原寸大の馬の置物をつくってみたい!
旧美流渡中学校で
『ミチクルのアニマル展2』を開いて

毎年工夫を重ねて、教室での個展に挑戦!

2019年に閉校した北海道岩見沢市の旧美流渡中学校で、
私が代表を務める地域PR団体が毎年開催している『みる・とーぶ』展が、
9月16日から始まった。
美流渡とその周辺地区には、工芸家やアーティストなどが多く移住していて、
それらの作品を展示するのがこの展覧会だ。

スタート時は、ショップコーナーで手仕事の作品を販売することが主だったが、
年を追うごとにひとり、またひとりと教室一室を使って個展を開催するようになっている。

秋のみる・とーぶ展、1階のショップの様子。陶芸作品や布こもの、家具、ハーブティーなどが並ぶ。

秋のみる・とーぶ展、1階のショップの様子。陶芸作品や布こもの、家具、ハーブティーなどが並ぶ。

私自身も、美流渡で行っている出版活動「森の出版社 ミチクル」として、
制作した本の販売などを行いつつ、
今年の春に行われた『みる・とーぶ展』では個展を開催した。
個展のタイトルは『ミチクルのアニマル展』
着られなくなった毛皮のコートを素材に制作したのは動物マスク。
この展示では、来場者がマスクをかぶって、さまざまな写真を撮ってくれた。
マスク自体はリアルでやや怖い印象があったが、
みんなが楽しんでくれている様子が伝わってきてうれしかった。

春のみる・とーぶ展で開催した『ミチクルのアニマル展』。観客が実際に被れるマスクタイプのほか、オブジェも制作。

春のみる・とーぶ展で開催した『ミチクルのアニマル展』。観客が実際に被れるマスクタイプのほか、オブジェも制作。

このときすでに、次回の『みる・とーぶ展』が秋に開催されることが決まっていたので、
さらなる新作をつくって発表したいと考えていた。

春から数えて発表まで約4か月。
場所は、春に展示した2階の教室から移動して、3階にある元理科準備室で行おうと考えた。
理科準備室には中央に黒い大きな机があって、ここから動物たちの首が
いくつも生えていたらどうだろうというイメージが浮かんでいた。
それを美流渡在住の画家で、旧美流渡中学校の展覧会にも参加してくれている
MAYA MAXXさんに話したところ、

「それはちょっと怖すぎるんじゃない? 
毛皮を使うことがいいのか、もう一度考えてみたらどうかな?」

と提案してくれた。
MAYAさんによると、毛皮を使ってしまうと細部のつくり込みが
しっかりとできないことと、動物の毛であるということに
人が無意識に怖さや暗さを感じてしまうのではないかということらしい。
私は何かをつくると、無自覚に不気味な感じが漂ってしまうことがあるので、
本当に毛皮を素材にしたほうがいいのか、もう一度考えて見ることは大切だと思った。

春につくったニホンザル。「ちょっと怖い」と言ってあとずさりする人もいた。

春につくったニホンザル。「ちょっと怖い」と言ってあとずさりする人もいた。

小豆島のそうめん工場を
改装したフィットネスジム
〈STEP sports community〉

体が重い。そうだ、運動しよう!

9月末というのに、まったく涼しくならず、
ぶぅぶぅ文句を言いながらなんとか日々を過ごしております。
そんな残暑厳しい今年の9月、わたくしまたひとつ歳を重ね、44歳となりました。

小豆島に引っ越してきたのは、33歳のとき。
あれから10年以上たち、当時の写真をたまたま見たりすると
「わたし若いなぁ……」と、年月を感じずにはいられない。
今年の春から娘が島の外に通学するようになり毎朝5時半起きの弁当づくり、
そして港への送迎。それに加えていつまでも続く蒸し暑さ。
最近は疲れてるな〜と感じたり、なんか体が重いな〜と感じたりすることが少し増えたような。

とにかく健やかな体で、動きまわっていたい!
そのためには体のメンテナンスが必須だなと。

行動を起こさないと何も変わらないぞ。
思い立って、小豆島の友人が運営する〈STEP sports community〉という
フィットネスジムに行ってみることにしました。

もともとはそうめん工場だった建物を改修してフィットネスジムに。

もともとはそうめん工場だった建物を改修してフィットネスジムに。

段々になっているブロックが、一歩一歩登っていくステップをイメージさせてくれて、さぁがんばるぞって気持ちにさせてくれる。

段々になっているブロックが、一歩一歩登っていくステップをイメージさせてくれて、さぁがんばるぞって気持ちにさせてくれる。

〈STEP sports community〉は、小豆島出身の坂本真一くんが
2022年10月にオープンした施設です。
坂本くんは、大学の体育学部で学び、2014年に小豆島に帰ってきてからは、
幼稚園・保育所で体操教室を開催したり、大人向けの運動指導を行ったりしてきました。

STEP sports community 代表 の坂本真一くん。

STEP sports community 代表 の坂本真一くん。

その指導を通じて、島のいろいろな人たちと出会うなかで「運動すること」に関して
多くの人が何かしらの不安を抱えていると感じたそう。
「運動したほうがいいことはわかっているけれど、何をしたらいいかわからない」
「テレビなどを見てやってはみたけれど、これでいいのかわからない」
など。

まさに私もそのひとりです(汗)。
まだまだこの先、元気に働き続けたい。それなりに力仕事もしたい。
歳とともに筋肉が減っていかないようにしたいけれど、何をしたらいいかわからない。

そういう人たちが、不安なく運動に取り組める場所として
〈STEP sports community〉が開かれました。
「活力ある小豆島であるために 健康づくりの面から貢献する」をモットーとして掲げています。

「体が資本」とよく言いますが、本当にその通りで、
体が元気じゃないと、この過酷な気候のなかで農作業なんてできないですからね。

広々としてきれいな室内。床が木材で気持ちがいい。

広々としてきれいな室内。床が木材で気持ちがいい。

フィットネスジムを開業するにあたり、数種類の器具を設置し、運動できる場所として、
大きな倉庫や工場などをいろいろと探したという坂本くん。
そんなときに出会ったのが、しばらく使われていなかった木造のそうめん工場。
島の真ん中あたりに位置する池田地区にあり、
多くの島民にとってアクセスしやすいこの場所に決めたそう。

かつては小豆島のあちこちにそうめん工場がありました。今は廃業してしまって使われていないところも多く、この場所もそのひとつ。(撮影:坊野 美絵)

かつては小豆島のあちこちにそうめん工場がありました。今は廃業してしまって使われていないところも多く、この場所もそのひとつ。(撮影:坊野 美絵)

