連載
posted:2018.11.12 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
いま私たちが暮らしている家は、
100年以上前にたくちゃん(夫)のひいじいちゃんが建てた家で、
山の斜面を切り開いて段々に整地した場所にあります。
横長の敷地の中に、母屋、蔵、離れ、倉庫といくつかの建物があって、
昔はここで暮らしながら、農作業をしたり、たばこの葉を乾燥したり、
牛も飼っていたそう。
暮らす場と働く場が一体になった場所。
かたちを変えつつ、私たちもこの場所で暮らし、働いています。
6年前に島に引っ越してきたとき、母屋は生活できる状態でしたが、
たばこの葉の乾燥小屋や農機具の倉庫はぼろぼろで、そのままでは使えない状態でした。
手を入れて使い続けるか、解体するか。
暮らしながらしばらく様子をみて、最終的には母屋、蔵、離れは残し、
それ以外の建物は壊して、更地にしました。
更地にしたのが2015年3月。引っ越してから2年半後です。
私たちは暮らし方も働き方も手探りでつくりあげてきていて、
何が必要なのか最初はわかりません。
農業を始めて数年経ち、少しずつ道具が増えていき、
倉庫が必要だねということになって、
更地にした場所に半屋外の倉庫を建てたのが、2017年3月。
倉庫ができて、あちこちに散らかっていた道具をまとめておけるようになって、
少しきれいになりました。
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それからまた1年過ぎ、畑の面積も少しずつ広がり、育てる野菜の数も増え、
苗を育てるためのスペースが必要だねとなって、
2018年3月に工事を始めたのが育苗ハウス。
実は育苗ハウスを建てたいと思っていた場所には、
古い建物を解体した時に出た廃材(主に木材)がごっそり積まれたままになっていて、
これを片づけるのに丸3日かかりました。
もうほんとにひとつずつひとつずつ進めていっている感じです。
育苗ハウスの躯体は、友人たちの手を借りて、一気にできあがりました。
しかーし、その先がまた長い。
日々の作業に追われ、少し油断したら、いつのまにか雑草に覆われ、
使い始めてもいないのにすでに廃墟のように……(汗)。
単に私たちの計画性のなさが問題なんですけどね。
雑草を抜き、防草シートを張り、躯体を塗装し、防虫ネットをかけ、
ようやく使い始められるようになったのが夏のはじめ。ほっ。
今年の秋冬野菜の苗づくりから、この育苗ハウスが活躍しています。
母屋を直して、蔵を直して、離れを直して、ガレージを直して、
倉庫を建てて、育苗ハウスを建てて……。
移住して6年経っても、直し続けて建て続けてます。
そういえば、この11月から小豆島暮らしも7年目です。
暮らしながら働きながら、自分たちの拠点をつくりあげていく。
さて、次は何をつくろうか。
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