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3年でこんなに揃いました!
西和賀町の魅力が凝縮された
〈ユキノチカラ〉の
商品ラインナップ

岩手県西和賀町・ユキノチカラプロジェクト
vol.019

posted:2018.5.22  from:岩手県西和賀町  genre:食・グルメ / 買い物・お取り寄せ

sponsored by 西和賀町

〈 この連載・企画は… 〉  岩手県の山間部にある西和賀町。
積雪量は県内一、人口約6,000 人の小さなまちです。
住民にとって厄介者である「雪」をブランドに掲げ、
まちをあげて動き出したプロジェクトのいまをご紹介します。

editor’s profile

Hiroko Mizuno

水野ひろ子

フリーライター。岩手県滝沢市在住。おもに地元・岩手の食や暮らし、人にまつわる取材や原稿執筆を行っている。また、「まちの編集室」メンバーとして、「てくり」および別冊の編集発行などに携わる。

credit

撮影:奥山淳志、下平桃子

2015年に始まった〈ユキノチカラプロジェクト〉も、今年で3年目。
まちの事業者たちを中心に、これまでさまざまな商品開発を進めてきました。
そして、第3弾となる〈ユキノチカラ〉商品を4月から発売。
徐々に仲間を増やす〈ユキノチカラ〉ブランドですが、
あらためてラインナップを見ると、西和賀町で育まれる食の恵みが
実に多種多様であり、大きなポテンシャルを秘めていることに気づかされるはずです。
新しく加わった6事業者の商品を、ご紹介します。

エサや環境に配慮し、長期飼育した
地鶏の燻製〈銀雪〉南部かしわスモーク(丸鶏)

「南部かしわ」とは、岩手県の在来鶏「岩手地鶏」の血を引く地鶏で、
噛み応えのある肉質、噛むほどに舌を楽しませるうまみ、ほのかな甘みが特徴だ。
西和賀町内で温泉宿〈山人〉を経営し、町の観光協会会長でもある髙鷹政明さんは、
「夏の冷涼な気候を生かして飼育し、まちの名物にしたい」と、
2011年から飼育の研究に着手した。
生産体制や生育環境の統一、品質や供給の安定を目指し、
2013年に地元の大野集落営農組合などの生産者と、
〈いわてにしわが南部かしわプロジェクト(株)〉を設立し、飼育にとりかかる。
同社では、町内産の大豆や米、ミネラル豊富な湧水を与え、自然に囲まれた静かな鶏舎で、
1平方メートルあたり5羽以下にして、のびのび飼育するなど、エサや飼育環境に配慮。
また、約120日と長期間飼育することで、地鶏特有の食感に仕上げている。

2017年には、消毒・殺菌に電解水を使うなど、
衛生管理を徹底した加工処理施設を整備し、最新鋭の冷凍システムCAS機能も導入。
飼育から加工までの一貫体制で、新ブランド
〈南部かしわ銀雪(ぎんせつ)〉を立ち上げたのだ。
丸ごと1羽を燻製にした〈ユキノチカラ「銀雪」南部かしわスモーク(丸鶏)〉は、
その第1弾商品。かむとプリッとした食感ながら中はジューシーで、
燻製ならではの香ばしい風味が食欲をそそる。
ふるさと納税返礼品や〈山人〉で味わうことができるので、ぜひ一度お試しあれ。

CAS で急速冷凍。しっかりおいしさを保つ。

CAS で急速冷凍。しっかりおいしさを保つ。

プロの腕とアイデアから誕生した 〈いわなのバーニャ〉&〈りんごミルクジャム〉

以前、コロカルの人間図鑑で紹介した鈴木智之さんは、
西和賀町出身の料理人。町内の温泉宿〈山人〉で料理長を務めたのち、
2017年に地元食材を生かしたパン工房〈Korva(コルヴァ)〉を立ち上げたことは
すでに紹介済みである。

しかし、その後も彼の物語は続いている。
同年12月、鈴木さんは、町内の本屋敷地区に
レストラン〈縄文の谷 キッチン開〉をオープン、
日々、地元食材を生かした創作料理を提供する傍ら
オリジナルの加工食品開発にも動き出した。

本屋敷地区一帯の自然を生かした宿泊施設やツリーハウス建設など、鈴木さんの夢は広がる。レストランのオープンはその一歩なのだ。店の名前〈開〉は鈴木さんが好きな開高健氏から字をもらった。本屋敷の土地を開いていきたい! という思いを込めている。

本屋敷地区一帯の自然を生かした宿泊施設やツリーハウス建設など、鈴木さんの夢は広がる。レストランのオープンはその一歩なのだ。店の名前〈開〉は鈴木さんが好きな開高健氏から字をもらった。本屋敷の土地を開いていきたい! という思いを込めている。