床の塗装をする坂本くん。(撮影:坊野 美絵)

床の塗装をする坂本くん。(撮影:坊野 美絵)

山岳写真家・水越武の写真展
『アイヌモシリ
オオカミが見た北海道』

弟子屈町に住む写真家・水越武さんの写真展が開催中

私が弟子屈町に移住してうれしかったことは、
写真家・水越武さんが暮らしているということ。

『槍・穂高』(山と溪谷社/1975年)、
『雷鳥 日本アルプスに生きる』(平凡社/1991年)、
『HIMALAYA』(講談社/1993年)など、
数々の作品を世に送り出してきた、山岳写真の第一人者。

山の姿を写し出した、荘厳で崇高な作品の数々。
「美しい」だけではない自然の偉大さが、
静かに深く伝わってくる写真に惹かれる。

ポスターやフライヤーに使用させていただいたのは、満月の下で草を掘り出しているエゾシカの写真。

ポスターやフライヤーに使用させていただいたのは、満月の下で草を掘り出しているエゾシカの写真。

私などには想像もできないような深い思いで、
自然を観察し続けている水越さんが、
住処として選んだのが、弟子屈町だということ。

だから、川湯ビジターセンターでショップを始めるときも、
真っ先に、水越さんの書籍を販売したいと思った。
そして、屈斜路湖畔の森に囲まれたお宅に相談に行ったのだった。

あれから1年。写真展が開催できることになった。

阿寒摩周国立公園の自然情報を紹介する、川湯ビジターセンター。
総面積約450平方メートルの2階建ての館内をフルに活用して、
47点の写真を展示するという試みだ。

2023年9月1日から始まった写真展。入り口に掲げたのは、日本一の透明度を誇る摩周湖の空撮写真。ここならではの地形から生まれる美しさ。

2023年9月1日から始まった写真展。入り口に掲げたのは、日本一の透明度を誇る摩周湖の空撮写真。ここならではの地形から生まれる美しさ。

水越さんは、1938年愛知県生まれ。
山岳写真家の田淵行男氏に師事し、以後、
日本アルプスをはじめ、屋久島、
ヒマラヤ、北米・シベリア、中南米・ボルネオなど、
世界の大自然と向き合いながら撮影を続けている。

館内の奥には、紅葉の季節の針広混交林、林床に広がるエンレイソウの群落、雪に覆われた針葉樹の森など、森林の写真を7点並べている。

館内の奥には、紅葉の季節の針広混交林、林床に広がるエンレイソウの群落、雪に覆われた針葉樹の森など、森林の写真を7点並べている。

約30年前に北海道・弟子屈町に居を構え、
その後に刊行された『カムイの森』(北海道新聞社/1996年)では、
オオカミが徘徊していた頃の北海道の自然に思いを馳せ、
「北海道の原生林」をテーマに、
季節とともにさまざまな姿を見せる「北の森」を捉えている。

アカエゾマツの森に囲まれた、
ここ川湯ビジターセンターにも、
ときどきふらりと現れては、
森の活用法についてアドバイスをくれたりする。

そして昨年11月には、
『アイヌモシリ オオカミが見た北海道』(北海道新聞社/2022年)を刊行した。

大きな窓から、アカエゾマツの森を眺めることができる川湯ビジターセンター。階段の踊り場には、虹の光を受けて輝く知床の海や、深い霧に包まれた針葉樹の森の、大型写真を。

大きな窓から、アカエゾマツの森を眺めることができる川湯ビジターセンター。階段の踊り場には、虹の光を受けて輝く知床の海や、深い霧に包まれた針葉樹の森の、大型写真を。

築200年の古民家をセルフリノベで
ごはん屋さん&陶芸工房に。
DIYでできたこと、できなかったこと

移住者のつくる小さなお店 したたむ vol.4

静岡県掛川市の山間での暮らしを始めて4年目、
料理人の夫と陶芸家の妻による、ごはん屋さんと陶芸工房〈したたむ〉。

完全予約制のランチ営業のみで、Instagramで1か月分の予約を開始すると
すぐに埋まってしまい、キャンセル待ちができるほどの人気店です。
車でしか行けない山奥にあり、決して利便性の良い立地ではないものの、
ここまでの人気店に成長したのはなぜなのか、本連載を通してひも解いていきます。

前回まで、飲食店を開こうと考えたきっかけや、お店を出すための土地探し
資金調達、リノベーション計画について書いてくれました。

今回は、料理人の夫・奥田夏樹(おくだ なつき)さんが、
漆喰塗りや無垢材張りなどのセルフリノベーションの内容について振り返ります。

陶芸家の妻・哲子さんと、料理人の夫・夏樹さん。

陶芸家の妻・哲子さんと、料理人の夫・夏樹さん。

室内壁の漆喰塗り

セルフリノベーションでも人気の作業といえば、漆喰塗りではないでしょうか。
「漆喰をコテで塗っていく作業はなんか楽しそう」。これである。
実際の感想は、「"塗りやすい場所は"楽しかった」である。
振り返ってみましょう。

漆喰塗りの計画は、まず奥のプライベート空間の二間で練習して
お店側の二間が本番、というプランでした。

まずは漆喰選び。いろいろ調べた結果、
〈日本プラスター〉から出ている「漆喰うま〜くヌレール」は
自分で材料を混ぜ合わせる必要がなく、開けたらすぐに塗り始められるというお手軽さ。

漆喰を自分で混ぜてつくるよりも若干割高ですが、扱いに慣れていない素人だと
ムラになってしまうかもしれません。そして何より使いやすさを重視し、
「漆喰うま〜くヌレール」を選択しました。

作業の過程は以下。

・養生

・必要な道具を作成

・面を平らにする

・シーラー塗り(アク止め)

・塗る

・ムラがある場所を重ね塗りする

養生はとっても大事!

養生はとっても大事!

