連載
posted:2018.3.12 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
太陽の日差しはもうすっかり春。
畑の野菜や草たちも一気に目覚め、冬とはあきらかに違う速さで成長しています。
〈HOMEMAKERS〉カフェも2か月の冬季休業期間を終えて、ようやく営業再開です。
今年の2月22日で、HOMEMAKERSカフェは4周年を迎えました。
まだまだ浅い歴史だけれど、この4年で常連さんもでき(ありがたし!)、
だいぶHOMEMAKERSカフェの“色”ができたように思います。
その4周年のお祝いと、今年もここで共に楽しみましょーの思いを込めて、
営業再開した週末に、カフェで映画の上映会をしました。
今年は映画の上映をしたり、勉強会やイベントを企画したり、
いままでやってこなかったことを少しずつ増やしていきたいなと思ってます。
HOMEMAKERSカフェがまた新たな場になるように。常に更新!
今回上映したのは『simplife(シンプライフ)』という映画。
アメリカ西海岸で広がりを見せる
「タイニーハウス・ムーブメント」のパイオニアたちを訪ね、
小さくて美しい暮らしを実践している彼らの言葉や暮らしの景色から、
新しい幸せのカタチを探しに行った
「身の丈の暮らし」をテーマとしたロードムービーです。
この映画をつくったBen Matsunagaさんも来てくれました。
Benさんとは友人の紹介で知り合い、カフェにも何度か遊びに来てくれていました。
『simplife』は全国のいろんな場所で上映されてきていて、
小豆島でも上映できたらいいね! と話していて、
それならHOMEMAKERSでできたらいいなぁと。そんな流れで実現した上映会。
(自主上映会されたい方はこちらから申し込むことができます)
Page 2
カフェ営業後、日暮れとともに島の友人たちが集まってくれて、
カフェはいっぱいになりました。
『simplife』の上映スタートです。
この映画には、タイニーハウスと呼ばれる小さな家で暮らす人たちが何人か出てきます。
小さな家っていいでしょ、みんなもこんな家に住んで! という内容ではなく、
そこで暮らす人たちがどうしてタイニーハウスを選んだのか、
どんな想いで、どんな暮らしをしているか、語られていきます。
その生き方はほんとに多様で、家も人もそれぞれ、さまざま。
ふと、ほんとはそれが自然なんだよなと思いました。
生き方によって家はもっといろんな大きさ、形、デザインがあるはずなのに、
なぜかいまの日本では同じような大きさの同じような間取りの家が
ずらっと並ぶ風景をよく目にする。
幸せはもっと多様なはずなのに、生き方も家ももっと自由なはず。
映画の中でたびたび出てくるのが、
ものを手放すことで、自由を手に入れる。
自分で手入れできる、身の丈にあった家で暮らす。
ということ。
私たちが名古屋で暮らしていた頃は、夫婦共働きでそれなりの収入があったけれど、
それを手放して小豆島に来ました。
収入は激減したけど、自分のペースで生きられる、働ける、自由を得ました。
そしてその生き方にフィットさせるように、家を直し続けています。
うちにはまだまだモノが多い。
『simplife』を見てもっと身軽になれるかもなと思いました。
もう何年も履いてないヒールの靴とか、
使ってない食器、全然着てない服、読み返すことのない本。
保管しておくスペースがもったいない。
少しずつ、使ってくれる人に譲ったりして減らしていこう。
本当にいるもの、大事なものが見えてくるように。
そうそう、『simplife』の上映翌日、
さっそく何本もある調理用ヘラのいくつかとさようならしました。
(映画の中でも6本もある木ベラを1本にした! ってご家族が出てきます。笑)
私たちなりのシンプライフを探してみようと思います。
information
HOMEMAKERS
Feature 特集記事&おすすめ記事