小豆島の廃校になった小学校を改装して
農村ホテル〈NOTEL〉をつくります!

農村に新しいホテルを!

2023年、私たちは大きな挑戦をします。
私たちが暮らす小豆島の肥土山(ひとやま)という農村に、新しいホテルをつくります。
今回の小豆島日記では、その挑戦について今までの経緯と
現時点での状況についてお伝えしたいと思います。

農村にホテル!?
いつオープンするの? 何部屋あるの? どんな雰囲気? 
なんでホテルやるの? 誰がやるの?
はてながいっぱいだと思いますので、わたし自身も整理しながら、
ひとつずつお伝えしていきますね。

まずは、誰がやるの?
私たちHOMEMAKERSは、小豆島の真ん中に位置する
肥土山という農村を拠点に農業をしています。
約200世帯、500人ほどが暮らしている農村集落です。

この農村でともに暮らす30〜40代の仲間5人。
普段からごはんを一緒に食べたり、ともに働いたり、
いろんな話をする友人でもあり、ご近所さんでもある存在。
この5人で、自分たちが暮らす肥土山という場所にホテルをつくろう! 
と動き出しました。

7月の肥土山の田園風景。本当に美しい農村です。奥に見えるのは「肥土山農村歌舞伎舞台」。

7月の肥土山の田園風景。本当に美しい農村です。奥に見えるのは「肥土山農村歌舞伎舞台」。

写真左から、三村拓洋(農家)、柿迫恵(商店店主)、柿迫航(デザイナー)、佐々木恵(建築家)、三村ひかり(農家)。

写真左から、三村拓洋(農家)、柿迫恵(商店店主)、柿迫航(デザイナー)、佐々木恵(建築家)、三村ひかり(農家)。

事業をはじめるにあたり、5人が同じ立ち位置で活動できるようにと
「肥土山ランドスケープ合同会社」という法人を立ち上げました。
会社の名前は、自分たちが暮らす肥土山の美しい風景がこの先も続いていくように、
そして新たな風景を自分たちがつくれたらいいなという思いを込めて。

さて、なんでホテルをやるのか?
これは前々からずっと困っていたことなのですが、
友人や知り合いが小豆島に遊びに行くよ! となったときに、
おすすめできるちょうどいい滞在場所がないんです。

ようこそ! と、自分の家でお迎えしたい気持ちは山々なのですが、
毎回自分の家に誰かを招くのはなかなか大変なこと。
布団を準備したり、掃除したり、食事のことを考えたり……。
お互いにとって快適な距離感で、近すぎもなく遠すぎもなくお迎えできて、
私たちが日々食べているおいしいものや時間の過ごし方を共有できる、
そんな場所が欲しい。

そして、島の外から来る人たちのためだけじゃなくて、島で暮らす自分たちにとっても、
日々の生活のなかでふらっと立ち寄れる、好きな場所が欲しい。
お茶したり、買いものをしたり、仕事をしたり、本を読んだりできる場所。

そんなことを考えていたとき、気になっていた建物があったんです。

東京・檜原村の木材で 〈東京チェンソーズ〉と大学生が おもちゃづくりを実施

プロダクトデザインを学ぶ学生と協業

東京の林業会社〈東京チェンソーズ〉が、檜原村・学校法人桜美林学園と
産官学連携の〈子どもの好木心「発見・発掘」プロジェクト〉を2023年4月に始動。
「檜原村トイビレッジ構想」を掲げる檜原村を舞台に、
プロダクトデザインを学ぶ学生との協働で、林業会社ならではの
市場に流通しない素材を生かした新たな木のおもちゃの商品開発を行っていきます。

総面積の93%が森林で、かつては広葉樹の炭焼きが、
戦後は林業が栄えていた東京都本土唯一の村である檜原村。
しかし現在は高齢化が進み、毎年人口減少が続いています。

フルーツたっぷりのパフェや体にやさしい焼き菓子、昔ながらのおはぎ。みんなのご褒美スイーツは何?


今月のテーマ 「ご褒美スイーツ」

今年も半年が過ぎました。
新たな挑戦や新生活をスタートさせた人も、
ちょっと甘いもので自分をねぎらいませんか?

今回は全国にお住まいのみなさんに
自分の「ご褒美スイーツ」を教えてもらいました。

とっておきのスイーツを食べて
2023年の下半期もがんばりましょう!

【東京都・武蔵野市】
農園直送の新鮮なフルーツを〈Berry coco〉で味わう

自分への“ご褒美”といったら、みなさんは何を思い浮かべますか?
私が今回ご褒美におすすめしたいのは、
甘くてみずみずしいフルーツをたっぷり使用したスイーツです。

フルーツのスイーツ

JR吉祥寺駅から徒歩3分の場所に2020年の夏にオープンした
〈Berry coco〉は、フルーツ創作料理のお店。

〈Berry coco〉吉祥寺本店の店内。

〈Berry coco〉吉祥寺本店の店内。

同店のオーナーシェフである田代 淳さんは、山梨県の出身。
料理に使用するフルーツのほとんどは実家の農園で収穫した
新鮮なフルーツを使用しています。

農園で収穫したフルーツ以外にも、契約農家から直送のものを使用しているそうです。

農園で収穫したフルーツ以外にも、契約農家から直送のものを使用しているそうです。

メニューはフルーツを使用した創作料理をはじめ、
季節のフルーツパフェ、サンド、ケーキなど
豊富なフルーツメニューを取り揃えています。

人気のフルーツサンドも6種類以上のフルーツが使用されています。

人気のフルーツサンドも6種類以上のフルーツが使用されています。

オーナーシェフの田代さんは、ホテルの料理人として研鑽を積んだ後、
オリンピック選手の専属料理人も務めた凄腕シェフ。
スイーツ以外のフードメニューの味もお墨つきです。

「自家製ローストビーフ&フルーツサラダ」1650円(税込)〜。

「自家製ローストビーフ&フルーツサラダ」1650円(税込)〜。

収穫後に追熟させたものとは違った、完熟フルーツのおいしさが味わえます。
見た目の美しさだけでなく、
「甘くておいしいフルーツを思いっきり食べたい!」という
欲求を満たしてくれるビジュアルとボリュームに感動する方も少なくありません。

〈Berry coco〉オリジナルの「季節パフェ」2838円〜(税込)。

〈Berry coco〉オリジナルの「季節パフェ」2838円(税込)〜。

現在、丸井吉祥寺店や三鷹台にもテイクアウト店舗をオープン。
極上のフルーツケーキを気軽にお持ち帰りできます。

 季節のフレール「いちじく」1155円〜(税込)。

季節のフレール「いちじく」1155円(税込)〜。

キラキラと輝く宝石箱のようなスイーツを味わったら、
また次も食べられるように頑張れちゃいますね(笑)。

information

map

Berry coco

住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町2丁目6-2 末広ビル1階

TEL:0422-26-9354

Web:Berry coco

photo & text

Momo*Kinari きなり・もも

ライター・エディター。東京在住。Webや雑誌、旅行ガイドブックで撮影・執筆。 国内外でグルメや観光スポットを取材。たまに料理やモノづくり、イラストの仕事もしています。 Twitter:@Momo_kinari

そこに生えてくる草花を楽しむ。
手入れをほとんどしない庭に
教えてもらうこと

イネ科の雑草と、外来種のセイタカアワダチソウだけを抜いてみた

気持ちが落ち込んだり、疲れが溜まったりしたら、仕事場の庭に裸足で出て、
とにかく植物をじっと見ることにしている。
以前は、四季は同じように繰り返されると思っていたけれど、
庭の草花は、その年々でまったく違っている。

この仕事場を借りたのは4年ほど前。3軒が連なった長屋の1軒だ。
前の住人がいつまで住んでいたのかは定かではないけれど、
おそらく8年ほどは空き家になっていたのではないかと思う。
入居したその年はイネ科の雑草が繁茂していて、
夫がそれらを刈ってくれていたこともあって、
庭にどんな植物が根づいているのかはよくわかっていなかった。

手入れをしていないとイネ科の雑草が元気に伸びる(これはこれでキレイだなあと思います)。

手入れをしていないとイネ科の雑草が元気に伸びる(これはこれでキレイだなあと思います)。

冬の庭。屋根からの落雪で2メートル以上の雪が積もっている。

冬の庭。屋根からの落雪で2メートル以上の雪が積もっている。

借りた翌年、雪解けを過ぎてみると、チューリップやバラの芽が現れてきた。
ここにはもしかしたらいろいろな植物が植えられていたのかもしれないなと思いつつ、
目立って生えていたイネ科の雑草と、外来種のセイタカアワダチソウだけを
春先から抜いていくようにした。
以前に自宅の庭が、イネ科の雑草に覆い尽くされた経験があったこと、
またセイタカアワダチソウは根から毒素を出して
ほかの植物が育たないような環境をつくると聞いたことがあったからだ。