養生は、漆喰を塗りたい場所のまわりを汚さないよう、マスキングテープで覆っていく作業です。
そして塗るのに必要な道具は、コテ板とコテ。
これらはホームセンターにさまざまなものが売られているので買ってもよかったのですが、
地味にお金がかかるし、構造をみると、仕組みは簡単でつくれそうだったので、
100円ショップで下敷きを買い、家にあった木端でコテ板とコテをつくりました。
要はきれいに漆喰が塗れればいいわけで、実際のところ自作のもので十分でした。

自作のコテ板とコテ。

自作のコテ板とコテ。

塗る対象面は、石膏ボードのつなぎ目や木ネジの頭などで意外と凸凹しています。
そこで、メッシュ状のテープを貼ってなるべく面を平らにしていきました。
こうしておくと仕上がりにムラがなくなります。

シーラー塗りとは、漆喰の下地処理で必ず行う工程。
下地の種類によってはアクが出てきたり、ひび割れたり剥がれやすくなってしまうため、
それを防ぐためにシーラーを塗ります。

シーラーが乾いたら下準備終了となり、いよいよ本番、「漆喰塗り」。
奥のプライベート空間の二間で練習したかいがあり、
結構コツをつかんだ状態でお店側へと移っていったので
割とスムーズに作業は進みました。

大変だったのは、角。山でも谷でも。
場所によっては三面が交わる角などがありましたが、仕上げるのがとても難しかったです。
おそらくこういうところでプロとの差が出るのだなと実感しました。

キッチンやトイレのペンキ塗装

時間と予算があればすべて漆喰で仕上げたかったところですが、
外壁も漆喰で仕上げることにしたので、予算を考えて、お客様が入らないキッチンや
トイレのなかは漆喰でなくペンキを塗って仕上げることにしました。

具体的な作業内容は以下。

・壁の掃除

・養生

・シーラーを塗る

・乾いたらペンキを塗る

無垢の杉材で床張り

床張りでは金子さんにふたつの提案をいただきました。
ひとつめは使用する木材を、浜松市・天竜地区の無垢の杉材にすること。

品質の確かな「しずおか優良木材等」を使った木造住宅を取得または
リフォームする人を対象に助成する「住んでよし しずおか木の家推進事業」というものを
見つけてきてもらったため、助成金をもらうために、対象となる浜松市の
天竜地区産の無垢材の天竜杉を使うことが決まりました。

もうひとつは床張りの一部をワークショップ形式にして
残った部分を私たちでやるのはどうかというものでした。
金子さんは静岡理工科大学の建築学科で講師もされているのですが、
そこの生徒さんたちと一緒にワークショップ形式で床張りをやりましょうと。

ワークショップ形式にしたためたくさんの人手が集まった。

ワークショップ形式にしたためたくさんの人手が集まった。

ワークショップでは、大工の天野さんに来てもらい、機材の使い方、計測の仕方、
床板の張り方など工程ごとにポイントやコツを教えてもらいながらみんなで張っていきます。

問題だったのは、古民家ゆえに直角や直線がなく、“約90度”だったり、
直線に見えてゆるやかに曲がったりしていることでした。
なので、基準となる直角のL字を床に描くところから始まりました。

また壁を抜いた南側二部屋には印象的な柱が6本あるのですが、それらは
手斧(ちょうな)で仕上げた化粧柱や、人力で削り出した、太さやかたちがすべて違う柱。
それら柱と床板の取り合いの部分は、お店の顔といってもいいくらい目立つ場所なので
そこが素人仕事の感じが出てしまうのはカッコ悪い……ということで匠の技を発動。
南側の端の数枚は大工さんにお願いして、柱のラインを超えたところからみんなで張り始めました。

ポイントを教えてもらいながらの作業。

ポイントを教えてもらいながらの作業。

ワークショップに集まってくれた建築学科の学生さんたちも
おそらくこの先プロになったとしても、あまり出合うことがないであろう
築200年以上経つ建物での作業に、学びやおもしろさを見出しながら
作業してくれていたと思います。

参加された学生のみなさんの経験になり、私たちも勉強になり
さらにリノベーションの作業も進むという、何とすばらしい企画でしょう。
お礼といってはなんですが、初々しいキッチンで、ささやかながらカレーライスをつくり、
縁側や外に座ってみんなで食べたのはいい思い出です。

ランチにカレーライスをふるまいました。

ランチにカレーライスをふるまいました。

外壁の漆喰塗り

外壁は茶色と小豆色の間のような色のガルバリウムで、
見慣れるとまぁこれでもいいかなと思いつつも、
来店されるお客様の視線で考えたときに、最初に目に入るお店の顔になる部分。
ここは手を抜いてはいけないと、当初から予定していた通り外壁も漆喰で塗ることに。

通常であれば、ガルバリウムを剥がして下地になる壁をつくり、
その上に漆喰を塗るのですが、剥がしたガルバリウムがゴミとなり、
それらの処分費がまたかかることが問題でした。

そこで金子さんたちに相談し、ガルバリウムの上に石膏ボードを貼りつけてしまい、
さらにその上に漆喰を塗っていくという案を出してもらいました。

この手法の懸念点は、壁がかなり重くなるということだったものの、
大工の天野さんの経験上、大丈夫だろうということでこの方法が採用されました。

具体的な作業内容は、以下。

・石膏ボードの切り出し、貼りつけ

・壁の掃除

・養生

・面を平らにする

・漆喰塗り

室内の漆喰塗りで自信をつけていた私たちは、室内のときに使った道具もあるので
慣れた手つきで割といい感じにできたと思っています。
難しかったのは、室内のときと同じく角の仕上げ方でした。

漆喰が塗り終わった外壁。

漆喰が塗り終わった外壁。

たくさんの人に助けられて

さて、前回から長々と振り返ってみると、いろいろなことをやってきたのだなと
自分を褒めてあげたいと思いますが、本当に「セルフリノベーション」といっていいのか
というほど、実はたくさんの人に助けられながらやってきたことがよくわかります。
協力してくださったみなさま、本当にありがとうございました!

細かい作業を入れると、ここに挙げた作業の倍以上の工程があり、
ワークショップもこのあと別の内容でさらに2回開催しているのですが、機会があればまた。

information

したたむ

営業時間:12:00〜14:30

定休日:水〜金曜

Web:したたむ

伊豆下田へ移住した3人家族。
小学6年生の娘が語る
「移住と下田のホンネ」

親の移住、子どもの気持ち

伊豆下田に移住してきて7年目に突入している津留崎家。
当時は幼稚園だったお子さんも、小学6年生になりました。
「娘がどんな気持ちで6年間過ごしてきたか」と
気になっている母の徹花さん。

そこで今回は初めての試みとして、
お子さんの執筆により「移住と下田」について綴ってくれます。
大人と子どもの目線の違いはどのようなものでしょうか?