そのなかで、ユキノチカラブランドとして誕生したのが
〈いわなのバーニャ〉と〈りんごミルクジャム〉の2商品である。

県産イワナを使った〈いわなのバーニャ〉は、
冷温どちらもおいしく味わえるのが特徴だ。
バーニャカウダは、イタリアの野菜料理に使う温かいソースを指すが、
鈴木さんのバーニャは主材料のアンチョビの代わりにイワナを使用。
イワナは皮をとって塩漬けし、1か月以上熟成させる。
ニンニクやタマネギ、湯田牛乳の生クリームも加え、
奥行きのあるなめらかなソースに仕上げた。
「淡白ながらもイワナの存在感を大事にしています」と
話す鈴木さんの言葉どおり、フレッシュな野菜のおいしさを
引き出すバーニャの味は絶妙だ。

もう一品は〈りんごミルクジャム〉。
横手市在住の鈴木さんは地元農家とも関わりが深く、
これは、冬を越して生の出荷が難しくなったリンゴを活用しようと考案した。
湯田牛乳の生クリームとヨーグルトを加えたジャムは、
まろやかさとすっきりした酸味が上品なおいしさ。
どちらもレストランシェフならではの創造性とセンスが生きた、
オリジナリティあふれる商品であり、
いつもの家庭料理が、ひと味違ったものになりそうだ。

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過去何度もご紹介した、あの名物も!

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西和賀の母さんの味、〈納豆汁の素〉
手軽に自宅で召しあがれ

3つ目は、vol.15の記事でも紹介した〈納豆汁の素〉。
西和賀町民にとって元気の源ともいえる「納豆汁」を、
誰もが手軽に再現できるように〈(株)西和賀産業公社〉と
地元・左草のお母さんたちが共同開発した〈納豆汁の素〉は、
今や、冬場の人気商品である。
これまでも、どぶろく、ユキノチカラめし、西わらびのピクルスなど
ユキノチカラブランドを展開してきた同公社が販売を担っているが、
お椀をイメージしたパッケージに衣替えし、新たな客層にアプローチする。

手のひらサイズで平たく成形してあり、だし汁に溶けやすい。

手のひらサイズで平たく成形してあり、だし汁に溶けやすい。

ユキノチカラツアーにて、納豆汁をつくる左草畑作生産組合のお母さんたち。

ユキノチカラツアーにて、納豆汁をつくる左草畑作生産組合のお母さんたち。

ユキノチカラツアーにて、納豆汁をつくる左草畑作生産組合のお母さんたち。

〈納豆汁の素〉は、味噌と混ぜ合わせた納豆を細かくつぶし、
2食分ずつ平らに成形してラッピングしたもの。
使う分をだし汁に溶かして使うので、
納豆を潰す手間なく納豆汁を味わえるのが特徴だ。
8年ほど前、「地元の食材を生かした商品をつくりたい」
との思いから生まれた同商品。
納豆汁で育った左草畑作生産組合のお母さんが集まって、
ほとんどの工程を手作業でつくっている。
納豆5キロに対し使う味噌はたっぷり3.5キロ。
重い味噌と粘りが強い納豆を合わせる作業は重労働だが、
ベテランのお母さんがまんべんなく味噌を練りからめていく。
味の決め手となる味噌にも同組合の〈ゆきっこ味噌〉を使用する。
今や、年間約7000個を売り上げる〈納豆汁の素〉。
従来のパッケージからリニューアルした
新しい顔で、西和賀町のおいしさを届けていく。

口の中でほろりと溶ける
新雪のような、おぼろ豆腐〈あわゆき〉

西和賀町湯之沢地区にある、〈とうふや源助〉。
毎朝、家族で仕込む手づくり豆腐の数々は
地元の人だけでなく、観光客にも人気だ。
木綿豆腐を基本に、寄せ豆腐や湯葉などの商品には、
西和賀で採れた大豆を使用。
ひと口含むとまろやかな大豆の風味がしっかり感じられる。
店主の高橋勇一さんは、58歳で一念発起して豆腐店を開業。
地元の温泉宿で提供できる西和賀らしい食品をつくりたいと
豆腐づくりを始めたのだ。

「教わった通り、何も変えずにつくっています」と勇一さん。

「教わった通り、何も変えずにつくっています」と勇一さん。

創業は2003年。勇一さんは役場を退職後、
山形まで出向いて一から豆腐づくりを学んだ。
もめん豆腐〈まめでらが〉、おぼろ豆腐〈あわゆき〉、
ざる豆腐〈豆一心〉、ゆばさし、くみあげゆば、
豆乳と寒天などで固めた〈滝川とうふ〉(4~9月)など、
毎朝店先に並ぶできたての豆腐は、西和賀の食卓を地道に支えている。

勇一さんは自信を持ってこう語る。
「西和賀町に降り積もった雪ダムこそが食材の良質な水源。
春先からゆっくり溶けて川へ流れ、清らかな地下水になります」
川の上流で採れる西和賀の大豆はひと味違うのだと。
同店の豆腐直売は店頭のみ。
日々対話をするお客さんの要望に応えた商品として
新登場したのが、おぼろ豆腐〈あわゆき〉の少量タイプである。

