異国情緒あふれる庭と、
宇宙船のようなドームハウス

融合する構造美と自然美

「あそこ、すごくかっこよくないですか?」と指した先を見ると、
屋根に三角形の窓が6枚集まっていた。
雅教さんは、BESS DOMEの構造美にも魅了されている。

「自分で小屋をセルフビルドしてみて思ったんですが、
ドームの三角形の組み合わせをつくるのってすごく難しいと思うんです。
だからこそかっこいい!」

ドームの構造が幾何学模様を成している。

ドームの構造が幾何学模様を成している。

雅教さんのSNSを見ると、この家を建てている途中、
骨組みだけのカットが複数投稿されている。たしかにドーム構造には工業的な魅力がある。
正三角形を組み合わせてつくる「ジオデシックドーム理論」が採用されて強度は保たれ、
それが独特の構造美をもたらしているのだ。

一方、そんな理系世界と対極にあるのが、自然あふれる庭である。
雅教さんは家よりも先に、庭の世界観をつくり上げていった。

「家の中から庭を見たい、逆に庭を通して家を見たい。
そう思って表ではなく裏庭にしました。
日本の植物だけでなく、いろいろな地域の植物も植えて、
どこにいるかわからない、異空間にしたかったんです」

庭の小屋側から家を見る。

庭の小屋側から家を見る。

庭にこんな“自然のトンネル”があるとは。

庭にこんな“自然のトンネル”があるとは。

庭には、小川や小さな池をつくり、水が絶え間なく流れている。
実は雅教さんは〈UWS ENTERTAINMENT〉という会社の代表で、
アクアリウムクリエーターとして活動している。
子供の頃から「水槽のなかに住みたかった」と言うくらい、
アクアリウムづくりが好きだった。
庭づくりも、アクアリウムづくりを拡大したような感覚なのだ。
だから水辺は必須。

「子供の頃から、水がチョロチョロしていないと寝られないです」

小川、池など、水回りの優先順位は高い。

小川、池など、水回りの優先順位は高い。

大きな窓からは、確かに庭がよく見える。
庭を見るためカーテンはつけておらず、ダイレクトに季節を感じられ、雨も楽しむ。
庭の先は神社の参道なので、うまくご神木のヒノキに囲まれ外部の喧騒は感じられない。

庭や家を整えることに没頭するあまり、
2年ほど、あまり仕事をしなかったというから、かなり手を入れたのだろう。

「あまり会社に行かない時期もありましたが、
“好きなことをやる”ことが重要だと思うようになりました。
結果的に、こういう家に住んでいることで、アクアリウムの仕事の幅も広がりましたね」

雅教さん作のアクアリウム。大きな流木が特徴的。

雅教さん作のアクアリウム。大きな流木が特徴的。

雅教さんはこれをBESSが提案する暮らしの価値観から学んだことだという。
BESSが考える暮らしの楽しみ方、自分でやることの自由さ。

それまでは、オフィスやレストランなどから発注を受け水槽をつくる受注仕事だった。
しかしBESSのLOGWAYが、
展示場でありながら多くの人に楽しんでもらうような仕かけになっているのを見て、
「たくさんの人が見に来て楽しんでもらえるような水族館やアクアリウムをつくりたい」
と思いは変化していった。自分発信をしたいと思ったのだ。

以来、雅教さんの自由な発想は爆発。
金魚や日本刀を取り入れた和の世界観やミラーボールを活用した宇宙モチーフなど、
アクアリウムの固定観念から解き放たれていく。

宮澤雅教さんと愛季さん。

宮澤雅教さんと愛季さん。

流木や自然素材をそのまま使用することが多いのが、
宮澤さんのアクアリウムの特徴だ。

「真っ直ぐなものを組み合わせるのは苦手、自然のものを組み合わせるのが得意です。
いろいろいじっていると、どこかでピッタリと合う、気持ちいいポイントがある。
その気持ちのいいところがかっこいいところなんです」

writer profile

大草朋宏 Tomohiro Okusa
おおくさ・ともひろ●エディター/ライター。東京生まれ、千葉育ち。自転車ですぐ東京都内に入れる立地に育ったため、青春時代の千葉で培われたものといえば、落花生への愛情でもなく、パワーライスクルーからの影響でもなく、都内への強く激しいコンプレックスのみ。いまだにそれがすべての原動力。

photographer

石阪大輔(HATOS) Daisuke Ishizaka

Recommend 注目のコンテンツ

Special 関連サイト

What's New 最新記事