みんなが心を寄せられる塔を立てたい。
旧美流渡中学校に
MAYA MAXXの鳥の塔

真っ白い雪に覆われたグラウンドを見たことから始まった

「いつか実現するといいねー」

北海道岩見沢市の山間地、美流渡(みると)在住の画家・
MAYA MAXXさんは、自身のアトリエの向かいに面した
旧美流渡中学校(2019年に閉校)のグラウンドを眺めながら
何度かそう語ったことがある。
実現を夢見ていたのは、大きな塔のようなもの。

2020年の夏に東京から美流渡へと移住し、
季節は巡って冬となり構想が浮かんだ。
グラウンドは一面真っ白。誰も足を踏み入れていないフカフカの雪の上に、
立ち上がったクマの立体物をつくってみたいとMAYAさんは語った。

クマの全身像をグラウンドの中央に設置したいとMAYAさんが描いた初期スケッチ。

クマの全身像をグラウンドの中央に設置したいとMAYAさんが描いた初期スケッチ。

学校には国旗掲揚台のポールが立っていた。

「これと同じくらいの高さで、クマの立体がつくれたらいいよねー。
地元の農家さんや建設会社さんの力を結集して建てられたら、
そこに気持ちが集まると思う」

最初は、この掲揚台を利用して、張り子のように
クマをかたちづくっていく方法が検討された。
ただ、掲揚台のポールは細く風でカタカタと揺れていて、
立体物の荷重に耐えられないように思えた。

国旗掲揚台。ちょうど10メートルくらいの高さ。

国旗掲揚台。ちょうど10メートルくらいの高さ。

そこから2年が経ったが、構想は進んでいなかった。
そんななかでMAYAさんは「できるところからやってみてはどうか」と考え、
可能な限り大きなクマの顔だけをつくってみることを計画した。
180センチ×90センチ、厚さ10センチの「スタイロフォーム」
(正式名称は押出発泡ポリスチレン、住宅の断熱材として使用されている)を
横に2列、上に18枚重ねて立方体をつくり、それを丸く削っていった。
こうして「ビッグベアプロジェクト」がスタートし、
MAYAさんと仲間が半年かけてクマを完成させた。

校舎の庇に設置。みんなを出迎える学校のシンボルとなった。

校舎の庇に設置。みんなを出迎える学校のシンボルとなった。

暑い日に食べる!夏が旬の
「モロヘイヤとオクラのネバネバ丼」

暑さが続くなか、元気な野菜がいた!

9月に入り、小豆島は一番暑いときと比べると、
ほんの少しだけ暑さが和らぎましたが、それでもまだまだ暑すぎる。
いったいこの暑さはいつまで続くんだろうか、暑い……ぼやきが止まらない。
秋が心底恋しい毎日です。

サツマイモ畑の灌水作業。最近は外で作業するとき、ファンで風を送ってくれる空調服が必需品。

サツマイモ畑の灌水作業。最近は外で作業するとき、ファンで風を送ってくれる空調服が必需品。

夏空をバックに、元気に花を咲かせる赤オクラ。

夏空をバックに、元気に花を咲かせる赤オクラ。

これだけ暑さがずっと続くと、人間だけでなく、野菜たちもへばってきます。
実をつける前に花が落ちてしまったり、抵抗する力がなく病気になって枯れてしまったり。
「夏野菜」と呼ばれていても、35度以上の日が何日も続き、
おまけに雨もほとんど降らない過酷な夏だと、元気に育つことができないんです。
8月の野菜栽培については、今後いろいろと考えていかないといけないなぁと思っています。

さて、これだけ暑くても元気に育っている野菜があります。
オクラとモロヘイヤです。

7月下旬頃から収穫が始まり9月終わり頃までずっと実をつけ続けてくれるオクラ。

7月下旬頃から収穫が始まり9月終わり頃までずっと実をつけ続けてくれるオクラ。

葉や細い茎の部分を食べられるモロヘイヤ。

葉や細い茎の部分を食べられるモロヘイヤ。

オクラとモロヘイヤは同じアオイ科に属しています。
オクラがアオイ科なのは知っていたのですが、
モロヘイヤも同じ科の野菜だったとはちょっと驚き。
葉っぱのかたちなどだいぶ違うんですけどね。
原産地はどちらもアフリカで(モロヘイヤはインド西部からアフリカと
広い範囲が原産とされています)、高温の環境に強い野菜たちです。

オクラはあっという間に大きくなってしまうので、夏の間はほぼ毎日収穫作業。

オクラはあっという間に大きくなってしまうので、夏の間はほぼ毎日収穫作業。

黒姫高原〈アトリエ9〉宮本武 
写真家から転身し、
森の中にヒーリングサロンを開設

森の中のヒーリングサロン

雑誌『TRANSIT』『Number』、
AIGLE社と森林保護団体〈more trees〉のチャリティプロジェクトなどで、
やわらかな表情のポートレイトや
光が印象的にあふれる風景写真を収めてきた写真家、宮本武さん。
その彼が、18年にわたる海外生活を経て日本に帰国し、
2023年夏から長野県上水内郡信濃町の黒姫高原の森の中で、
ヒーリングサロンを開設した。

黒姫の森に佇む宮本さんのサロン〈アトリエ9〉。

黒姫の森に佇む宮本さんのサロン〈アトリエ9〉。

写真、黒姫、ヒーリング。
これらの結びつきは唐突のように見えて、宮本さんにとっては、ある種の必然だった。

ポートレイトというプロセス

転機のひとつは、2021年に刊行した宮本さんの初写真集『spectrum』(torch press)だ。
10年間、アイスランドに通いながら、
森や雪原、植物や鉱物と、男性のヌードをパラレルに撮影した、
生命のささやかな息吹のようなものを収めた作品だ。

中央が宮本さんの写真集『spectrum』(torch press)。

中央が宮本さんの写真集『spectrum』(torch press)。

実は宮本さんは、この撮影中、
写真を撮ることによって「自分のイヤな部分を癒したかった」のだという。
背景にはマイノリティとしての自身のセクシュアリティと、
そのために心に抱えてきた、つらいトラウマがあった。

「僕はそれまで、自分自身のセクシュアリティを被らせて、
『自分の繊細さ』を肯定できなかったんです。
だけど繊細さは、男女限らず誰しも必ず心のなかにあるもの。
『spectrum』では被写体の本質に近づくことで、それを世に伝えたかったんです」

以下3点とも、宮本さんの写真集『spectrum』(torch pressより)。(写真提供:宮本武)

宮本さんの写真集『spectrum』(torch press)より。(写真提供:宮本武)

宮本さんの写真集『spectrum』(torch press)より。(写真提供:宮本武)

宮本さんの写真集『spectrum』(torch press)より。(写真提供:宮本武)

ただ、「ポートレイトとは撮影者の鏡である」とよく言われるように、
被写体の本質に近づくには、
撮影者も「本質的な存在として、そこにいる」必要があったと、宮本さんは言う。
つまりこのとき、宮本さんにとって撮影行為とは、
自分自身の「イヤな部分」を内省するプロセスだったのだ。

宮本さんの写真集『spectrum』(torch press)より。(写真提供:宮本武)

宮本さんの写真集『spectrum』(torch press)より。(写真提供:宮本武)

「制作中、一度ダミーをつくったときに、
『心の明るい部分しか写っていない』って批判されたことがあったんです。
それで『暗い部分』を撮り直して、ミックスして、いまのかたちになりました。
つまり、自分がポートレイトを撮ることで、自分自身を癒す必要があったんです」

宮本さんのサロン〈アトリエ9〉より窓外の森を望む。

宮本さんのサロン〈アトリエ9〉より窓外の森を望む。

山から跨線橋まで。
知床・羅臼、奥州、秋田、東京の
「まちの絶景」といえば?


