〈山水郷チャンネル〉の展示が開催中! うなぎの寝床・真鶴出版・ドット道東の 3者から多様なコンヴィヴィアリティを学ぼう

ローカルの本質的な活動を取り上げる〈山水郷チャンネル〉

東京・丸の内のギャラリー〈GOOD DESIGN Marunouchi〉が手がける、
オンライントーク番組〈山水郷チャンネル〉

名前の「山水郷」という言葉は、
山水の恵み豊かな地域と、人と人がつながり生まれる郷(さと)を意味する、
〈日本総合研究所〉シニアスペシャリストでこの展示のディレクターでもある
井上岳一さんがつくった造語です。

この番組が始まったのは2020年。
日本各地の山水郷で、その土地でしかできない活動をする、
粒揃いの個性豊かなクリエイターが軒を連ね、
本質的なローカル活動の断片を知ることができる内容となっています。

『山水郷のデザイン2 - 3つのコンヴィヴィアリティ』では〈うなぎの寝床〉、〈真鶴出版〉、〈ドット道東〉の三者がそれぞれの地域と活動を紹介した展示を実施。

現在、そんな同チャンネルのリアルイベントが
8月14日(日)まで、GOOD DESIGN Marunouchiで開催中。

『山水郷のデザイン2 - 3つのコンヴィヴィアリティ』と題したこの展覧会では、
〈うなぎの寝床〉、〈真鶴出版〉、〈ドット道東〉の3者が、
「共に生きる」という原義を持つコンヴィヴィアリティ*をテーマに
それぞれの地域と活動を紹介した展示を実施。

*原義は「共に生きる」だが、一般には宴会や陽気を意味する。思想家のイヴァン・イリイチ(1926-2002)が「関わりの中で育まれる個の自由や生き生きとした喜び」という意味で用い、コンヴィヴィアルな世界の回復こそが、産業化され過ぎた現代社会の桎梏から逃れるための鍵だと主張した。

地域特有の「野菜のおすそ分け」。
素材を生かした調理法も教えてくれる
ご近所づきあいとは?

シソ、ピーマン、明日葉、
らっきょうにふだん草!
野菜のおすそ分け文化

家の周辺に野菜を育てている人が多く、
散歩や回覧板を回しに行くと、
たくさんの野菜を「おすそ分け」していただけるという津留崎家。
それならばと、育てている本人におすすめの料理を聞くと、
意外な調理法もあるようです。
今回はそこで学んだレシピも紹介してくれます。

函館市〈大三坂ビルヂング〉前編。
地域のパン屋、デザイナー、不動産屋と
結成した〈箱バル不動産〉の活動。

富樫雅行建築設計事務所 vol.4

函館市で設計事務所を営みながら、建築施工や不動産賃貸、
ポップアップスペースの運営など、幅広い手法で地域に関わる
〈富樫雅行建築設計事務所〉の富樫雅行さんによる連載です。

今回お届けするのは、地域のパン屋、デザイナー、不動産屋とともに
〈箱バル不動産〉を立ち上げ、「函館移住計画」や古民家の再生などを通じて、
小さな複合施設づくりに挑んでいくお話。前後編にわたってお送りします。

仲間たちとの出会い

独立前、〈小澤武建築研究室〉に勤めていた頃に、
函館山の麓の大三坂にある陶芸ギャラリーを改修する仕事をしました。
そこで出会ったのが、パン屋〈tombolo(トンボロ)〉を営む
芋坂淳・香生里(うさか じゅん・かおり)夫婦。
芋坂さんはご両親が運営する陶芸ギャラリーをパン屋にリノベーションして開業するため、
東京からUターンしてきたところでした。

仕事をするうちに仲良くなり、独立後も〈トンボロ〉に立ち寄っては
「空き家がもったいない」だの「あの家が壊された」だの、
西部地区でなかなか古い建物の活用が進まない現状を嘆きながら、
「おもしろい不動産屋が地元にいたらいいよね〜」とか、
しまいには「自分たちでがんばって宅建を取るか!」とか話していました。

函館山の麓の大三坂沿いで、黄色の外壁が特徴的な〈トンボロ〉。大正15年築であり、函館市の伝統的建築物にも指定されている。

函館山の麓の大三坂沿いで、黄色の外壁が特徴的な〈トンボロ〉。大正15年築であり、函館市の伝統的建築物にも指定されている。

そんなある日、ある友人が
「常盤坂の家を見たいと言っている」と連れてきた、
最近Uターンしてきたという後輩が、不動産屋〈蒲生商事〉3代目になる
蒲生寛之(がもう ひろゆき)さんでした。

すぐに意気投合し、2015年6月に共通の友人である
札幌の〈FUZ design〉の永井準平(ながい じゅんぺい)くんと飲みに行き
「蒲生商事の記念事業で空き家ツアーをやりたい」
「それなら空き家に泊まってもらい、暮らしを体験してもらおう!」と盛り上がりました。

その晩、みんなで空き家を巡りながらあらためてその数の多さに驚き
「このような名もなき古き良き建物を、自分たちが残していきたい!」と
語り合いながら帰宅しました。

その熱も冷めぬまま次の日をむかえ、
〈トンボロ〉の芋坂夫婦にも協力を仰ぎに行くとまた盛り上がり、
「じゃあ、移住希望者を募って『函館移住計画』をやろう」
「どうせなら西部地区を体験できるハシゴ酒のイベント『バル街』に合わせてやろう!」
という話に。9月上旬に開催される「バル街」まであと2か月ほど。
時間もないなか、無謀な挑戦が始まりました。

第1回の函館移住計画のポスター。2015〜17年まで計3回の移住計画を〈箱バル不動産〉で主催した。

第1回の函館移住計画のポスター。2015〜17年まで計3回の移住計画を〈箱バル不動産〉で主催した。

函館山の麓に広がる旧市街地の西部地区。東側と西側、海側と山側でそれぞれまったく違った地域性があり、応募者の特性に合わせて家を選んだ。

函館山の麓に広がる旧市街地の西部地区。東側と西側、海側と山側でそれぞれまったく違った地域性があり、応募者の特性に合わせて家を選んだ。

昔ながらのイボイボ四葉キュウリを
おいしく食べるには?
選び方と、下ごしらえ方法

夏バテ予防に夏野菜を食べよう!

むむむ、蒸し暑い(涙)!
日本の夏はどうしてこうも蒸し暑いのか……。
高温と多湿がタブルでパンチしてきます。
夏バテしないように、とにかくちゃんと食べてちゃんと寝て、
健康管理をしっかりしないといけないですね。

しかし、こう蒸し暑いと食欲もなんとなく減退気味。
……なんですが、こんな時期だからこそ、
おいしい夏野菜をたくさん食べてほしいと思います。

夏野菜といえば、その存在だけで主役級のトマト、トウモロコシから始まり、
油料理と相性のいいナス、ピーマンなんかが人気かもしれませんが、
今回紹介したいのは、キュウリ!

