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Uターン、Iターンの移住夫婦が営む
下田の温泉民宿〈勝五郎〉。
「武器」を持って暮らしをつくる|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.053

Page 4

「武器」を持っている人は強い!

実は、尊司さんがお父さんに勝五郎を受け継ぐことを反対されたとき、
納得してもらう材料として、いままでの経験を生かした
副業を持つことを約束したそうです。
お父さんは観光業で繁忙期と閑散期の差が激しい民宿経営だけでは、
うまくやっても暮らしを安定させることは難しいと
身をもって感じていたのでしょう。

同じ苦労を息子夫婦にさせたくないという思いもあったから、
先に書いたように一部上場企業を辞めて
民宿を継ぐことを反対したのかもしれません
(子を育てる親として、その気持ちも痛いほどわかります)。

そして、その副業というのが尊司さんの「武器」ともいえる
「絵」なのです。
尊司さんは民宿業務と子育ての空いた時間には「絵」の仕事もしています。

そんな「絵」の仕事のメインは、店舗や施設のスケッチや
パースといった移住前の人脈からの仕事ですが、
最近では下田での依頼も増えてきているそうです。

〈下田時計台フロント〉の絵

下田駅前のシンボル的なお土産屋〈下田時計台フロント〉の絵。お店のFacebookページのカバー写真として使われています。

「下田みんなの町内ふるさと化計画」のためのスケッチ

こちらは下田のまち活性化プロジェクト「下田みんなの町内ふるさと化計画」のためのスケッチ。こちらのプロジェクトはただいま、クラウドファンディングに挑戦中。彼の絵を見ていると本当にワクワクします。そんな絵の効果もあってか、ぐんぐんと支援を伸ばしています。

スケッチがローカル新聞に掲載

スケッチがローカル新聞に掲載。若きUターン移住者の尊司さんの絵が下田の人に受け入れられ、大切に思われていると感じます。(伊豆新聞2019年2月1日付)

あらためて感じること。「武器」を持っている人は強い。
そんな「武器」があるからこそ、焦らずに楽しみながら
勝五郎を営むことができているのでしょう。

そんな勝五郎には尊司さんのデザイナーとしての強いこだわりも感じます。

モノトーンでデザインされた手洗いスペース

「個室と水回りの清潔さには宿泊時の快適さに直結しますから」とつくり込んだ手洗いスペース。とても民宿には見えません。

真っ赤な定番スリッパ

でも、この空間に「ザ・民宿トイレスリッパ」。こうした新旧の混ざり具合が楽しい。

勝五郎のWebサイト

尊司さんが自ら手がけたホームページも遊び心とこだわりが詰まっています。

「勝五郎はじいちゃんとばあちゃんが始めた民宿です。
古い建物ですが、思い出や歴史がたくさん残っています。
いいところを残しながら、私たちらしくリニューアルしました。
生まれ変わった勝五郎でみなさんの楽しい旅の話を聞かせてください。

あの頃と変わらない、海の見える丘の上で、2018年6月から営業再開」

(ホームページより)

勝五郎を営む土屋尊司さん、昌代さんご夫婦

尊司さん、昌代さんによる勝五郎はまだまだ始まったばかり。

これからどう進化していくのか?
楽しみでなりません。

information

map

温泉民宿 勝五郎

住所:静岡県下田市白浜2189-1

TEL:0558-22-1937

Web:http://katsugoro.com

お問い合わせ:info@katsugoro.com

宿泊料:素泊まり5000円〜/人(税別・入湯税別)

チェックイン:15:00〜20:00

チェックアウト:10:00

文 津留崎鎮生