今月のテーマ 「まちの絶景」

旅先やふと訪れた場所の風景に心を奪われた人も少なくないはず。
今回は本企画ライター陣に
「これだ!」と思う自分の住む「まちの絶景」について教えてもらいました。

四季折々の表情をみせる自然の雄大な美しさはもちろん
もうすぐなくなってしまう文豪が愛した絶景スポットも見逃せません。
週末や連休を使って足を運んでみてはいかがでしょうか。
思い立ったが吉日ですよ。

【岩手県奥州市】
山・水・空を一度に見渡せる〈奥州湖眺望台〉

私のおすすめの絶景スポットは〈奥州湖眺望台〉。
市内西側の玄関口に位置する〈胆沢(いさわ)ダム〉にある展望台です。
周辺は自然に囲まれていて、向かう道中も気持ちのいいドライブが楽しめます。

〈奥州湖眺望台〉から見える焼石連峰。

〈奥州湖眺望台〉から見える焼石連峰。

左手には栗駒国定公園の一部である「焼石連峰」が一望でき、
右手には日本三大扇状地のひとつである「胆沢扇状地」が広がっています。

胆沢扇状地。

胆沢扇状地。

季節や時間帯によって、異なる色の空・水・緑・風を360度感じられ、
ほかに人がいなければ、美しい景色を贅沢に独り占めできちゃうかも!

また、展望台の反対側にある〈胆沢ダム管理支所〉に行くと
国内最大級のロックフィルダムであるダム堤体の上を歩くことができ、
そこから眺める景色も圧巻なので、ぜひあわせて訪れてみてもらいたいです。

紅葉シーズンもおすすめですが、
11月頃から眺望台までの道が閉鎖されるので事前に道路情報の確認をお忘れなく。

information

map

奥州湖眺望台(胆沢ダム)

住所:岩手県奥州市胆沢若柳

Web:胆沢ダム

photo & text

小川ちひろ おがわ・ちひろ

遊軍スタイルフリーコーディネーター。東京出身。オーストラリアや台湾での海外生活も経験する放浪人間。異なる文化や感覚を持つ「人」に興味を抱く。 転職を機に〈地域おこし協力隊〉の制度を活用して岩手へ移住。現在は遊軍スタイルのフリーコーディネーターとして、旅するように東北の暮らしを堪能中。フットワークの軽さとコミュニティの広さをいかして、人をつなげてケミカルな反応が起こる「場」や「間」を創り出すことを楽しんでいる。

「感じたら動く」保育研究会in厚真町
自分らしく生きることの
大切さを学ぶ場となって

撮影:和田北斗(unique connection)

北海道厚真町で開催された保育研究会の冊子を制作

今回の連載では、自分の本業である編集者として関わった、
とても印象深い仕事について書いてみたい。
その仕事とは、8月5日に北海道厚真町で実施された
保育研究会というイベントで配布した冊子の制作。

このイベントでは厚真町のふたつの認定こども園での環境整備の取り組みの紹介と、
日頃から保育に関わる3名のトークが行われた。
冊子には、これらイベントの登壇者などの寄稿やインタビューを収録した。

保育研究会の会場で配布された冊子『感じたら動く 保育研究会 in 厚真町』。

保育研究会の会場で配布された冊子『感じたら動く 保育研究会 in 厚真町』。

厚真町には折に触れ取材する機会があった。5年前に起きた北海道胆振東部地震を体験した人々の声をまとめた記事も執筆した。(撮影:佐々木育弥)

厚真町には折に触れ取材する機会があった。5年前に起きた北海道胆振東部地震を体験した人々の声をまとめた記事も執筆した。(撮影:佐々木育弥)

この保育研究会のキーパーソンは、おおぞら教育研究所を主宰する木村歩美さん。
木村さんは、公立小学校と幼稚園の教諭や、保育系専門学校講師などを経て独立後、
園庭整備をはじめ保育者の「やってみたい!」という気持ちを盛り立てる活動を続けてきた。
厚真町でも環境整備を行ってきたことから、今回はこのまちで研究会が開かれることとなった。

木村歩美さん。全国でワークショップや研修会を行い、園の環境整備を進めている。(写真提供:片平祐)

木村歩美さん。全国でワークショップや研修会を行い、園の環境整備を進めている。(写真提供:片平祐)

私は、冊子制作のために、厚真町の〈こども園つみき〉、〈宮の森こども園〉を取材した。
そこで目に飛び込んできたのは、子どもたちが自分の背丈くらいの台に、
全身を使って登っていく様子だった。

まず訪ねた〈こども園つみき〉には、各部屋にロフトが設置されていた。
ロフトの高さは子どもの背丈を超えているが階段はなく、
子どもたちは木の柱をするすると登ったり、
足をなんとかロフトの台に引っかけて上がったり。
それぞれ自分なりの登り方を工夫していて
「こうやったら登れるんだよ!」と私にも教えてくれた。

〈こども園つみき〉に設置されたロフト。柱をつたって子どもたちは登る。(撮影:和田北斗(unique connection))

〈こども園つみき〉に設置されたロフト。柱をつたって子どもたちは登る。(撮影:和田北斗(unique connection))

ロフトを上がっていくと吹き抜け天井まで続いている。(撮影:和田北斗(unique connection))

ロフトを上がっていくと吹き抜け天井まで続いている。(撮影:和田北斗(unique connection))

また、園庭には木村さんとのワークショップで保育者たちがつくりあげたという
さまざまな遊具があった。
なかでも大人気なのが「森のラビリンス」。
保育者たちが森で丸太を切り出すところから始め、
木村さんから安全性のアドバイスを受けながら組み上げていったもの。
子どもたちは自分なりの登り方があるようで、鉄棒のように前回りをする子も。
取材の日は、保育者のみなさんも登ってくれて、すてきな写真も撮影できた。

