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肥土山農村歌舞伎、稽古と準備の日々

小豆島日記
vol.099

posted:2015.3.30   from:香川県小豆郡土庄町  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。

writer profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/

夫と娘も歌舞伎の役者に。

毎年5月3日に開催される肥土山農村歌舞伎。
江戸時代より300年以上続いている肥土山の伝統行事です。

肥土山農村歌舞伎は、ここで暮らす人々自身が役者であり、
大道具、小道具、衣装、着付け、化粧などもすべて自分たちの手で行います。
肥土山自治会の中には6つの組があり、その6つの組が毎年交代で、
歌舞伎本番に向けての準備を進めていきます。
つまり6年に一度大変な年がやってくる感じ。

そして今年は私たちが属する向組(むかいぐみ)の当番。
歌舞伎本番の約半年前からじわりじわりと準備が始まりました。

衣装の準備。今年の演目で使う衣装を蔵から出します。

いろは(娘)が着る衣装。

かつらも自分たちで用意します。

花道の設置と大道具の確認。

肥土山農村歌舞伎では、3つの演目が上演されます。
第一幕はその年の担当の組の人たちが主に演ずる演目、
第二幕は子どもたちだけの演目、
そして第三幕は肥土山農村歌舞伎の保存会の人たちが演ずる演目。
今年は、なんとたくちゃん(夫)といろは(娘)が第一幕の演目に役者として出ます。

Page 2

たくちゃんといろはが出演する演目「どんどろ大師の場」の台本。

DVDを見ながらセリフの練習。

年があけて1月、演目と役者が決まり始めます。
2月、顔合わせと台本配布、セリフの読み合わせスタート。
そして3月、週1〜2のペースで集まって稽古、同時に衣装やかつら、道具類の準備。

初めての読み合わせの日、台本を持って稽古場である集会所へ。
そしてさっそく読み合わせスタート。

みなさん、うますぎる……。

初めての読み合わせ。

練習着と小道具を使っての立ち稽古。

小さい頃からずっと暮らしの中に歌舞伎がある。
じいちゃんやばあちゃん、父ちゃん母ちゃん、
兄ちゃん姉ちゃんが演じるその姿を見ながら、自然と自分も歌舞伎の演者に。
そんなふうにこの集落ではずっと歌舞伎が続いてきたんだな。
こうやって300年以上も続いてるんだなと、
その日の読み合わせでしみじみと感じました。

そんなみなさんに追いつくべく、私たち家族も毎日練習です。

肥土山農村歌舞伎は、5月3日開催。
残り1か月、歌舞伎の日々が続きます。

information


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HOMEMAKERS

住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1
営業時間:金曜、土曜のみ 11:00~17:00(L.O. 16:00)
http://homemakers.jp/

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