雪が溶けたあとの庭は枯れた草で覆われている。そこから芽を出すフキノトウ。

雪が溶けたあとの庭は枯れた草で覆われている。そこから芽を出すフキノトウ。

2年ほど、このふたつだけを抜くということを続けていたら、
ヨモギ、フキ、アカツメクサ(赤クローバー)などが、どんどん大きくなっていき、
それぞれが棲み分けをして、調和が生まれていったように思えた。
また、ところどころに、赤紫蘇やレモンバーム、ワイルドベリーなどを新しく植えて、
植物の種類を増やしていった。
だんだんと庭で過ごす時間が増えていって、
いつしか庭につけた小さな道を裸足で歩くようになった。

「歩きたくなる町、てしかが」
その理由は
〈摩周・屈斜路トレイル〉にアリ

歩くスピードだから見えるものがたくさんある

3日間におよぶスルーハイク、2日目の朝は曇り空。

3日間におよぶスルーハイク、2日目の朝は曇り空。

私が暮らす弟子屈町は、面積の3分の2が阿寒摩周国立公園。

素晴らしい大自然の中を巡りながら歩くことができる
ロングトレイルがある。

2020年秋に開通した〈摩周・屈斜路トレイル〉。
通称〈MKT(エムケーティー)〉。

弟子屈町の自然を愛する人たち
〈てしかがトレイルクラブ〉が、長い年月をかけて整備した50キロの道だ。

新緑が眩しい5月下旬、
〈てしかがトレイルクラブ〉がトレイルの確認を兼ねて歩く3日間のスルーハイク。
その中日、SECTION2に同行させてもらった。

今春完成した〈MKT〉マップは、HPからダウンロードできる。

今春完成した〈MKT〉マップは、ホームページからダウンロードできる。

〈MKT〉のスタート地点は、世界有数の透明度を誇る摩周湖の展望台。
そこから始まるSECTION1は、
噴煙を上げる硫黄山を通り、麓にある川湯温泉までの20.5キロ。

そして私が参加したSECTION2は、川湯温泉から始まる22.5キロ。
山手線がすっぽり入る広さの屈斜路湖に沿って森の中、湖畔の砂浜、ときどき舗装路も歩く
平坦だけどバリエーションに富んだコースだ。

朝8時に集合して、4名のガイドを含む計8名で歩き始めた。

1時間ほどで、仁伏(にぶし)温泉の看板が見えてくる。
湖畔には温泉宿や別荘が並び、その一角に〈仁伏半島自然散策路〉
別名「仁伏の森」がある。

入り口には〈MKT〉のカウンターが設置され、ここからルートは、森の中へと入っていく。

弟子屈町の春の訪れは、本州と比べるとかなり遅い。
5月下旬は木々の新芽がやっと出始めた頃。
広がり始めた葉は見つけやすく、足元には、小さな花がたくさん咲いている。

「この木は?」「あの花は?」
8人の間で、次から次へと質問が飛び交う。

イタヤカエデ、ハルニレ、ミズナラ、ハリギリ、ヤマナラシ、ヤマブドウ、etc.

みんなで答え合わせをしながら歩くことの楽しさといったら!

〈MKT〉は今春、
HP上で『MKT MAGAZINE』を始めた。
コンセプトは「読んで、歩くと、面白い。」

自然も森も、知れば知るほど魅力が増す。
歩くことで、目にして触れれば、ますます好きになる。

林床には、さまざまな白い花が咲いていた。こちらはヒトリシズカ。

林床には、さまざまな白い花が咲いていた。こちらはヒトリシズカ。

野生動物の痕跡もあちらこちらに。

野生動物の痕跡もあちらこちらに。

たくさんの鳥の声も聞こえる。
クマゲラ、ヤマゲラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、シマエナガ、etc.

異なる種類の鳥がひとつの群れになる“混群”でやってくることもあり、
とても賑やかだ。

「あそこにいるよ」「あ、こっちにも」……
森の中は誘惑が多くて、なかなか先へ進めない。

小豆島で開業して10年、
これまでとこれからの
HOMEMAKERS!

開業してついに10周年!

2023年6月17日、何事もなくいつも通りに過ぎていきましたが、
実はその日は〈HOMEMAKERS(ホームメイカーズ)〉という事業を
開業してからちょうど10年経った日でした。

事業を始めたばかりのころに販売していた野菜セット。「2013年秋オープン予定」と書いてあるショップカードとともに。

事業を始めたばかりのころに販売していた野菜セット。「2013年秋オープン予定」と書いてあるショップカードとともに。

HOMEMAKERS10歳です。
おめでとう! 私たち(笑)。

10年前の2013年6月17日、インターネットの世界に
HOMEMAKERSのホームとなる場所をつくって、
私たちのことを紹介し、野菜の販売を始めました。
小豆島に引っ越してきてから、約8か月後のことです。

畑を始めたばかりの三村家。この『小豆島日記』の連載第1回の最初の1枚です。

畑を始めたばかりの三村家。この『小豆島日記』の連載第1回の最初の1枚です。

2013年春に収穫した野菜たち。小豆島で自分たちが育てた最初の野菜。そら豆、ラディッシュ、絹さやえんどう、ルッコラ、ニンジン、レタス、玉ねぎ、いちご。さくらんぼの実はおまけ。

2013年春に収穫した野菜たち。小豆島で自分たちが育てた最初の野菜。そら豆、ラディッシュ、絹さやえんどう、ルッコラ、ニンジン、レタス、玉ねぎ、いちご。さくらんぼの実はおまけ。

名古屋で暮らしていた頃、私も夫のたくちゃんも、
約10年間会社勤めをしていましたが、ほぼ同時にふたりとも会社を辞めて、
無職の状態で小豆島にやってきました(汗)。
もともと自分たちで起業しようと考えていたので、引っ越してきた直後から、
自分たちのやりたいことを実現するために少しずつ準備をしていました。

そもそも私たちは小豆島で何をしようと考えていたのか?
私たちは大学で建築を学んでいたものの、私はインターネットの会社で働き、
たくちゃんはカフェで働いたのち造園会社で働いていました。
建築家でもないし、webデザイナーでもないし、
専門家として仕事を受けられるようなスキルもノウハウも持っていませんでした。
ふたりともカフェという場が好きで、人が集える場を開き、
運営することをしたいなぁと考えていました。

自宅の改修工事。工事中に友人たちが訪ねてきてくれることも。こんなふうに友人や地域の人たちが集える場所になるといいなぁと思っていました。 

自宅の改修工事。工事中に友人たちが訪ねてきてくれることも。こんなふうに友人や地域の人たちが集える場所になるといいなぁと思っていました。 

移住してちょうど1年経った頃。畑の面積は少しずつ広くなり、手伝いにきてくれる仲間も。

移住してちょうど1年経った頃。畑の面積は少しずつ広くなり、手伝いにきてくれる仲間も。

漠然と思い描いていたのは、自宅の一部をカフェとして開き、
web制作や撮影の仕事をしながら、自分たちの食べる野菜を畑で育てるという暮らし。
とにかく自分たちができることからやってみようと、
じいちゃんが残してくれた畑に種をまき、家の改修工事を進め、
島のいろんな人たちと関わりをつくりながら、ときどき知り合いの仕事
(写真撮影やチラシの作成など)を手伝ったりしていました。

少しずつ自分たちのやりたいかたちが見えてきて、
ようやく提出した個人事業の開業届出書。
職業欄には「農業」と記入しました。

小豆島に引っ越してきて8か月後に提出した個人事業の開業届出書。

小豆島に引っ越してきて8か月後に提出した個人事業の開業届出書。

ん!? 農業?

まさか職業を「農業」として開業するとは思ってなかったのですが、
小豆島の肥土山(ひとやま)という農村で暮らし、自分たちが食べる野菜を育て、
地域の人たちと関わりながらその営みを見ていたら、農家としてがんばっていこう! 
という気持ちが自然と強くなっていったのでした。

うちの裏山から見渡した小豆島・肥土山(ひとやま)集落。集落のあちこちに小さな田んぼや畑が点在する農村です。

うちの裏山から見渡した小豆島・肥土山(ひとやま)集落。集落のあちこちに小さな田んぼや畑が点在する農村です。

親戚のお母さんに教えてもらいながら、見よう見まねで始めた農業。

親戚のお母さんに教えてもらいながら、見よう見まねで始めた農業。

下田が最も熱くなる黒船祭で、
組み立て式のDIY屋台デビュー!
熱狂の場づくりを終えて。

黒船祭で行った場づくり

伊豆下田に移住し〈LivingAnywhere Commons伊豆下田〉の
マネージャーを務める津留崎鎮生さん。
年に1回行われる下田最大のお祭り「黒船祭」開催に向けて、
外部デッキスペースの開放と、
組み立て式のDIY屋台による出店を考えます。
新しい「場づくり」への挑戦は果たして成功したのでしょうか?