みんな知っているキュウリ。
庶民の野菜って感じですよね。

夏にはたくさん採れすぎて食べきるのに困ったり、スーパーでも安く売られていたり
(ときどき価格が上がるとキュウリなのに高い! と思われたり)、
もう少し貴重な存在として認めてあげたい(笑)。
キュウリっておいしいんです。
まさに今みたいな蒸し暑い時期には主役になれるんです! 
ということをお伝えしたいなと。

キュウリは1日であっという間に大きくなってしまうので、収穫が始まったらほぼ毎日収穫。

キュウリは1日であっという間に大きくなってしまうので、収穫が始まったらほぼ毎日収穫。

四葉キュウリは長さ30センチくらいが食べ頃。ぱっと見、細いゴーヤかと思ってしまうイボイボぶり。

四葉キュウリは長さ30センチくらいが食べ頃。ぱっと見、細いゴーヤかと思ってしまうイボイボぶり。

〈HOMEMAKERS(ホームメイカーズ)〉の畑では、
「四葉キュウリ」を育てています。
「四葉」と書いて、「すうよう」と読みます。
中国から渡ってきた品種で、株に本葉が4枚ついた頃から実がなるので
この名がついたといわれています。

一般的なキュウリと比べると大きく、長さ30センチほどに成長します。
表面には白いイボイボがあって、シワもよっているので、
ゴーヤに見間違えられることがありますが、キュウリです。

この小さなトゲがポロポロと取れてしまうので、なるべく傷つかないように出荷作業では気をつけています。

この小さなトゲがポロポロと取れてしまうので、なるべく傷つかないように出荷作業では気をつけています。

このイボイボというかトゲトゲのある四葉キュウリ、
今ではスーパーなどではほとんど見かけなくなってしまいました。
昔はイボイボのキュウリが普通でしたが、年々品種改良が進み、
今ではイボなしつやつやキュウリが流通しているキュウリの主流です。
というのも、このイボはちょっと触っただけでポロポロと取れてしまい、
イボがとれたところから傷みやすく、収穫や出荷作業のときとても気を使います。
そんな理由で四葉キュウリはあまり流通しないようになってしまいました。

でも、なんで四葉キュウリを育てているのか?

おいしいから! 好きだから!

たくさん採れたときでも飽きずにおいしく食べられるように、いくつかレシピを知っておくといいんですよね。

たくさん採れたときでも飽きずにおいしく食べられるように、いくつかレシピを知っておくといいんですよね。

四葉キュウリは皮が薄くて歯切れがいいのが特徴。
ポリポリというかバリバリというか、表現が難しいのですが、
漬けものやたたきにすると、あー、この食感がいいって感じます。
それとキュウリの香りがしっかりします。

伊豆下田、移住者が教える
9つの海水浴場と海遊びスポット。
ライフスタイルで変わる海の楽しみ方

下田にある9つのビーチとは?

伊豆下田には、9つのビーチがあります。
そのそれぞれに個性があり、
下田住民も時と場合によって使い分けているという津留崎さん。
夏本番を迎え、地元に住んでいる目線で
それぞれのビーチの特徴を教えてくれました。
お気に入りのビーチを見つけてみてください。

〈種と旅と2022〉 “その土地の在来種や伝統食を味わう” 15日間の祝祭が7月21日よりスタート

〈種と旅と〉が今年も始まります!

〈種と旅と〉とは、日本中の農家、八百屋、レストラン、料理人と暮らすひとがつながり、
その土地の在来種や伝統食を味わう15日間の祝祭です。

従来型の1か所に集まるマーケットとは異なり、
“全国同時多発”スタイルが〈種と旅と〉の特徴。

種と農について考え、味わい、学び、どこまでもローカルに、
同時に全国でつながるイベントです。

その〈種と旅と2022〉が、7月21日(木)〜8月4日(木)までの期間で、
全国津々浦々で催されます。

写真:繁延あづさ 料理:原川慎一郎

写真:繁延あづさ 料理:原川慎一郎

2020年の冬、2021年の秋から3回目の開催となるこの夏は、
前回よりも50組以上参加が増え145組にパワーアップ!

まずは〈種と旅と〉のはじまりからご紹介します。 

発起人は、長崎県雲仙市の〈タネト〉と横浜市の〈青果ミコト屋〉

タネトは奥津爾さん典子さん夫妻が2019年から営むオーガニック直売所で、
プラスチックフリーを実践、地域の在来種野菜を軸に、
農薬・化学肥料不使用の野菜を扱っています。

タネトに並ぶのは9割以上が車で20分圏内の野菜。野菜の他に古本屋や食堂を併設し、焼き菓子や器も販売している。写真:栗田萌瑛

タネトに並ぶのは9割以上が車で20分圏内の野菜。野菜の他に古本屋や食堂を併設し、焼き菓子や器も販売している。写真:栗田萌瑛

2010年に開業した青果ミコト屋
現在、横浜市青葉区に、廃棄される野菜をつかった
アイス屋〈KIKI NATURAL ICECREAM〉を併設した実店舗を構えます。

日本中の田畑を巡る旅を通じて出合った、「本当においしい野菜」と
「背景にある農家の人柄やストーリー」が詰まった、
野菜セットを全国宅配している八百屋です。

昨年春にオープンした〈MICOTOYA HOUSE〉の前で、ミコト屋、KIKIスタッフ一同。

昨年春にオープンした〈MICOTOYA HOUSE〉の前で、ミコト屋、KIKIスタッフ一同。

九州と関東という距離はあるものの、
「その土地の食文化やルーツを守りたい」
「在来種を残していきたい」という互いの共通した思いの原点には、
あるひとりの農家さんの存在がありました。

「在来種には個性があり、
ひとつひとつ違うおいしさがあるということ。
そしてそれはぼくたち人間と一緒だということ。
岩崎さんが言った言葉、
『食べてくれる人をつくることが、種を守ることにつながるんです』と。
あぁ、やっぱりこれは僕たち八百屋の役目なんだとなぁと、
あの時身が引き締まったのです」(青果ミコト屋)

岩崎さんとは、雲仙市で在来種の野菜を育て種を採取している農家さん。

岩崎さんは約40年ほど前から有機農業に切り替え、
現在は約80種類の野菜を生産するなかで、
毎年50種類以上の野菜の種子を採っているといいます。

岩崎政利さんは1950年長崎県生まれ。諫早農業高校卒業後、農業に従事する。 写真:繁延あづさ

岩崎政利さんは1950年長崎県生まれ。諫早農業高校卒業後、農業に従事する。 写真:繁延あづさ

岩崎さんの畑で採取された種。写真:繁延あづさ

岩崎さんの畑で採取された種。 写真:繁延あづさ

九条太ねぎの種とり風景。写真:繁延あづさ

九条太ねぎの種とり風景。 写真:繁延あづさ

奥津さん一家が移住を決断したのも、
岩崎さんのつくる野菜が雲仙にあったから。

その土地の風土を理解し、
大切に育て上げられた希少な在来種の野菜に魅了されるひとは少なくなく、
雲仙市で〈BEARD〉を営んでいる
料理人の原川慎一郎さんも東京からこの地へ移り住んだひとりなのです。

BEARDの原川慎一郎さん。写真:繁延あづさ

BEARDの原川慎一郎さん。写真:繁延あづさ

「世界を見渡しても、岩崎さんのような農家さんはいないんじゃないか」

そう思わせるほど、岩崎さん自身が稀有な存在であり、
育てられた野菜は別格なのだそう。

種と旅との期間中、岩崎さんの野菜は一部の店舗のみの取り扱いにはなりますが、
北海道から沖縄まで105店のレストランで、
それぞれの地域で育った在来種や地元野菜を使った
創作料理や伝統料理が特別に提供されます。

また各地の料理人たちも腕をふるい、レシピも公開される予定。

「在来種ってどんな味わいだろう?」
「地域の郷土料理を食べてみたいな!」
そんなワクワクや期待が高まる、15日間となりそうです。

MAYA MAXXとつくり手の展覧会。
年3回の開催で、
メンバーはどこまで成長できる?

