行ってきました!
〈ユキノチカラツアー2018〉
小倉ヒラクさんと
発酵のミラクルをめぐる旅へ
岩手県の山間部にある西和賀町。
積雪量は県内一、人口約6,000人の小さなまちです。
雪がもたらす西和賀町の魅力あるコンテンツを、
全国へ発信していくためのブランドコンセプト〈ユキノチカラ〉。
西和賀の風景をつくりだし、土地の個性をかたちづくってきた雪を、
しっかりタカラモノとしてアピールしていくプロジェクトです。
今回は、「発酵」をテーマにしたツアーレポートをお届けします。
いざ、真っ白なスノーワールドへ!
2018年2月24・25日の2日間にわたって、
第2回ユキノチカラツアーが行われた。
今回のテーマは「雪国の発酵をめぐる旅」!
では、発酵食と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?
日本酒やビールなどの酒類、味噌・しょうゆ、
チーズやヨーグルト、パン、納豆、漬け物……
ひと口に発酵といっても、随分多くの食品がある。
そして、そのほとんどを西和賀町でもつくっているのだ。
いったい、西和賀町に秘められた発酵パワーとは?
発酵案内人は発酵デザイナーの小倉ヒラクさん。
「秋田には何度も来たことがありますが、西和賀は初めて! 楽しみです」
と話すヒラクさんと一緒に西和賀町へと向かった。

発酵デザイナー・小倉(おぐら)ヒラクさん
東京農業大学で研究生として発酵学を学んだあと、山梨県甲州市の山あいに発酵ラボをつくり、日々菌を育てながら微生物の世界を研究中。「見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにすること」をめざし、全国の醸造家と商品開発や絵本・アニメ制作、「こうじづくりワークショップ」などを開催している。

関東はもちろん、新潟県や宮崎県などから集まったツアー参加者は21名。
今年、西和賀町の積雪は例年よりさらに多く、
道路の両サイドはどこもかしこも、2メートルに及ぶ雪の壁がバーンと立ちはだかっていた。
見渡す限り、雪、雪、雪ワールド。参加者のワクワク感も増すばかりだ。
最初に出合った発酵パワー 幻の雪納豆は、雪に納豆を埋める?
最初に一行が訪ねたのは、西和賀町の北部に位置する沢内地区、
〈味工房かたくり〉の中村キミイさんのお宅だ。

〈味工房かたくり〉では、地元食材を使って加工食品をつくり販売している。
キミイさんは、昔、西和賀町の人々がつくっていたと伝わる、
〈雪納豆〉に興味を持ち、試行錯誤を重ねて復活させた人。
現在は、ご主人の中村一美さんとふたりで
農業体験学習の一環として〈雪納豆〉づくりを行っている。

中村キミイさん。西和賀町の定番おやつ〈ビスケットの天ぷら〉、〈大根の一本漬け〉なども自慢のひとつ。
前回のツアー紹介でも記したが、雪納豆とは大豆を煮て
稲わらの藁つとに包み、雪の中で緩やかに発酵させた納豆である。
「私は福島出身ですが、小さい頃は稲わらでつくった藁つと納豆を
食べたものです。この土地に来て暮らすうちに
昔つくっていたと聞く〈雪納豆〉を、なんとか再現できないかと思って」
そう話すキミイさん。すでにつくり手は途絶えていたため、
古い資料を頼りに試してみたが、うまくいかなかった。
というのは、雪が2メートル近く積もらないと試すことができず、
実験可能なのは、冬のわずか40日ほどのみ。
失敗しても改善策を試せるのは翌年……、なのである。
地道な努力を重ねて20年以上。
「やっと数年前から、安定した〈雪納豆〉がつくれるようになったの」と笑う。