「起業支援金」で
200万円の助成を受けて、
飲食店&陶芸工房を開業

移住者のつくる小さなお店 したたむ vol.2

静岡県掛川市の山間での暮らしを始めて4年目、
料理人の夫と陶芸家の妻による、ごはん屋さんと陶芸工房〈したたむ〉。

完全予約制のランチ営業のみで、Instagramで1か月分の予約を開始すると
すぐに埋まってしまい、キャンセル待ちができるほどの人気店です。
車でしか行けない山奥にあり、決して利便性の良い立地ではないものの、
ここまでの人気店に成長したのはなぜなのか、本連載を通してひも解いていきます。

前回は、料理人の夫・奥田夏樹(おくだ なつき)さんが、
飲食店を開こうと考えたきっかけや、お店を出すための土地探しについて振り返りました。

今回は妻で陶芸家の吉永哲子(よしなが のりこ)さんが
資金調達について書いてくれました。

自己資金でどこまでできる?

移住先を探していた頃、私は世田谷区の上町で陶芸教室〈陶工房〉を経営しながら、
自分の作品をつくる生活をしていました。
先代の先生から引き継いだ教室も13年目に入り、
次の展開をなんとなくですが考えている時期でもありましたので、
「夫とふたりで新しい土地でお店を始める」というビジョンは、
その頃の私にとってワクワクするものでした。

そして、出合った物件が私の実家の近く、しかも陶芸の工房がついている!
これは帰ってこいということか。
不動産会社に「持ち帰って考えます」と言ったところで、
ふたりの気持ちは固まっていたように思います。

静岡県掛川市で見つかった物件。ここがのちに〈したたむ〉となる古民家です。

静岡県掛川市で見つかった物件。ここがのちに〈したたむ〉となる古民家です。

最初に物件を探し始めたときは、どのくらいの予算でどんなものが手に入るのか検討もつかず、
空き家バンクや物件サイトで探しながら、大体300〜500万円くらいと目処をつけました。
我が家は結婚当初からお財布は別で東京時代の生活費も折半していたので、
それぞれの貯金から出し合って、ギリギリ何とかなる金額もこのくらいかな?
という話し合いも、物件を探しながら詰めていきました。

当初から「借り入れをしないで自己資金内に収まるように」と考えていましたが、
この物件を購入すると、リフォーム代に充てられるお金がほとんど残らないことになります。
今から思うと驚きの見積もりの甘さです。
最初はざっくりと、300万円くらいの物件を200万円くらいかけてリフォームする、
くらいに考えていたものの、
実際には良いと思う物件はそれなりの値段がついていて手が出ず、
安いものは破格のリフォーム代がかかることがわかりました。

長く空き家になっていた物件は安くはありますが、住めるようにするまでが大変です。
さまざまな土地や家を見てきたなかで、水回りの大規模なリフォームが必要なく、
古い家でも柱などの躯体はしっかりしていて手を入れなくても住むことができる
この物件は、現実的にみても最善の選択ではないか! との結論に辿り着きました。
多少強引ではありますが、そのくらいこの家を気に入ってしまったということだと思います。

売り主の方が直前まで住まわれていたため、大きな改修工事は不要、水回りも問題なくそのまますぐに住める状態でした。

売り主の方が直前まで住まわれていたため、大きな改修工事は不要、水回りも問題なくそのまますぐに住める状態でした。

ほかに必須でかかる費用としては、車と引っ越し代。
車は、ネットの中古車サイトで探しました。
私の仕事柄、クラフトマーケットや納品などで荷物をたくさんのせるシーンが多いので、
後部座席と荷台がフルフラットになるという条件で、
HONDAの「モビリオ スパイク」に焦点を合わせ検索しました。
そこそこの走行距離、車検つきのモビリオを見つけ、
本体価格10万円で購入、今も元気に走っています。

引っ越し業者は相見積もりをとって決めました。
東京から掛川まで20万円くらいだったかと記憶しています。
工房の引っ越しもあったのですが、こちらは自力でやることにして、
2トントラックをレンタル、友人の手を借りてなんとか積み込みました。
初めてのトラックで高速道路と山道をよく行ったなーと、思います。

物件は、クネクネとカーブが続く山道の先にあります。

物件は、クネクネとカーブが続く山道の先にあります。

過去最高2000人超えの来場者!
アートの展示、作品やフードの販売、
それに遊び場もある自由な展覧会

校舎の敷地全体を使ったイベント。5つのエリアに多彩な楽しみが

近隣の閉校した校舎を舞台に13日間開催した『みる・とーぶ展』と
『みんなとMAYA MAXX展』が5月14日に終了した。
私が代表を務める〈みる・とーぶ〉プロジェクトが、
2021年よりこのふたつの展覧会を開催しており、今回で5回目。
市内だけでなく、全道から、そして道外からも訪れる人があり、
過去最高となる2261名が来場した。

校舎のひさしには画家・MAYA MAXXさんがつくった赤いクマの立体がある。奥が体育館。展覧会中はその前にテントを張り、フードブースが設けられた。

校舎のひさしには画家・MAYA MAXXさんがつくった赤いクマの立体がある。奥が体育館。展覧会中はその前にテントを張り、フードブースが設けられた。

校舎の敷地全体を会場としていて、1階、2階、3階の各教室、体育館、屋外と
エリアは5つに分けられる。
今回、私が感じたのは、それぞれのエリアごとの個性が
今まで以上に際立ってきたのではないかということだった。

MAYAさんの絵がかわいい、みる・とーぶ展会場マップ。

MAYAさんの絵がかわいい、みる・とーぶ展会場マップ。

まず、『みる・とーぶ展』のメイン会場となったのは1階エリア。
元職員室があり、ここでは主に地域のつくり手の作品が販売された。
焼き菓子、陶芸、木工、織物、ハーブティーやハーブアイテム、スパイス類、
本、作品などさまざまなアイテムが揃った。
旧校舎での展覧会が始まって以来、継続して参加するメンバーが多く、
販売するアイテムがどんどん磨かれていっている。

〈麻の実堂〉の新作。ハーブを蒸留してつくったアロマスプレー。

〈麻の実堂〉の新作。ハーブを蒸留してつくったアロマスプレー。

例えばハーブアイテムを販売する〈麻の実堂〉は、ハーブティーブレンドの種類が増え、
アロマスプレーなど新しい商品も登場。
スパイス類を中心に販売するカレー屋〈ばぐぅす屋〉も、
スナックをラインナップに加えるなど、毎回、工夫を凝らしている。

〈ばぐぅす屋〉は、定番のスパイスとともに、ポテトチップスやスリランカのお菓子「トフィ」なども販売。

〈ばぐぅす屋〉は、定番のスパイスとともに、ポテトチップスやスリランカのお菓子「トフィ」なども販売。

もうひとり、新しい挑戦をしたのは〈つきに文庫〉
美流渡地区で月に2回、古本を販売している小さなお店だ。
店主の吉成里紗さんは、これまで『みる・とーぶ展』ではセレクトした古本を並べていたが、
何かもっと自分自身の感性を表せるものはないかという思いがあり、
今回は本と一緒に「絵本のおやつ」と題してケーキを出すことにした。

今回の『みる・とーぶ展』では絵本を中心とした古本を販売。

今回の『みる・とーぶ展』では絵本を中心とした古本を販売。

選んだ本のひとつは『赤毛のアン』で、牧師さん夫婦をお茶会に招待して振る舞った
レモンタルトからイメージしたケーキをつくった。

「ジャムやフルーツの砂糖漬けでお菓子を作っていた時代なので、
レモンソースとメレンゲの素朴なお菓子にしました」と里紗さん。

レモンタルト。

レモンタルト。

もうひとつは、せなけいこさんの絵本『ちいさなうさぎはんしろう』からとったキャロットケーキ。

「母さんがたくさんにんじんを買ってきたのに、食べさせてもらえないはんしろう。
いじけていると、母さんがキャロットケーキをつくってくれたというお話から選びました」

レモンケーキは、レモンの甘酸っぱさが口いっぱいに広がる爽やかで上品な味わい。
キャロットケーキは、にんじんとくるみ、ひまわりの種がたっぷりと入っていて
味わい深くボリュームも満点だった。

吉成里紗さん。小さな古本屋を営むほか、アフリカンダンサーとしても活動中。

吉成里紗さん。小さな古本屋を営むほか、アフリカンダンサーとしても活動中。

元職員室の前の廊下では、自分の山で化石発掘を行っている日端義美さんによる展示が行われた。
発掘した化石をパズルのように組み合わせるゲームも用意され、
大人から子どもまで、まじまじと石に見入っていた。

小豆島の農村歌舞伎、
家族や友人と一緒に食べる
「わりご弁当」

農村歌舞伎のときに食べる「わりご弁当」とは?