「森のラビリンス」。首の挟み込みや転落などの危険に関する注意点があるので、慎重に木が組み合わされている。また落ちたときに体を受け止めることができるよう土をやわらかくしてある。(撮影:和田北斗(unique connection))

「森のラビリンス」。首の挟み込みや転落などの危険に関する注意点があるので、慎重に木が組み合わされている。また落ちたときに体を受け止めることができるよう土をやわらかくしてある。(撮影:和田北斗(unique connection))

小豆島の真ん中にある
人口260人の小さな農村が守り続ける
「中山の舞台」と暮らし

小さな農村の伝統芸能が存続の危機

小豆島の真ん中に位置する、棚田が美しい集落「中山(なかやま)」。
今、この小さな農村で暮らす人たちが取り組んでいる大きなプロジェクトがあります。

この地で江戸時代から続く伝統芸能『中山農村歌舞伎』を奉納上演するための場
「中山の舞台」の大規模改修工事プロジェクトです。
今回はこの取り組みについてみなさんに知ってもらい、応援してもらいたい! 
という気持ちを込めて書きます。

小豆島の真ん中、山に囲まれた場所にある中山集落。私が暮らす肥土山(ひとやま)集落のお隣にあります。

小豆島の真ん中、山に囲まれた場所にある中山集落。私が暮らす肥土山(ひとやま)集落のお隣にあります。

中山では、毎年7月の半夏生の頃に「虫送り」が行われます。火手(ほて)と呼ばれる松明に火を灯し、田んぼのあぜ道を歩いて、虫を海まで送り、豊作を祈願する農村の行事。

中山では、毎年7月の半夏生の頃に「虫送り」が行われます。火手(ほて)と呼ばれる松明に火を灯し、田んぼのあぜ道を歩いて、虫を海まで送り、豊作を祈願する農村の行事。

まず「中山」という農村について。
中山は人口約260人、約100世帯が暮らす山間にある集落で、
平地はほとんどなく、山の急な斜面に切り開かれた棚田では現在も米が栽培されています。
この風景がとても美しく、『日本の棚田百選』に選ばれているほど。
旅行者の多くも、この景色を見に中山を訪れます。

もうすぐ収穫シーズンを迎える中山の棚田の風景。

もうすぐ収穫シーズンを迎える中山の棚田の風景。

「湯船(ゆぶね)の水」と呼ばれる湧き水が千枚田に流れ込み、お米を栽培できます。

「湯船(ゆぶね)の水」と呼ばれる湧き水が千枚田に流れ込み、お米を栽培できます。

この美しい棚田の風景のなかに「中山の舞台」があり、
そこで毎年10月に中山農村歌舞伎が奉納上演されます。
農村歌舞伎というのは、豊作祈願の奉納と娯楽として
昔から各集落で行われてきた伝統行事です。
そこで暮らす人々が企画し、演じ、楽しむ行事。

昔は小豆島の各集落に舞台があり、農村歌舞伎が行われていたそうですが、
今残っているのは、この中山地区と肥土山地区の2か所だけ。
小さな島の小さな農村で、300年以上続く伝統芸能と
その舞台が守り続けられているんです。

毎年10月に開催される中山の農村歌舞伎。(撮影:坊野美絵)

毎年10月に開催される中山の農村歌舞伎。(撮影:坊野美絵)

本番の舞台裏の様子。暮らす人たちが自分たちの手でつくりあげる歌舞伎だからおもしろい。(撮影:坊野美絵)

本番の舞台裏の様子。暮らす人たちが自分たちの手でつくりあげる歌舞伎だからおもしろい。(撮影:坊野美絵)

実はこの中山の舞台が、今まさに倒壊の危機に瀕していて、
2022年秋より大規模な改修工事プロジェクトが始まっています。

田舎暮らしを楽しむ知恵をお届け!
〈いとしまシェアハウス〉
人気記事ランキング【TOP10】

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

今回の連載はなんと、記念すべき50回目! 

2018年4月に開始してから5年、
妊娠・出産でしばらくのお休みはありましたが
ここまで続けられたこと、とてもうれしく思います。
本当にありがとうございます!

今回は、これまでに公開した記事で
アクセスの多かったTOP10をご紹介! 

「梅仕事」などの季節のレシピから、「野草」を用いた薬づくり、
「脱シャンプー」のノウハウ記事、
これがきっかけでテレビ出演までしてしまった記事など、
田舎暮らしの知恵がたっぷり詰まったテーマがラインクインしています。
どうぞお楽しみに! 

築200年の古民家を
飲食店&陶芸工房にセルフリノベ。
一番つらかった作業は?

移住者のつくる小さなお店 したたむ vol.3

静岡県掛川市の山間での暮らしを始めて4年目、
料理人の夫と陶芸家の妻による、ごはん屋さんと陶芸工房〈したたむ〉。

完全予約制のランチ営業のみで、Instagramで1か月分の予約を開始すると
すぐに埋まってしまい、キャンセル待ちができるほどの人気店です。
車でしか行けない山奥にあり、決して利便性の良い立地ではないものの、
ここまでの人気店に成長したのはなぜなのか、本連載を通してひも解いていきます。

前回まで、飲食店を開こうと考えたきっかけや、お店を出すための土地探し
資金調達について書いてくれました。

今回は、料理人の夫・奥田夏樹(おくだ なつき)さんが、
セルフリノベーションの計画について振り返ります。

陶芸家の妻・哲子さんと、料理人の夫・夏樹さん。

陶芸家の妻・哲子さんと、料理人の夫・夏樹さん。

大まかな時系列を整理

かくして都会住まいの私たちが掛川の山奥で小銭を握りしめ歩き出したわけですが
ここでざっくりと、これまでどんな流れだったのかを書き出してみました。

2016年 2月…仕事の休暇を利用して物件探しを開始

2017年 5月…認定NPO法人ふるさと回帰支援センターへ登録

2018年 8月…建築設計事務所〈E4 inc.〉の金子さんから物件紹介の連絡をもらう

2018年 9月…物件の初内見

2018年 11月…物件契約、大工仕事(土間打ち、躯体に関わる作業の施行)

2019年 7月…引越し、セルフリノベスタート

2020年 6月…したたむ OPEN

物件の契約後から、物件を紹介してくださった〈E4 inc.〉の金子さんと
リフォームについての打ち合わせを重ねていくことになります。
最初に金子さんに言われたのは、こんなことでした。
「家に関係していなくてもいいので、いいなと思うもの、気になるものの画像を
とにかくたくさん集めて、それをすべて見せてほしい」

