連載
posted:2018.3.26 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
誰かの家や部屋を借りて泊まることができる〈Airbnb(エアービーアンドビー)〉。
使ったことがある人はまだ少ないかもしれないですが、
一度は耳にしたことがあると思います。
Airbnbは「空いてる家や部屋を貸したい人」と
「借りたい人」をマッチングするサービスで、
国内でも6万軒以上の泊まれる場所が登録されているそうです(2018年2月時点)。
「民泊サービス」という言葉でよく紹介されています。
先日小豆島でそのAirbnbの方との交流会がありました。
Airbnbは〈ホームシェアリングラボ〉という活動をしています。
「ホームシェアリング」とは、家や家の一室を
宿泊場所として旅行者などにシェアすること。
日本語で言う「民泊」です。
ホームシェアリングラボは、ホームシェアリングを通して、
人と地域を自由にする新しいライフスタイルを試行する実験室です。
ホームシェアリングを通じて、個人と地域コミュニティ、企業をつなぎ、
新たなホームシェアリングのかたちを模索していきます。
とされていて、具体的には各地域で個人や地域コミュニティ、
企業などと一緒に、情報交換や勉強会を開催したり、
新たな企画を生み出したりしています。
今回はその一環で、香川を拠点に活動しているNPO法人〈アーキペラゴ〉と
Airbnbが共に活動している〈ホームシェアリングラボ四国〉の交流会が開催されました。
平日の日中にもかかわらず、島内のたくさんの人が集まりました。
Airbnbにはみんな興味があるんだなぁとあらためて感じました。
「お客さんがものを壊したときはどうなるのか?」
「6月から施行される住宅宿泊事業法はどんな内容なのか?」
「いまの時期だと海でわかめを採ってきて、それを家で料理するっていう
自分たちの普段の暮らしを体験させてあげたいんだけど、どうしたらいいか?」
「小豆島では“体験”の販売はできるようにならないのか?」
「Airbnbに登録したら、海外のお客さんが泊まりに来てくれたけど、
登録の仕方が間違っていて、ひとり3000円じゃなくて、
全員で3000円になってしまっていた(笑)」
Airbnbに関してはまだまだわからないことが多く、
いろんな意見や質問、体験談が飛び交いました。
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小豆島にもAirbnbに登録されている物件が何軒かありますが、その数はごくわずかです。
家を宿泊場所として使ってもらいたい、それで収入を得たいと思ってる島の人、
島の人が暮らしている普通の家に滞在したいと思っている旅行者や移住希望者、
きっとたくさんいると思います。
でもやっぱりAirbnbへのホストの登録のハードルは高く、
簡単にはAirbnbの利用は増えていかないのかなと。
小豆島はもともと有名な観光地なので、それこそホテルや旅館がたくさんあります。
いわゆる「ゲストハウス」(ドミトリー形式で比較的安い値段で泊まれる宿)も
最近ぽつぽつとでき始め、オープン予定のところも何軒か。
これに加えて民泊スタイルの宿も増えてきたら、
いまよりもっといろんなカタチの小豆島旅が生まれるんじゃないかなと思います。
島の人とつながりたい!、島の暮らしを体感したい!、
そういう旅が増えてくると思います。
このホームシェアリングラボという活動のなかで、
みんなで勉強したり、登録しやすくする仕組みをつくったりしていくことで、
小豆島のAirbnb、ホームシェアリング文化が盛りあがったらおもしろいなと思います。
それこそ小豆島が、ホームシェアリングを通して、
人と地域を自由にする新しいライフスタイルを試行する実験島になれば!
そうそう、うちも宿をやると言いつつなかなかスタートできずにいますが
(いつから泊まれるの? とよく聞かれます、すみません)、
いまは壁を塗ったりしてます。
備品をそろえたり、消防法の対応をしたりやることはいろいろあります。
空いた時間を見つけてぼちぼちやっているのでなかなか進みませんが、
そのうちひょっこりAirbnbに登場するかもしれません(笑)。
ただ泊まるだけじゃなくて、畑作業なども一緒にできたらいいなと思っています。
気長にお待ちいただければ!
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