2023年5月3日、小豆島の伝統行事である『肥土山農村歌舞伎』が開催されました。
今年は実に4年ぶりの開催!
江戸時代から続いてきたこの行事も、感染症拡大の影響でここ数年は中止されていました。
この4年の間に移住してきた人など「農村歌舞伎を初めて見る!」という友人も多く、
久しぶりの歌舞伎の開催をみんな楽しみにしていました。

2023年5月3日に開催された肥土山農村歌舞伎。天気もよく、たくさんの人で賑わいました。

2023年5月3日に開催された肥土山農村歌舞伎。天気もよく、たくさんの人で賑わいました。

せっかくみんなが見に来てくれるし、今年は「わりご弁当」をつくろうか!
農村歌舞伎を見るために島に遊びに来ていた私の母と妹と相談して、
一緒にわりご弁当をつくることにしました。

そもそも、わりご弁当とは?

わりご(割子)弁当というのは、容器の中をいくつかに分けて(割って)
ごはんやおかずを入れたお弁当。
割子=小さく割ったものということですね。
割子を食器として使う習慣は平安時代からあり、
「源氏物語」にも桧破籠(ひわりご)として登場しているそうです。

小豆島では、この「わりご弁当」という郷土料理が、
農村歌舞伎という伝統行事とともに残っているんです。

小豆島のわりご弁当は、大きな木箱の中に約20個のわりごを入れて
持ち運べるようになっています。
ひとつのわりごが1人前。20人分のお弁当!
特徴的なのはわりごのかたちで、長方形の木箱を斜めにふたつ割りにしたものが多いです。
つまり、台形のお弁当。
とんがった場所には具を詰めにくいし、なんでこのかたちになったのか
気になって調べてみたのですが今のところわからず。引き続き調査中です(笑)。

小豆島のわりご弁当。うちにはないので、いつも共同で管理しているものを貸してもらっています。

小豆島のわりご弁当。うちにはないので、いつも共同で管理しているものを貸してもらっています。

このわりご弁当の木箱が、昔は各家庭にあって、
農村歌舞伎の当日朝からそれぞれの家でつくっていたそうです。
何人家族よ! と言いたいところですが、親戚などの分も含めて
20食ほどつくっていたんでしょうね。

このお弁当を農村歌舞伎の演目の合間にみんなで食べるのが、昔から続く小豆島の文化。
歌舞伎を見に来てくれた親戚や友人にふるまったり、
ご近所さんとお弁当を交換したりもしていたそうです。
うちの味、おたくの味を楽しむ。
交換したわりごが返ってこなくて、どこかにいってしまうこともあったそう(笑)。
そうならないように、ひとつひとつのわりごの裏側には名前が書いてあるんです。

わりご弁当の裏側には各家の屋号が書かれています。

わりご弁当の裏側には各家の屋号が書かれています。

定番のわりご弁当。つき飯ふたつに、煮しめ、卵焼きなど。

定番のわりご弁当。つき飯ふたつに、煮しめ、卵焼きなど。

わりご弁当の中身は?

さて、わりご弁当の中身はというと、酢飯を木型で突き固めた「つき飯」がふたつ、
おかずは煮しめ、卵焼きなどとてもシンプルです。
唐揚げやミニトマトを入れたりする家庭もあります。
これじゃないとだめという決まりはなくて、
自分たちが楽しめる内容にしたらいいんじゃないかとわたしは思っています。

というわけで、今年の我が家のわりご弁当のごはんは、
ひとつはつき飯、ひとつはお稲荷さんにしました。
つき飯はひとつ75グラム程度の炊いたごはんを使うのですが、
ふたつともつき飯より、ひとつはお稲荷さんのほうが味も違うし楽しめるかなぁと思って。
これはわたしの母のアイデアですが。

つき飯とお稲荷さんをまずは詰めていきます。

つき飯とお稲荷さんをまずは詰めていきます。

娘も手伝ってくれて、ひたすらわりご弁当にごはんをつめていきました。
ちなみにつき飯をつくるための木型は、
数年前に近所の大工さんがつくってくれたものです。
酢水につけた木型に、測った酢飯を入れて、木の棒でとんとんと突くと、
直方体のつき飯ができあがり。最後に山椒の葉をのせます。

娘も一緒にわりご弁当づくり。家族みんなでつくる時間が楽しい。

娘も一緒にわりご弁当づくり。家族みんなでつくる時間が楽しい。

数年前に近所の大工さんにつくってもらった、つき飯をつくる木型。

数年前に近所の大工さんにつくってもらった、つき飯をつくる木型。

そしておかず。
なるべく旬の素材を使いたいねということで、畑で育てたブロッコリー、ニンジン、
保管しておいた紅はるか、近所のお母さんからいただいたスナップエンドウ。
鶏肉を炊いたものと、卵焼き、ちくわ、かまぼこなど。
お弁当屋さんになった気分で、ひとつずつひたすらつめていきます。
20人分つくるって大変なことです。

並べるとみると感動! きれいだなぁ。

並べるとみると感動! きれいだなぁ。

無事にお弁当を詰め終えて、歌舞伎舞台へ木箱を運びます。
これが重たい……(汗)。
ごはんも愛もどっしり詰まってます。

来てくれた友人や知り合いにふるまって、みんなで一緒にわりご弁当を食べながら農村歌舞伎を楽しみました。

来てくれた友人や知り合いにふるまって、みんなで一緒にわりご弁当を食べながら農村歌舞伎を楽しみました。

農村歌舞伎を眺める大勢の人たち。ここでわりご弁当を食べます。

農村歌舞伎を眺める大勢の人たち。ここでわりご弁当を食べます。

最近では、わりご弁当をつくってきている家庭はほとんどありません。
そもそも家族で農村歌舞伎を見にくる人たちも減りました。
今年はたくさんの方が見に来てくれましたが、地元の人たちは少なかったそうです。
歳をとって身体的に見に行くのが難しくなったお年寄りが増え、
一方で若い世代はそもそも数が少ないという状況。

かつて、この桟敷席いっぱいに地元の人たちみんながわりご弁当を広げて、
歌舞伎を見ながら楽しんでいた光景を想像すると、
さぞ賑やかだったんだろうなぁと思います。
ほんとうにすばらしい文化。伝統。

「農村歌舞伎」と「わりご弁当」というこの風景を残したいと思うのは、
ただ伝統だからという理由じゃなくて、とても良いひとときだから。
美しい風景とおいしい弁当とともに楽しむ人たちがいる。

来年はどんな「わりご弁当」にしようかな。
みんなで一緒に食べながら農村歌舞伎を楽しみたいです。

農園グランピング、神社境内の甘味処、
旅の情報誌など。
まちの「BRAND NEW THINGS」
に注目!


今月のテーマ 「まちのBRAND NEW THINGS」

何気ない日常やいつも通っている場所でも
まちは生きもの、常に新陳代謝が起こっています。

今回は全国にお住まいのみなさんに
まちの新しいモノやコトについて教えてもらいました。

できたばかりの新たな(=BRAND NEW)取り組みは
いずれも人気が集まりそうな予感。
話題になる前にぜひ先取りチェックしてみてください。

【東京都三鷹市】
東京の農園でグランピング体験できる〈ぶどうの森 グランピングフィールド〉

武蔵野市の隣に位置する三鷹市は、
駅から離れた住宅街に畑が点在しています。
なかには江戸時代から野菜や果物を育てている農家もある、自然豊かなまちです。
今回は、そんな東京の農園でキャンプ体験ができる
〈ぶどうの森 グランピングフィールド〉を紹介します。

農園で食べる食事は格別。

農園で食べる食事は格別。

〈ぶどうの森 グランピングフィールド〉を運営するのは
旅行会社〈旅倶楽部〉の代表を務める金子 晃さん。
安全な野菜づくりのカルチャースクールや、有機野菜塾を行っているほか、
オンライン開催されたパリコレの会場として場所提供するなど、
金子さんのアイデアによって、人が集う農園へと進化しています。

ぶどうの収穫は食育の一環として子どもたちに体験してもらいたいアクティビティ。

ぶどうの収穫は食育の一環として子どもたちに体験してもらいたいアクティビティ。

同施設では、無農薬野菜や無農薬のぶどうの収穫体験ができ、
収穫した野菜でバーベキューなどのデイキャンプが楽しめるほか、
今年から宿泊もできるキャンプ施設としての運営がはじまりました。