MAYA MAXXの新作。撮影=佐々木育弥

年3回の展覧会開催! ハードルを上げることで力を発揮

「がんばるなんて、当たり前なんだよ。がんばるから、生きていて楽しいんだよ」

ゴールデンウィークに旧美流渡(みると)中学校で開催した、
地域のつくり手の作品を集めた『みる・とーぶ展』と、
一昨年、この地に移住した画家・MAYA MAXXさんによる『みんなとMAYA MAXX展』
その反省会の席でMAYAさんは、みんなに語りかけた。

この日集まっていたのは、会場で木工や陶芸、ハーブティーブレンド、
キッチン雑貨などを販売したり、飲食ブースを出したり、
イベントを行ったりしたメンバーたち。
今年は、7月と9月にも同様の展覧会を計画中のため、反省会の場でも、
今後どうするのかについて熱のこもった話し合いが行われた。

年3回の展覧会となると、作品をどんどんつくり出さなければ間に合わない。
しかも、来場者を飽きさせないように、つねに何かしら
新しい視点を盛り込んでいかなければならない。

5月に開催した『みんなとMAYA MAXX展』。(写真提供:佐々木育弥)

5月に開催した『みんなとMAYA MAXX展』。(写真提供:佐々木育弥)

5月に開催した『みる・とーぶ展』。地域のつくり手の作品を集めた。

5月に開催した『みる・とーぶ展』。地域のつくり手の作品を集めた。

「来場者数とか全体の売り上げとか、そんな数字は一切関係なくて、
大切なのは自分が成長をすることだよ」

MAYAさんは、そう続けた。
年3回にしようと発案したのはMAYAさん。
ハードな状況をあえてつくり出すことによって、ここに関わるメンバーが、
いつも以上の力を発揮できたらと考えての決断だった。

5月に開催したMAYAさんのワークショップ「キミのコトバを描いてみようか」。参加者に描いてほしいものを聞き、それを描きながら対話を重ねた。

5月に開催したMAYAさんのワークショップ「キミのコトバを描いてみようか」。参加者に描いてほしいものを聞き、それを描きながら対話を重ねた。

5月の展覧会では2週間でおよそ2000人が訪れた。
みんなゆったりと会場を楽しんでくれたようで、
「山あいの地域で、自分なりのものづくりをやっている人たちが
いることを知って元気が出た」や
「この学校の卒業生です。校舎をこうして利用してくれていることがうれしい」
という温かなメッセージが寄せられた。

連日、飲食ブースもにぎわって、毎日ほぼ完売状態。
出店メンバーは大きな手応えを感じていたようだ。
そして期間中、「次の開催まで、あと65日!」と私たちは心のなかで唱え、
7月の展覧会に思いを馳せていた。

〈アトリエ遊木童(ゆうもくどう)〉の五十嵐茂さんは、5月の会期中、展示をしつつ、次回に向けて木工室で家具をつくり続けた。

〈アトリエ遊木童(ゆうもくどう)〉の五十嵐茂さんは、5月の会期中、展示をしつつ、次回に向けて木工室で家具をつくり続けた。

何気ない行動ひとつにも現れる
「県民あるある」

今月のテーマ 「県民あるある」

普段何気なくやっていることや身の回りの些細なことから
その人のひととなりが伺えます。
今回はその土地に住む人たちがついしてしまう言動や行動にクローズアップ。

移住者から見て県民性が現れていると感じる
あれこれを教えてもらいました。

子どもの頃から当たり前だと思っていた習慣や
何気なく使っていた言葉にも地域性が根づいているようです。

【秋田県にかほ市】
「えふりごき」な秋田県民のあたたかな心意気

秋田県民は「えふりごき」だと言われることがあります。
「えふりごき」とは秋田弁で
「かっこつける」「見栄をはる」という意味。

「身の丈に合わないことをしている」と、
ネガティブな文脈で使われることもありますが
心あたたかい県民性の現われではないかと感じます。

地域の方のお宅にお邪魔すると
食べきれないほどたくさんのご馳走が出てきたり、
帰り際にはお土産まで持たせてもらえたりということがよくあります。

そのエピソードを別の場所で披露すると
「秋田県民はえふりごきだからな~」と、
みんな口を揃えて言います。

ネガティブな言葉で語られることの多いこの言葉。
わたしにとっては、心あたたかい県民性の現れに感じています。
お客さんを精一杯おもてなししようという
「えふりごき」は受け継ぎたい秋田の県民性です。

photo & text

國重咲季 くにしげ・さき

京都府出身。秋田県の大学に進学したことを機に、東北各地の1次産業の現場を訪ねるようになる。卒業後は企業に勤めて東京で暮らした後、にかほ市で閉校になった小学校の利活用事業「にかほのほかに」に携わるべく秋田にAターン。地域で受け継がれてきた暮らしを学び、自給力を高めることが日々の目標。夢は食べものとエネルギーの自給自足。

瀬戸内の島の小さな食料品店
〈クマ グローサリー〉

小豆島に新しいお店がオープン

「春に小豆島で食料品店をオープンする予定なんです」

と、素敵な女性がうちのカフェにやってきてくれたのは冬のこと。
あれから数か月、彼女の言葉通り、2022年6月18日に小豆島に新しいお店ができました。
〈クマ グローサリー〉という名前の小さな食料品店です。

2022年6月18日にオープンした食料品店〈クマ グローサリー〉。

2022年6月18日にオープンした食料品店〈クマ グローサリー〉。

〈HOMEMAKERS(ホームメイカーズ)〉のシロップ・ドレッシングも並んでいます。

〈HOMEMAKERS(ホームメイカーズ)〉のシロップ・ドレッシングも並んでいます。

お店をオープンされたのは、奈良から引っ越してこられた
三浦隆洋さん・奈苗さんご夫妻。
笑顔が素敵すぎる、爽やかなおふたりです。
隆洋さんのお父さんのご実家は小豆島。

お店を開くにあたって、ほかの土地もいろいろ見に行かれたそうですが、
どこもしっくりこず。
そういえば小豆島はどうだろうと訪れてみると、ここがいい! と感じたそう。
適度に大きくて、人もいる。田舎すぎないけど、海も山もある島。
小豆島でお店を開こう。

〈クマ グローサリー〉は、土庄(とのしょう)町の中心エリアにある
オリーブ通りにオープンしました。
島のなかで1番都会なエリアです。夜も明るい(笑)。
買い出しなどで島の人たちがよく通る道なので、お店がオープンする前から
「あそこ工事してたよ。お店ができるみたいだよ」と噂になっていました。

さて、まず気になるのはお店の名前。
クマ? 動物のクマ?
ではなくて、素敵な意味が込められています。
お店のwebサイトにはこんなふうに書かれています。

“COOMYAH”とはある国の言葉で
「こっちへおいでよ」という意味です。
現地での正しい発音は資料に乏しく実はわからないのですが、
私たちは勝手に「クマ」と発音しています。
大好きなアメリカのミュージシャンが歌う曲のタイトルから名づけました。

Come here!
ウェルカムな感じがふたりにぴったりなお店の名前。

クマさんって覚えやすい。

クマさんって覚えやすい。

それと、「クマ」という名前にしたのは、
“こっちへおいでよ”という気持ちと、シンプルですぐ覚えてもらえる響きだからだそう。
たしかにクマさんって覚えやすくて親しみやすくて呼びやすい。いい名前。

