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下田の海まで徒歩数秒!
世界を飛び回るDJが始めた
ピザ店〈FermenCo.〉|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.126

Page 3

サワードウという酵母で開けたピザづくり

もともと好きだったピザを、ご自身が焼き始めたのは4年前のことです。
東京に庭つきの自宅を建てたことがきっかけで、
試しに庭でピザを焼いてみることに。
今の〈FermenCo.〉からは想像がつきませんが、
初めてのピザは魚グリルで焼いてみたそうです。
発酵も焼き加減もまったくうまくいかず失敗、
自分がイメージするおいしいピザにはほど遠いものに仕上がりました。
その後何度もトライしてみるもなかなかうまくいかず、
それがとても悔しかったのだそうです。
「どうしたらおいしいピザが焼けるのだろうか……」と研究を重ね、
まずは小さな薪釜を購入して庭に設置。
さらに発酵をうながすための酵母「サワードウ」をやり始めてみると、
香りが高く格段においしいピザが焼けたのです。

容器に入った自家製のサワードウ

お店で使用している自家製のサワードウ。サワードウとは小麦粉と水を発酵させて起こす酵母のことで、古代エジプトの時代にもこのサワードウを利用してパンを焼いていたといわれています。

発酵させ丸めた生地が並んでいる

サワードウの力でゆっくり時間をかけて発酵させた生地。これが〈FermenCo.〉の大きな特徴で、小麦の香りと甘みが感じられ、体にすっと馴染むようなさっぱりとした味わい。

このサワードウとの出合いが健人さんのピザ熱をさらに加速させ、
DJの仕事の合間にひたすらピザを試作する日々が始まりました。
「今日もまたピザ? もう食べられないよー! っていうほど
当時はピザを焼いていましたね」と沙織さんは笑います。
そのうち、「いつかピザ屋をやってみたい」という気持ちを抱くほど、
健人さんはピザの世界にのめり込んでいきました。

「いつかピザ屋をやりたいと思っていたんですけど、
コロナによってそれが早まったんですよね」

DJの仕事は深夜から朝まで、
年齢的にもいずれ違う仕事をしようと思っていたのだそうです。
けれど、新型コロナ感染によってご自身でも
予測できなかった流れになります。

DJプレイ中の佐々木健人さん

DJの仕事を始めたのは20歳の頃。DJKENTとして全国や海外を回るなど、幅広く活躍されてきた方です。(写真提供:佐々木さん)

予定していた健人さんのイベントなどは軒並み中止に。
エステティシャンだった沙織さんも、
仕事ができない状況になってしまったのです。