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2019年、新たな1年が始まりました。
わが家にとっては下田で迎える2度目のお正月です。
実は今年のお正月、いままでとは違うちょっとした変化がありました。
それは玄関に飾る正月飾りです。
移住する前に東京で暮らしていたときは、
正月飾りは決まって母が量販店で買ってきたものを飾っていました
(私の実家で母と姉家族と3世帯で同居だったのです)。
昨年は東京にバタバタと帰省してしまい、
下田の家に飾ることもすっかり忘れ……。
そうして迎えた今年のお正月、なんと人生で初めて
自分でつくった正月飾りを玄関に飾ったのです。
「なんだそんなことか」と思われるかもしれませんが、
これは私にとって大きなできごとでした。というのも、
「いつかしめ縄を自分で編んで、正月飾りをつくってみたい」という
ずっと前から願っていたことが叶ったのです。
なぜその願いが叶ったのかというと、
きっかけは昨年初めて経験した米づくりにありました。
お米を収穫できた喜びはこの連載でもお伝えしましたが、
実はその後もたくさんの楽しみが待っていたのです。
お米をつくることで、実はほかにもたくさんの副産物を得ることができます。
脱穀したあとに残る藁(わら)や、玄米を精米したときに出る米ぬかなど。
実は、米づくりを終えるまでそんなこと想像していませんでした。
脱穀してみて初めて、あ、そうか、藁がたくさん残るんだ。
精米してみて、そうか、こんなに米ぬかが使えるじゃないか、
といった具合に。
わが家の米は無農薬なので、藁も米ぬかも安心して使えます。
さらに天日干しなので、太陽を燦々と浴びた米ぬかは
とにかく甘くて、なんとも言えず温かみのある味わい。
初めて口にしたときにはそのおいしさに驚いたほどです。
米ぬかをふんだんに練り込んだクッキー。子ども向きじゃないかな~、なんて思っていたのですが、娘やそのお友だちにも大好評。
そしてもうひとつが藁。
東京に住んでいた頃、藁づと納豆をつくってみたくて
無農薬の藁をネット販売で探したことがありました。
けれど、送料もかなりかかるし、そもそも藁をネットで買うというのに
どうも違和感があり、そのときは断念したのです。
それがまさか数年後に自分のつくった米の藁で叶うだなんて。
そして念願の藁づと納豆をつくり、田んぼを手伝ってくれた友人たちと試食。
お味はというと……、市販のパック納豆の味に慣れているせいか、
納豆というイメージとは少し違いますが、
これはこれでおいしいと友人は喜んでくれました。
そしてもうひとつ、長年やってみたかったことが先ほどの正月飾りです。
目の前にこれだけ藁があるなら、しめ縄を編めるじゃないか!
しかも、年末になると下田の直売所には
手づくりの正月飾りや松飾りがたくさん並びます。
つまり、地元につくっている方がたくさんいるということ。
どなたかに教えてもらえないだろうか。
友人に相談してみると心当たりがあるということで、
すぐに連絡を取ってくれました。
そうして正月飾りを教えてくださったのが、ご近所に住む鈴木道明さんです。