ぶどうの森 グランピングフィールド

園内にはキッチントレーラーや本格的なピザ窯も完備。
有機野菜を使った食事やオーガニックの自家製ドリンクを味わったり、
手づくりピザ体験もできます。

家族で楽しめるピザづくり体験。

家族で楽しめるピザづくり体験。

有機野菜をたっぷりと使ったメニューは農園ならでは。

有機野菜をたっぷりと使ったメニューは農園ならでは。

自然農のふかふかな土や草原が広がる農場には、
山羊も暮らしていてとってものどか。
農園の外に出るまで、ここが東京だということをすっかり忘れてしまうほどです。

農園で飼育されているヤギたちとのふれあいも可能です。

農園で飼育されているヤギたちとのふれあいも可能です。

都会のオアシス的な〈ぶどうの森 グランピングフィールド〉で
ここでしかできない体験をしてみては?

information

map

ぶどうの森 グランピングフィールド

住所:東京都三鷹市上連雀9-16(三鷹オーガニック農園内)

TEL:080-2001-1665

Web:ぶどうの森 グランピングフィールド

photo & text

Momo*Kinari きなり・もも

ライター・エディター。東京在住。Webや雑誌、旅行ガイドブックで撮影・執筆。 国内外でグルメや観光スポットを取材。たまに料理やモノづくり、イラストの仕事もしています。 Twitter:@Momo_kinari

余った食材を活用しよう!
フレッシュな春の新玉ねぎで、
万能玉ねぎソースをつくる

水分が多くてジューシーな新玉ねぎ

春だけ楽しめる野菜のひとつに「新玉ねぎ」があります。
水分が多くてとってもジューシー。
辛みが少ないので、スライスして生のままでも食べられます。
もちろん、焼いたり、スープにしたりしても甘味が増してとってもおいしいです。

ある日のHOMEMAKERSのまかないごはん。新玉ねぎをカットしてパプリカパウダーやターメリックで味つけしてロースト。シャキシャキ食感が残っていておいしかった。

ある日のHOMEMAKERSのまかないごはん。新玉ねぎをカットしてパプリカパウダーやターメリックで味つけしてロースト。シャキシャキ食感が残っていておいしかった。

ちなみに、スーパーなどで一年中売られている玉ねぎは、
長期間保存できるよう、収穫後に乾燥させてから出荷されたものです。
玉ねぎって冷蔵庫で保管しなくても、涼しいところに置いておけば
すぐには腐らず長持ちしますよね。水分が少ないからです。
この乾燥させて皮が茶色のものが、いわゆる玉ねぎです。

3~5月頃に収穫したものを乾燥させずに、そのまま出荷したのが新玉ねぎ。
水分が多いので、温度や湿度が高いところに置いておくとすぐに傷んでしまいます。
冷蔵庫で保管がおすすめです。

今年の3月、新玉ねぎの畑。

今年の3月、新玉ねぎの畑。

5月、収穫後半時期の新玉ねぎ。

5月、収穫後半時期の新玉ねぎ。

この新玉ねぎ、今年は豊作でして、しっかり大きく育ちました。
毎日、サラダにしたり、焼いてみたり、お味噌汁の具にしたり、
いっぱい食べていますが、まだまだあります(汗)。
ちょっと傷んでいたり、とう立ちして中心が固くなってしまったものなど
出荷できないものも結構たくさんあって、さてどうしようかなぁと思っていたところ、
友人が「玉ねぎソースつくりましょう!」と企画してくれたので、
一緒につくってみることにしました。

大量の新玉ねぎを活用!
玉ねぎソースづくりのはじまり〜。

半分生きてる? ちょっと怖い⁉︎
旧美流渡中学校で
『ミチクルのアニマル展』

みる・とーぶ展の一室で開催した動物オブジェの展覧会

ゴールデンウィークを含め、13日間開催した『みる・とーぶ展』がついに終了した。
4年前に閉校した旧美流渡(みると)中学校を舞台に、
地域のつくり手の作品発表をするこの展覧会は、今回で5回目。
美流渡は人口減少が進む300人ほどの集落だが、延べ2261人が来場した。

旧美流渡中学校。美流渡在住の画家・MAYA MAXXが仲間とつくった赤いクマの立体が目印。

旧美流渡中学校。美流渡在住の画家・MAYA MAXXが仲間とつくった赤いクマの立体が目印。

この展覧会の全体については、いずれこの連載で書きたいと思っているが、
今回は、期間中に私が教室の一室で行った『ミチクルのアニマル展』について紹介したい。

これまで〈森の出版社 ミチクル〉という名で、
北海道の自然や人々に触れるなかで生まれた書籍を刊行してきた。
これらの本の販売を『みる・とーぶ展』で続けてきたが、
昨年からは作品も発表するようになっていて、そのひとつが動物マスクだった。

なぜ、動物のマスクをつくるようになったかは、以前、連載に書いた。
三笠市で〈湯の元温泉〉を営み、プロレスラーでもある杉浦一生さんに頼まれて、
リング入場用の衣装をつくったときのこと。
衣装に合わせてクマのマスクもつくったらいいんじゃないかと思い、
やってみたところ、とても良い仕上がりになり、そこから動物マスクづくりが始まった。

杉浦一生さんがマネージャーとなっている覆面レスラー北海熊五郎の入場用マスク。

杉浦一生さんがマネージャーとなっている覆面レスラー北海熊五郎の入場用マスク。

昨年秋の『みる・とーぶ展』では机ひとつ分の動物マスクを展示。
来場者のみなさんに、被った写真を撮ってもらった。
素材として使ったのは着られなくなった毛皮のコート。
近年では毛皮のコートの需要が減っていて捨てられる運命にあるものも多いことから、
それらをもう一度動物に戻してみたら、毛皮も喜ぶ(?)んじゃないかと考えた。

昨年秋の『みる・とーぶ展』に出品した動物マスク。売り場の一角に展示した。

昨年秋の『みる・とーぶ展』に出品した動物マスク。売り場の一角に展示した。

展示してみると、今度はライオンをつくってみたいとか、
ツノのあるものもいいんじゃないかとか、アイデアが広がって、
「よし、次回の『みる・とーぶ展』では、教室で個展をやろう」と思うようになった。

春の展覧会に向けて準備を始めたのは昨年の10月頃から。
展示する場所は、以前コンピューター室として使われていた教室。
8×8メートルと結構な広さがあった。
この規模のスペースで個展をするのは初体験。
いったい、どのくらいつくれば充実感が出るのか手探りだった。

元コンピューター室。配線が出ているので、それを隠すように台を置いてみた。

元コンピューター室。配線が出ているので、それを隠すように台を置いてみた。

食卓と生産者をつなぎたい。
写真展『海と、人と』の
準備から開催終了までを振り返る

写真と食を融合して生まれたこと

伊豆下田に住む写真家の津留崎徹花さんは、
下田の漁師や海人の姿を写真に収めてきました。
それを公開した写真展『海と、人と』が無事に終了。
振り返ると、写真展開催の意義や新しい発見、
そして食卓と生産者をつなげたいという津留崎さんの思いが
伝わる展示となったようです。

小豆島の農家が教えるレシピ。
島内産の完熟レモンで、
簡単レモンジャムづくり

小豆島で実り始めたレモンの赤ちゃん

国産レモンの旬の時期っていつだかご存知ですか?
スーパーなどでは、海外産のレモンが1年中販売されているので、
旬がいつなのかって意外とわからないですよね。
夏にシュワッと飲みたくなるレモンソーダですが、
国産のレモンを収穫できるのは秋から春の間なんです。

ちょっとここで、小豆島でのレモンの1年についてご説明。
春になると赤い新芽がでてきてつぼみが膨らみ、5月頃にたくさんの花が咲きます。
実はレモンは四季咲きで、5月、7月、9〜11月頃に花を咲かせるのですが、
しっかりとした大きさの実に成長するのは春に咲いたもの。
まさに今、うちのレモンの木にはたくさんのつぼみがついています。

5月の青空、新緑、レモンの花。

5月の青空、新緑、レモンの花。

レモンの花のあとに、濃い緑色の小さな果実ができます。レモンの赤ちゃん。
これが、梅雨の時期から夏にかけてぐんぐん成長していきます。
10月頃になると、大きさは一般的に販売されている100グラムくらいの大きさになります。
まだ黄緑色で果汁は少ないですが、爽やかな香りと酸味が最高の
「グリーンレモン」として一部収穫をはじめます。
グリーンレモンというのはそういう品種があるわけではなく、
黄色く色づく前の若いうちに収穫したレモンです。

9〜10月頃のレモン。まだ黄色く色づく前の状態。フレッシュな香りが最高。酸味と苦味が強く、果汁は少ない。

9〜10月頃のレモン。まだ黄色く色づく前の状態。フレッシュな香りが最高。酸味と苦味が強く、果汁は少ない。

12月頃には、熟し始めて黄色に色づきます。
一般的に流通しているレモンは12〜1月頃に収穫されたものだと思います。
だいだい100〜150グラムくらいの大きさでしょうか。

