鎌倉から考えるローカルの未来
長い歴史と独自の文化を持ち、豊かな自然にも恵まれた日本を代表する観光地・鎌倉。
年間2000万人を超える観光客から、鎌倉生まれ鎌倉育ちの地元民、
そして、この土地や人の魅力に惹かれ、移り住んできた人たちが
交差するこのまちにじっくり目を向けてみると、
ほかのどこにもないユニークなコミュニティや暮らしのカタチが見えてくる。
東京と鎌倉を行き来しながら働き、暮らす人、
移動販売からスタートし、自らのお店を構えるに至った飲食店のオーナー、
都市生活から田舎暮らしへの中継地点として、この地に居を移す人etc……。
その暮らし方、働き方は千差万別でも、彼らに共通するのは、
いまある暮らしや仕事をより豊かなものにするために、
あるいは、持続可能なライフスタイルやコミュニティを実現するために、
自分たちなりの模索を続ける、貪欲でありマイペースな姿勢だ。
そんな鎌倉の人たちのしなやかなライフスタイル、ワークスタイルにフォーカスし、
これからの地域との関わり方を考えるためのヒントを探していく。

〈カフェ鎌倉美学〉がある御成通り商店街。ここ数年、新店が次々とオープンし、地元民に加えて観光客の往来も増えている。
老若男女が集うコミュニケーションカフェ
鎌倉駅の西口は、地元住民から「裏駅」と呼ばれている。
鶴岡八幡宮へと連なる小町通りなどがあり、
観光客で賑わう駅の東側が正面口であることに対して、
西側は、鎌倉の裏口というわけだ。
この裏駅から延びる御成通り商店街は、近年続々と新店がオープンし、
少しずつその様相が変わり始めているものの、
のんびりしたローカルムード漂う商店街として、
地元民から観光客までに広く親しまれている。
この商店街を数分歩くと、〈カフェ鎌倉美学〉と書かれた赤い看板が見えてくる。
まだこの辺りに飲食店が数えるほどしかなかったいまからちょうど10年前、
オーナーの湊 万智子さんが、それまで勤めていた
鎌倉のケーブルテレビを退職して開いたお店だ。
「コミュニケーションカフェ」という冠がつけられた鎌倉美学には、
性別や世代、職種などを超えて老若男女が集い、
地元住民から観光客までが気軽に語らえるお店として、
いまではまちに欠かせない存在だ。

この鎌倉美学では、しばしば音楽イベントや作品の展示などが行われ、
若手アーティストたちの表現の場にもなっており、
また、ここで間借り営業をしたことがきっかけで、
後に飲食店を構えることになる人や、鎌倉に移住してきたあと、
このお店を通じて地域コミュニティとの関わりを深める人なども多く、
まちで新たな活動を始める人たちのはじまりの場所にもなっている。
多くの人たちから「マチコさん」と慕われ、
常連客から観光客、スタッフまでが垣根を超えてつくる大きな輪の
求心力となっている鎌倉美学のオーナー、湊さんを訪ねた。


























































































