣味部屋になっている。

現在、トレーラーハウスは雅教さんの趣味部屋になっている。

思いのほかワイルドライフだったようだが、雅教さんはそれを楽しそうに話す。
どんな環境でも楽しくやっていける豪胆さがある。

ひとりでコツコツと整備している期間に、小屋キットであるBESS〈IMAGO〉を導入し、
基本的には、雅教さんひとりでセルフビルド。
これを完成させたことによって、「四角い家ならば自分でもつくれそう」と感じたという。
これがのちのドーム購入にもつながっていく。

BESSの小屋キット〈IMAGO〉をセルフビルド。現在は雅教さんの仕事部屋になっている。

BESSの小屋キット〈IMAGO〉をセルフビルド。現在は雅教さんの仕事部屋になっている。

子どもの頃から、雑誌で見てドームの家に憧れていたという雅教さん。

「家を建てようと考えていたときは、どんな家にしようかと、
夫婦で紙に描いたりして話合っていました。
ただ僕の心の片隅には、常にドームがありました。
妻はきっとNGだろうなと思っていたんですよね。
でも一度見てもらおうと、
代官山にあるBESSのLOGWAY(ログウェイ・展示場)に行ったんです。
代官山だからランチでもしつつ1杯飲んで、なんて誘ってね」

ドームなので天井が高く、とても広く感じる。

ドームなので天井が高く、とても広く感じる。

初めてドームを見せられた妻・愛季さんは
「衝撃的でした。でもほしいと思った」と当時の感想を話す。

「私は、〈スターウォーズ〉が好きなんです。その世界観とつながりました。
パンフレットにも『有限の中の無限大。』というキャッチフレーズがあったり、
当時は『エイリアンズ』というニックネームもあって気に入りました。
もちろん使いにくい部分はあるかもしれないと思い、ほかの家も見ましたが、
それでもドームがいいと思ってしまったんですよね」(愛季さん)

右奥は愛季さんのスターウォーズ棚。工事中にひらめいてその場でお願いしたそう。

右奥は愛季さんのスターウォーズ棚。工事中にひらめいてその場でお願いしたそう。

雅教さんも「真上からドローンなどで撮った写真を見ると、
本当に宇宙船みたいに見えるんですよ。ビンテージのハンドルを買ってあるので、
プール前のウッドデッキ先端につけようと思っています。
何かあったら家ごと飛び出せる」と笑う。

「自分にできない」は思い込み?
DIYで棚をつくって気づいたこと

DIYは、“自由への第一歩”である

観光客で賑わうゴールデンウィークの下田市で
津留崎徹花さんが行っていたのは、DIYでの衣類収納づくり。
そんなに大きいものはつくったことがないし、
つくれるわけがないと思い込んでいた徹花さん。
しかし、考え直します。
“やったことがないからできない”と決めつけるのはどうなのか?
そうして衣類収納をつくってみることにしたようです。

夏野菜第1弾、ズッキーニ!
炒めものからお味噌汁まで、
レシピいろいろの万能野菜

5月から採れ始める夏野菜、ズッキーニ!

爽やかな風が吹き抜ける5月の小豆島。
カラッと晴れた日は本当に気持ちよく、絶好の畑日和です。

そんな5月上旬に採れ始める野菜があります。
それは、ズッキーニ!!
一番はじめに収穫できる夏野菜です。

ズッキーニの畑。5月の畑仕事は気持ちがいいです。日によってすでに暑くて汗ばみますが。

ズッキーニの畑。5月の畑仕事は気持ちがいいです。日によってすでに暑くて汗ばみますが。

うちでよく育てているのは緑の縦縞のズッキーニ。いろいろな品種があって、深緑色や黄色のズッキーニもあります。

うちでよく育てているのは緑の縦縞のズッキーニ。いろいろな品種があって、深緑色や黄色のズッキーニもあります。

最近はスーパーでもよく見かけるズッキーニですが、
どうやって食べたらおいしいのか、ちょっと悩みますよね。
でもこのズッキーニ、炒めものからお味噌汁まで幅広く使える万能野菜だったりします。

おいしい食べ方を紹介する前に、
そもそもズッキーニがどんな野菜なのかをお伝えしたく!

