連載
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/
爽やかな風が吹き抜ける5月の小豆島。
カラッと晴れた日は本当に気持ちよく、絶好の畑日和です。
そんな5月上旬に採れ始める野菜があります。
それは、ズッキーニ!!
一番はじめに収穫できる夏野菜です。
最近はスーパーでもよく見かけるズッキーニですが、
どうやって食べたらおいしいのか、ちょっと悩みますよね。
でもこのズッキーニ、炒めものからお味噌汁まで幅広く使える万能野菜だったりします。
おいしい食べ方を紹介する前に、
そもそもズッキーニがどんな野菜なのかをお伝えしたく!
ズッキーニはウリ科の野菜です。
カボチャやスイカ、キュウリなどの仲間で、ゴワゴワした緑の葉っぱと黄色い花が特徴。
ウリ科は夏が旬で、これからの季節はウリ科の野菜の収穫がどんどん増えていくのですが、
〈HOMEMAKERS(ホームメイカーズ)〉ではズッキーニが
夏野菜の第1弾として登場します。
あー、夏が始まるなーと気づかせてくれる野菜です。
ちなみにこのウリ科の野菜の黄色い花には、雌花と雄花があって、
ぱっと見た感じは同じに見えますが、よーく見ると花の中身も違いますし、
雄花の付け根は茎ですが、雌花の下には実が育っていきます。
この雄花の中の花粉を雌花の中の雌しべにつけてあげる(受粉させる)と
実がしっかりと大きく育っていきます。
ミツバチなど虫が花粉を運んでくれたり、
ときには雄花をちぎって人の手で雌花に受粉させることもあります。
雄花と雌花って中学生くらいに理科の授業で勉強したことが、
この歳になって生きてくるわけです……。
というか、ほとんど忘れているのでもう一回勉強し直していますが。
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さて、このズッキーニ、どう食べるのがおいしいか。
私が一番好きなのは「ズッキーニと豚バラ肉の梅肉炒め」です。
ズッキーニは火が通りやすくすぐにやわらかくなるのですが、
個人的には少し固さが残るくらいの火の通り具合が好きです。
火が通り過ぎないように、少し厚めに、
1センチくらいの厚さに輪切りまたは半月切りにします。
最初に炒り卵をつくっておきます。
豚バラ肉を炒めます。
その後、ズッキーニを入れて炒めます。
豚の油がズッキーニにからまるように。
そこに炒り卵を戻して混ぜて、きざんだ梅肉を追加、
塩、醤油などで味を整えて完成です。
食べごたえのある少し厚めのズッキーニ、
豚バラ肉の旨み、梅の酸味が夏にぴったりの炒めものです。
ズッキーニは油との相性がいいので、そのままソテーしてもおいしいです。
切り方はお好みで。厚めの輪切りや縦に切ったりします。
油をひいてじっくり焼きます。ちょっと焦げ目がつくくらいまで。
塩こしょうだけで十分おいしいです。
大きくなってしまったズッキーニは、真ん中の種の部分をくり抜いて、
そこにツナやチーズ、ベーコンなどを詰め込んでオーブンで焼く
「ズッキーニボート」も最高!
お味噌汁の具として使うこともできます。ズッキーニは比較的たんぱくな味なので、
最初にさっと油で炒めてからだし汁を加えてつくるとおいしいです。
油揚げと合わせても。
そんなに気張らずに普段の料理に使えるので、
我が家の夏の食卓にはほぼ毎日ズッキーニがいます。
というのもうちの畑では5月から収穫が始まり、
タイミングを少しずつずらして種をまき、栽培しているので
9月くらいまでずっと採れ続けます。
夏の間は、いろんな食べ方でズッキーニを楽しんでいます。
今年も暑い夏が少しずつ近づいてきていますね。
夏が旬のズッキーニ、おいしく食べましょ。
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