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夏は米づくり、冬は山仕事。
南伊豆〈大喜米〉の大ちゃんこと
中村大軌さんの目指すもの|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.032

Page 3

「半農半林」の人、
〈南伊豆米店〉の中村大軌さん

南伊豆米店(株式会社アグリビジネスリーディング)は
地域の休耕田を再生し、無農薬の〈大喜米〉を主軸に
環境に配慮した米づくりを行っています。

南伊豆最大の作づけ面積を持ち、
先日は休耕田再生の取り組みが評価され、
静岡県「ふじのくに未来をひらく農林漁業奨励賞」を受賞。
その南伊豆米店を率いる中村大軌さんとは、
高橋養蜂の高橋鉄兵さんを通じて知り合いました。

〈大喜米〉の稲刈りイベントにて。大軌さん(右)、鉄兵さん(左)。いまでは地域を代表する若手農家のふたりはともに30代後半の移住者、お互いのよき理解者。大軌さんは地域の人に、「大喜米の大ちゃん」と親しみをこめて呼ばれています。

大軌さんは米づくりの間口を広げたいという思いで
稲作支援制度に取り組んでいるそうです。

田んぼの選定から始まるこの制度は、
それぞれの状況により関わり方を調整してもらえます。
費用も自分が多くのことをやればその分安くなると。

わが家の場合、半反(約500平米)の田んぼと苗、
トラクターでの田起こしなどの作業と技術的なサポートをしてもらい
年額6万円程度。田植え、日々の水の管理、
除草や田んぼまわりの草刈り、稲刈りは自分でやります。
(近隣の方、また伊豆への移住を含めて興味のある方は
ぜひ、問い合わせてみてください)

サポートを受けるといっても初めての米づくり、大変なこともありそうです。
でも、家族で自分たちの食べる米をつくるのが
僕の夢のひとつでもありました。まだ始まってもいませんが、
まずは一歩踏み出せたことがとてもうれしいです。

移住前に参加した田植えイベントでのひとコマ。借りる田んぼも手植えでやろうと思ってます。楽しみ!

5月に田植えの予定。
米づくりの様子はこの連載でもお伝えしていきます。

そして僕が農園づくりの仕事をしている高橋養蜂でも、
自分たちではどうにもならない急斜面の樹木の伐採などでは
大軌さんにサポートをお願いしています。

というのも、大軌さんは春から秋は米づくりを行い、
米づくりがひと段落する秋から春先までは林業を営む
「半農半林」の人なのです。

農園を囲う獣害対策の柵のルート上にある樹木の伐採をを大軌さんに依頼。「ミツバチの楽園」づくりは日々こつこつと続けています。

先日、林業を営む別の方と話をする機会があったのですが、
真夏は山仕事には向いておらず休むことが多いと聞きました。
夏が中心の「米づくり」と「林業」の相性はよいのでしょう。

後日、南伊豆米店のスタッフが伐採にやってきました。林業のプロの仕事を間近で見たのは初めてでしたが、感動するほどの迫力と身体能力。こんな木の上に重いチェーンソーを持ってひょいひょいと登っていく。田んぼと山が彼らの仕事場。頼もしい若者たちです。