連載
posted:2018.4.9 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
今年もやってきました。
4月! 生姜植え付けの季節です。
私たち〈HOMEMAKERS〉は、年間通して80種類くらいの野菜を育てているのですが、
その中でも圧倒的に多く育てているのが生姜です。
もともと小豆島で生姜栽培が盛んだったわけではなく、
ただ私たちが生姜を育てたかったから始めた生姜の栽培。
当時、体の冷えが気になっていて、生姜は体を温めてくれる、
それなら自分たちの手で育てたいなと。今年で6年目になります。
そもそも生姜ってどうやって育てるんだろう。
スーパーで売ってる、あのかけらの状態しか知らない。
まったく何の知識もない状態から、インターネットや本で調べながらスタートしました。
生姜は春に植えて秋に収穫します。
1年に1回しか栽培することができません。
雑草に生姜が負けてしまったり、台風で茎が折れてしまったり、
イノシシに掘り起こされてしまったり、大きく育たなかったり。
毎年いろんなハプニングやうまくいかないことがあります。
今年は豊作だったねという年もありました。
そういうひとつひとつの経験を経て、少しずつ
自分たちの栽培方法ができあがっていってる気がします。
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今年は手伝いに来てくれる友人と一緒に考えて、
効率的に生姜を植えられるオリジナルの道具をつくりました。
ひとつは、T字スコップ!
スコップにサメの背びれみたいなパーツを溶接してもらいました。
これを黒マルチ(畑の畝に張ったビニール)に突き刺すと、
生姜を植えるためのT字型の穴が空いていきます。
その穴を等間隔にあけるための目印になるのがふたつ目の道具。
白・黄・白・黄と交互にテープを取りつけた麻ひも。
ひたすら等間隔にテープが並んでいるだけのシンプルな道具なのですが、
とても使いやすい! 軽いし、巻けばコンパクトだし。
農業ってほんとクリエイティブだなとしみじみ思います。
6年前は私たち家族だけでしていた生姜の植え付け作業。
いったい何日かかっていたんだろう。
今年は、いつも来てくれている農作業に慣れた島の友人たちのおかげで、
予定通り完了しました。チームってすばらしい!
植え付けが完了し、ここからが勝負。
今年こそ、雑草に負けないように、乾燥しないように、
倒れてしまわないように、そして大きく育つように。
とにかくこまめに手入れです。
野菜がちゃんと育っている畑はとにかく美しいんです。
目指すは美しい生姜畑!
私たちが暮らす小豆島の肥土山(ひとやま)は、
夏になると田んぼの緑がとても美しい集落ですが、
そんな中でよく見ると美しい生姜畑も広がっていたりしたら、それはそれはうれしい。
私たちの営みが肥土山の風景になる。そんな日を夢見てがんばろう。
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