私たち〈ひなた文庫〉は普段は南阿蘇鉄道の駅舎で古本屋を営業していますが、
1年のうち何度かはイベント出店というかたちで県内外で営業することも。
今回は少し足を延ばして、熊本市内で昨年から始まった古本市、
そして熊本県山鹿市で今年の1月に行われる古本市のふたつについてお話しします。
まずは熊本市内の上通アーケードで、昨年の春5月と冬12月に開催された
〈マルシェ・リーブル〉という古本市の様子から。
会場となるのは、熊本の方なら誰もが一度は食べたことのある、
郷土の中華料理「太平燕(タイピイエン)」でも有名な〈紅蘭亭〉と
老舗の洋菓子店〈Swiss(スイス)〉の店舗のある
〈パビリオン・ガーデン〉という広場です。

パビリオン・ガーデンへと続く道に古本屋が出店しています。
この場所では定期的に〈マルシェ・ノワール〉という夜市も開催されています。
その主催者である紅蘭亭ご主人の本好きが高じて、
同商店街で老舗の古本屋を営む〈舒文堂河島書店〉の河島康之さんと話が広がり、
マルシェ・ノワールの本屋版をやってみようと始まったのが
マルシェ・リーブルのきっかけだそうです。

老舗の古本屋〈舒文堂河島書店〉も出店。古書のほかに書画などもあり、さすがの品揃えです。
ひなた文庫が出店したのは第2回目の冬のマルシェ・リーブルです。
12月にもかかわらず何十年ぶりかの夏日を記録した前週から一転、
真冬の寒さが戻ったこの日は外へ出かける人は少ないように思えたのですが、
クリスマス前ということもあり活気のある上通アーケード。
今回参加した本屋は、熊本市の古本屋舒文堂河島書店、
〈タケシマ文庫〉、〈mychiairbooks〉の3店舗と
出張絵本屋〈モフbooks〉、それとひなた文庫の5店です。

熊本市の〈タケシマ文庫〉。幅広いジャンルの本が並べられ眺めるだけでも楽しくなります。
タケシマ文庫とmychiairbooksのおふたりは私たちと同い年で開業した年も近く、
この世代は古本屋の当たり年だね、と大先輩の古本屋さんから言われたりしています。
さらにモフbooksの吉田美樹さんは夏のイベント〈本屋ミッドナイト〉で
朗読でお世話になった方で、今回は知り合いの方ばかり!

熊本市の上乃裏通りにある〈mychiairbooks〉も。新刊も販売されていて厳選された本の中にセンスが光ります。
出店の準備は9時頃から行われ、11時にオープン。
本の搬入は車やカートで行われ、近くの本屋さんは
カートに大量の本を乗せていらっしゃいます。
アーケード街は車での搬入・搬出が大変なため、
私たちも今後のためにとカートを新調しました。
カートは夫の手づくりで、夏のイベントや小屋の廃材を再利用。
りんご箱2箱がきっちり入って、出店時はレジカウンターにも使える
すぐれものができました。

自作したカウンター兼台車。
それぞれの店舗がお客さんの目を引くように趣向を凝らした並べ方で設営していきます。
お客さんは、紅蘭亭やスイスにいらっしゃった方や、
ふらっと本が並んでいる様子に気づいて入って来られる方、
日頃のそれぞれの店舗の常連さんなど。
お昼を過ぎた頃からだんだんと客足が増え、それぞれの店舗を周回する流れが。
吟味され手にとられた古本は新しい住まいへと旅立ってゆきます。
大学生や家族連れ、そしてご年配のお客さんまで。
さらにはたまたま市内のクリスマスマーケットへ訪れていた
南阿蘇の友人一家も帰りに寄り道してくれたり。

出張絵本屋の〈モフbooks〉。どんな絵本を探しているか店主の吉田さんに言うとお勧めの本をたくさん紹介してもらえますよ!
古本市に参加するときはどんな本をどれくらい持って行くか、とっても悩みます。
販売する場所やお客さんの層などいろいろと考慮して持っていきますが、
当日を迎えてみるまではどんな本が売れるかわかりません。
思い通りに売れないことも、予想以上に好評なときも。
それでも、こうやって普段はなかなか会えない店主の方たちと話したり
持ってこられた本の選書を見るのはとても刺激になります。
また次回も参加したいと思う古本市でした。

最後に出店者みんなで記念撮影をしました。(撮影:畠山浩史)