レモンのほかにも温州みかんや橙(だいだい)など小豆島では冬は柑橘の収穫シーズン。

レモンのほかにも温州みかんや橙(だいだい)など小豆島では冬は柑橘の収穫シーズン。

レモンを冬に収穫せずに木につけたままにしておくと、
春頃まで熟し続けどんどん大きくなっていきます。
実はレモンってよく見るサイズよりももっと大きく育つものなんです。
ただ、長い間実をつけておくことは木にとっては負担がかかることですし、
枝や葉とこすれて傷なども増えていくので、早めに収穫されることが多いです。

春まで木につけたまま完熟したレモンってどんなものになるのか。
気になりますよね。
はい、こんな感じです。

5月に収穫した完熟レモン。第一印象は「でっかい!」。

5月に収穫した完熟レモン。第一印象は「でっかい!」。

重さを測ってみると、ひとつ300グラムのレモンも。

重さを測ってみると、ひとつ300グラムのレモンも。

ひとつ200グラム以上のサイズまで成長します。
普段見慣れているレモンよりもだいぶ大きいので、
これって違う品種のレモン? って思ってしまいます。
完熟したレモンは果汁たっぷり。
糖度が増しているので、若い頃のレモンに比べてまろやかな酸味がとてもいい。
そして苦味がほぼない! 
白いワタの部分も食べてみましたが、ほとんど苦味がなく、
果肉、ワタ、皮と丸ごと食べられます。
おいしいなー、完熟レモン。

『みんなとMAYA MAXX展』開幕。
いいしれぬ不安と
その先にある希望を描いた新作

森のようでもあり海のようでもある、青い背景に浮かび上がる人物

2021年から閉校となった美流渡(みると)中学校の利活用が始まり、
今年で5回目となる『みんなとMAYA MAXX展』がゴールデンウィークに開幕した。
画家のMAYA MAXXさんが東京から美流渡に移住して3年。
自然に囲まれたアトリエで過ごすなかで数々の新作が生まれ、
それらを校舎に展示してきた。
一昨年は抽象的な色彩が画面を埋め尽くした作品を、
昨年は北海道に生息する動物たちを愛らしい姿で描いた作品を発表。

そして今春の展示されたのは、青い背景に浮かび上がる人物。
木枠に貼らずに布のままのキャンバスに描かれた作品で、
横幅が3メートルあり、6点のシリーズとなっている。

「勇気を持つために  No.3」

「勇気を持つために No.3」

この絵でまず目に飛び込んでくるのは、青い画面だ。
キャンバスを床に置き、その上にMAYAさんは乗って、
最初は青の油性ペンで円を描いていったという。
次にリキッドタイプのアクリル絵の具のボトルを手に持ち、
クルクルと自分が回転しながらそれを垂らしていく。
30分ほどキャンバスの上で回っていると、ふっと気の済む瞬間が訪れる。
そこで手を置き、今度は霧吹きで水を画面にかけていくそうだ。

開催中の『みんなとMAYA MAXX展』で描き方について語るMAYA MAXX。

開催中の『みんなとMAYA MAXX展』で描き方について語るMAYA MAXX。

霧吹きによって線がにじみ、青い面になっているところがあったり、
線がそのまま残っているところがあったり。

「以前は、霧吹きをかけ過ぎてしまったなと後悔することもありました。
また、線を一度描いただけの部分も、そのまま残しておくことができず、
上から擦ったりしていました。でもいまは、『これでいいんだ』と
心の底から思えるようになりました。この画面がいいかわるいかを自分で判断しない。
判断を捨てることができたんですね」

MAYAさんは、まったくの独学で絵を始めたため、これまで
「本当にこれでいいんだろうか、もっと何かできるんじゃないだろうか」
という気持ちがつねにあったのだという。

行楽シーズン到来。
移動サウナやスキー、
スポーツイベントなど
まちの特色を生かした
「アクティビティ」


今月のテーマ 「アクティビティ」

山登りやラフティング、バードウォッチングなど
まちの地形や特色を生かしたアクティビティは旅先や移住先での楽しみのひとつ。

今回は全国にお住まいのみなさんに
まちのアクティビティ事情について教えてもらいました。

気軽に出かけられるようになったいま、
家族や友人と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?

【北海道下川町】
今日はどこへ出動? 移動式サウナ小屋の〈どこでもサウナ〉

〈どこでもサウナ〉は、その名の通りどこにでも出動してくれるサウナ小屋です。
まちの面積の9割が森林という下川町の材をふんだんに使っている小屋を
軽トラに積載し、道があるところならどこにでも出動します。
私が運営している〈A-frame cabin iwor〉にも実際に来てもらいました。

〈どこでもサウナ〉を運営しているオーナーの谷山嘉奈美さん。

〈どこでもサウナ〉を運営しているオーナーの谷山嘉奈美さん。

室内に入ってみると、トドマツ材に包まれた室内空間が広がります。
〈どこでもサウナ〉は薪を使用していますが、
薪だからこそ実現できる芯から温まるあたたかさが魅力です。
もちろん、薪も町内産。

プライベートなサウナ空間。小屋のなかは3〜4人まで入れます。

プライベートなサウナ空間。小屋のなかは3〜4人まで入れます。

町内で採取した白樺の若い枝葉を束ねたヴィヒタに
たっぷり水分を含ませたアロマウォーターで
ロウリュ※すると室内全体にナチュラルな香りが広がり、最高の空間になります。
※熱したサウナストーンに水をかけて水蒸気を発生させること。

ジュッという音とともに室内全体に広がるじわーっとくる温かさが最高。

ジュッという音とともに室内全体に広がるじわーっとくる温かさが最高。

オーナー自ら山へ出向き、厳選した白樺を採取してつくったヴィヒタ。

オーナー自ら山へ出向き、厳選した白樺を採取してつくったヴィヒタ。

今回は水風呂の代わりに森の中に溶け込んだ空間ならではの外気浴を行いました。
鳥のさえずりと誰にもじゃまされない空間で心身ともにととのいます。

マイナス気温ならではの外気浴。ととのいます。

マイナス気温ならではの外気浴。ととのいます。

サウナの後には、ととのった体にうれしいジビエ料理が待っています。
ジンギスカンを用意いただいたのですが、こちらは羊ではなく鹿肉ジンギスカン。

雪の下で貯蔵した越冬キャベツと鹿肉の相性抜群です。

雪の下で貯蔵した越冬キャベツと鹿肉の相性抜群です。

食べ終わった頃には、心も体もととのいます。
〈どこでもサウナ〉は今後の下川町での
楽しいアクティビティとして人気になるでしょう。

information

どこでもサウナ

photo & text

大石陽介 おおいし・ようすけ

1988年静岡県焼津市生まれ。 小学校教諭として富士山の麓で8年勤務。うち2年は青年海外協力隊(JICA)としてモンゴルへ。 世界自然遺産である『知床』での生活を経て、現在はSDGs未来都市北海道下川町で活動中。ローカルツアー事業を行う〈ぐるっとしもかわ〉代表。1日1組限定の1棟貸しキャビン〈A-frame cabin iwor〉オーナー。

ごはん屋さん&陶芸工房〈したたむ〉。
料理人の夫と陶芸家の妻が
静岡・掛川に移住して開いた小さなお店

移住者のつくる小さなお店 したたむ vol.1

静岡県掛川市の山間での暮らしを始めて4年目、
料理人の夫と陶芸家の妻による、ごはん屋さんと陶芸工房〈したたむ〉。

完全予約制のランチ営業のみで、Instagramで1か月分の予約を開始すると
すぐに埋まってしまい、キャンセル待ちができるほどの人気店です。
車でしか行けない山奥にあり、決して利便性のいい立地ではないものの、
ここまでの人気店に成長したのはなぜなのか、本連載を通してひも解いていきます。

料理人の夫・奥田夏樹(おくだ なつき)さんは、もともと横浜で
Mac用のアプリを開発するプログラマーとして働いていました。
初回となる今回は、飲食業とは縁がなかった奥田さんが、
飲食店を開こうと考えたきっかけや、お店を出すための土地探しについて振り返ります。

勢いのあるIT業界に身を置いているなか、抱いていたモヤモヤ

スティーブ・ジョブズ氏が初代iPhoneを発表した2007年、
私は横浜みなとみらいにあるオフィスで、プログラマーとして
Mac用のアプリ開発をしていました。
今まで想像していなかったiPhoneのタッチインターフェイスによる操作性に未来を感じ、
新たな時代が始まるワクワク感と、それに関わる仕事ができる喜びとで
胸が躍ったのを覚えています。

最先端の技術を使って仕事ができる誇りと、勢いのあるIT業界に身を置く華々しさ、
そしてなによりプログラムをつくることが楽しかったのですが、
一方で過酷な労働環境があることは実体験として感じていました。

「AI技術の進歩でいずれなくなる仕事」としてプログラマー職も挙がっていたこと、
テクノロジーの進歩によって便利になりすぎる未来へのえもいわれぬ恐怖、
そして2011年の東日本大震災の発生により、
ワークライフバランスや自然に近い暮らしなどへの興味を持ち、
この先ずっとは、この仕事を続けることはないなと、漠然と心にモヤモヤを抱いていました。

この頃の私は、朝から深夜までずーっとMacのモニターにかじりついたまま
カチャカチャとキーボードを叩き続ける毎日。
休みの日も家でMacBookを開き、暇さえあれば仕事、仕事、仕事。
このような生き方が、はたして良い生き方なのかと考え始め、
妻との話し合いにより、一緒にいる時間を増やせるような仕事をしよう、
という流れから転職を検討し始めました。

新たに増えた地域での役割。
下田に開設された
「まちじゅう図書館」館長に就任!