ズッキーニはウリ科の野菜です。
カボチャやスイカ、キュウリなどの仲間で、ゴワゴワした緑の葉っぱと黄色い花が特徴。
ウリ科は夏が旬で、これからの季節はウリ科の野菜の収穫がどんどん増えていくのですが、
〈HOMEMAKERS(ホームメイカーズ)〉ではズッキーニが
夏野菜の第1弾として登場します。
あー、夏が始まるなーと気づかせてくれる野菜です。

夏の畑ではだいたいこのウリ科の黄色の花が咲いていて、ゴワゴワの大きな緑の葉っぱが広がります。

夏の畑ではだいたいこのウリ科の黄色の花が咲いていて、ゴワゴワの大きな緑の葉っぱが広がります。

ちなみにこのウリ科の野菜の黄色い花には、雌花と雄花があって、
ぱっと見た感じは同じに見えますが、よーく見ると花の中身も違いますし、
雄花の付け根は茎ですが、雌花の下には実が育っていきます。

この雄花の中の花粉を雌花の中の雌しべにつけてあげる(受粉させる)と
実がしっかりと大きく育っていきます。
ミツバチなど虫が花粉を運んでくれたり、
ときには雄花をちぎって人の手で雌花に受粉させることもあります。

雄花と雌花って中学生くらいに理科の授業で勉強したことが、
この歳になって生きてくるわけです……。
というか、ほとんど忘れているのでもう一回勉強し直していますが。

ズッキーニの雌花の中で花の蜜を集めるミツバチさん。しっかり花粉を運んでおくれ〜。

ズッキーニの雌花の中で花の蜜を集めるミツバチさん。しっかり花粉を運んでおくれ〜。

雌花つきのズッキーニ。花の中にチーズなどを詰め込んで衣をつけて揚げた「花ズッキーニのフリット」なんて料理もあります。

雌花つきのズッキーニ。花の中にチーズなどを詰め込んで衣をつけて揚げた「花ズッキーニのフリット」なんて料理もあります。

雨が続いたときなど自然に受粉しにくいときは、人の手で受粉させることもあります。

雨が続いたときなど自然に受粉しにくいときは、人の手で受粉させることもあります。

子どもが心から楽しいと思える
場所をつくりたい。
美流渡に生まれた「ぼうけん遊び場」

撮影:佐々木育弥

ゴールデンウイーク中、子どもを見ながらイベント運営できる?

4月23日から5月8日まで開催した『みる・とーぶ展』。
舞台となったのは3年前に閉校した、北海道・旧美流渡(みると)中学校。
普段は人影のないこの場所に、16日間で1950名もの人が訪れた。
来場者のなかで目立ったのは親子連れ。
会場で一日中過ごす人や、何度も遊びに来る人も多かった。

地域のつくり手の作品を発表した『みる・とーぶ展』。

地域のつくり手の作品を発表した『みる・とーぶ展』。

『みる・とーぶ展』は地域の作家の作品発表が中心となったイベントだが、
校舎の体育館と図書室で開催した「ミルトぼうけん遊び場」も人気のスポットとなった。
体育館には滑り台や跳び箱などを設置し、ボール遊びもできるようにし、
図書室にはビーズやボタン、工作できる道具などを置き、
ものづくりを楽しめる場にしつらえた。

体育館につくった「ミルトぼうけん遊び場」。

体育館につくった「ミルトぼうけん遊び場」。

この遊び場ができた経緯は、『みる・とーぶ展』に参加したメンバーの声だった。
 
「ゴールデンウィーク中は子どもが家にいるので、
つきっきりで売り場に立つのは難しいかもしれない」
 
子どもが3人いる、わが家も同じ状況。
イベントの主催団体の代表を務める私は、16日間出ずっぱりとなる。
さて、どうしたものかと考えていたところ、あるときパッとひらめいたことがあった。
 
校舎に子どもの遊び場をつくったらどうだろう?
 
そして次の瞬間、ある友人の顔が浮かんだ。
岩見沢市の農家で、プレーパークの活動を行っていた林睦子(はやし むつこ)さんだ。
プレーパークはまたの名を「冒険遊び場」といって、
子どもが主体となって遊ぶ場をつくる活動のこと。
日本では1970年代に東京・経堂で取り組みがスタートし、
現在では全国にこの取り組みが広がっている。
 
睦子さんは2015 年に「岩見沢プレーパーク研究会」を発足。
市内の公園や森林を借りて3年ほど定期的に活動を続けた経験がある。

林睦子さん。2011年に私は東京から岩見沢市へ移住し、ほどなくして睦子さんと知り合った。(撮影:佐々木育弥)

林睦子さん。2011年に私は東京から岩見沢市へ移住し、ほどなくして睦子さんと知り合った。(撮影:佐々木育弥)

さっそく、睦子さんに
「メンバーの子どもたちが遊べる場づくりに協力してもらえませんか?」
と声をかけたところ快諾!(やったー!!)
 
