本屋がない村、ないならつくろう。最高の場所を見つけた!
はじめまして。
熊本県の南阿蘇村で〈ひなた文庫〉という古本屋を営む中尾恵美です。
「古本屋」と言っても少し変わっていて、
南阿蘇鉄道の駅舎の中に週末にだけ現れる古本屋です。
この連載ではひなた文庫の営業を通して、南阿蘇の四季のこと、村の人や場所、
そして熊本地震のことなど、日々の気づきや感じたことを届けていこうと思います。
まずは簡単な自己紹介を。私は岡山県出身で学生時代を広島で過ごし、
就職して東京で1年ほど暮らしました。
学生時代からおつき合いしていたいまの旦那さんが南阿蘇村の出身だったので、
彼が大学院を卒業し、熊本に帰るのをキッカケに2014年に私も熊本に移住しました。
私は小さな頃から読書が好きで、よく父や母に
スーパーの隣にある本屋さんへ連れて行ってもらっては、
両親が買い物を済ませるあいだ、本棚を見て、気になる本を探していました。
幸い親が本にかけるお金には寛大だったため、
読みたいならと買ってもらっては、帰りの車の中で読み始めていました。
そんなふうに本が身近な存在だったためか、本というモノ自体にとても愛着があります。
本が並んでいる場所に行くと近くで手にとってみたくてうずうず。
やぁ、こんにちは! 君はどんな本なんだい? とパラパラめくってみたくなるのです。
そんな本好きな私が、なぜ南阿蘇鉄道の駅舎の中で古本屋を始めることになったのか。
それは自分たちのあったらいいな、をかたちにしようと思ったからでした。

南阿蘇村には図書館も本屋さんもありません。
村の人は隣町の図書館に借りに行くか、ネットで頼むか、そもそも本を読まないか。
本は読まなくても生活においては特に困りません。
でも本を読んで感じる感情の動きは、普段の生活の中だけでは得られないものがあるし、
生活に生かせる気づきだって沢山あると思うのです。
だから、気軽に行ける本屋が近くにないのはちょっと寂しい。
だったら自分たちでやるのも悪くないかもしれない。
熊本に引っ越して1年程経つ頃にはそう考えるようになっていました。

古本屋なら、場所さえあれば、いまの仕事をしつつ
自分たちの休日を使ってできるかも。
まだぼんやりながらそんなふうに思っていた頃、
たまたまふたりで観光しようと訪れた南阿蘇鉄道の日本一長い駅名の駅、
「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」。
そこは無人駅でがらんとした八角形の空間でした。












































































