村人がつくり楽しむ農村歌舞伎

皆で一緒に楽しむために。

あっという間に終わってしまったゴールデンウィーク。
今年はお天気にも恵まれ、とても気持ちのいい連休でした。

その連休のまんなか、5月3日に毎年恒例の「肥土山農村歌舞伎」が開催されました。

5月3日に開催された肥土山農村歌舞伎。お天気にも恵まれ桟敷席はお客さんでいっぱい。

肥土山農村歌舞伎は、300年以上続く肥土山地区の伝統芸能。
その昔、肥土山は毎年のように水不足。
困った百姓たちを救おうと、時の庄屋太田伊左衛門典徳さんが
3年の歳月と私財を投じて蛙子池を完成させ、
その水が伝法川を伝って肥土山へ流れてきたのを大変喜んだ村人たちが、
肥土山離宮八幡神社の境内に仮小屋を建てて、芝居をしたのが始まりと言われています。
なんとも昔話に出てきそうなお話。
それがこんなに身近にあるから驚きです。

太田伊左衛門典徳さんが造成した蛙子池。現在もこの池からの水を肥土山の農家さんたちは利用しています。

今年は私たちが初めて住民として参加する農村歌舞伎。
実は見るのも初めて。
そしてさらに歌舞伎の演目と演目の間の舞踏に、
いろは(5歳の娘)が参加することになったので、
初めての農村歌舞伎ながらいきなり深く関わることに。
3月2日の「練固め(ねりがため)」という顔合わせから始まって、
5月4日の「どうやぶち」という打ち上げまでの2か月間、
どっぷり歌舞伎な日々でした。

「練固め」の日の子どもたち。子ども歌舞伎や舞踏を担当します。緊張しながら皆さんに挨拶。

踊りの練習。同じ幼児園のお友だちとふたりで先生に教えてもらいます。

本番までの1か月間は、ほぼ毎日踊りの練習。
幼児園が終わってから、そのままお稽古。
「お願いします」
「ありがとうございました」
踊りはもちろん、始まりと終わりの挨拶など礼儀作法まで、
島に住む踊りの先生がとても丁寧に教えてくださいました。
そして家でもお友だちと自主練。
子どもと一緒にひとつの目的に向かって一生懸命頑張ることはとても楽しい。

先生の顔をしっかり見て「お願いします」の挨拶。当たり前のようでなかなかできない礼儀作法を教えてもらいました。

こんなふうにして、役者から大道具、着付けなど
すべてを肥土山で暮らす人々が担当し、当日に向けてつくりあげていく。
別にお金をもらってるわけでもないのに、皆が責任感をもち、
いいものにしようと自然と頑張れるこの雰囲気は本当にすごいなと感じました。
こんな田舎に、むしろ田舎だからこそなのか、
理想的なプロジェクトの進め方がしっかりと存在してる!

本番の舞台で位置合わせ。肥土山のおっちゃんたちが舞台の設置や準備をしてくれます。

そして当日15:30から開演。
夕方から夜にかけて、舞台うしろの暮れゆく風景を眺めながらの歌舞伎は
本当に最高だった。
農村歌舞伎は全然難しいものじゃなくて、
同じ地域に住むあの人、あの子が演じているのを見るのはとても楽しかった。
地元ネタなどのアドリブもあって、観覧席からどっと笑いも起こっていました。

お化粧と着付けを完了していよいよ本番。大勢の観客の前で初めて踊ります。

地元ネタのアドリブがところどころに入っていて、とても面白かった。(撮影:MOTOKO)

だんだん日が暮れていき夜になっても歌舞伎は続きます。この暮れゆく風景が本当に美しい。

今年は例年に比べて若い世代の人たちがたくさん見に来ていたそうで、
大盛況だったみたいです。
私の知人も、島外島内からたくさん来てくれました。
家で作ってきた割子弁当を一緒に食べながら、皆昔からの友人のような雰囲気で。

朝から急きょ準備した割子弁当。古くから伝わる郷土料理で農村歌舞伎を見物する際に、家族の弁当を入れて背負っていく木箱。これを20人分作りました。(撮影:MOTOKO)

島内島外の知人たち。この日初対面の人もたくさん。東京から来てくださったカメラマンのMOTOKOさんが撮影してくれました。(撮影:MOTOKO)

肥土山農村歌舞伎というのは、こんなふうにして
親戚や友だちと一緒に楽しむことができるお祭りなんだなとひしひしと感じました。
来年もその次の年もこのお祭りが開催され続けるように、
肥土山で暮らす家族として少しでも貢献できるといいなと思います。
来年も皆でつくり、皆で楽しめるといいな。

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