連載
posted:2015.4.27 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
300年以上続く、ここ肥土山地区の伝統行事、肥土山農村歌舞伎。
いよいよ今年も5月3日の本番が近づいてきました。
年明け早々、演目や役者を決め、顔合わせ、セリフの読み合わせから始まり、
演目ごとに集会所で練習をしてきました。
役者として出演するたくちゃん(夫)といろは(娘)は、
ここ数週間セリフや所作の練習を毎日のようにしています。
4月に入り、練習の場を公民館に移して、週2回あわせ稽古。
公民館には大きな鏡のついた稽古場と、
かつらなどが保管されている化粧部屋があります。
まさに農村歌舞伎のための部屋。
みんな仕事や学校を終えて、夜7時くらいにそこに集まって練習が始まります。
役者だけでなく、お茶やお菓子を用意してくれるお母さんたち、
練習の段取りをしてくれる当番の人たちなど、
練習だけでもたくさんの人たちが関わります。
練習と並行して、衣装合わせや化粧リハーサルも。
着付け担当、化粧担当、かつら担当の人。
みんなの手によって、ひとりの役者ができあがっていきます。
ほんとにありがたいなと思うと同時に、
最終的に舞台に出るのは役者であり、その責任の大きさを感じます。
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4月中旬からは本番の舞台での練習が始まります。
歌舞伎舞台は普段は戸が閉まっているので、それを開けるとことから準備。
明かりを灯し、戸を開け、大道具や小道具の設置をし、ようやく練習開始。
すっかり日が落ちて、あたりはもう真っ暗です。
こうして毎年毎年時間をかけて、みんなの手でつくりあげていく肥土山農村歌舞伎。
この関わり合いの中で、お互いのことを知り、地域の結束がより強まっていくんだなと。
集落のみんなで、ひとつのものをつくりあげる。
今年初めて役者となり、準備の担当となり、その大変さや楽しさを実感しています。
肥土山農村歌舞伎、本番まで残りわずか。
5月3日の15時開演です。
今年も素晴らしい1日になりますよう。
information
肥土山農村歌舞伎
日時:2015年5月3日(日)15:00~20:00(小雨決行)
場所:肥土山離宮八幡神社 境内(全席無料・自由席)
主催:肥土山自治会
共催:肥土山向組
後援:肥土山農村歌舞伎保存会
演目:
第一幕『三番叟』
第二幕『恋飛脚大和往来 梅川忠兵衛 新口村』
第三幕『傾城阿波の鳴門 どんどろ大師の場』
第四幕『一ノ谷嫩軍記 熊谷陣屋の場』
※1 駐車場はアクティブ大鐸(旧大鐸小学校)グラウンドをご利用ください
※2 会場は露天で夕刻になると冷えますので各自寒さ対策をお願いします
※3 当日は舞台準備の都合により上演時刻の変更があります
※4 プログラムについては発送できませんのでご了承ください
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