連載
posted:2019.9.9 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
8月後半の雨続きで涼しい日が続き、
すっかり夏が終わってしまったかと思っていたのですが、やっぱりまだ暑い。
時折、吹き抜ける秋の風を感じつつも、
じりじりと照りつける太陽が汗を吹き出させる畑作業の日々です。
そんな残暑厳しい9月上旬のある日。
今日の〈HOMEMAKERS〉まかないは何にしようかなあ。
「そうだ、今日は素麺にしよう!」
小豆島は昔から素麺の生産が盛んで、島のあちこちに小さな製麺所があります。
ご近所さんや知り合いにも何人か素麺屋さんがいるので、
いただいたり買ったりして、常に細麺、太麺、両方のストックがあります。
なので、暑い日のまかないではちょくちょく素麺が登場します。
素麺といっても、素麺+めんつゆ+薬味(ねぎ、生姜)だけじゃもの足りない~。
HOMEMAKERSのまかない素麺は、野菜たっぷり&肉あり、卵あり!
今日は太麺にしましょ。HOMEMAKERSのまかないづくりスタートです。
まずは料理に使う野菜を集めます。
たくさん収穫できて余っているものや、
形が悪かったり傷があったりして出荷できないもの。
それから初もの(今シーズン初めて採れたもの)を
誰よりも早く自分たちのまかないで使ったりします。味見です。
この日は、8月末から採れ始めたツルムラサキ、
夏の間ずっと採れ続けているズッキーニ、ピーマン、ナス、オクラ、
春に収穫して保管してある赤玉ねぎ、あると安心なネギ。
それから今年初めて育てたメロンを使いました。
まかないは、たくちゃん(夫)が主につくります(私は手伝い)。
この夏は、畑を手伝いにきてくれている渡辺宣くん(せんくん)が
たくちゃんと一緒にまかないをつくってくれています。
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野菜の調理方法はいたってシンプルなものが多いです。
切るだけ。
茹でて切る。
切って塩もみする。
それだけで立派な一品ができあがります。
シンプルですが、収穫した野菜を調理するのはけっこう時間がかかります。
畑からきたばかりの野菜は、土がついていたり、
大きさがバラバラだったり、かたい部分や傷があったりします。
洗って、食べられない部分を落として、細切りや角切り、みじん切りなど
食べやすい形にそろえます。
「調理」の調は「ととのえる」、理には「おさめる」という意味があって、
このふたつを合わせて「ととのえおさめる」ことを表しているそうなのですが、
まさにそういう感じ。
みんなが畑から戻ってくる時間にあわせて、盛りつけて、お皿を並べて。
それではそろっていただきます!
ふぅ、今日もお腹いっぱい。
さらに食後のデザート、メロン登場!
といっても夕張メロンみたいな甘ーい高級メロンではなくて、
甘さ控えめすっきりメロン。
甘さ控えめなところがけっこう良くて、なんだかんだみんなパクパクと完食。
メロン山盛りだったボウルは空っぽになりました。
採れたての旬の野菜、地元の食材でつくるまかないは最高のごちそうだといつも思う。
その素材でおいしい料理をつくってくれる仲間がいることもありがたい。
明日もまかないが楽しみだ。
ごちそうさまでしたー!
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