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人が集まる場所をつくってみたい。
「暮らし研究所」という構想|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.054

Page 3

下準備も楽しみながら

味噌に使用する大豆や糀(こうじ)は、事前に私が手配しておきました。
なるべくなら地元のものをと思っていたのですが、
大豆に関してはまとまった量が確保できず九州のものを取り寄せました。

糀はいつもお世話になっている〈糀屋〉さんにお願いしました。
開催前日、大豆を洗って翌朝までたっぷりの水に浸水。それを終えてから
糀を引き取りに松崎(下田から車で40分ほどの場所)へ。

佐藤可ね子さん

〈糀屋〉さんの3代目となる佐藤可ね子さん。甘酒をふるまっていただいたりお米をいただいたり、いつも温かく迎えてくれるので心が和みます。

〈糀屋〉さんの糀

私が焼く玄米酵母のパンもこちらの糀を使っています。マクロレンズでのぞいた菌の世界は神秘的です。

当日は早朝から大豆を茹で始めます。
7キロ近い大豆を茹でるのは初めてのことで、
時間までに間に合うのかというプレッシャーを感じながら
なんとか間に合いました。
大豆と糀を車に積み込み、バーベキューガーデンへと急ぎます。

今回使用した大豆

今回使用した大豆は〈みさを大豆〉という熊本県の在来種の大豆。大量生産に向かないことから一時は姿を消しかけ、幻の大豆といわれているのだそうです。自宅にあるボールや鍋などを総動員して、大豆を浸水。

茹でた大豆

熊本県の農家さん〈発酵農園〉さんが農薬や化学肥料、動物性肥料を使わず、手間ひまかけて育てたみさを大豆。小振りながらもしっかりとした歯ごたえと味わいからは、豆そのものの強い生命力が感じられます。湯気も茹で汁も甘い香り。

味噌仕込み会の会場

2月に屋外で味噌仕込みなんて、寒くて凍えるのでは? 
とも思っていました。
けれど、ありきたりではない味噌仕込み会にしたい。
せっかくなら気持ちのよいこの屋外でやってみようよと、
麻理子さんと事前に話し合ったのです。

寒い中でも気分が盛り上がるように、たき火と焼き芋、
温かい味噌汁や甘酒も用意もしておきました。

たき火にかけられた味噌汁

たき火にかけられると、味噌汁も何だか特別なものに感じられます。

そうして迎えた当日。
真っ青な海と空が広がり、コートがいらないほどの陽気となりました。
子どもたちはすでに芝生の上で走り回ったりトランポリンではしゃいだり。
その様子を見ただけでうれしくなってしまいます。
あ~、よかった。

ハンモックで休憩中

今回参加してくれたのは合計8世帯。
東京から参加してくれた麻理子さんの友人家族や私の友人たち、
そしてバーベキューガーデンのスタッフの方々です。

麻理子さんが用意してくれたお昼ごはんをいただきながら、
まずは材料について少しだけ説明をしました。
みさを大豆のこと、そして松崎の糀屋さんのことなど。
つくり手さんやその背景を知ると味噌仕込みが一層楽しくなりますよね。

〈なおかこあん〉のケータリング

麻理子さんが用意してくれたケータリングは、南伊豆の〈なおかこあん〉さんによるビーガン料理。色彩も美しく、そして体にすっとなじむやさしい味わいです。(撮影:宝田麻理子)

味噌の味比べ

下田でつくられている味噌や、わが家が昨年仕込んだ味噌など、味噌の味比べをしてみました。それぞれ塩加減や奥行きが違っておもしろい。

ケータリングを味わいながら談笑中

(撮影:宝田麻理子)