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脱穀から新米を食べるまで。
初めての米づくりで感じたこと、
これからも続けていきたい米づくり。|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.048

Page 4

お米でこんな感情がわくなんて

脱穀を終えた翌日。
籾の乾燥具合もちょうどよいということで、
大軌さんの作業場で籾摺りと精米をしてもらいました。
籾摺りというのは籾殻を外す工程のこと。
籾殻を外したものがいわゆる玄米で、それを精米すると白米となります。

お母さんも一緒に籾摺り見学

お母さんも一緒に見学。すべてが初めての体験、みんな前のめりです。

籾殻を脱ぎ捨てた玄米

籾殻を脱ぎ捨てた玄米。お米って種子なんですよね、ってことをあらためて感じます。美しいな~。

籾を脱ぎ去った玄米はつやつやときらめいて見え、
どこか女性的な艶やかさすら感じさせます。

「ほら触ってみて、すっごくいいお米だよ、ね!」

と大軌さんも若干興奮気味。
私も触ってみると少しひんやりとした滑らかな柔肌。

「だいちゃん、いいね、なんか、すごくいいね」

なんてやり取りをしながら、一部のお米を籾摺りして玄米へ
(すぐに食べない分は、籾殻のまま保存します)。
そして、玄米の一部を精米して白米にしてもらいました。

これでわが家にようやく連れて帰れるんだ。
これは、出産後に娘を自宅に連れて帰ったときのような晴れやかな気持ち。
お米相手にこんな感情がわくなんて、
米づくりを経験するまで知りませんでした。

籾摺り作業を覗き込む娘とお母さん

お米まだかな~と覗き込むふたり。

娘は率先してお手伝い

娘は率先してお手伝いしてくれます。自分が食べるお米、という意識もあるのかな。

無事袋詰めされたお米

その晩、下田に遊びにきていた姉家族と、
とれたて削りたての新米をいただきました。
こんなに丁寧にお米を研いだのも、
こんなにお米の匂いをくんくん嗅いだのも初めて。
そうして炊きあがったご飯、口に入れると甘い香りが広がります。

おいしいかどうかってことよりも、
「よくここまで無事に育ったくれたね」という気持ちが先にわいてくる。
そして、おいしい。

炊き上がった我が家のお米

愛おしそうにお米を頬張る夫

自分たちの食べる米を自分たちでつくってみたい、
そう考えて始めた米づくりでした。
実際にやってみたら、思ってもいなかった感情がわいてきたり、
想像もしていなかったような人とのつながりを経験しました。

「来年もやるの?」とよく聞かれますが、もちろんやります。
もう1年、もう2年、いつまで続けていけるかわかりません。
けれど、こうして家族や仲間と一緒に
できるだけこの米づくりを続けていけたらいいな。

娘が描いた「新米の集い」の案内

週末、田んぼを手伝ってくれた仲間たちと収穫を祝いました。
来年の米づくりもまた、楽しみです。

大人と子ども総勢21人が「新米の集い」に集合

大人と子ども総勢21人。みんなの手でつくったお米をみんなで一緒に味わう。格別な時間でした。

出席者が持ち寄ってくれたおかず

「ごはんのおとも」というお題で、それぞれが持ち寄ってくれたおかず。海産物や生卵、肉そぼろなどなど。わが家は田んぼのわらで藁苞納豆(わらづとなっとう)をつくってみました(写真左の藁)。

炊きたてのご飯の上に生わさびと鰹節をたっぷりと

伊豆名産の生わさびと鰹節を持参してくれた友人も。これを炊きたてのご飯にたっぷりとのせ、醤油をちょろり。これが何ともおいしかった!

脱穀を終えた田んぼで家族4人で記念撮影

脱穀を終えた田んぼで記念撮影。稲架掛けされていた稲は姿を消しました。来年もまたがんばろうね。