森のようちえん〈ちいろば〉
保育ではなく
「人間臭さ」を育てる

「やりたい」「楽しい」を大切に

自然という環境下での保育や、地元の有機野菜を採り入れた給食などの点だけを見れば、
特段めずらしい試みをしているわけではない。
〈認定こども園 ちいろばの杜〉(以下、ちいろば)の特徴は、
例えばこんなところに表れる
――子どもたちの発案で「探検隊」が組織され、
森に行くまでの道になっていたアケビの実を採りに冒険しに行く。
あるふたり組が帰りの会で発表した人形劇が、年長組全員が参加する演劇に発展し、
物語と配役と衣装を子どもたちがつくる。
ラグビーW杯を見て夢中になり、ボール替わりに長靴を手に、
泥だらけになって自作の「ハカ」を披露し合う。

泥だらけになって遊ぶ子どもたち。「帰りたくない」の声が響く。(写真提供:認定こども園 ちいろばの杜)

泥だらけになって遊ぶ子どもたち。「帰りたくない」の声が響く。(写真提供:認定こども園 ちいろばの杜)

森へ続く道中も遊びの宝庫。植物や昆虫の姿に目を輝かせる。(写真提供:認定こども園 ちいろばの杜)

森へ続く道中も遊びの宝庫。植物や昆虫の姿に目を輝かせる。(写真提供:認定こども園 ちいろばの杜)

小屋を建てたい、絵を描きたい、火おこしをしたい……
それぞれの子どもたちの内側から湧き出た、たくさんの「やりたい」「楽しい」気持ちと、
実現までの試行錯誤を何よりも大切にする。
大人たちが答えを手解きすることはほとんどない。
大人は少し離れて見守るか、子どもに触発されて一緒に楽しんでいる。
失敗しても構わない。評価も競争もない。
春先に芽生えた新芽のように、子どもたちが森にみずみずしく躍動している。

まずは自分でやってみるのが、ちいろば流。大人は子どもの姿をそっと見守る。(写真提供:認定こども園 ちいろばの杜)

まずは自分でやってみるのが、ちいろば流。大人は子どもの姿をそっと見守る。(写真提供:認定こども園 ちいろばの杜)

森や田んぼや畑など、自然の環境に身を置きながら、
保育や教育などを行う「森のようちえん」。
近年の生活意識の変化などから注目を集めているが、
〈NPO法人森のようちえん全国ネットワーク連盟〉によると、
同連盟の加入団体だけでも、その数は全国で250以上に広がっている。

長野県南佐久郡佐久穂町にある、ちいろばもそのひとつだ。
厳冬期は氷点下20度にもおよぶ標高約1000メートルの森の中、
八ヶ岳に連なる山々の空気と水と土に囲まれ、子どもたちは日々を生き生きと遊んでいる。

園舎からの風景。晴れた日は山々が見渡せる。

園舎からの風景。晴れた日は山々が見渡せる。

〈森の出版社 ミチクル〉の新しい絵本
土偶は、なぜ不思議な
かたちをしているの?

12年前につくり始めた、縄文時代の土偶をテーマにした絵本

大学在学中に美術系の出版社で働くようになってから約30年、編集の仕事を続けてきた。
どんな本をつくっていても何かしらの発見やワクワク感があって、
この仕事は自分に合っていると日々実感している。
けれど時々、自分の創作に突き進んでみたいという気持ちが
頭をもたげてくることがあった。

高校・大学で私は絵画制作に取り組んできたが、
表現するということがなんなのかがつかめないまま卒業してしまった。
その後、編集の仕事へとシフトしたのだが、心のどこかで、
学生時代の自分を置き去りにしたような感覚が残っていた。

今年の6月、『DOGU かたちのふしぎ』という絵本を刊行した。
この絵本をつくろうと思ったのは12年前のこと。
当時、このまま編集の仕事だけを続けていていいのだろうかという迷いと、
絵を描くことにもう一度チャレンジしてみたいという想いがあってのことだった。

日頃から本づくりをしていたこともあり、1枚の絵を描くよりも、
内容があってそれを描くほうが、手がかりがあって進めやすいと考え
絵本という形式を選んだ。

テーマは土偶。
1万年も続いた縄文時代、人々はさまざまな「ひとがた」をつくっていた。
それらは、宇宙人かと思うほどの不思議なかたちをしており、
そこに私は以前から惹かれていた。

『DOGU かたちのふしぎ』(森の出版社 ミチクル) アクリル絵の具で、リアルにかたちを描いた。

『DOGU かたちのふしぎ』(森の出版社 ミチクル) アクリル絵の具で、リアルにかたちを描いた。

仕事の合間をぬって半年ほどで完成させ、海外の絵本コンペに応募した。
結果は落選。そののちに出産。やがて東日本大震災が起こり、北海道へ移住。
忙しない日々のなかで、絵本は出版することなくお蔵入りになっていた。
そのまま10年以上、この絵本を開くことはなかった。

屈斜路湖の和琴半島。
「気軽に行ける」森の散策路を
自然ガイド・片瀬志誠と歩く

4年前に北海道に移住した井出千種です。

179市町村のなかから暮らしたい場所を探した結果、
豊かな自然があふれる森と湖の温泉郷、
道東の弟子屈町に辿り着いた。

しかし、それまで特別自然について詳しいわけでなかったのに、
どうして惹かれたのか? 心地よさの理由は何か?
自分でもまだ完全に理解できているわけではない。

そこで、弟子屈に住む「自然とともに暮らす先達」に話を聞き、
弟子屈の自然の魅力を伝え、理解を深めるとともに、
魅力を紹介する連載を始めることになった。

第1回は、自然ガイドの片瀬志誠(しのぶ)さんの話を聞きに
森に入った。

新緑が美しい和琴半島で見つけた草木コレクション

阿寒摩周国立公園の中、屈斜路湖に突き出た和琴半島。
一周約2.5キロに及ぶ森の散策路では、
天然記念物に指定されている和琴ミンミンゼミをはじめ、
希少な動植物を観察することができる。

日本最大のカルデラ湖、屈斜路湖の面積は約80平方キロメートル。東京の山手線がすっぽり入る広さ。その南側にあるのが、和琴半島。(写真提供:Shinobu Katase)

日本最大のカルデラ湖、屈斜路湖の面積は約80平方キロメートル。東京の山手線がすっぽり入る広さ。その南側にあるのが、和琴半島。(写真提供:Shinobu Katase)

