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地域の自慢のひとつ!
わたしのまちを象徴する
花や植物

このまちのくらしとけしき
vol.013

posted:2019.6.28   from:全国(隠岐の島町・西海市)  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  毎月コロカル編集部からテーマを出し、
日本各地で活動している地域おこし協力隊の方から集まった写真とメッセージを紹介していきます。
その土地ならではのものだったり、自分の暮らしと変わらないものだったり……。
どんな暮らしをしてどんな景色を見ているのか、ちょっと覗いてみませんか?

photo & text

Ami Igarashi, Yuuki Hashimoto

五十嵐杏美/橋本ゆうき

今月のテーマ 「わたしのまちを象徴する、花や植物」

奈良時代の末期に成立したという『万葉集』の
3分の1は“植物”を詠んだ句であるほど、
日本人は遠い昔から草花や木々に関心をよせ、愛でてきました。

また、南北に長く、地域によって風土も気候もさまざまな日本には、
その土地ならではの花々や、そこにしか生息しない植物も多く見られます。

住む場所が変われば、これまで身近にあった花が見当たらなかったり、
逆に、今まで見たことのないような感動的な植物に出合えたり。
そんな楽しみを見いだしてみるのも、乙なもの。

今回は、日本各地のIターン者の皆さんに、
移住先で発見した、地域を象徴する花や植物を紹介してもらいました。

【島根県隠岐の島町】 固有種のオキシャクナゲ守るため、●●を開発!

〈ユネスコ世界ジオパーク〉に認定されている隠岐では、
不思議な植生を身近で見ることができます。
町花の「オキシャクナゲ」も、隠岐で生まれた不思議な固有種のひとつ。
散歩中や、山登りの最中に、かわいいピンク色で目を楽しませてくれます。

葉が小さく丸みを帯び、花びらが7枚あるのがオキシャクナゲの特徴。シャクナゲの多くは高山植物ですが、オキシャクナゲは日本で最も低地に自生しているそうです。

葉が小さく丸みを帯び、花びらが7枚あるのがオキシャクナゲの特徴。シャクナゲの多くは高山植物ですが、オキシャクナゲは日本で最も低地に自生しているそうです。

そんなオキシャクナゲを一望できるのが、
島の北西、五箇地区にある〈村上家隠岐しゃくなげ園〉です。
約1万株の花が満開になると、それはそれは圧巻。

しかし園主さんもご高齢になり、維持管理が大変なのだそう……。
後継者もいない状態で、今後どうなるのか、地域からも不安の声が上がっていました。

終わりかけの花を摘むと翌年もきれいな花を咲かせるのだそう。ひとつひとつ手で摘んでいくのは大変な作業です。

終わりかけの花を摘むと翌年もきれいな花を咲かせるのだそう。ひとつひとつ手で摘んでいくのは大変な作業です。

そこで立ち上がったのが、地域おこし協力隊の先輩でもある吉田さん。
オキシャクナゲのエキスを抽出してつくった
〈OKI*HANA フェイシャルソープ〉を企画・販売し、
売上の一部をオキシャクナゲを守る活動に充てています。

毎年GWに同園で開催されるしゃくなげ祭や、島内各所のお土産屋さんなどで販売。
現在までに50万円以上を売り上げているとのことです。

オキシャクナゲのエキスは、お肌にハリを与えて整える効果があるとのこと。きめ細やかな泡立ちで気持ちがよく、私も愛用中。

オキシャクナゲのエキスは、お肌にハリを与えて整える効果があるとのこと。きめ細やかな泡立ちで気持ちがよく、私も愛用中。

太古の昔に大自然が生んだ美しい花を、私たちの代まで受け継いでくれた先人の想い。
それを含めて後世まで残す――。
ロマンを感じる活動だと思いませんか?

information

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OHANA工房

住所:島根県隠岐郡隠岐の島町北方1535

TEL:08512-5-2083

オンラインショップ:https://www.oki-ohana.com/

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五十嵐杏美 いがらし・あみ

平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。

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【長崎県西海市】 高級フルーツ「ビワ」が、食べ放題!?

日本一の生産量を誇る、長崎県の特産品「ビワ」。
長崎市・茂木(もぎ)が産地として有名ですが、
私が暮らすまち・西海市も、海がすぐそばにあり、
年間を通して温暖な気候のため、ビワの一大産地となっています。

露地ビワの旬は5〜6月。ビワ農家さんは大忙しの季節です。

露地ビワの旬は5〜6月。ビワ農家さんは大忙しの季節です。

そんなビワの実、品種や出荷時期によっては
ひと玉500円前後(!)なんてこともあり、
贈答用などの“高級フルーツ”といったイメージもありますよね。
ところがこちらでは、道端や庭先に植えられていたり、
山の中に自生していたりして、どこにでもある身近な果物として親しまれています。

6月。まちを歩けば、あちこちにオレンジ色の実が。鳥に食べられる前に、早い者勝ち!

6月。まちを歩けば、あちこちにオレンジ色の実が。鳥に食べられる前に、早い者勝ち!

売り物に比べるとちょっぴり小ぶりで不格好ですが、意外とおいしいんです。

売り物に比べるとちょっぴり小ぶりで不格好ですが、意外とおいしいんです。

実のおいしさもさることながら、
地元のお母さんたちは、種を焼酎に漬けて塗り薬のように使ったり、
葉を煎じてお茶にしたり、はたまたお風呂に入れたり。

“薬草薬木の王様”ともいわれるビワを、
頼れるお医者さんのように使いこなしているのでした。

photo & text

橋本ゆうき はしもと・ゆうき

長崎県出身。これからの社会や暮らしについて考えるフリーペーパーの発行や、地元タウン誌の編集長などを経て、2016年よりフリーで活動。現在は長崎県西海市に移住し、より地域に密着しながら、豊かな暮らしのあり方を模索中。

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