メンバーの子だけではなく、展覧会に来場した子どもたちも遊べる場所を
一緒につくってもらえることとなった。

「田んぼの引っ越し」に必要なことは?
5年目の米づくりは
あらたな地域で始める

田んぼの引っ越しで、
あらたな地域との関わりが始まる

下田移住の翌年から、田んぼを借りて米づくりをしてきた津留崎家。
今年から、新しい田んぼに引っ越したそうです。
その理由はなんだったのでしょうか?
いくつかの田んぼを見たことで、
地域ごとの違いも知ることになったようです。
今年の秋には、新しい田んぼでお米が実ります。

小豆島の重要有形民俗文化財
『肥土山の舞台』が新しい茅葺きに。
5月3日、農村歌舞伎を開催

小豆島に伝わる農村歌舞伎って?

5月3日、新緑が美しいこの日に毎年開催されてきた
小豆島の伝統行事『肥土山(ひとやま)農村歌舞伎』。
その歴史は300年以上、江戸時代から続いています。

2018年の肥土山農村歌舞伎。舞台前の桟敷にはたくさんのお客さんが歌舞伎を楽しみながらお弁当を食べたりビールを飲んだり。

2018年の肥土山農村歌舞伎。舞台前の桟敷にはたくさんのお客さんが歌舞伎を楽しみながらお弁当を食べたりビールを飲んだり。

そもそも農村歌舞伎ってなんでしょう?
江戸時代中期、小豆島の人たちの楽しみのひとつが歌舞伎を観ることでした。
今の私たちが映画やドラマ、音楽を楽しむのと同じですね。
 
当時、島の人たちは一生に一度、お伊勢参りをするのが夢で、
その道中、上方(今の大阪あたり)に立ち寄って、
歌舞伎などの芸能を観るのが楽しみだったそうです。
 
島に帰っても、その楽しかった歌舞伎のことが忘れられず、
上方の歌舞伎役者を島に呼んで歌舞伎を楽しんでいたそう。
現代でいうと、ミュージシャンを島に呼んで
ライブしてもらっているみたいですね(笑)。
 
そのうち観るだけじゃなくて、自分たちでも歌舞伎を演ずるようになりました。
毎回、遠方から歌舞伎役者を招くのは大変だったでしょうからね。
江戸時代の農村で暮らす人たちが演じた歌舞伎、
それが『農村歌舞伎』の始まりです。

歌舞伎を演ずるのは地元の人たち。化粧や衣装、舞台の準備などもすべて地元の人たちの手でつくりあげます。

歌舞伎を演ずるのは地元の人たち。化粧や衣装、舞台の準備などもすべて地元の人たちの手でつくりあげます。

その当時、肥土山集落では、農業用の水不足を解消するために、
集落から3キロメートル離れた山の上に大きなため池の工事を行っていました。
それはそれは大変な工事だったと思います。
 
工事開始から3年、1686年に「蛙子池(かえるごいけ)」として完成し、
その水が〈肥土山離宮八幡神社〉の横に流れてきたのを喜び、
境内に仮小屋を建てて盛大に歌舞伎を開催したそう。
その後、毎年開催されるようになったのが、現在も続く『肥土山農村歌舞伎』です。

〈肥土山離宮八幡神社〉の境内に歌舞伎舞台があります。

〈肥土山離宮八幡神社〉の境内に歌舞伎舞台があります。

歌舞伎舞台の周囲は美しい田園。蛙子池の水を使っています。

歌舞伎舞台の周囲は美しい田園。蛙子池の水を使っています。

ちなみに最盛期の明治・大正時代には、小豆島全体で歌舞伎舞台が30以上、
役者が約600人もいたといわれています。
現在は、肥土山農村歌舞伎舞台と中山農村歌舞伎舞台のふたつが残るのみ。
そのふたつの舞台では、今も農村歌舞伎が毎年開催されています。
 
