「夢リスト」が少しずつ実現。
伊豆に移住したカメラマンが叶えたこと
移住していろいろな夢が叶ってる……!?
約10年前に書いた「わたしの夢リスト」。
気づいたらそのうち大部分が実現していた……!
伊豆下田に移住した津留崎徹花さんは、
移住という夢を叶えたあとも、
自然な流れでやりたいことを実現していました。
そんな徹花さんのトークイベントが、下田で開催されます。
夢のひとつ、写真展を開くことに
実家に放置したままだった段ボールを片づけていると、
1冊のノートが出てきました。
「書き込み式・夢ノート」なるもの。
あ~そういえば30代の頃、これにいろいろ書き込んだ記憶が……。
そもそも自分が何をしたいのか、
どう生きたいのか迷い悩んでいたのです。
パラパラめくってみると、「わたしの夢リスト」という項目に
ずらずらと箇条書きが並んでいる。
当時はまだ会社員だったので
「フリーランスになる」という項目をはじめ、
「文章を書く」「田舎で暮らす」など、
およそ30項目が書き記されています。
目を通してみると、そのうちの大部分が
実現していることに驚いてしまいました。
そして、そのうちのひとつに
「写真展をやりたい」という一文があったのですが、
実はそれも最近ごく自然な流れで実現したのです。

写真展をやることになったきっかけは、
女性誌『クロワッサン』の撮影でした。
クロワッサンの編集長は私が会社員だったときの同期で、
公私ともにつき合いのある友人です。
彼女から「海藻」をテーマに特集を組むのだけれど、
下田で取材できるような内容はないかと問い合わせがありました。
「もちろん、下田は海藻天国ですよ!」と返答。
そうして、下田の海藻を特集した記事が組まれることになったのです。

2年前、たまたま友人と海水浴に出かけたときに出会った光景。小屋の中で海女さんたちが天草の出荷作業をしていました。急遽写真を撮らせてもらったときの一枚。
下田が海藻天国だと答えたのは、
この2年間住んでみて感じたことでした。
海水浴に出かけると天草の出荷作業の場面に出会ったり、
そこらじゅうにワカメやひじきが干してあったり。
東京から日帰りできるほどの距離なのに、
まったく違う暮らしが広がっているということに驚くほどでした。
そうした場面に出会ったときには写真も撮影していて、
そうして撮りためていた写真も今回の記事に掲載してもらいました。

近所を自転車で走るとこの光景。漁業権を持っている方が多いので、ワカメのシーズンになるとこうしてみなさん採ってきたものを軒先で吊るしています。
普段はカメラマンとして雑誌に関わっていますが、
今回はページ構成や取材先の選択、文章も一部執筆させてもらいました。
これは私にとって初めてのことで、下田に移住しなかったら
経験できなかったと思うと、なんだか不思議な気持ちです。

クロワッサンが発売された当日、
ドキドキしながら下田の書店をのぞいてみました。
すると、店員さんがつくってくれたポップを発見!
カウンターで
「このページを撮影したカメラマンなのですが、
このポップはどなたがつくってくださったのですか?」と聞くと、
「私です」と恥ずかしそうに答える店員さん。
クロワッサンに下田の記事が載っているのをたまたま見つけ、
自主的にポップをつくってくれたのだそうです。
「下田でこんなふうに海藻を採っているなんて、
いままで知りませんでした」という店員さん。
そんな感想も手づくりのポップも、とってもうれしかったのです。

下田のまちなかにある〈村上書店本店〉でこのように陳列してくだいました。発売数日後に、下田の書店やコンビニではクロワッサンが売り切れるという事態に。下田の方の地元愛を感じました。
[ff_assignvar name="nexttext" value="ついに写真展開催へ"]
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いろいろな人が見て、感じる下田
さて、そこからなぜ写真展に発展したかというと、
夫のひと言が引き金でした。
「クロワッサンの写真すごくいいね、
もっと大きいサイズで見られたらいいのにね」と言うのです。
それを聞いて思い出したのが、写真選びのときのデザイナーの言葉。
「見開き(開いたとき、左右2ページにわたること)にしたら
迫力ありますよね~」と。
大きく見せる、たしかに自分もそれをやってみたい。
ならば、写真展をやるのが一番の方法ではないかと考え始めたのです。
会場はいつもお世話になっている
〈Table TOMATO〉がすぐに頭に浮かびました。
店主の山田真由美さんに相談すると、
「ぜひぜひやりましょう!」と快諾。
ということで、あれよあれよという間に
写真展が開催されることとなったのです。


パネルの作成から搬入や設置まで、夫が一緒に作業してくれました。新たな展開を楽しんでくれる夫の支えは、本当にありがたいです。

お店の玄関にはパネルを展示しています。これも夫がつくってくれました。娘もつき合ってくれました。

何やら書いていると思ったら、こんなありがたいメッセージを。
5月中旬から写真展をスタート。
友人や取材でお世話になった方々が観に来てくれました。
地元の漁師さんからは
「いつも見ている風景だけれど、写真にするとこんなに美しいんだね~」
という感想。山間部に住む方からは
「海のほうへあまり行かないから、
こんな風に漁をしているなんて知らなかった」など。
いろんな方からそうした感想を聞くことで、
知らなかった下田のことを私も感じることができました。

