こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。
田植えの季節になりましたね!
6月初旬は毎日田植えをするので、
昼間は限界まで体を動かして、夜は泥のように眠る日々。
田植え作業のあとって、なぜだかプールのあとのように深い眠気がやってくるんですよね。
おかげで夜はPC作業中に寝落ちしてしまうほど。
(この疲れ、なんだかんだで嫌いじゃないですけどね(笑))
というわけで、今も絶賛田植え後に原稿を書いているので、
まだ外は明るいのに、すでに眠気がMAXでやってきております。
どうか最後までおつき合いくださいませ。

田んぼの中でいろんな生き物を見つける子どもたち。

裸足で田植えをすると、水中の生き物の動きや、泥の不思議な感触、さまざまな刺激によって脳が活性されるような気がします。
さて、今回のテーマは「小さなビジネスで、地域が抱える課題と向き合う」です。
いとしまシェアハウスの田んぼがあるのは、
山の勾配に沿った、ユニークな形の田んぼが連なる棚田エリア。
水面に映り込む空、ふわふわと飛び回るホタルたち、カエルの大合唱。
こういう風景を見て「美しい棚田のあるところに移住してみたい」と
思っている方、多いのではないでしょうか。
私もそのうちのひとりでした。
移住して6年、変化する棚田の風景に毎日癒され、
この風景に心から惚れ込んでいます。

田植え前の、鏡のような棚田。1年に数日しか見られないこの景色は、住人だからこそ見られる特権。
ところが、実際に住んでみると、
この美しい棚田が大きな課題を抱えていることがわかりました。
棚田の担い手不足が深刻化しているのです。
若者たちは皆、まちに出て働いているため、集落にある棚田管理のほとんどは
平均年齢65歳以上の高齢の方が担っていますが、後継者が見つかりません。
棚田は昼夜の温度差が大きいこと、水源に近く水がきれいなことなどから、
おいしいお米が育つといわれていますが、
平坦地の水田に比べると「労力2倍、収量半分」といわれるほど生産性が低く、
ビジネスとして回していくのは非常に難しい仕組みなのです。

水面に映り込む雲がきれい。
田んぼの面積が小さく、収穫量が少ないこと、大型の機械が入れられないこと、
石垣を守るために除草剤は使わず、こまめに草刈りをしなければならないこと……。
こういう理由から、大規模農業が広まった1970年代から棚田の耕作放棄は加速、
今や日本の棚田は、全盛期の約4割が失われてしまったといわれています。
私たちの集落でも、田んぼを手放す人たちが増えてきました。
耕作放棄地が増えると、景観が損なわれるだけでなく、
荒れた土地に野生動物たちが下りてきて、石垣を崩したり、畑の作物を荒らしたり……。
その影響で、さらに耕作放棄が進むという悪循環も起きています。

大きく育った稲の苗。
確かに「食料の生産」だけの面から見たら、棚田は非効率かもしれません。
けれど、里山の棚田にはたくさんの“役割”があるのです。
・大雨の際に自然のダムの役割を果たし、増水を抑えて土砂災害を防ぐ
・水が地中にゆっくり浸透し、不純物をろ過することで、美しい地下水を蓄える
・土の水路やあぜ道には絶滅危惧種などの生き物が多く生息し、生物多様性が守られる
・美しい景観で人の心を癒す力がある

生きた化石、カブトエビ。田んぼの雑草を食べてくれるうえに、泥をかき混ぜて水を濁らせ、光を遮ることで雑草の発芽を防いでくれます。
里山にとって、棚田はかけがえのない存在です。
けれど本来、棚田は日々の暮らしのそばで活用されてこそ、成り立つもの。
ライフスタイルや働き方、物の価値が変わり、
棚田の必要性を感じられなくなってしまった現代で、
その文化を守っていくことは簡単ではありません。
お金も稼げないし、手間も時間もかかるからです。

そして、一度手放され、荒れた田んぼに
以前の生態系が戻ってくるまでには、長い時間が必要になります。
それがよくわかっているからこそ、
地元の人たちは1年でも「休めない」と、棚田での米づくりを続けています。
今、里山の棚田はそうやってふんばる地域の人たちの思いだけで
なんとか回っている状態ですが、それもいつまで保てるかはわかりません。
山が荒れれば、その先にあるまちにもいつか影響が出てきます。
土砂崩れ、洪水、川の氾濫……。
最近よく聞くこういった災害も、里山の荒廃が関係しているともいわれています。
手遅れになる前に、今ある棚田だけでもなんとか守っていかないと!
それが、棚田の問題を目の当たりにしたこの場所で、強く思ったことでした。

無事田植えが終わって、達成感でいっぱい!
そこで、この課題を解決すべく、去年からスタートしたのが〈棚田のオーナー制度〉です。
耕作放棄地を増やさず、棚田を管理していくには、
そこに小さなビジネスをつくることが欠かせません。
例えば、棚田を所有する農家の生活が守られるように、
ビジネスで小さくとも保障する、というイメージでしょうか。
農家が「儲かる」ということよりも、
棚田に関わる「時間やキッカケをつくる」ためのものです。























































































