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今回、田植えに来てくれたなかに、田んぼに入るのが初めてで、
近々、留学を予定している大学生たちがいました。
自分が「下田でのいくつかの仕事のひとつ」として関わっている
シェアレジデンス〈LivingAnywhere Commons 伊豆下田〉の
利用者さんです。
地域の方と利用者さんがつながっていく場を
つくっていきたいとも考えていますし、
彼らに「旅行ではできない体験をしてもらいたい」という思いで、
お誘いしました。
ひと通りの作業を終えてから、
彼らと話をしているとこんな話に展開していきました。
「人間の多くの生産活動が環境に対して負荷を与える
“非持続的な営み”なのに対して、
里山の田んぼで米をつくるという生産活動は、
環境にいい影響を与えつつ主食をつくるという
とても貴重な“持続的な営み”なんだよ」
これから世界に旅立つ彼らにとって、
この列島をはじめ東アジアで盛んに行われている
「田んぼ」の米づくりへの参加体験はどんな意味をもたらすのだろうか?
持続的な営みであり、地域の人も喜んでくれる田んぼなのに
今、その担い手がいなくて、
どんどん耕作放棄地が増えています。
先日、東京と横浜から下田を訪ねてくれた古い友人を
田んぼに案内しました。
そのとき、友人たちにこう尋ねられたのが印象に残っています。
「こんなに広い田んぼは、いくらで借りられるの?」
都会の価値観だったら、
この広さの土地を借りたらいくらするのだろうか? と考えるのは
不思議ではないのかもしれません。
「タダだよ。借りてくれてありがたい、って感謝されるくらい。
獣害対策の柵も補助金が出るんだ」
と話したら、すごく驚いていました。
まあ、そんなこんな、とにもかくにも。
5年目の米づくり、「稲梓の田んぼ」での初めての田植え、
無事に終了しました。
ここに田んぼをお借りできた縁に感謝しつつ、
しっかり苗が育つのをサポートしていきたいです。