私たちは、その残っている舞台のひとつ、
肥土山農村歌舞伎舞台がある肥土山という集落で暮らしていて、農業をしています。
300年前とスタイルは大きく違えど、今も蛙子池から流れてきている水を使って
農業をしていて、私たちも農村歌舞伎の役者として参加したり、
裏方仕事を手伝ったりしています。
歴史は続いているんだなぁ。

2019年、いろは(娘)が小学6年生の時、子ども歌舞伎の役者として(写真左)。

2019年、いろは(娘)が小学6年生の時、子ども歌舞伎の役者として(写真左)。

MAYA MAXXの新たな挑戦。
年に3回、美流渡の廃校舎で新作発表!

いつどんなときでも絵筆を取って

4月23日から旧美流渡(みると)中学校で『みんなとMAYA MAXX展』と
地域のつくり手の作品を集めた『みる・とーぶ展』が開催となった。
主催するのは私が代表を務める〈みる・とーぶプロジェクト〉。
地域の仲間と一緒につくりあげていった展覧会だ。
 
前回の連載では『みる・とーぶ展』ができるまでをレポートした。
今回は、2020年夏に東京から美流渡地区へ移住した、
画家・MAYA MAXXさんによる『みんなとMAYA MAXX展』について書いてみたい。

『Deer in the Forest 1~3』2021年 北海道に移住して、たびたび目にすることになった鹿が描かれた。

『Deer in the Forest 1~3』2021年 北海道に移住して、たびたび目にすることになった鹿が描かれた。

メインとなる会場は校舎3階の3教室。
閉校前、ここは山あいの小規模な学校で1学年1クラス編成。
それぞれの学年が教室として使っていた場所に絵を展示した。
 
階段を登るとすぐに見える1室目には、昨年1月に札幌で発表された
鹿の連作『Deer in the Forest』が展示された。
奥深い森の中に佇む鹿たちは、
首から上だけが画面に浮遊するかのように描かれている。
いずれもじっとこちらを向いているが、その焦点は定まっておらず、
ただならぬ気配がある。

『Deer in the Forest 4~6』 2021年

『Deer in the Forest 4~6』 2021年

この作品が描かれたのは昨年の11月。
MAYAさんは、美流渡にある商店のシャッターに絵を描こうとして
足場台から落下し、右肩を骨折した
そのため肩から肘にかけては固定されていて、かろうじて右手首が動く状態だった。
 
「調子のいいときだけじゃなくて、すごく悲しいときや
体調が悪いときにも絵を描いています。
そのときにしか描けない絵があるから、どんなときでも描くんです」

骨折していた時期のMAYAさん。ジャケットの下はバストバンドでしっかりと手が固定されている。

骨折していた時期のMAYAさん。ジャケットの下はバストバンドでしっかりと手が固定されている。

不自由ななかでMAYAさんは絵筆を取った。
以前に描き、発表することなくアトリエに置いてあった
240×120センチメートルの風景を描いたパネル作品の上に鹿を描くことにした。
腕を振り上げることは難しいため、パネルを床に敷いて、
自分の体を移動させることによって少しずつ形を描いていったという。

『Deer in the Forest 4』の部分

『Deer in the Forest 4』の部分

「自分が怪我をしたり、熱があったり、
とても疲れていたりという状態にあるときには、
その“たいへんである”というフィルターを外すと、
案外動くことができるんですね」
 
MAYAさんによると、骨折という状態が引き金になって、
あらゆることがうまくいっていないように感じることがあるが、
実は手が動かないという部分的な問題があるだけ。
訓練をすることによって、“たいへんである”という気持ちを
脇に置いておけるようになるのだという。

初日のギャラリートーク。山あいの過疎地が活気に包まれた。

初日のギャラリートーク。山あいの過疎地が活気に包まれた。

下田の海まで徒歩数秒!
世界を飛び回るDJが始めた
ピザ店〈FermenCo.〉

下田のピザ店〈FermenCo.〉
がおいしい!

