連載
posted:2019.5.26 from:全国(隠岐の島町・花巻市・一関市) genre:暮らしと移住 / 活性化と創生
〈 この連載・企画は… 〉
毎月コロカル編集部からテーマを出し、
日本各地で活動している地域おこし協力隊の方から集まった写真とメッセージを紹介していきます。
その土地ならではのものだったり、自分の暮らしと変わらないものだったり……。
どんな暮らしをしてどんな景色を見ているのか、ちょっと覗いてみませんか?
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Ami Igarashi, Kanta Suzuki, Yo Sakurai
五十嵐杏美/鈴木寛太/櫻井 陽/
4月の〈このまちのくらしとけしき〉の連載では、
地域おこし協力隊のみなさんに、どんなキッカケで入隊したのかを尋ねました。
では、協力隊になって、どんな活動をしているのでしょう?
さまざまな思いのなかで、一歩踏み出した新しい暮らしは、実際にどうなのか?
どんな課題を感じ、どんなアクションを起こしたのか?
今後、どんなことに取り組んでいくのか?
各地で暮らすなかで得た思い、これまでのできごとを教えてもらいました。
私は、島のなかでも特に過疎高齢化が進んでいる
「布施」という地区の活性化を担っています。
具体的なミッションはありませんが、
だからこそ、自分のアイデアをひとつずつ実現していくことにやりがいを感じています。
1年目は、あえて“何でも屋”になって、地域の実態を知ることに注力しました。
そのなかで、まず必要なのは“モノ”や“カネ”よりも、“ヒト”だと感じ、
2年目からは、布施の関係人口の創出をメインに活動を行うことに。
事業のなかで、「布施の美しい四季と暮らし」を広めるための素材が必要になり、
島の日常を切りとってもらうべく、写真家さんを招聘。
私が布施でもらったやさしさや、自然のパワーが、
そのままかたちになったような写真の数々に感激し、
これを多くの人に広めなければ……という使命感を強くしてくれました。
また、人を呼び込むためには“場”も必要だと感じ、
「空き家を活用した場づくり」にも挑戦中です。
そして、地域おこし協力隊の最終年度の今年は、布施の「暮らし体験ツアー」も行うことに。
知らない土地で、初めてのことばかり。
価値観の違いもあり、おもしろい反面、大変なことも多いですが、
「島での豊かな暮らしを求めている人」と
「若い力を求めている地域」との架け橋になれるよう、挑戦し続けたいです!
* * * * *
具体的な活動内容はこちらでご紹介! ぜひのぞいてみてくださいね。
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五十嵐杏美 いがらし・あみ
平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。
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私の任務は、ぶどうの産地である岩手県花巻市の「大迫町」を盛り上げること。
高齢化で担い手不足となったぶどうの産地をどのようにして盛り上げていくのか、
常に考え、走り続けてきました。
労働力不足を補うために、外部からボランティアを募り、
ぶどう農家の労働力支援を行う組織〈ぶどうつくり隊〉の運営や、スケジュール調整、
農家の全軒調査で1軒1軒訪問し、聞きとり調査も行いました。
ときに、新手の詐欺だと思われて、農協へ通報されたことも……(笑)。
2年前の夏には空き家を改装して、
〈かんたはうす〉という、自身の家兼交流の場をつくり、
多くの方と交流し、仲間をつくり、活動の幅をさらに広げてきました。
協力隊の任期が終了する頃には、ついにぶどう農家へ転身。
農家として生きていく決断をしたのは、
近年大迫町に、ぶどうの新規就農希望者が増えてきていることがあったからです。
新規就農で来られる方は、不安な気持ちで地域に入るだろうと思います。
その不安を少しでも解消できるように、
「鈴木寛太という男がぶどう農家をやってて、あいつができるんだから、私だってできる!」
というような雰囲気をつくりたいのです。
仲よくさせてもらっている農家さんや地域の方たちに新規就農者を紹介し、
つなげることが私にはできるのではないか?
そのためには、実際に自分でぶどうをつくり、
自分の言葉で話せないとダメだな、と思っているのです。
これからも花巻で暮らし、大迫町の案内人のような存在であり続けたいと思っています。
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鈴木寛太 すずき・かんた
1991年東京都出身。2011年に発生した東日本大震災以降、大学のボランティアプログラムで、繰り返し岩手県を訪れるようになる。一度は就職するも、2015年8月、地域おこし協力隊として花巻市に移住。大迫(おおはさま)地区で、減少が続くぶどう農家の支援やイベントの企画・調整を行っており、2018年5月にぶどう農家となる。2018年7月末、3年間の地域おこし協力隊の任期を終え、本格始動中。
私の協力隊の仕事は、いわば“何でも屋”です。
ミッションは、羊や蕎麦、お米など、
「一関市」の地域の特産品を活用して、地域活性化を図る団体の支援を行うこと。
例えば、一関市では国産羊を生産し、産地化を図る取り組みを行う
〈下大桑ヒツジ飼育者の会〉という団体があり、
私は羊毛の活用について任されています。
田んぼや畑の雑草を食べてくれることで、草刈りを担い、
また食肉としての出荷を兼ねて、年配の方たちが育て始めた国産羊。
当初、羊毛は捨てられていましたが、なんとか活用できないかという相談を受けました。
羊毛の知識はまったくありませんでしたが、お母さん方の空いた時間の手仕事にと思い、
お茶飲み話から始まり、会議設計、先進地視察や、羊毛の洗いと染め、
商品試作、PR、出店など、売るまでの全工程に関わりました。
やっとの思いで販売にまでこぎつけ、
商品が完売になったときは、お母さんたちと大喜びでした。
私は、特別な専門知識やスキルのないまま協力隊になったので、
なにをやるにしても、地域の人の話を聞いては回り、できることを探すしかありません。
まさに“御用聞き”です。
御用聞きの仕事を3年。
地域の方の話に耳を向けると、米や野菜、肉の生産にかける手間ひまが、
価格に適切に反映されていないのでは……? と思うようになり、
自ら農業の問題を理解するべく、シェア農園を始めることにしました。
今は、食べものをつくる過程をみんなで楽しみながら学ぶ農園をつくりつつ、
御用聞きで得た経験を伝えていける場所を目指して活動しています。
* * * * *
一関市で一緒に活動してみませんか? 地域おこし協力隊募集中!
information
下大桑ヒツジ飼育者の会
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櫻井陽 さくらい・よう
岩手県一関市出身。2016年よりUターンで一関市の地域おこし協力隊に着任し、農業分野の地域団体の活動支援を行う。好きな食べ物はカレー。趣味の硬式テニスをやらないと病にかかる体質。2017年より一関で楽しく暮らしたい20代のための地域団体〈TAKU。(たくまる)〉を発足し、各々がまちを楽しむためのさまざまな企画を実施する。
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