下田移住7年目スタート!
「地域のための役割」はどうしてる?

2017年4月に伊豆下田に移住してきた津留崎家。
7年目の暮らしが始まりました。
新年度ということで、
津留崎鎮生さんの身の回りにもちょっとした変化がありました。

お嬢さんの学校のPTA会長に就任し、
なんと下田市のPTAの代表にも。
さらに「まちじゅう図書館」の館長として
運営していくことになりました。

移住して時間が経つことで増えてきた
「地域の役割」について考えます。

『アカエゾマツの森ガイドマップ』
で知る、
五感を働かせて森を楽しむ10の方法

弟子屈町に移住した理由

森の楽しみ方を教えてくれたのは、
東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 造林学研究室の上原巌先生だ。

私は5年前に、大好きな北海道で暮らしてみたいと、東京から移住した。
最初は帯広へ、2年前に道東の弟子屈町へ。

引っ越してきた当初はよく、いまでもときどき
「どうしてここを選んだの?」と聞かれる。
北海道の179もある市町村のなかから、なぜ弟子屈町を選んだのかと。

その理由は、実は自分でもはっきりとはわからなかった。
国立公園の中なので、目障りな人工物が少ないから?
そんな風に漠然と感じていた。

阿寒摩周国立公園の中にある「アカエゾマツの森」は、樹齢約200年の天然林。

阿寒摩周国立公園の中にある「アカエゾマツの森」は、樹齢約200年の天然林。

上原先生と、初めて森を歩いたときのことだった。
2時間ほどの散策を終えて、少し離れて森を眺めたとき先生は
「自然の相似形ですね」と言った。

森の輪郭は、美しい弧を描いていた。
何本もの木々がそれぞれに
少しでも太陽の光を浴びようと枝葉を伸ばした結果、
左右対称のきれいな半円ができていた。

それは庭師によって手入れされた公園の木々とは異なる、自然がつくり出した造形。
私はそこに心地よさを感じて、弟子屈町に惹かれたのではないだろうか。

3月末に完成した『アカエゾマツの森ガイドマップ』は、川湯ビジターセンターで配布している。

3月末に完成した『アカエゾマツの森ガイドマップ』は、川湯ビジターセンターで配布している。

上原先生は、森や木に対してさまざまな手段でアプローチする。
木の名前と特徴を知るだけではない、新しい楽しみ方の数々。

川湯ビジターセンターとアカエゾマツの森を訪ねる人に向けても
それらを紹介できるように、『アカエゾマツの森ガイドマップ』を作成した。

A3サイズを小さく畳んだ、手のひらに収まる地図。
表には、以下の「五感を働かせて森を楽しむ10の方法」が。

A.森全体の香りを味わう
B.樹木の並び方を観察する
C.樹皮に触れる
D.葉に触れて匂いを嗅ぐ
E.森のライフサイクルを知る
F.足の裏で森を感じる
G.樹冠を眺めてわかること
H.風がつくる光の効果
I.森の音を聞く
J.心地いい「空間」を探す

裏には、約0.8キロのゴゼンタチバナコースと約2.2キロのアカゲラコースを、
ここで観察できる動植物の写真と一緒に載せている。

裏面は、森のコース紹介。「五感を働かせて楽しむ方法」を実践できる場所を、A〜Iの記号で記している。

裏面は、森のコース紹介。「五感を働かせて楽しむ方法」を実践できる場所を、A〜Iの記号で記している。

今年も春に『みる・とーぶ展』開催。
さまざまな世代が混じり合って、
好きなことを実現!!

撮影:佐々木育弥

25組中、5組が初参加。懐かしの焼き菓子やこだわりサンド

一昨年から、近隣にある閉校した中学校を活用して、
地域のつくり手の作品を展示販売する『みる・とーぶ展』というイベントを行っている。
北海道岩見沢市の山あいは東部丘陵地域と呼ばれていて、
そのなかに私が住む美流渡地区をはじめ、
朝日、毛陽(もうよう)、万字(まんじ)など多彩なエリアがある。
「みる・とーぶ」という名前は、「東部」を「見る」という意味と、
「美流渡」をかけてつけたもので、私はこのイベントの主催団体の代表を務めている。

4年前に閉校になった旧美流渡中学校。地域に住む画家・MAYA MAXXさんの絵や立体物が学校を彩る。

4年前に閉校になった旧美流渡中学校。地域に住む画家・MAYA MAXXさんの絵や立体物が学校を彩る。

2021年は秋に1回、2022年は春夏秋と季節ごとに3回、『みる・とーぶ展』を行ってきた。
開催期間はそれぞれ約2週間で、これまでのべ5000人が来場した。
美流渡地区は過疎化が進み、人口わずか330人の集落。
ここに予想を超える人々が足を運んでくれたことは、
イベントを企画した私たちにとって大きな喜びとなった。

昨年の『みる・とーぶ展』の様子。雑貨や工芸作品などが並ぶ。(撮影:佐々木育弥)

昨年の『みる・とーぶ展』の様子。雑貨や工芸作品などが並ぶ。(撮影:佐々木育弥)

そして今年は春と秋、2回の『みる・とーぶ展』を企画している。
春はゴールデンウィークに合わせて開催。
いよいよ準備も大詰めとなっている。
今回は全体で25組が参加。
地域の木工作家や陶芸家、ハーブティーのお店、ピザやカレーなど、
お馴染みの顔ぶれに加えて、5組が初参加となる。
ここでは初参加のみなさんにスポットを当てて紹介してみたい。

展覧会のチラシ。

展覧会のチラシ。

フード系では〈グランマヨシエ〉。
辻村淑恵さんは、岩見沢市の図書館勤務を経て定年退職後に焼き菓子工房を始めた。
昭和のお母さんが手づくりしていたような素朴なお菓子で、
地元素材にこだわった安心安全なものを提供しようとメニューを開発。
また、こうした活動を通じて、岩見沢の歴史や地域の魅力も
伝えられたらと辻村さんは考えている。

かつて暮らしていた築100年超えの古家に厨房を設える辻村さん。

かつて暮らしていた築100年超えの古家に厨房を設える辻村さん。

ネーミングにもこだわって。美流渡と名づけられた焼き菓子は、イタリアの「ミルト」というリキュールが入っている。

ネーミングにもこだわって。美流渡と名づけられた焼き菓子は、イタリアの「ミルト」というリキュールが入っている。

もう1軒の初参加は〈きなり〉。
〈きなり〉は2017年に吉成厚人さんが始めた岩見沢の繁華街にある小さな居酒屋さん。
北海道産木炭で焼鳥や焼肉を楽しめるだけでなく、
自家農園野菜や支笏湖産姫鱒が食べられる時期も。
素材にこだわり丁寧に仕上げた料理を提供している。
『みる・とーぶ展』では、北海道産全粒粉の手づくりチャパティに道産鶏肉と有機野菜、
オリジナルソースをのせた無添加ナチュラルサンドを販売予定だ。

〈きなり〉のチキンと野菜のサンド。このほか「八雲ソマチット水よもぎ茶」も提供予定。

〈きなり〉のチキンと野菜のサンド。このほか「八雲ソマチット水よもぎ茶」も提供予定。

4年ぶりに開催される
小豆島の伝統行事
『肥土山農村歌舞伎』

4年ぶりの開催となる伝統芸能

日に日に新緑がまぶしくなっていく季節。
毎年この季節に開催されるのが小豆島の伝統行事『肥土山(ひとやま)農村歌舞伎』です。

肥土山農村歌舞伎舞台の周辺の新緑。毎年5月のこの景色はとても美しい。

肥土山農村歌舞伎舞台の周辺の新緑。毎年5月のこの景色はとても美しい。

2019年5月3日に開催されたのを最後に、もう4年も経ってしまいました。
感染症の影響で世のなかからさまざまなイベントや行事がなくなった3年間。
300年以上続いてきた農村歌舞伎もその影響を受け、
この4年間は中止したり、規模を大幅に縮小したりして行ってきました。

