連載
posted:2018.12.24 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
いまアメリカへ向かう飛行機の中でこの文章を書いています。
実に12年ぶりの海外。
最後に訪れたのは2006年の年末、メキシコ。
もうパスポートの期限はとっくに切れていたし、
飛行機の予約の仕方も忘れてしまっていたし
(というか12年も経っていたらいろいろ変わってる)、
よしアメリカに行こう! と思いたって1年くらいかけて準備してきました(笑)。
12年前、私たちは夫婦ふたりで名古屋で暮らしていて、会社員として働いていました。
メキシコから帰ってきてしばらくして、娘が生まれ、
子育てをしながら働き、その働き方や生き方に違和感を感じ、
えいやっと仕事を辞めて小豆島に引っ越したのが6年前。
書いてしまうとすらっと終わってしまいますが、
当時生き方についてはけっこう長いこと悶々と考え続けていて、
自分自身が病気をしたこともきっかけとなり、
30代前半で小豆島への移住を決めました。
小豆島に引っ越してきてからのことは、
この「小豆島日記」でずっと書き続けてきたとおりです。
家を直し、農業を始め、自宅の一部をカフェとしてオープンし、
自分たちが育てた生姜や柑橘でシロップやポン酢などの加工品を製造し、販売。
日々いっぱいいっぱいで、あっという間に月日が流れていきました。
少しずつ畑が大きくなり、製造する加工品の量も多くなり、
2年前くらいから畑やカフェを手伝いにきてくれる仲間が増えました。
常時勤務の社員はいませんが、週3日畑を手伝ってくれるメンバーがふたり、
週1日のカフェメンバーがふたり、
週に1回野菜と交換で畑を手伝ってくれてる友人もいます。
たくちゃん(夫)とふたりで始めた〈HOMEMAKERS〉はだいぶ賑やかになりました。
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今年に入り、5年間にわたる青年就農給付金(新規就農者に対する補助金)の
給付が終わりました。これは私たちにとってひとつの転機です。
給付金がなくてもなんとかやっていけそうなめどがつき、
ようやく自分たちの働き方ができあがってきたというか。
それと今年後半は高知の生姜農家さんに研修に行ったり、
徳島の〈フードハブ・プロジェクト〉の方々に会いに行ったり、
外とのつながりも少しずつ増えています。
いままでは自分たちのやることで手一杯で、
外に行くような余裕もほとんどありませんでした。
そんな流れのなかで、今回このタイミングでアメリカに行くことにしたのは、
こんなことが目的。
・自分たちが普段たくさんの影響を受けている
アメリカ西海岸の文化を自分の目で見て体感してくること。
農園やファーマーズマーケット、オーガニックスーパー、
ずっと行きたかったレストラン、〈シェ・パニーズ〉へ。
・宿泊はAirbnbを利用する。
自分たちがゲストの立場になって、どんなことをしてほしいのか考えること。
・いろいろな人に出会い、新たな関係を築くこと。
・10代になった子どもと一緒に旅すること。どんな刺激を受けるのか楽しみ。
人生にはいろんなステージがあって、たぶんいまの私たちは
次のステージへの移行期にある気がします。
いまだからできること、いまだからしたいことを
タイミングを逃さず実現していけたらいいなと。
さぁ、あと3時間後にはロサンゼルス。乗り換えして、まずはポートランドへ。
農園やファーマーズマーケットをめぐります。続きは2019年になってから。
今年も1年「小豆島日記」を読んでくださりありがとうございました。
また来年もどうぞよろしくお願いいたします。
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