これまでの400gに加え、ユキノチカラブランドとして食べきりサイズの150gをつくった。

これまでの400gに加え、ユキノチカラブランドとして食べきりサイズの150gをつくった。

「おぼろ豆腐は、できたての豆腐をすくって盛った寄せ豆腐のこと。
買ったばかりのおぼろ豆腐をすぐに店先で味わいたいという方、
家族が少ないので小さめが欲しいという方が多くなってきて」と勇一さん。
ふわりと柔らかなおぼろ豆腐〈あわゆき〉は、
まさに西和賀町の雪のようである。

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地元で愛されている素朴なお菓子がリニューアル

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定番&人気の8種が新パッケージで登場! 〈サンタランドのぽんせん〉

西和賀町の人々に長く愛されている〈サンタランドのぽんせん〉。
ぽんせんは、玄米やデンプン粉などの生地を焼きあげた素朴なお菓子で、
同社は30年以上にわたってぽんせんをつくり続けてきた。

素朴な味のぽんせん。工場長の高橋文和さんたちスタッフが、昔から変わらぬつくり方で丁寧に焼き上げている。

素朴な味のぽんせん。工場長の高橋文和さんたちスタッフが、昔から変わらぬつくり方で丁寧に焼き上げている。

すっぽりと雪に覆われた〈サンタランド〉。

すっぽりと雪に覆われた〈サンタランド〉。

創業当初から変わらないスタンスは、厳選された国産原料を使い、
添加物、合成着色料、化学調味料、保存料を一切使わないこと。
安心・安全なお菓子として、全国各地の幼稚園のおやつとしても定評がある。
西和賀町産玄米や県産雑穀などをベースにその味は約50種。
2016年からは、ユキノチカラブランドとしても販売してきたが、
この春、少量パッケージに装いを変えた8種類が新登場。
玄米2種(しょうゆ、ゴマ)、雑穀2種(プレーン、しょうゆ)、
小魚味、桑の葉茶味の6種が、
カラフルでスタイリッシュなパッケージに衣替えした。

もう2種のシックなパッケージは〈おとなのぽん〉という気になるネーミング。
お酒のつまみにおすすめのチーズ味とピッカラ味だ。
ピッカラ味は町内で販売している南蛮漬けを使っており、
ピリリとした辛さがビールのおともにぴったり。
8種いずれも少量食べきりサイズ、シンプルで飽きのこないおいしさだ。

保管に便利なファスナー包装。

保管に便利なファスナー包装。

新食感、お餅とヨーグルトムースの
爽やかコラボ!〈もちりん〉

最後に紹介する商品は、西和賀町の湯本温泉郷に店を構える工藤菓子店から。
同店が創業したのは1953年。その頃、湯本温泉は
大勢の観光客でにぎわう一大観光地で
当時、宿泊客のお茶うけ用につくった〈およねまんじゅう〉は、
今も湯本温泉を代表する銘菓のひとつだ。
同店がつくる第1弾のユキノチカラブランド〈ほろりん〉も好評だが、
さらに、第2弾となる新食感スイーツが生まれた。
真っ白なヨーグルトムースをふわりとお餅で包み込んだ
ひと口サイズのお菓子〈もちりん〉である。

1パック4個入り。冷凍発送でお届け可能。解凍するともっちもちの食感に。

1パック4個入り。冷凍発送でお届け可能。解凍するともっちもちの食感に。

使うヨーグルトは、もちろん〈(株)湯田牛乳公社〉の湯田プレミアムヨーグルトだ。
「濃厚で上質な〈湯田プレミアムヨーグルト〉を使って、
しっかり食感あるムースができあがりました」と話すのは
開発担当者で、3代目として暖簾を守る工藤正道さん。

正道さんは、県外のイベントでも西和賀の味を広くPRしている。

正道さんは、県外のイベントでも西和賀の味を広くPRしている。

試作段階では1個のサイズや中身の量をいろいろ検討し、
ムースをやや多めに入れたのがポイントだ。
ムースに山ぶどうやドライフルーツを入れる案もあったが、
西和賀の真っ白な雪をイメージさせる
シンプルなヨーグルトムースで仕上げたのは正解だ。
口にほおばると、存在感あるムースと柔らかなお餅が見事にとけあう。
コクのあるミルクの香りと爽やかなヨーグルトの風味が広がり、
もうひとつ手を伸ばしてしまいそう。夏にもぴったりのデザートだ。

今年の6事業者による新商品たち。

今年の6事業者による新商品たち。

さて、2018年春、新たにユキノチカラブランドに加わった6社の商品たち。
一から開発を試みた商品もあるが、その多くは
西和賀町に長く息づき、大事に受け継がれてきた食文化を素地に
生まれた商品たちである。
そう、ユキノチカラは、視点を変えることであらためて掘り起こされる西和賀の価値なのだ。
ユキノチカラデザインプロジェクトの取り組みによって
事業者をはじめ、住民のみなさんが少しずつ
足もとの価値に気づき始めている。
プロジェクトという外からの仕掛けを機に
今後、地元からどんなアクションが生まれるか楽しみだ。
それこそが真のユキノチカラなのかもしれない。

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