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「田んぼの引っ越し」に必要なことは?
5年目の米づくりは
あらたな地域で始める|Page 2

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.127

Page 2

田んぼを変えたいかも……。その理由は?

の連載でも何度もお伝えしているように、
わが家は下田市に移住してきた翌年、2018年から縁がつながって、
市内の大賀茂地区にて田んぼを借りました。

大賀茂地区で借りていた田んぼ

この田んぼで、友人たちの手を借りながら、手植え、手刈り、天日干し、
無農薬で米づくりをしてきたのです。
そういうと、ものすごくこだわっているように感じるかもしれませんが、
どうせ自分たちの食べる米をつくるのであれば、
「できることは自分たちの手で。
農薬は高いしよくわからないので使わない」
そんなスタンスで米づくりを始めました。

田植えの様子

2年目の米づくりの様子。自分たちで自分たちの食べる米をつくりたい! と始めた米づくりのおかげで、とても良い家族の時間を持つことができました。

念願の米づくりを始めるキッカケをつくってくれた米農家の南伊豆米店
近くの田んぼで米をつくってるし、
ほかにもいろいろと教えてくれる人たちや
機械を貸してくれる人たちがまわりにいる。
という恵まれた環境の田んぼだったのですが、ひとつ問題がありました。

自宅からもいくつかの勤め先から少し遠いのです。
(下田に移住してきてからいくつもの仕事をしています。詳しくはこちら
はじめは、「移住してすぐに田んぼを借りられるなんて恵まれている!」
そんな思いでいたので、遠さも苦にはならなかったのですが、
米づくりの段取りもつかめてきて、
それなりに仕事やらほかにやりたいことも増えてきた昨年から、
田んぼが段々と遠くに感じるようになってきました。

ちょっと水の具合を見るのに、
ガソリンを使ってわざわざ行かなければいけない。
ガソリン価格の高騰といった費用面を考えても、
環境のことを考えてもとても無駄が多い。
そんな気がしてきたのです。
そこで、「アクセスのいい田んぼを探そうか」と
漠然と考えるようになりました。

となると、家の近くか職場の近くか……。
とはいっても、下田はどこにでも田んぼがあるという訳ではなく、
自宅周辺には田んぼはありません。
そうすると、平日午前中に通う〈高橋養蜂〉がある
稲梓(いなずさ)地域がいい気がしてきました。
稲梓ならば田んぼは多くあります。
担い手のいない田んぼ、耕作放棄された田んぼもありそうです。
そのあたりで探すかな、となったのが昨年の秋、
稲刈りを終えた頃でした。

天日干し中の田んぼ

昨年秋、天日干し中の田んぼ。

結果、そんな話を聞きつけた稲梓に暮らす友人が、
「しばらく使われてなかったウチの裏の田んぼ、
去年やるっていう人がいて田起こしして水入れまでやったけど、
結局、できなくなっちゃったから空いてるよ。
そこまでやってあるから耕作放棄地で始めるより楽だろうし、
広さもちょうどいいんじゃない?」と。
おおお! それは気になる。
ということで、とりあえず見に行くと、
これまでの海辺近くの平野という風情の大賀茂とはかなり違う、
山あいの「里山風情」漂う田んぼでした。

稲梓地区の田んぼ

紹介してもらった田んぼ。稲梓は、海のイメージが強い下田市の最も内陸側のエリアで、山に囲まれています。