おうちで岩盤浴!?
薪5本で翌朝まで暖かい
韓国の伝統式床暖房“オンドル”

ひとつの“エネルギー自給”でもあるオンドル

このオンドルは、シェアハウス管理人のこーいちさんが韓国で出合った床暖房。
韓国では寝室にオンドルをつくるそうですが、
こーいちさんはすばらしい寝心地にすっかり惚れ込み、
自分の家にもオンドルをつくりたいと、韓国の先生に弟子入りしてしまいました。
寝転がると体の芯までポカポカになり、温かさが体の中で持続するので、
韓国では病気の治療などにも使われているそうです。

オンドル部屋。

オンドル部屋。

オンドルが稼働してから我が家では毎年使っていたストーブの出番がなくなり、
冬の間の光熱費がぐっと下がったので、
これもひとつの「エネルギー自給」ではないでしょうか。

一般的には「エネルギーをつくる=発電する」という印象が強いかもしれませんが、
電気でなにかを温めようとすると大量の電気が必要なため、効率がよくありません。
その点、オンドルは薪を燃やしてダイレクトに発熱するので、電気に比べて効率がいい。

さらにいうと、薪を使う暖房のなかでも
オンドルは飛び抜けて効率がいい仕組みなのです。
例えば薪ストーブだと、部屋を1日暖めるのに、カゴいっぱいの薪が必要ですが、
蓄熱性の高いオンドルなら、薪5本もあれば次の日の朝まで暖かく過ごせます。

これはオンドルのメリットでありデメリットでもあるのですが、
オンドルは火を入れてから部屋が暖まるまで5~6時間かかります。
そのかわり、一度暖まると冷めにくい。
暖めた床下を冷まさないように毎日少しずつ火を焚けば、
さらに少ない薪で暖かさを保つことが可能です。

焚き火をするとほっと癒されます。

焚き火をするとほっと癒されます。

我が家では、毎朝誰かしらが火を焚いておき、夜くらいに暖かくなっている、
そんなリズムで回しています。
最近は納屋のリノベーションで廃材がたくさん出るので、薪に困りません! 
(乾燥してるのでよく燃える……うれしい!)

燃やした薪の煙は最終的に煙突へ排出されますが、
火を焚く場所の温度が約800度まで上がる一方、煙突の出口では約30度まで下がります。
その温度差分、700度強の熱は、床下の石に蓄熱され部屋を暖めるというわけなんですね。
うーん、あらためて数字にしてみるとすごい。
これが暖かさの秘密なのでしょうか。

煙突の先にざるを乗せて燻製ナッツ。

煙突の先にざるを乗せて燻製ナッツ。

燻製ナッツのできあがり!

熱を逃がさずに床下に蓄熱するこれらの技術は、
木材の資源が少ない韓国だからこそ発達したのではないか、といわれています。
暖かい煙がそのまま空気中に散っていってしまうのはもったいないですもんね。
それも全部、「エネルギー」なのですから。

このレンガとブロックがすべて床下に入ります。

このレンガとブロックがすべて床下に入ります。

間伐材や廃材は「無料」ではありますが、
薪割りにマンパワーが必要ですし、乾燥させるのにも時間がかかります。
こう考えると薪は決して「安い」エネルギーではないなあと思うので、
オンドルで効率よく使えるのは非常にありがたいこと。

オンドルを使うことで、
普段自分が使うエネルギーがどこからやってきているのかを知る
とてもいい機会になっています。
エネルギーを身の丈以上には使わない、無駄にせず大切に使う。
薪割りで体がバキバキになった日に、心に刻んだ気持ちです(笑)。

冬の間は、このオンドル部屋に電源を入れていないコタツを用意し、
皆で集まって、一緒に作業をしたり、映画を観たりしています。
ついウトウトして寝落ちしてしまうのが難点ですが。

電源のついてないコタツで暖をとります。

電源のついてないコタツで暖をとります。

この暖かさ、なんとも気持ちがいい。

ぜひ一度、皆さんにも体験してもらいたいです。
その時はぜひ、一緒に薪割りからやりましょう(笑)!

writer profile

畠山千春 CHIHARU HATAKEYAMA
はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。
ブログ:ちはるの森

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