連載
posted:2015.4.20 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
credit
撮影:中村優、小豆島カメラ
小豆島は一年で一番さわやかで鮮やかな季節を迎えようとしています。
もうすぐ5月です。
5月に入ると、肥土山では水路に水が流れ始めます。
その昔、庄屋の太田典徳さんが私財を投じて肥土山のためにつくった蛙子池。
いまもその池からの水が使われており、田植えが始まる5月上旬には
あちこちの田んぼに水がはられます。
まぶしいほどの山々の緑と空の青、そこを通り抜ける風が本当に心地いいです。
そしてこの最高の時期にあるのがゴールデンウィーク。
小豆島には毎年この連休にたくさんの旅行者の方々がやってきます。
宿泊施設はどこも満室、レンタカーもすべて出払ってしまうような状態。
日本中の観光地がどこもそんな感じですかね。
この観光地の悩ましいところはオンとオフがとてもはっきりしていること。
ゴールデンウィークや秋の紅葉シーズンは溢れるほどの人が外からやってきますが、
それ以外の8割くらいのシーズンは静かです。
カフェを営業していても、それをとてもよく感じます。
観光シーズンの気持ちのいい気候、美しい景色ももちろんいいのですが、
年中通した魅力って何だろう。
普通の日の小豆島の魅力。
それは、ここでの暮らし自体なんじゃないかなと思います。
都会ではなかなか味わえない、季節を楽しむ日本らしい暮らしがこの島にはあります。
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そんな普段の小豆島での暮らしを感じてもらえる旅を
小豆島カメラのメンバーで企画し、去年の秋に
「小豆島・生産者と暮らしに出会う旅」として初めて実施しました。
オリーブを収穫してオイルをしぼり、
そのオイルと地元の食材を使った料理をするという内容。
その季節に島の人たちがしていることを、少しアレンジして楽しんでもらう。
観光シーズンだけじゃない、普段の小豆島を楽しめる旅。
それぞれの季節にどんなことができるのか、みんなでネタを出しあうと、
「春は山菜をとりにいって、お寿司をつくるのとかいいね」
「秋は中山で農村歌舞伎があるから、割子弁当をつくるのがいいね」
「冬はお素麺づくりだね。醤油の仕込みもあるし」
話してみると、ほんとに小豆島では季節に合わせて
暮らしが営まれてるんだなと改めて感じました。
そしてこの5月16、17日に「生産者と暮らしに出会う旅 vol.02」として
小豆島カメラ企画のツアー第二弾を開催します。
今回は、無農薬のオリーブ茶畑で葉をつんでオリーブ茶づくり、
島のお料理上手なおばあちゃんの家で春らしいお料理づくりです。
観光シーズンじゃない、普段の日の小豆島を
暮らすように旅していただけたらなと思います。
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