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瀬戸内国際芸術祭の夏会期、
小豆島〈HOMEMAKERSカフェ〉は
週5日営業!

小豆島日記
vol.227

posted:2019.7.8   from:香川県小豆郡土庄町  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。

writer profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/

農業とカフェ、自分たちの働き方について考える

いきなり宣伝みたいなタイトルでごめんなさい(笑)。
はい、もう書いてあるとおりなのですが、
今年の夏(7月19日~8月17日)は週5日カフェを開きます。
普段、週2日、金曜日と土曜日しかカフェ営業していない私たちにとって、
これはけっこう大きな挑戦だったりするんです。
ということで、今日はどうして週5日カフェを営業することにしたか書こうと思います。

自宅の一部をカフェとして開いています。そのすぐ隣の建物が野菜の出荷作業場。

自宅の一部をカフェとして開いています。そのすぐ隣の建物が野菜の出荷作業場。

年間通していろいろな野菜を育てています。旬野菜セットとして販売。

年間通していろいろな野菜を育てています。旬野菜セットとして販売。

そもそも〈HOMEMAKERS〉って何をしてるんだろう?
(どうやって稼いでるんだろう?)ということで、
あらためて書いてみると、主には以下の3つのことをしています。

・野菜を育てて販売する(年間80種類くらい)。

・育てた野菜でシロップや調味料などの加工品をつくって販売する。

・育てた野菜を食べてもらうカフェを営業する。

この組み合わせが私たちの日々していることです。
ちなみに現在の売り上げの比率は、
野菜売り上げ:加工品売り上げ:カフェ売り上げ= 1:2:1
です。

島外の方へはダンボールに野菜を入れて郵送しています。

島外の方へはダンボールに野菜を入れて郵送しています。

自分たちで育てている生姜、柑橘を使ってシロップや調味料を製造・販売。

自分たちで育てている生姜、柑橘を使ってシロップや調味料を製造・販売。

では、どんなふうに組み合わせて働いているか、1週間のスケジュールを見てみると

月曜:畑作業、出荷準備、事務作業など

火曜:みんなで畑作業、野菜出荷、配達

水曜:みんなで畑作業、野菜出荷、配達

木曜:畑作業、カフェ仕込み、野菜出荷準備、事務作業など

金曜:カフェ営業&野菜出荷

土曜:カフェ営業

日曜:休み

大きな流れとしては、月~木曜は畑作業、
金・土曜はカフェ営業、日曜は休みという感じです。
最近は一緒に働いてくれる仲間が増えたこともあり、
金曜日はカフェの営業をしながら、野菜の収穫、出荷作業をしたりしています。

今年はトウモロコシを上手に育てられました。

今年はトウモロコシを上手に育てられました。

家族や友人がおいしいと言って食べてくれるのがほんとにうれしい。

家族や友人がおいしいと言って食べてくれるのがほんとにうれしい。

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週5日営業することにしたふたつの理由

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この農業とカフェを組み合わせた働き方を始めて5年半経ちました。
カフェをやめて農業だけにしたほうがいいんじゃないかな。
いやいや、金・土曜だけじゃなくてカフェの営業日をもう少し増やしたいよね。
カフェを自宅とは離れた別の場所で開いて、スタッフも増やそうか。
など、働き方に対する考えはいったりきたり。

状況は日々変化しているわけで、働き方もそれに応じて変わっていくべきで、
どういう働き方がいいのか、少し先の未来がどうなっていたいのか、
いつも考えています。

野菜を育てるという、私たちにとって一番根本的な部分に迷いはありません。
それを続けようか辞めようかということはなくて、どう時間を配分し、
どう仲間とともに働くのがいいのか、それを考え続けています。
野菜の収穫・出荷曜日を変えたり、カフェのスタッフを増やしたり、
そうやってその時々にフィットする働き方に調整しています。

カフェのメニュー、カレーライスとジンジャーエール。

カフェのメニュー、カレーライスとジンジャーエール。

今年の春から新たにキッチンスタッフも加わりました。

今年の春から新たにキッチンスタッフも加わりました。

そんないったりきたりの思考の結果、この夏に挑戦してみようと決めたことは、
週5日カフェを開けるということ。農業をしている私たちにとって、
週2日カフェを営業するだけでもいっぱいいっぱいなのに、どうなるかなぁと思いつつ。
でもともに働いてくれる仲間も増えたし、とにかくやってみよう! と。

梅のコンポートを混ぜ込んだチーズケーキ。スタッフのきよみちゃんがていねいにつくってくれます。

梅のコンポートを混ぜ込んだチーズケーキ。スタッフのきよみちゃんがていねいにつくってくれます。

そもそもなんで週5日カフェを営業することにしたか、大きな理由はふたつ。

ひとつ目は、〈瀬戸内国際芸術祭2019〉&夏休み。
今年の夏は瀬戸内国際芸術祭が開催されます(春・夏・秋会期があります)。
そもそも夏休みということもあって、小豆島にはたくさんの方がやってきます。
そのタイミングにカフェを開けないでどうする! 
せっかく島に来てくれる人たちをちゃんと迎えられるようにしよう! というわけ。

ふたつ目は、夏の暑さ。
最近の夏は本当に暑い。小豆島の夏もやっぱり暑いです。
日中、その暑さのなかで畑作業をして体を酷使することは
あんまりスマートじゃないなと昨年思いました。
それなら、朝夕の比較的涼しい時に畑作業をして、
日中はカフェを営業しよう! というわけ。

少しずつカフェのレイアウトを変えたりしてます。

少しずつカフェのレイアウトを変えたりしてます。

夏に向けてタープを張るために支柱の設置工事。

夏に向けてタープを張るために支柱の設置工事。

さて、やると決めたからにはがんばらないと。
夏用の新しいメニューを考えたり、レイアウトを変えたり、
ともに働いてくれる仲間を増やしたり。

7月19日(金)~8月17日(土)の期間(瀬戸内国際芸術祭の会期は8月25日まで)、
火~土曜日はカフェを開きます。日・月曜はお休みです。
営業時間もいつもよりちょっと長く、
朝10時からオープンします(ランチは11時から)。

夏休み、ぜひ小豆島へ!

information

map

HOMEMAKERS 

住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1

営業時間:金曜、土曜のみ 11:00~17:00(L.O. 16:00)*冬季休業

http://homemakers.jp/

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