下田にオープンして話題のピザ店〈FermenCo.〉に行ってみた徹花さん。
一度食べてみて、その味に病みつきになったようです。
店主夫妻に話を聞いてみると、
なかなかおもしろい経歴を辿った移住者でした。
ふたりからは軽やかで、人生を楽しんでいる様を感じたようです。

東京の森と暮らしをつなげていく。
〈東京チェンソーズ〉が目指す
小さくて強い林業が切り拓く未来

「林業」と聞くと、木を切って市場に流通させるハードワークなイメージがある。
逆に言えば、それ以上のことは何も知らないというのが一般的な感覚ではないだろうか?
〈東京チェンソーズ〉が生業としているのは、
東京の森に木を植え、育てて伐採したものを生かし、まちに届けること。
異業種から林業に飛び込んだ、4人の熱き“林業マン”たちから始まった
〈東京チェンソーズ〉は次世代に林業の可能性を届けること、
そして、林業をあらゆるかたちに事業展開し、
“小さくて強い、顔の見える林業”の実現で、
東京の森と暮らしの共生を目指している。

〈東京チェンソーズ〉の創業は2006年。4人からスタートし現在は若手を中心に30数名の社員・スタッフがいる。

〈東京チェンソーズ〉の創業は2006年。4人からスタートし現在は若手を中心に30数名の社員・スタッフがいる。

何も知らないまま林業の世界に飛び込んだ

〈東京チェンソーズ〉のある檜原村(ひのはらむら)は、都心からクルマで西へ約90分。
東京都の島しょ地域以外で唯一の「村」でありながら、
3番目に広い面積を有している。村内の約9割が山林であり、
約6割が秩父多摩甲斐国立公園の指定地域という自然豊かなエリアだ。

葉つきの枝から根っこまでを部位ごとに販売する「1本まるごと販売」。
子どもたちに木の心地良さを伝えるためのワークショップ「森デリバリー」。
「ウッドデザイン賞」を受賞した、
木製の雑貨やおもちゃをカプセルに封じた「山男のガチャ」など、
〈東京チェンソーズ〉は林業界でイノベーティブな活動を次々と展開している。

しかし、同社の主軸となる「林業」となると、
木を伐って市場で売ること以外はわからない、想像がつかない世界でもある。
そこで今回は、創業メンバーのひとりである
コミュニケーション事業部の木田正人さんに、各種取り組みについてお話を聞いた。

「私も林業のことはまったく知らなかったんです。
近年は担い手が少なく、山が荒れたことで
土砂災害が増えているというニュースを耳にしていたくらい。
自分がやるとは思ってもいませんでした。
そもそも転職してなるような職業だと思っていませんでしたから(笑)」

木田さんは田舎町をあてもなくドライブすることが趣味だったという。
その際、過疎の村や放置された自然の風景も目にしていた。
林業に興味を持ったきっかけは、山の仕事が特集された雑誌を読んだこと。
現代の木こりには転職組もいることを知り、さらに調べるようになった。

木田さんは〈東京チェンソーズ〉創業メンバーであり最年長。半分以上が20、30代の若手メンバーだ。

木田さんは〈東京チェンソーズ〉創業メンバーであり最年長。半分以上が20、30代の若手メンバーだ。

「林業には、木を切ったりする作業面と、自然の状態を整える環境面のふたつがあるんです。
私は環境面に興味を持ったタイプですね。
旅するなかで見た美しい景色を守るため、
自分も何か役に立つかもしれないと思ったわけです」

そこで見つけたのが東京都森林組合の募集だった。
森林組合は、山の所有者が組合員となって共同で山を管理・整備する組織。
組合員(所有者)のほかに作業を担当する者がいる。
当時の森林組合の仕事は、木がまだ大きく育ってないこともあり、
間伐や枝打ちなど育林と呼ばれる作業がほとんどだった。

「実際にやってみると、林業ってすごく楽しい仕事なんです。
間伐するとこれまで手つかずだった山がパッと明るくなって、
風が通ってすごく気持ちいい環境になるんです」

そのまま長く続けたいと思っていたが、
森林組合の稼ぎは決していいといえるものではなかった。

「結婚して子どもができるとなると、なかなか厳しいものがあるのが実情です。
そのことは森林組合の方々もわかっているわけですが、
年金を受給しながら働いている方なども多いなか、
若手の給料だけを上げるわけにもいかない。
そんななか、今後は作業の外注化も増やしていくことを聞き、
日本の森に対する考え方が近いメンバー4人で独立しようとなったんです」

独立して8年。初めて持った自分たちの山でまず行なったのが作業道づくり。

独立して8年。初めて持った自分たちの山でまず行なったのが作業道づくり。