なるほどな、と思ったのをよく覚えています。
私たちの「好き」という感覚的なものが金子さんとの間で共有されることで、
精度の高いプランやアイデアを提案できるようになる、合理的な手法だと感じました。

また、「できる限り自分たちでリノベーションしたい」というこちらの要望を踏まえて
金子さんと打ち合わせを重ねるなかで、イメージを具体的にしていき、
現実的な落としどころを見つけてもらいました。

上が提案してもらった改修案の平面図です。
この物件、先住者の方がすでに大がかりなリフォームをしており、
最初の古民家のかたちからだいぶ改造された状態で引き渡されました。

なぜ移住? なぜ下田?
若者に伝えたい
「東京ではできない暮らし」

移住のきっかけと下田に決めた理由

伊豆下田に移住してきて7年目の津留崎家。
東京では充実して過ごしていただけに、
下田に移住してきた理由を知りたい人が多いようです。

最近では移住のきっかけを人前で話す機会も増えたとのこと。
そこで今回は地元の若者に伝えたい、
移住のきっかけと下田に決めた理由を教えてくれました。

経年変化が美しい家。
ともに成長し
「家に似合うふたり」になりたい

現地を訪れてクチコミで土地探し

住所としては神奈川県相模原市緑区。
ただし中心地から車で30分以上走った台地に、
H夫婦が建てた〈BESS〉の「G-LOG」はある。
秋田出身のご主人・一樹(@camp_ee)さんは、就職で相模原へ。
佐賀出身でシンガーのSOTOni(@_sotoniyatoni_)さんと結婚して3年。
当初は橋本駅近くのマンションに住んでいた。

「2年くらいマンション暮らしでしたが、いつかは家を建てたいねという話はしていて、
よくBESSのLOGWAY(ログウェイ・展示場)に行っていました。
あるとき、久しぶりに行ってみたら、買いたい欲がすごく高まってしまって、即決。
翌週には契約していました」と笑う一樹さん。

日が入り、明るいリビング。物が少ない。

日が入り、明るいリビング。物が少ない。

一樹さんはキャンプが好きで、コテージや山小屋に泊まったときの感触がよかったこと。
キャンプでの焚き火が好きなので、薪ストーブを絶対に入れて家で火を見たかったこと。
それがBESSの家購入に踏み切らせた理由だという。

デザインや見た目のアウトドア感だけでなく、BESSの“哲学”にも共感している。
きっかけは『BESSってなんだ?』という冊子だ。

「ひとつひとつ気になる言葉ばかりなんです。
あまりに好きなので、BESSの家を検討しているという後輩に
『読んだほうがいい』とプレゼントして、自分用にもう1冊もらいました。
これは2冊目。トイレに置いてあります」

見た目やデザインだけではなく、思いにも共感した。

見た目やデザインだけではなく、思いにも共感した。

表紙には「ドレスアップよりドレスダウン」「時間の設計」など、
気になったフレーズが書き込まれ、中面にもメモがたくさん。
熟読していることがわかる。
なんと自宅の柱にも「野暮は揉まれていきとなる」と書いてしまったほど。

「不要になったら上から色を塗ったり、薄く削りとることもできる。それができるのもBESSの家の良さ」と一樹さん。

「不要になったら上から色を塗ったり、薄く削りとることもできる。それができるのもBESSの家の良さ」と一樹さん。

こうして家の購入は決めたが、もちろん土地も必要。
職場から離れすぎない範囲で「広い庭もほしいし、薪ストーブもあるので」と、
なるべく自然に近い場所にこだわった。しかし、なかなかいい場所が見つからない。

「もっと奥へ行こう、もっと奥、もっと奥……、といううちに
どんどん町から離れてここまで来ました。
田舎だけど、雰囲気がすごく良かった」

DIYでつくった薪棚。中央が最新作。後ろには抜けのある景観が広がっている。

DIYでつくった薪棚。中央が最新作。後ろには抜けのある景観が広がっている。

ふたりの家が建っている立地は開けていて、
家や畑が点在するが森に囲まれていて秘境のようなところ。

「自分たちでも土地を探そうと思って巡っていたんです。
偶然、この近くにある商店に入ったときに、
常連さんらしきおじいちゃんに
『土地探しているんですが、いいところありますかね?』と聞いてみたら、
すぐに地元の知り合いの不動産屋さんを紹介してくれて。
この土地は2か所めに紹介されて即決しました。
やはり地元の不動産屋さんはその土地に詳しいし、
そもそもネットなどに情報を出していないみたいです」

その日のうちにすべてのことが進み、テンポが良すぎてふたりとも心配になったほど。
この場所を見つけたのは偶然ではあるが、
それを引き寄せた行動力がもたらしたものでもあるだろう。

2階から外を眺める。

2階から外を眺める。

青空に映える大きな入道雲、
黄緑色の田んぼ、農家の麦わら帽子。
どこかなつかしい小豆島の夏

毎日暑いですね

夏真っ盛りの小豆島。
7月下旬から本当に暑い日が続いています。

毎日朝起きてから夜寝るまで「暑い」「暑い」と
何度もその言葉が出てくる。そしてまたここでも。
今日も暑い!!!

汗だくになりながら、夏野菜の収穫作業。

汗だくになりながら、夏野菜の収穫作業。

そして収穫したきゅうりを使って、梅きゅうりごはん。暑い日でもごはんがすすむ。

そして収穫したきゅうりを使って、梅きゅうりごはん。暑い日でもごはんがすすむ。

全国の天気予報を見ていると、小豆島の最高気温というのは
ほかの地域と比べるとそれほど高くないんです。
最近だと予想最高気温は33〜35度とか。小豆島を訪れる方からも
「小豆島ってほかの地域と比べたらそんなに暑くなさそうだね」と言われたり。
いやいや、十分暑いですけど(汗)。

人が感じる暑さというのは、気温だけじゃなくて、湿度や日差しの強さなども
関わってくるので、なかなか暑さを比較するのは難しいですが、
小豆島は、焦げるような暑さが特徴。
ここ最近、夏はほとんど雨が降らないので、比較的湿度は低めです。
太陽の日差しがとても強く(名古屋で暮らしていた頃よりも個人的には強く感じます)、
日向にいるとじりじり焼かれてる感がすごい。
先日梅を干したときは、私も一緒に干されてました(笑)。

