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お金がかからず、豊かな食生活!
地域での“いただきもの生活”と
手づくりのお返し|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.064

Page 4

お返しも、自分たちが
手をかけたものを

下田で暮らし始め、“いただきもの生活”をしているうちに、
わが家にもちょっとした変化が起きました。

いままでは何かお返しするときや贈り物をしたいときには、
お菓子などを買いに行くのが常でした。
東京では当たり前にそうしていたのです。

けれど、最近はまず庭や家の中を見回すようになりました。
たとえば庭になっているトマトだったり
手づくりの梅干しや味噌、そしてわが家のお米。
もちろん用途に合わないときは買ったものをお渡ししますが、
まずは自分たちの手づくりのもので
何かないかと考えるようになったのです。

というのは、いただくものの多くが
手をかけてつくったものだったり、とってきてくれたもの。
それに対して買ってきたお菓子を返すというのが、
どうも不似合いに感じられるようになったのです。

地元の方に比べればまだまだお返しできるものが少ないわが家です。
けれど、移住した当初に比べると、自分たちでつくったお米を
お返しできるようにもなりました。
それが私たちにとってはうれしい進歩に感じられます。

庭で育てたトマトやピーマン

庭で育てたトマトも、ちょっとした贈り物をしたいときに重宝します。

瓶詰めにした梅酒と梅シロップ

梅酒や梅シロップ、らっきょう漬けなども瓶に詰めて差し上げています。

わが家が育てた「つる米」

わが家のお米「つる米」。娘と夫が消しゴムでつくった判子を押して梱包します。

東京で暮らしていたときには、自らが育てた野菜や
とってきた魚介類をもらうことなどありませんでした。
けれど、下田で暮らす人にとってはそれが当たり前のやり取りで、
わが家もありがたいことにその輪の中に
少しずつ入れてもらえるようになったのだと思います。

お金をかけず、手間をかけたギフトの交換。
そうしたおつき合いが、私たちの暮らしをまた豊かにしてくれます。

ウニを調理する土屋練太郎さん

6月のある日。庭でバーベキューをしていたら近所に住む土屋練太郎さんがバケツをぶらさげて現れました。「ウニ食べますか~?」と。さっき海にもぐって採ったばかりのウニを持って来てくれたのです。土屋さんも本職は左官業ですが、漁業権を持っていて、漁の時期になると海藻や貝類を採りに潜っています。

ウニを網でちょっと炙ってみる

「これ焼いてもおいしいんですよ」と教えてもらい、目の前の網でちょっと炙ってみる。すると、さらに味が凝縮されておいしい! 実はこの日は私の誕生日、なんともうれしいバーベキューパーティーとなりました。

庭先に集合した土屋さん、飯田さん、森さん

庭で土屋さんと談笑していると、飯田さん、森さんがサザエを届けに来てくれました。3人のうち2人は同級生でひとりはその先輩。子ども同士が同級生だったり、父親同士は仕事仲間でもある。いろんなおつき合いをさせていただいています。