6月の初め、自然ガイドの片瀬志誠(しのぶ)さんに案内してもらった。

「新緑がきれいで、花がモリモリ咲いていて、なのに虫はまだ少ない。
この時期の和琴半島は、自然のエネルギーが満ち溢れている。
週1ペースで歩いています」

長い冬を乗り越えて、草木も、動物も、人間も、
「頑張るぞ!」と気合を入れているのだ。

カツラの木。中央から右側が、春の葉っぱ。左側が、夏の葉っぱ。紅葉の時期には、甘辛い独特の匂いを発する。

カツラの木。中央から右側が、春の葉っぱ。左側が、夏の葉っぱ。紅葉の時期には、甘辛い独特の匂いを発する。

「これはカツラ。同じ木なのに、形が違う葉っぱがついている。
根元のほうは、春の葉っぱ。初夏になると、
先が少し尖った夏の葉っぱが出てくる。不思議ですよね」

散策路に落ちていたクルミの雄花。手にもついている黄色い粉が、花粉。

散策路に落ちていたクルミの雄花。手にもついている黄色い粉が、花粉。

大木の下にたくさん落ちている房を拾って、
「これはクルミの花の成れの果て(笑)。
花粉がいっぱい出ているから、雄花です」

次から次へ、草木の名前と、
どんな特徴を持っているのかを教えてくれる。

葉脈が浮き出ている丸い葉っぱが特徴の、ジンヨウイチヤクソウ。緑の蕾が開くと、小さな白い花が咲く。

葉脈が浮き出ている丸い葉っぱが特徴の、ジンヨウイチヤクソウ。緑の蕾が開くと、小さな白い花が咲く。

「この葉の形。ある内臓の形に似てません? そう、腎臓。
だから、ジンヨウイチヤクソウという名前がついている。
あと1週間もすれば、たくさんの花が開きますよ」

和琴半島の散策路にて。この日は、オオアカゲラ、エゾリス、アオサギ、ニホントカゲ、シマヘビまで! たくさんの動物にも遭遇した。

和琴半島の散策路にて。この日は、オオアカゲラ、エゾリス、アオサギ、ニホントカゲ、シマヘビまで! たくさんの動物にも遭遇した。

DJ松永と駒形宏伸(DJ CO-MA) 世界一のDJ同士が、ふるさとの 新潟を語るトークライブ第2弾が開催!

DJも農業も追求する駒形さんに、DJ松永さんが聞く

Creepy NutsのDJ松永さんと、
その師匠である駒形宏伸さん(DJ CO-MA)による師弟トークライブが、
2022年7月4日(月)20時から、『新潟県公式YouTubeチャンネル』にて生配信されます。

このイベントは、新潟県へのUIターン促進につなげる
魅力発信企画「新潟のつかいかたキャンペーン」の一環として
今年3月に開催されたトークイベント(※前回の様子はこちら)の第2弾。
前回開催の好評を受けて、第2弾がすぐに決まりました。

農業をやりながらDJとして世界一になり、
その後、お米の日本一を決める大会でも最高金賞を受賞した駒形さんと、
そんな駒形さんに弟子入りしてDJスキルを学び、
同じDJ大会で世界一になったDJ松永さん。

前回は、ふたりの出会いとDJスクール時代の思い出、
松永さんが上京してからの下積み時代、その頃にふたりで語り合った内容、
こまがた農園での米づくりやお米のコンテストの話など、
ふるさとの話に花が咲きました。
地元の仲間同士の絶妙なかけ合いは、久々に会ったことを感じさせません。

第1回トークライブの様子。

第1回トークライブの様子。

今回は「新潟の農業・農産物」が主なテーマ。
駒形さんの地元である南魚沼市は自然豊かで、
四季の移ろいがあざやかな豪雪地帯。
激しい寒暖差ときれいな水が農業に向いていて、
お米のほかにも高品質な農作物が育ちます。

特に、駒形さんも育てている「八色スイカ」は知る人ぞ知るブランドスイカ。
シャリっとした食感と高い糖度が人気の高級品です。

10%? 16%? 18%?
塩分濃度を変えて
梅干しをつけてみた

完熟梅か青梅か? 塩分濃度の違いとは?
梅干しつくりのちょっとしたコツ

梅雨入り前の家庭の行事、梅仕事。
津留崎家で10年以上続けている梅干しつくり、
昨年は塩分濃度を変えてみたり、青梅で仕込んでみたり、
さまざまな“実験”をしてみました。
さて、どんな梅干しに仕上がったのでしょうか?

家族のカタチでプランが変わる!?
愛媛県南予エリアで
オーダーメイドのワーケーションプラン
始まる

穏やかな気候と風土を楽しむ南予

温暖なイメージのある四国のなかでも、
年間平均気温が17度前後とさらに温暖な愛媛県南予地方。
県の西南部に位置する、宇和島市、八幡浜市、大洲市、西予市、
内子町、伊方町、松野町、鬼北町、愛南町の、合わせて9つの市町の総称だ。

愛媛県の3分の1の面積を占める広大な南予地方だが、
特徴はひとくくりにできるものではなく、
海も山も里も、それぞれの魅力が市町ごとに際立っている。

まずは、北部のまち内子町。
築100年以上の古民家などが軒を連ねる町並みも見どころのひとつだ。
白壁の豪商屋敷や、重要文化財に指定された芝居小屋〈内子座〉など、
当時の生活の気配が色濃く残っている。
山と川のめぐみを味わえる小田地区や、野菜収穫の体験ができる御祓(みそぎ)地区など、
多様な豊かさを味わえるのが特徴だ。

内子町の町並み。

内子町の町並み。

大洲市は城下町として、伊予の小京都と呼ばれる伝統あるエリア。
真珠や真鯛の養殖で日本一という宇和島市では、海の幸も楽しみたい。

伊方町は四国の最西端。
佐田岬半島でしか見ることのできない、海に囲まれた景色も堪能できる。

自然と共存するために石垣で積み上げられた小さな集落の風景が残るのは愛南町。
清流に囲まれた山出温泉も南予を楽しむスポットとして欠かせない。

内子町の景観。

内子町の景観。

愛媛県南予エリアで「きずな博」開催中

この南予で2022年4月24日から12月25日まで
「えひめ南予きずな博(以下、きずな博)」が開催されている。
2018年7月の豪雨災害からの復興と、
新型コロナウイルス拡大以降の
働き方の変化の受け皿を目指すことを趣旨としたプロジェクトで、
南予で感じられる豊かさ、そしてあたたかさを体験できるツアーやアクティビティを
展開している。

コワーキングスペース

〈COWORKING-HUB nanyo sign(南予サイン)〉はコワーキングスペースだけでなく移住相談窓口も設けている。

〈COWORKING-HUB nanyo sign(南予サイン)〉はコワーキングスペースだけでなく移住相談窓口も設けている。

北海道で身近な野草、
イタドリを絵本に。
15冊限定の小さな本づくり

北海道の植物をテーマにした絵本づくり

野草のイタドリをテーマにした絵本をつくり始めたのは、およそ5年前のこと。
私は〈森の出版社 ミチクル〉という出版活動を行っていて、
そのなかで『ふきのとう』という、北海道ではお馴染みの植物をテーマにした絵本を制作した。
この絵本は、造本作家である駒形克己さんにアドバイスをもらいながら、
娘の駒形あいさんにデザインを仕上げてもらった。

絵本『ふきのとう』。半透明の紙を使った切り絵で表現。

絵本『ふきのとう』。半透明の紙を使った切り絵で表現。

そして私はすぐに次回作をつくろうと考えた。
ふきのとうとともに、北海道の広範囲に生息するイタドリを取り上げたいと思った。
 
物語の骨子は、すぐに浮かんだ。
私の周りで見かけるイタドリは、オオイタドリという種類で、
ぐんぐん伸びて、あっという間に2メートルほどになる植物だ。
空き地や土手に群生し、畑ではジャマ者扱いをされることも。
調べてみると国際自然保護連合(IUCN)が発表した
「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されていて、
欧米ではイタドリが生えていると地価を左右するという事例もあるようだ。

我が家のまわりに生えているオオイタドリ。

我が家のまわりに生えているオオイタドリ。

その一方で、イタドリは日本に古くから生息していて、さまざまに活用されてきた。
「痛みをとる」が語源となっているそうで、その葉には止血作用があり、
また根などは生薬として利用されることも。
 
春には若芽を炒めて食べたり、ジャムにしたり。
またイタドリという名以外に、
スカンポ、イタンポ、ドングイ、スッポン、ゴンパチなど、地方によって呼び名も多彩。
なにより、青々と茂っていく姿は生命力に満ちていて、
荒地を再生しようと頑張っているかのように私には見えるのだ。

「ジャマ者って思われているけれど、案外いいやつなんじゃないか……」
 
そんな想いを物語として展開してみた。
絵本の判型は縦長。
黒い紙を切って貼りつけた切り絵の技法で、長く伸びていくイタドリを表した。

絵本の試作。

絵本の試作。

大人も子どもも泥だらけ!
地域のみんなを巻き込んで、
新しい田んぼで田植え!

