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下田に移住して2年半。
あらためて振り返る、
わが家の暮らし、何が変わった?|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.067

Page 4

4 お金の使い方

僕も妻も収入はかなり下がりました。
でも、使うお金もかなり減りました。
外食はあまりしません。飲みに行く回数も激減しました。
終電を逃してタクシーで帰る……東京ではよくやっていましたが、
移住してから一度もやっていません。

服や靴は最低限のもので過ごしています。
先に書いたように食卓には、いただきものがよく並びます。
休日にどこかに行くといっても、近場の海や田んぼがほとんどです。

こう書くとケチケチと暮らしてるみたいですが、
買う食材などにはそれなりにお金をかけています。
海や田んぼでは多くの発見や楽しみがあります。

小さな花をつけた稲穂

稲の穂のまわりに小さな白い花が咲いています。米づくりを始めるまで稲にどんな花が咲くのか? 聞いたことも見たこともありませんでした。日々食べている米のことをあまりに知らなかった、そう感じます。

そして、長い休みには旅行に行くこともあります。
たとえ収入が減っても、入るお金と出るお金のバランスが
とれていればいいわけです。

もちろん、教育でもっとお金がかかる時期もあるでしょう。
先のことをえて不安がまったくないわけではありません。
でも、そのときはそのとき。
もっと働いて収支のバランスをとっていこうと考えています。

下田港の夕焼け

5 都会ならではの刺激は少ない

僕が生まれたのは新宿区のはずれ。
高校は新宿駅近くにありました。
都会ならではの刺激的な日々を送りました。
また、移住前に暮らしていたのは中央線沿線。
独特のカルチャーで有名な地域です。
単館上映の映画館、ライブハウス、文化系の人が集まる飲み屋などなど。

移住してからはそういった場所で刺激を受けることはなくなりました。
でも、いまの時代、情報は都会と同じように入ります。
また、東京での暮らしに比べて時間があることもあり、
さまざまな情報を得る時間的な余裕ができました。

前項でも書きましたが長い休みには旅行に出ることもあります。
いまの自分にとってはそうした情報から得る刺激で充分
という気がしています。

熊本県水俣の景色

この夏に受けた大きな刺激といえば、公害で有名な熊本県水俣を旅して見聞きしたことです。また春には沖縄の辺野古の様子も実際に目の当たりにしました。時間ができたことで、社会問題についてしっかり考えることができるようになったと感じています。

6 環境に対しての意識

家から出る排水は最終的には海に流れ着きます。
しかも、わが家は古いつくりなので、
トイレの排水以外はそのままダイレクトに海に流れていきます。
その海で採れた海藻や魚を食べますし、夏にはその海で遊びます。

自然との距離が近い分、自分たちの暮らしが自然に与える影響について
思いを巡らすようになりました(もちろん東京であろうと
内陸であろうと、排水が海に流れ着くことに変わりはありません)。

ビーチの清掃活動中

定期的に地域の子どもたちとともに海岸に流れ着いたり捨てられたゴミの清掃活動を行っています。「タバコの吸い殻をたくさん拾ったよ!」と喜ぶ子どもたち。なんとも複雑な気持ちになります。