PEOPLE GET READY TO NAGANO vol.5
本州のほぼ中央に位置する長野市は、東京から電車で約1.5時間。
車窓の風景は、木々の彩りへと移り変わる。
このまちの魅力は、そんな自然と隣り合わせの風土や食と美。
だけど、そればかりじゃない。
善光寺の門前町として、四方から訪れる旅人を迎え入れ、
疲れを癒してきた歴史がある。
いつの時代も、旅立つ人、旅の途中にいる人、
そして、彼らを受け入れる人たちが交差する長野市は、
次なる旅路をつなぐプラットホームだ。
そんな長野市で、自分の想いを込めた「場」を営み、
この土地ならではのカルチャーを培う人たちがいる。
彼らと交わす言葉から、これからの「ACT LOCAL」を考える。
東京を経て長野へ。ゼロからつくった自分の仕事
「こんなレザーベルトや、あんなレザーウォレットが、あったらいいな」と
頭に浮かぶイメージが膨らんだら、マップのピンを長野市に落として、
休日のひとときを楽しんでもらいたい場所がある。
革作家の木村真也さんが営む〈OND WORK SHOP(オンド ワークショップ)〉だ。


木村さんがつくるレザーアイテムは、
色、ステッチ、デザイン、そして革の表情まで、同じものはふたつとない。
オーダーを受けて、ゼロからデザインをおこすこともあれば、
バックルからベルトの「太さ・色・長さ」まで自由に選べる革ベルトや、
はたまた、バッグや衣服、家具にまで、革を用いたリペアをする。
革の個性とお客さんのイメージを読み、
おもしろおかしく談笑のキャッチボールを繰り広げては、
膨らんだイメージから世界にひとつのものをつくる。

そんな木村さんの誠実な人柄が沁みるOND WORK SHOPは、
2014年10月のスタートから、およそ4年半の歳月が経ったいま、
毎月30組以上のオーダーを呼ぶサイクルを生んだ。
木村さんは、これまでを振り返り、子どものように純真無垢な笑顔で、
ものづくりへの想いをこう話す。
「人が本当にほしいと思うもの、永く使いたいと思うものを、
ひとつひとつ、ちゃんとつくって、届けたい。それだけなんです」
とはいえ、出身の長野県飯山市で高校を卒業したあと、
東京の専門学校でグラフィックデザインを学び、
20代を浅草の老舗ベルトメーカーで過ごしてきた木村さんにとって、
長野市で自分のお店を開くのは、知り合いもツテもゼロからのスタート。
ましてお店ともなれば、立地や単価、客数などの計算を
しないわけにはいかなかったのでは?
と素朴な疑問も浮かんできそうだが、木村さんはまっすぐに言う。

「お店を始める前から、いままでずっと、
そういう計算ありきでお店のことを考えたことがなくて。
むしろ、売ろうとしてない(笑)。
それよりも、ここで出会えた人たちが、『何を求めているのか』
『何を楽しみたいと思っているのか』ということばかり考えてきました。
根本的に、出会えた人とは、ものを売るだけの関係になりたくない
と思ってやってきたので。
だけど、もし東京でやっていたら、経費がかかりすぎちゃって、立地条件や価格など、
お金を稼ぐことに比重をかけざるを得なかったかもしれないですね。
そう考えると、やりたいものづくりのあり方とこの場所が、
たまたま合っていたのかなと思います」




























































