里山の「耕作放棄地」に
賑わいがもどるまで

田植えの季節がやってきました。
津留崎家が伊豆下田に移住して5年目の田植えです。
今年は田んぼの引っ越しを経て、
しばらく耕作放棄地だった田んぼでの米づくりとなります。
多くの人たちを巻き込んでの手作業での田植え、
地域の人はどんな反応だったのでしょうか?
そんな「田んぼ」の役割や持続可能性についても考えました。

小豆島をSUPの島へ。
内海湾に集合した
約80艇のSUPボード

オリーブビーチで開催されたSUPイベント

最高に天気のいい初夏の日曜日、
小豆島で『内海湾をSUPでいっぱいに』というイベントが開催されました。
 
内海湾(うちのみわん)は、小豆島の南東にある、
ふたつの半島に囲まれたとても穏やかな湾です。
ぐるりと陸で囲まれているので、風がない日は水面が鏡みたいで、静かな湖のよう。
この湾のなかに「オリーブビーチ」という海水浴場があり、
穏やかな海と白い砂浜が人気で、夏になるとたくさんの人たちで賑わっています。
今回のイベントはそのオリーブビーチで行われました。

上空から見るオリーブビーチ。(写真提供:cubic_tt)

上空から見るオリーブビーチ。(写真提供:cubic_tt)

観光スポット「オリーブ公園」のすぐそばにあるオリーブビーチは、アクセスしやすく人気の海水浴場。

観光スポット「オリーブ公園」のすぐそばにあるオリーブビーチは、アクセスしやすく人気の海水浴場。

SUP(サップ)というのは、
「Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)」の略で、
ボードの上に立ってパドルを漕いで、海・川・湖などの水面を進んでいく
アウトドアアクティビティ。
スーイスーイと海の上を進んでいけるのがとても気持ちいい、
子どもも大人も気軽に楽しめる遊びです。
 
今回イベントを企画したのは、小豆島の小部オートキャンプ場を拠点に活動する
〈シマアソビ〉の大川大地くん。
小豆島出身の大地くんは2014年に島にUターンし、
キャンプ場の運営、SUPインストラクターとしての活動などをしています。

今回のイベントの企画者、大川大地くん。写真中央でSUPレースを中継しています。

今回のイベントの企画者、大川大地くん。写真中央でSUPレースを中継しています。

今回のイベントのためにつくられたチームユニフォーム。(写真提供:大川大地)

今回のイベントのためにつくられたチームユニフォーム。(写真提供:大川大地)

小豆島をSUPの島にしたい!
それを実現するための第一歩として、島中のSUPボードを集めて、
島中のSUP好きの人を集めて、もちろん島の外からも人を呼んで、
内海湾をSUPで埋め尽くそうというのが今回の企画。

島のあちこちから運び込まれたSUPボードがオリーブビーチに並びます。

島のあちこちから運び込まれたSUPボードがオリーブビーチに並びます。

当日の朝、オリーブビーチには80艇ほどのボードがずらり。
今、小豆島にあるレンタルボード、個人が所有しているマイボード
すべてが集まったんじゃないかなと(笑)。
ライフジャケットを着て、乗り方や漕ぎ方のレクチャーを受けて、いざ海へ!
みんなで一斉に漕ぎ出しました。

浜から一斉に海へ。ボードに乗ってパドルを漕いで。(写真提供:cubic_tt)

浜から一斉に海へ。ボードに乗ってパドルを漕いで。(写真提供:cubic_tt)

海の上で1列になって撮影。1列になるのはほんと大変でした(笑)。(写真提供:cubic_tt)

海の上で1列になって撮影。1列になるのはほんと大変でした(笑)。(写真提供:cubic_tt)

80艇ほどのボードが集まった内海湾のその光景は、
すでに小豆島はSUPの島だ! と思わせてくれるものでした。
純粋にみんな小豆島の海を楽しんでいる感じがとてもよかった。
あ、もちろん私もそのなかのひとりとして海に浮いています!
5月の海水は少しひんやりしていましたが、この日は最高気温30度ほど。
最高のSUP日和でしたね。

オリーブビーチにある海の家からの眺め。海からの風が気持ちいい。

オリーブビーチにある海の家からの眺め。海からの風が気持ちいい。

海の家で食べられるアイランドバーガー。海で遊んで大迫力のバーガーを食べるのは最高です!

海の家で食べられるアイランドバーガー。海で遊んで大迫力のバーガーを食べるのは最高です!

植物のエネルギーをお茶に込めて。
旧美流渡中学校で始まった
『魔女のお茶会』

撮影:佐々木育弥

校舎の花壇でハーブを育て、季節にあったお茶を楽しむ

昨年から旧美流渡(みると)中学校の校舎を生かして、
さまざまな取り組みをスタートさせた。
春には『みる・とーぶ展』『みんなとMAYA MAXX展』を行い、
4月から10月まで月1回ペースで開催する連続ワークショップも立ち上げた。
 
アフリカ太鼓や日本舞踊など、地域の仲間が講師となった教室がいくつかあり、
今回はそのなかで、万字(まんじ)地区で〈麻の実堂〉という名で
ハーブティーブレンドの販売を手がける
笠原麻実さんが開いているワークショップについて書いてみたい。
 
タイトルは『魔女のお茶会』。
校舎の花壇でハーブを育て、毎回季節に応じたハーブティーを飲むというもの。

笠原麻実さん。校舎のある美流渡地区から山間へと車を走らせると万字地区があり、ここで夫の将広さんと息子さんと暮らしている。(撮影:佐々木育弥)

笠原麻実さん。校舎のある美流渡地区から山間へと車を走らせると万字地区があり、ここで夫の将広さんと息子さんと暮らしている。(撮影:佐々木育弥)

「“魔女”は特別なものではなくて、身近なお母さんのようなそんな存在です」
 
お茶会に“魔女”とつけた麻実さんは、そう語る。
魔女の歴史を紐解けば、自然界にあるものを生かして
病気や怪我の治療にあたっていた存在だ。
 
それは子どもが風邪を引いたら梅干し番茶を入れたり、
怪我をすれば傷口に手を当てたり。
親が子どもに行ってきたケアに近い感覚といえるのかもしれない。
さまざまな効能のあるハーブを暮らしに取り入れて、
日々健やかに生きていく力にできればと麻実さんは考えている。

2回目のワークショップ。校舎の花壇にスペアミントを植える。「この環境で無理なく育つ、生命力の強いハーブを選んでいます」。

2回目のワークショップ。校舎の花壇にスペアミントを植える。「この環境で無理なく育つ、生命力の強いハーブを選んでいます」。

ワークショップは全7回。これまで2回が開催された。
朝晩の気温が低くてもすくすく育つ、スペアミントやタイム、
ミツバやアサツキなどの苗を麻実さんは用意。
参加者と一緒に花壇に植えていった。
 
1時間ほど汗をかいたら、そのあとにお茶会。
2回目となった5月14日は「Green witch’s tea time」と題し、
できたてホヤホヤのホーステイル&バンブーのブレンドティーが振る舞われた。

