みんなに教えたい!
わたしのまちの「お正月」

今月のテーマ 「まちのお正月」

正月飾り、雑煮の具材や、おもちの形、祭りに初詣、三が日の過ごし方― 
地域性が色濃く表れる「お正月」。
自分の暮らすまちのお正月を、みんなに話したくなるのも不思議です。

今回は、地域おこし協力隊のみなさんから、
その土地ならではのお正月の風景、モノ、コトを投稿してもらいました。

【岩手県一関市】 東北の一部地域だけ! 紙からつくる「網飾り」

年が明けて、家族でお祈り。

お正月、家族で神棚に向かってお祈り。
毎年続く光景ですが、ふと神棚の紙飾りが、ちょっと不思議な気がしました。

鯛の形をした切り紙が神棚にお供えされています。

鯛の形をした切り紙が神棚にお供えされています。

聞くところによると、「網飾り」と呼ばれるこれらは
旧伊達藩の岩手県南、宮城県北にしかないとのこと。
それぞれの神社の神主さんが、和紙を何度も折りたたみ、
カッターなどで複雑な切り込みを入れてつくりあげています。

神社によってその形はさまざま。
扇、巾着、小判、小槌、俵など、縁起の良いものを組み合わせたお飾りが、
たった1枚の紙で表現されているのには感服します。

一関市民族資料館には各地域のお飾りが展示されています。

一関市民族資料館には各地域のお飾りが展示されています。

この複雑な手しごとが、来年も拝めますように。

一関のお正月の風景。

information

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一関市民俗資料館

住所:岩手県一関市大東町渋民字小林25

TEL:0191-75-2706

WEB:一関市民俗資料館

MAIL:minzoku@city.ichinoseki.iwate.jp

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櫻井陽 さくらい・よう

岩手県一関市出身。2016年よりUターンで一関市の地域おこし協力隊に着任し、農業分野の地域団体の活動支援を行う。好きな食べ物はカレー。趣味の硬式テニスをやらないと病にかかる体質。2017年より一関で楽しく暮らしたい20代のための地域団体「一関を面白く企む会」を発足し、各々がまちを楽しむためのさまざまな企画を実施する。

【岩手県花巻市】 海外からも注目される、ダイナミックな神楽の舞

新しい年になり、まちを歩けば、正月飾りが家々にお祝いムードをもたらし、
「年が明けたんだ」と実感が湧いてきます。

もうひとつ、年明けを実感するのが、
約1200年以上の歴史を誇る〈早池峯神社(はやちねじんじゃ)〉の境内で、
神楽の舞い初めの光景を目にした瞬間です。
力強く舞う姿に、新年の幕開けを感じます。

岳神楽。(写真提供:佐々木秀勝)

(写真提供:佐々木秀勝)

岩手県花巻市には複数の神楽団体が存在しますが、
大迫町には「岳(たけ)」と、「大償(おおつぐない)」のふたつの神楽が。
このふたつの神楽を総称して〈早池峰神楽〉と呼び、
今回、写真で紹介しているのは〈岳神楽〉です。

早池峰神楽は、昭和51年(1976年)に国の重要無形民俗文化財に指定され、
平成21年(2009年)には、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。
世界各国からも注目を集め、各地で舞が披露されるとなれば、海外から観に来るファンもいるほど。

今年、ユネスコに登録されて10年目の記念すべき年を迎えます。
年明けに行われた舞い初めには、たくさんの人が訪れ、新年を祝いました。

舞い初めは、大償神楽が1月2日、岳神楽が1月3日に披露されます。(写真提供:佐々木秀勝)

舞い初めは、大償神楽が1月2日、岳神楽が1月3日に披露されます。(写真提供:佐々木秀勝)

早池峰神楽は、およそ500年前から舞われてきたといわれています。
これからどんな時代になったとしても、神楽は美しく、そのままの姿で、
我々に希望を与えてくれることだと思います。

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鈴木寛太 すずき・かんた

1991年東京都出身。2011年に発生した東日本大震災以降、大学のボランティアプログラムで、繰り返し岩手県を訪れるようになる。一度は就職するも、2015年8月、地域おこし協力隊として花巻市に移住。大迫(おおはさま)地区で、減少が続くぶどう農家の支援やイベントの企画・調整を行っており、2018年5月にぶどう農家となる。2018年7月末、3年間の地域おこし協力隊の任期を終え、本格始動中。

【島根県隠岐の島町】 手づくりで備えるお正月

自分でつくったしめ縄を玄関に。

自分でつくったしめ縄を玄関に。

華やかな輪っかのしめ飾りを買って飾り、
年越しにはざるそばを食べ、
元旦の朝は焼いた角餅を入れたお雑煮を食べる。
私のお正月の“当たり前”は、こうでした。

それがこちらでは、
シンプルなしめ縄を自分たちでつくって飾り、
年越しには隠岐そばを食べ、
お雑煮には丸餅を入れるのだから、
おもしろいなぁと思います。

隠岐そばと、岩海苔と丸餅入りのお雑煮。

隠岐そばと、岩海苔と丸餅入りのお雑煮。

隠岐そばは、温かいサバ出汁でいただく十割そば。
お雑煮は、シンプルな味つけのご家庭が多い印象ですが、
香り豊かな岩海苔をたっぷり乗せると、深い味わいになります。

年末になると、島のスーパーにはこの隠岐そばと丸餅が並びます。
隠岐の岩海苔は高級食材。
自分で海苔を摘んで、乾燥させて、お正月のお祝いに備える島人も多いです。

たけのやさんのしめ縄。

たけのやさんのしめ縄。

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五十嵐杏美 いがらし・あみ

平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。

【岐阜県白川村】 お正月の縁起物「春駒踊り」

春駒踊りの風景。

雪の白川郷を練り歩く7人の神。
白川郷春駒保存会の一行が、七福神、舞妓に変装し、
三味線や締太鼓を引き連れて、合掌集落内の家々を訪ねる「春駒踊り」の風景です。

大勢の観衆が集まった舞台。

もともと春駒は、お正月に神が仮装し「客人神」として現れ、
人々に幸福をもたらすと考えられていましたが、
白川村の春駒踊りは、養蚕の盛んな時期にお蚕の豊作を祈り、2月の初午に行われていました。
養蚕が行われなくなった近年では、
お正月やどぶろく祭、結婚式披露宴などの祝事で踊られます。

新年に七福神の舞を拝めれば、良い年になること間違いないでしょう。

合掌集落内の家々を訪ね、舞を舞う七福神。

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長坂風子 ながさか・ふうこ

愛知県生まれ。大学卒業後、映像制作会社に勤務。地域の“今”を残したいと思い、岐阜県白川村に移住。好きなことは、映画を観ること、おいしいものを食べること。

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櫻井 陽/鈴木寛太/五十嵐杏美/長坂風子 Kanta Suzuki, Fuko Nagasaka, Kanae Fujiwara, Ami Igarashi

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