2022年5月の肥土山農村歌舞伎は、序幕である「三番叟(さんばそう)」奉納のみ行いました。

2022年5月の肥土山農村歌舞伎は、序幕である「三番叟(さんばそう)」奉納のみ行いました。

農村歌舞伎というのは、豊作祈願と娯楽として昔から各集落で行われてきた行事です。
そこで暮らす人々が企画し、演じ、楽しむイベント。
小豆島でも昔は各集落に歌舞伎舞台があり、農村歌舞伎が行われていたそうですが、
今では私たちが暮らす肥土山地区と、お隣の中山地区の2地区のみで開催されています。

山々に囲まれた美しい田園地帯にある肥土山農村歌舞伎舞台。

山々に囲まれた美しい田園地帯にある肥土山農村歌舞伎舞台。

行事というのは、定期的に続けていくことがとても大切なんだなとあらためて思いました。
毎年続けていくと、上の歳の人から下の歳の人へ、やることが自然と引き継がれていきます。

たとえば、うちの娘は、小学生の間、子どもだけで演じる
子ども歌舞伎に出演させてもらっていましたが、上級生の子たちに教えてもらいながら、
演じ方や練習の仕方、大人へのあいさつなど学んできました。
自分が上級生になったときには、下の子たちに教えてあげていたと思います。

親である私たちも、何をしたらいいのか、
先輩お母さん、お父さんにいろいろと聞いていました。

小学生時代の娘・いろはは農村歌舞伎とともに成長してきました。歳を重ねるにつれてセリフが増え、難しい役になっていきました。

小学生時代の娘・いろはは農村歌舞伎とともに成長してきました。歳を重ねるにつれてセリフが増え、難しい役になっていきました。

会社ではないし、マニュアルなんてないんです。
作法みたいなものは、なかなかマニュアル化しづらいですしね。
地域の先輩方に聞きながら、教えてもらってやってきました。
受け継いでいくってそういうことなんだなぁと。

先輩のお姉ちゃんたちと一緒に練習。たくさんのことを教えてもらいました。

先輩のお姉ちゃんたちと一緒に練習。たくさんのことを教えてもらいました。

昔から変わらない台本。ふりがなをうったり、区切りをつけたりして、読みやすく。

昔から変わらない台本。ふりがなをうったり、区切りをつけたりして、読みやすく。

植物のツルや草、茎。
森にある素材でカゴができる!
自由に編むのを楽しんで

何気なくツルをとってきたら無性にカゴ編みがしたくなって

北海道にきてから、素材が手に入ると、ときどきカゴを編んでいた。
初めて体験したのは5年前。
カゴ作家で埼玉・秩父在住の長谷川美和子さんが、美流渡(みると)地区で
カゴ編みのワークショップを開催してくれたときのこと。
このときはブドウのツルを主に使ったカゴ編みと、
クルミの木の皮など山での素材の採取方法も教えてくれた。

長谷川美和子さんがつくったカゴ。細いツルで、ゴッズアイと呼ばれる編み方をところどころにアクセントして加えている。

長谷川美和子さんがつくったカゴ。細いツルで、ゴッズアイと呼ばれる編み方をところどころにアクセントして加えている。

その後は年に1、2回、気が向いたときにつくっていたが、
昨年末ごろ、急にカゴ編み熱が高まって、たくさん編むようになった。
きっかけは、私が代表を務める地域PR団体〈みる・とーぶ〉で、
近隣の閉校した中学校の校舎の活用プロジェクトを始めたことだ。
校舎の脇には木が茂っていて、カゴ編みの素材になるツル植物もたくさんあった。
朝、何気なくそれを何本か切って持って帰り、その場ですぐにカゴを編んだことがあった。
編み物よりも自由度があって、特に規則的に編まなくてもかたちが決まる。
30分ほどで、なかなか立派なものができあがった。

朝、ツルをつんで思わずつくったカゴ。

朝、ツルをつんで思わずつくったカゴ。

私は編集や執筆の仕事をしており、ほとんど一日中パソコンにむかっている。
夕方になると脳みそだけがクタクタになっていて、体はほとんど動かさないため、
心身のバランスが悪い状態になってしまう。
そんななかで、カゴ編みの素材を採取しに外に出たり、自然素材に触れたりしながら、
指を使って編む業に集中すると、スーッと心が休まる感じがする。

この作業を体が欲しているのではないか!
最近では、だんだんカゴ編みの時間が長くなっていて、
「あっ、原稿の締め切りだった!」と気づいて慌ててパソコン作業に戻ることもある。

家にどんどん作品が溜まっているので、今年はこれらを販売したいと考えている。
私たちの団体が企画している、地域のつくり手の作品を集めた『みる・とーぶ展』。
春に旧美流渡中学校で行われる、この展覧会に出品しようと準備中だ。

タンポポ、レンゲ、サクラ……
春の花で仕込む、
簡単「自家製シロップ」のつくり方

※野生の花は毒を持つものもあるため、必ず毒性がないか調べてからつくりましょう。

※花を採取する際は、土地の持ち主さんに許可をとってからにしましょう。

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

暖かくなり、あちこちで色とりどりの春の花が咲く季節になりました。
今回はこの道端に咲く可憐な花たちを使って、
シロップをつくってみようと思います。

春のエネルギーをたっぷりと詰め込んだお花のシロップは、
どんな味がするのでしょうか。
春の山へ飛び出して、きれいなお花をたくさん摘んできました。

山や田んぼで集めた、タンポポ、レンゲ、シロツメクサ 、オオジシバリ。

山や田んぼで集めた、タンポポ、レンゲ、シロツメクサ 、オオジシバリ。

摘んできたお花を種類別に分けます。

摘んできたお花を種類別に分けます。

春の花の王道! 「タンポポ」のシロップ

タンポポはあっという間に綿毛になってしまうので、見つけたらすぐに収穫。

タンポポはあっという間に綿毛になってしまうので、見つけたらすぐに収穫。

春の花のシロップで最も有名&手軽なのが「タンポポ」のシロップ。
草むらでもひと際強い存在感を放つタンポポは、
お散歩しながらでも簡単に見つけることができます。

タンポポはデトックス効果が高く、
冬の間に体内に蓄積された毒素や老廃物の排出を促す作用があるといわれています。

ヨーロッパではビタミンいっぱいの若芽を
そのままサラダにして食べるほど一般的な野草で、
根っこはハーブティーやコーヒーとして飲むのだそうです。
今回はこの身近な春の花を煮詰めて、簡単なシロップをつくります。

<材料>

・タンポポ 50グラム (お花50~60個くらい)

・水 200〜250ミリリットル

・お砂糖 80〜100グラム(お好みで。長期保存させたい人は多めに入れて)

・レモン(またはレモン果汁)

レモンと一緒に煮込みます。お砂糖なしの状態で味見をするととても苦い。

レモンと一緒に煮込みます。お砂糖なしの状態で味見をするととても苦い。

<つくり方>

(1)花をさっと洗う

(2)花(レモンがある場合は薄くスライスしたレモン)を鍋に入れ、軽く浸るくらいの水を入れたら弱火で15〜20分ほど煮る。煮汁に花の色が溶け出したらOK。

(3)花とレモンを取り出し、さらしで濾す。
※花などが残っていると傷みやすい。すぐに消費する人や、気にならない人はざるで濾しても。

(4)(3)でとり出した液体にお砂糖を加えて弱火で20分ほど煮る。

(5)最後にレモン果汁を入れて味を見る。少し煮て水分を飛ばし、とろみが出たら完成。煮詰めすぎるとレモンの酸味が飛びやすいので注意! 保存性を高めたい人は長めに煮る。

 
<保存方法>

しっかり水分が飛ばせていれば、常温で数か月もちます。
水分量や砂糖の量によってはカビが生えやすくなるので、
心配な人は冷蔵保存がベター。

ヨーグルトにかけて食べると絶品!

ヨーグルトにかけて食べると絶品!

スプーンですくいあげると少しトロトロとしていて、
味はまるで蜂蜜のよう。
口に含むと花の香りがいっぱいに広がる上品な味です。

初めて食べたときの衝撃が忘れられず、
あれから毎年タンポポを見かけるたびにこのシロップのことを考えてしまうのでした。

ヨーグルトに、パンケーキに、
そのままスプーンでぺろっと舐めて幸せに浸るのもおすすめです。
タンポポの花はマーマレードの隠し味として入れてもおいしそう。

ボウルいっぱいに花を摘んできても、できるのは小さな小瓶に一杯程度。
花のシロップはとっても貴重です。