ホーステイルとバンブーをブレンドしたお茶。

ホーステイルとバンブーをブレンドしたお茶。

移住の選択肢が広がる! 茨城県古河市にコミュニティ型コワーキングスペース〈& FREAK.〉誕生

茨城県古河市にあるソーシャルストア〈“The Camp”FREAK'S STORE〉の2階に、
新しくコミュニティ型コワーキングスペース
〈& FREAK.(アンドフリーク)〉が2022年4月15日にオープンしました。

広大な敷地を持つThe Camp FREAK'S STOREの外観。

広大な敷地を持つThe Camp FREAK'S STOREの外観。

話題の複合施設を手がけているのは、
人気ファッション&ライフスタイルブランド〈フリークス ストア〉。
The Camp FREAK'S STOREは、フリークス ストアの本店でもあります。

ショップの2階エリアに、新しくコワーキングスペースが誕生しました。

コンセプトは、「夢中になれる人生をシェアしよう」。
ビジネスや趣味の拠点としてだけでなく、
スタジオやイベントスペースでのアクティビティを通じて、
好きなことを磨いたり、新たな仲間とつながることを目指しているそうです。

〈“The Camp”FREAK'S STORE〉がある茨城県古河市は池袋や新宿まで湘南新宿ラインで1本。移住や2拠点生活を考えている方はぜひチェックを。

茨城県古河市は、池袋や新宿、渋谷まで湘南新宿ラインで1本。
移住や2拠点生活を前向きに考えている方は、特にチェックしてみてくださいね。

それでは、魅力的な施設の詳細をご紹介していきます。

1日単位でも使える! コワーキングスペース

〈“The Camp”FREAK’S STORE〉の2階に、 新しくできたコミュニティ型コワーキングスペース。

まずご紹介するのは、フリーデスクのワークスペースとラウンジがある「コワーキングスペース」。
約35名が入れる開放感あるスペースになっています。

コミュニティ型コワーキングスペースは、約35名が入れる開放感あるスペースになっている。

1日利用で一律990円、月額利用でも一律16500円。
1日1時間から利用可能なので、
働き方に合わせてフレキシブルに活用することができます。

さらに、コワーキングスペースの利用者には、通話時専用の部屋を2部屋用意。
リモート会議などは、安心してこちらでどうぞ。

周りの音が気にならない、テレワークボックス

周りの音が気にならない、テレワークボックス

さらにスペース内のベンチソファでは、
休憩したり、ゆるっと作業時に活用したり、気分転換におすすめです。

スペース内のベンチソファでは、休憩したり、ゆるっと作業時に活用したり、気分転換におすすめ。

自給自足を始める5つのメソッド!
スーパー、エネルギーに頼らない
暮らしに必要なこととは

自分たちの食の一切をスーパーやコンビニに頼らずに
暮らしていくことはできるのでしょうか。
自らの手で住まいをつくり、電力を供給し
何ものにも頼らずに暮らす完全な「自給自足」の生活は難しいかもしれませんが、
衣食住を自分たちでまかなっていく暮らしに憧れて
少しずつでも自給自足の生活を実践している人がいます。

コロカルの連載「糸島での自給自足の日々を綴った ―田舎暮らし参考書―」
執筆している畠山千春さんもそのひとりです。

お米をつくることからはじまり、洗剤やエネルギー、食肉の自給まで、
〈いとしまシェアハウス〉の自給自足のメソッドをご紹介します。

自給自足のメソッド:01 
手軽に始められる洗剤ナシ生活

福岡県糸島で食べ物、エネルギー、仕事を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉を運営している畠山さんは、
上下水道が通っていない集落で、湧き水暮らしを実践しています。
自分たちが出した生活排水がそのまま畑や田んぼに流れ込むため、
化学的な洗剤などが使えない環境にあります。

日々当たり前のように食器洗剤を使っている人にとっては
想像がつかないかもしれませんが、畠山さんが実践する方法は

・汚れが落ちて
・お肌にやさしく
・環境にもよく
・さらに経済的!
・我慢しなくてOK!

な取り組みばかり。

食器洗いに使っているのは「米ぬか」と「ヘチマタワシ」。
油でギトギトになったお皿でも水で洗わず、そのまま米ぬかを振りかけます。
これまで数年間、米ぬかで食器洗いをしているそうですが
落ちなかった油汚れはほとんどないとのこと。
また、脱臭や手荒れ対策になり、
米ぬかにはビタミンEやフェルラ酸なども含まれているため保湿効果もあるそうです。

もうひとつの食器洗いの自給自足メソッドがヘチマタワシ。
ヘチマの繊維からつくられた100%天然素材のタワシで
プラスチックフリーなうえ、泡立ちもよく、使っていて気持ちがいいとのこと。
そのうえ、使い終わったら庭にポーンと放り投げておいても
自然に分解されるところが気に入っているそうです。

そのほかにも、洗剤を使わない衣類の洗濯方法についても教えてくれました。

記事はこちら:手軽に始められる“洗剤なし”生活! 食器洗い、洗濯、どんな方法があるの?

師から弟子へ。
次世代が継承する「まちの踊り」


今月のテーマ 「次世代の活動」

まちの文化や伝統を守る活動は全国で行われていますが、
今回は伝統の担い手である次の世代に注目。

「踊り」をキーワードに小学生や高校生の活動を
岩手に住むみなさんに紹介してもらいました。

まちのお祭りはもちろん、
海外遠征まで行う彼らの活動の様子をぜひご覧あれ。

【岩手県花巻市】
ユネスコ無形文化遺産を守る高校生たちの活動

岩手県花巻市大迫町(おおはさままち)には、
約500年以上前から伝承されてきた
〈早池峰神楽(はやちねかぐら)〉という神楽があります。

昭和51年には、国の重要無形民俗文化財に指定され、
平成21年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

その人気は世界中にファンがいるほどで、
毎年7月31日※に早池峰神社で行われる「早池峰神社例大祭宵宮」では
全国から数百名が神楽を観に集まり、熱狂に包まれるアツい夜となります。
※コロナの影響で2年間開催中止。

その神楽の伝承や学びの意味も込め、
県立大迫高等学校には平成28年1月より神楽の班(部活)が設立され、
今年5月の時点で1年生から3年生までの10名が所属。
月曜日から金曜日まで、週5日で練習に励んでいます。

周囲のまちの中学生のなかには、神楽班に入りたいからと
大迫高等学校を選んで入学するほどの人気ぶりだそうです。
伝統芸能の可能性を感じるとともに、
魅了される若者たちの熱い気持ちが伝わってきます。

大迫高等学校神楽班の学生

神楽を舞う様子

近年では、令和3年度の〈岩手県高等学校総合文化祭郷土芸能発表会〉で
「優良賞」を受賞するなど、精力的に活動しています。
地域のなかで声がかかれば、イベントごとに出て舞うことも。
今後の活動も楽しみな高校生たちです。

information

一般社団法人花巻観光協会

Web:一般社団法人花巻観光協会

岩手県立大迫高等学校

Web:岩手県立大迫高等学校

photo & text

鈴木寛太 すずき・かんた

1991年東京都出身。2011年に発生した東日本大震災以降、大学のボランティアプログラムで、繰り返し岩手県を訪れるようになる。一度は就職するも、2015年8月、地域おこし協力隊として花巻市に移住。大迫(おおはさま)地区で、減少が続くぶどう農家の支援やイベントの企画・調整を行っており、2018年5月にぶどう農家となる。2021年4月から独立して、本格的にぶどうを生業として活動している。