撮影:山田真由美

義母も来てくれました。義母はもともと新潟の漁港で育ちました。「あ~、なつかしいね~こんな風景」とうれしそうでした。


店主の真由美さんと相談して、
この写真展を観光客にもぜひ見てほしいということで
夏いっぱい開催することにしました。
県外からの観光客には、地元の方とはまた違う
捉え方をしてもらえるのだと思います。
そうした感想もまた楽しみです。
[ff_assignvar name="nexttext" value="写真展から新たな展開も!"]
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ローカルと写真をテーマに
トークイベントを開催!
そして、この写真展がきかっけでまた新たな展開が生まれました。
写真家のMOTOKOさんとトークイベントを開催することになったのです。
MOTOKOさんは、「ローカルフォト」
つまり「地域の写真」という手法を用いて、
全国のまちを元気にしようというプロジェクトを立ち上げています。

2013年にMOTOKOさんが立ち上げた〈小豆島カメラ〉というプロジェクトは7人の女性で結成され、それぞれが小豆島の日常を写真で切り取り発表しています。右から2番目がコロカルの連載「小豆島日記」執筆者でMOTOKOさんと私をつないでくれた三村ひかりさん。
MOTOKOさんとの出会いは6年前にさかのぼります。
わが家が移住を具体的に考え始めた頃、
コロカルで連載をしている三村ひかりさんに会いに行きました。
そのときちょうどMOTOKOさんも小豆島に滞在していて、
三村さんから紹介していただいたのです。
MOTOKOさんは下田でも「ローカルフォト」の
プロジェクトとして「下田写真部」の立ち上げに関わっています。
そうした活動もあり、下田と縁の深いMOTOKOさん。
私たちが下田に住むことを決めたとき、
「下田は津留崎家に合うと思います!」とエールを送ってくれ、
下田に住んでいるMOTOKOさんの友人を紹介してくれました。
そうして今回MOTOKOさんが
「写真展を見たいので下田に行きます。
そして、徹花さんと対談をしたい」と声をかけてくれたのです。
「ローカルフォト 写真でまちが楽しくなる」と題して行われる
トークイベントでは、下田がどのように魅力的に映るのか、
写真とまちづくりの関係についてお話する予定です。

「MOTOKO×津留崎徹花 トークイベント」8月26日(月)TableTOMATOにて。18時開場、トークは18時30分から1時間程度。その後、伊豆づくしのお料理を囲んで懇親会。詳細はFacebookイベントページをご参照ください。
いつか写真展をやりたいと思いながらも、
なかなかひとつの作品としてまとまらずにいました。
いま思えば、それは被写体との距離が遠かったからかもしれません。
私が興味を持っていたのは、食の生産現場に関わる方々でした。
移住する前からとぎれとぎれで撮影はしていたものの、
なかなかひとつの作品にはまとまらなかったのです。
下田に住み始めてから、圧倒的に被写体との距離が近づきました。
漁師さん、海女さん、農家さん。
私にとって、移住した下田は願ったり叶ったりな環境だったのです。

漁師さんが「今日は天草採りにいきますよー」と連絡をくれたりします。漁というのは天気にとても左右されるので、直前まで予定が見えません。電話をもらってすぐに車で漁港に走れる、というこの環境がいまでも新鮮でうれしいのです。
前述しましたが、30代の頃、自分がどこへ向かえばいいのか、
どう生きたいのか悩んでいました。
そうして書き込んだ夢リストですが、
いま思えば「夢」なんて大げさなものではなく、
ただの「やりたいこと」リストです。
けれど、それが軒並み実現しているのを見ると、
漠然と描いているものを書き出したり
ビジュアル化することは大事なのかもしれません。
およそ10年前に書いたものなのでまったく忘れていたのですが、
こんな箇条書きもありました。
「漁港のある町に住みたい」「釣りをしてみたい」と。

趣味は釣りとサーフィンというご近所さんから「釣りしてるから一緒にやる?」と連絡があり、義母も一緒に港へ。初心者のわが家にやさしく手ほどきしてくれる友人の存在がありがたい。
人生って自分で決めているのか流されているだけなのか、
ふむ、不思議なものですね。

information
MOTOKO×津留崎徹花 トークイベント
ローカルフォト~写真でまちが楽しくなる~
開催日時:2019年8月26日(月)18:00開場 18:30スタート
会場:TableTOMATO(静岡県下田市1-11-18)
トーク後、伊豆づくしのお料理を囲んで懇親会も。詳細はFacebookイベントページをご参照ください。
Web:Facebookイベントページ