3年ぶりの開催! 東北“発”の合同展示会 〈entwine〉

蔦のように “en”が絡まる

2022年6月16日(木)~18日(土)、
東北“発”の合同展示会〈entwine(エントワイン)〉が、
3年ぶりに開催されます。
場所は岩手県・盛岡市。東北を拠点に活動するブランド・ショップを中心に、
衣・食・住にまつわる27社が全国から出展します。

会場となるのは、盛岡市内に現存する洋館の中で
最も古いとされる〈旧石井県令邸〉。
市の歴史的建造物にも指定されている煉瓦造りの3階建ての建物で、
明治18年~19年(1885~1886)に、
県令(当時の県の長官)・石井省一郎の私邸として建設されたと伝わります。

盛岡市の〈旧石井県令邸〉。赤い屋根と蔦の葉に覆われた外壁が印象的な建物です。現在は貸しギャラリーとして、展示や撮影などに利用されています。

盛岡市の〈旧石井県令邸〉。赤い屋根と蔦の葉に覆われた外壁が印象的な建物です。現在は貸しギャラリーとして、展示や撮影などに利用されています。

主催者のひとりで、盛岡市内で
家具や雑貨を販売・開発する〈Holz(ホルツ)〉の平山貴士さんに聞くと、
「絡む/絡まる」という意味ももつ〈entwine〉は、
この建物からもインスピレーションを受けたものだそう。

「建物に絡む蔦の葉ように、展示会を通じて人が絡まり、
新しい縁が生まれてほしい」という思いも込められています。

出展者でもある〈Holz〉は、オリジナルでデザインした〈kasane kop/カサネコップ〉を展示・販売します。喫茶店や食堂で一度は手にとったことがあるカタチをイメージし、岩手県の木地師・〈horimoku〉の堀秀慈郎さんと木で制作したシリーズです。

出展者でもある〈Holz〉は、オリジナルでデザインした〈kasane kop/カサネコップ〉を展示・販売します。喫茶店や食堂で一度は手にとったことがあるカタチをイメージし、岩手県の木地師・〈horimoku〉の堀秀慈郎さんと木で制作したシリーズです。

〈entwine〉の初開催は2015年。福岡など、
首都圏以外の場所でも展示会がスタートした時期で、
企画した意図には、東北のつくり手を紹介することはもちろん、
「entwineをきっかけに盛岡に足を運んでもらい、
まちを楽しんでもらいたい」という思いもあったと言います。

3年ぶりに開催となる今年の出展者は、
半分以上が東北を拠点とし、昨年立ち上がったブランドもあるなど、
はじめて参加するメンバーも複数。

〈EFRICA〉は、2021年に誕生した岩手発のアウトドアブランド。奥州市の南部鉄器工房〈及富〉と鉄玉、大迫町の〈早池峰自然科学興業〉とスパイスを開発するなど、岩手の伝統を取り入れた製品も生み出しています。

〈EFRICA〉は、2021年に誕生した岩手発のアウトドアブランド。奥州市の南部鉄器工房〈及富〉と鉄玉、大迫町の〈早池峰自然科学興業〉とスパイスを開発するなど、岩手の伝統を取り入れた製品も生み出しています。

山形からは、日本で13番目に古い酒蔵〈小嶋総本店〉が新たに開発した〈米糀のあまさけ〉が登場。2021年に販売をスタートした砂糖、保存料、着色料、香料不使用のスムージーです。(以前コロカルで紹介した記事はこちら)

山形からは、日本で13番目に古い酒蔵〈小嶋総本店〉が新たに開発した〈米糀のあまさけ〉が登場。2021年に販売をスタートした砂糖、保存料、着色料、香料不使用のスムージーです。(以前コロカルで紹介した記事はこちら

異国情緒あふれる庭と、
宇宙船のようなドームハウス

すべてはトレーラーハウスから始まった

南国のヴィラか? はたまたアメリカ西海岸の邸宅か?
今いる場所を錯覚してしまうようなBESSの家があった。
しかしここは、紛れもなく埼玉県久喜市である。
通りから奥まった場所にあり、エントランスを抜けていくと、
大きなドーム状の家〈BESS DOME〉が現れる。

扉は友人につくってもらったという。

扉は友人につくってもらったという。

住んでいるのは、宮澤さん一家。
そもそもこの土地を購入したのは10年ほど前。
当時、敷地は荒れていて、古い家屋が2軒建っていたという。
宮澤雅教さんは、まず敷地にアメリカから直輸入したトレーラーハウスを導入した。
新しく家を建てるつもりだったので、そのトレーラーハウスに住みながら、
既存の家を解体し、荒地を整備していった。
とはいえ宮澤さん一家は6人家族。さまざまな工夫をしながら暮らしていたようだ。

「庭に小さな池が見えるでしょう? あそこは当時お風呂でした。
ホースでお湯を張ってね。トレーラーハウスにはシャワーしかないから」

〈SPARTAN〉のトレーラーハウスは今も健在。

〈SPARTAN〉のトレーラーハウスは今も健在。

現在、トレーラーハウスは雅教さんの趣味部屋になっている。

現在、トレーラーハウスは雅教さんの趣味部屋になっている。

思いのほかワイルドライフだったようだが、雅教さんはそれを楽しそうに話す。
どんな環境でも楽しくやっていける豪胆さがある。

ひとりでコツコツと整備している期間に、小屋キットであるBESS〈IMAGO〉を導入し、
基本的には、雅教さんひとりでセルフビルド。
これを完成させたことによって、「四角い家ならば自分でもつくれそう」と感じたという。
これがのちのドーム購入にもつながっていく。

BESSの小屋キット〈IMAGO〉をセルフビルド。現在は雅教さんの仕事部屋になっている。

BESSの小屋キット〈IMAGO〉をセルフビルド。現在は雅教さんの仕事部屋になっている。

子どもの頃から、雑誌で見てドームの家に憧れていたという雅教さん。

「家を建てようと考えていたときは、どんな家にしようかと、
夫婦で紙に描いたりして話合っていました。
ただ僕の心の片隅には、常にドームがありました。
妻はきっとNGだろうなと思っていたんですよね。
でも一度見てもらおうと、
代官山にあるBESSのLOGWAY(ログウェイ・展示場)に行ったんです。
代官山だからランチでもしつつ1杯飲んで、なんて誘ってね」

ドームなので天井が高く、とても広く感じる。

ドームなので天井が高く、とても広く感じる。

初めてドームを見せられた妻・愛季さんは
「衝撃的でした。でもほしいと思った」と当時の感想を話す。

「私は、〈スターウォーズ〉が好きなんです。その世界観とつながりました。
パンフレットにも『有限の中の無限大。』というキャッチフレーズがあったり、
当時は『エイリアンズ』というニックネームもあって気に入りました。
もちろん使いにくい部分はあるかもしれないと思い、ほかの家も見ましたが、
それでもドームがいいと思ってしまったんですよね」(愛季さん)

右奥は愛季さんのスターウォーズ棚。工事中にひらめいてその場でお願いしたそう。

右奥は愛季さんのスターウォーズ棚。工事中にひらめいてその場でお願いしたそう。

雅教さんも「真上からドローンなどで撮った写真を見ると、
本当に宇宙船みたいに見えるんですよ。ビンテージのハンドルを買ってあるので、
プール前のウッドデッキ先端につけようと思っています。
何かあったら家ごと飛び出せる」と笑う。