7月下旬、いよいよ夏が始まったなというタイミングで、漬けておいた梅を干す。タープの日陰で、梅干しをひたすら網戸の上に並べる作業。

7月下旬、いよいよ夏が始まったなというタイミングで、漬けておいた梅を干す。タープの日陰で、梅干しをひたすら網戸の上に並べる作業。

風がよく通る日向へ移動。三日三晩、様子をみながら干しました。

風がよく通る日向へ移動。三日三晩、様子をみながら干しました。

夏の強すぎる太陽に照らされて、みるみるうちに干されていく梅干したち。

夏の強すぎる太陽に照らされて、みるみるうちに干されていく梅干したち。

日中の日差しはすごいですが、夕方になって太陽が山の向こうに隠れると
一気に暑さが和らぎます。
海からの風がある日は特に気持ちがいい。
考えてみると、小豆島の夏はまだ救いのある暑さのような気もしてきますね。

山のむこうに太陽が沈んで、海から心地よい風が吹いてくる夏の夕方は穏やか。

山のむこうに太陽が沈んで、海から心地よい風が吹いてくる夏の夕方は穏やか。

暑いのは本当にしんどいのですが、比較的湿度が低く、
日差しが強い小豆島の夏の風景は、心を打つものがあるんです。

青空に映える大きな入道雲。
一面に広がる黄緑色の田んぼと緑の山々。
民家の縁側にかかるすだれや風鈴。
大きな麦わら帽子をかぶって農作業する人々。

夏は、緑と青の景色がパワフルでとっても美しい。

夏は、緑と青の景色がパワフルでとっても美しい。

スイカのおじちゃん(たくちゃんです)。今年収穫したスイカ自慢(笑)。

スイカのおじちゃん(たくちゃんです)。今年収穫したスイカ自慢(笑)。

正直いうと夏はあんまり好きじゃないんですが、この夏の風景は大好きです。
なんだか懐かしい気持ちになって、じーんとしちゃうんです。

私はまちで生まれ育ったので、故郷には今の小豆島みたいな風景はありません。
だけど、なつかしいなぁと感じるんです。
私の父の出身が島根県で、子どもの頃、毎年夏になると山陰の田舎に帰っていたので、
その風景を思い出すのかもしれません。
子どもの頃にどこかでみた日本の夏の風景。
きっとみなさんの心のなかにもありますよね。

小豆島のなかには、そういう風景があっちこっちにあります。
日本中どこでもありそうですが、実はなかなか出会えないのかもしれません。
島はすぐそばに山があって海があって、昔から続く暮らしがある。
そしてこの夏の気候だからこそ、
青と緑が映える懐かしい日本の夏の風景が生まれるのかもしれません。

夏のある日。生姜の畑から眺める入道雲。

夏のある日。生姜の畑から眺める入道雲。

8月の小豆島には、1年で一番たくさんの人たちがやってきます。
小豆島に遊びに来たら、ちょっとだけそんな風景のことを意識して、
島での時間を楽しんでもらえたらいいなぁと思います。

ライブペイントや
仲間のウエディングライブ。
地域の才能を持ち寄った夏のフェス

フードや作品販売からライブ、ワークショップまで盛りだくさん

7月28、29、30日、私が代表を務める地域PR団体が主催となって
『みる・とーぶフェスティバル』を旧美流渡中学校で開催した。
北海道もほかのエリアと同様に猛暑となっており、
開催には不安もあったが、無事に終了することができた。

駐車場スペースにテントを設置。お祭りらしいにぎやかなムード。

駐車場スペースにテントを設置。お祭りらしいにぎやかなムード。

今回、新しい出会いがあった。
屋外のテントエリアには、フードや作品、雑貨など17組のお店が並んだ。
そのうち12組は旧美流渡中学校のイベント初参加だったけれど、
なぜだか以前からずっと友だちだったような、そんな気持ちのするすてきなメンバーだった。
おそらく旧美流渡中学校という場に魅力を感じてくれていたことや、作品制作をしたり、
こだわりの品を販売したりと、互いに共感できる部分があったからだろうと思う。
そしてもうひとつ、準備期間中に顔を合わせる機会があったことも大きかったかもしれない。

このフェスティバルで出展者を募集するにあたって、みなさんにお願いしたことがあった。
開催の1週間前に行う校舎の清掃や、前日にテントを張る作業への参加だ。
さらに3日間、テントを立てたり畳んだりという作業を、
みんなで協力してやってほしいと呼びかけた。
運営スタッフの人数が少ないための協力のお願いだったけれど、
校舎の掃除をしているときに、出展者同士が話す機会も多く、
互いの理解を深めることができたんじゃないかと思う。
また、毎日のテントの上げ下げは、なかなかの重労働だったけれど、
みんなで力を合わせることで、心の通い合いもあったように感じられた。

テントは市の施設から10張り借りてきた。メンバーのなかにテントを使用したイベントを行ったことがある経験者がおり、搬入から撤収までずっとみてくれてありがたかった。

テントは市の施設から10張り借りてきた。メンバーのなかにテントを使用したイベントを行ったことがある経験者がおり、搬入から撤収までずっとみてくれてありがたかった。

校舎の管理でいつも課題となるのが草刈り。今回は、農家をはじめ草刈りのプロといえるような方たちが集まってくれて作業が本当にはかどった。

校舎の管理でいつも課題となるのが草刈り。今回は、農家をはじめ草刈りのプロといえるような方たちが集まってくれて作業が本当にはかどった。

イベント開催1週間前の整備では、メンバーがお昼にカレーをつくってくれた。朝一番に来てくれてジャガイモの皮剥き!

イベント開催1週間前の整備では、メンバーがお昼にカレーをつくってくれた。朝一番に来てくれてジャガイモの皮剥き!

まちの中心部で行うイベントと違って、集客はのんびりしたものだったけれど、
「とても楽しかった。また参加したい」や
「みなさんと知り合いになれたことが良かった」など、
やさしい言葉をかけてくれる出展者の方がいてくれて、それが何よりありがたいことだった。

ぬか床のつくり方は?
我が家のぬか漬け生活、
キュウリやコリンキーを漬ける日々

三村家の「ぬか漬け生活2023」

「ミーンミンミンミンミン、ジジジジジジジジー」
セミの元気な鳴き声が、青い空と緑の山々の風景のなかで響き渡っています。
今年もあっちあちの「夏」がやってきましたね。
ここから1か月、灼熱の太陽との戦いです。

我が家の洗濯干し場からの景色。この景色のなかでセミの鳴き声が響き渡っています。

我が家の洗濯干し場からの景色。この景色のなかでセミの鳴き声が響き渡っています。

さて、今年はこの夏真っ盛りシーズンにむけて、
春からひそかに仕込んでいたものがあります。
それは、ぬか床!

「ぬか」というのは、玄米を精米したときに削られる米粒の外側の部分。この米ぬかと水、塩がぬか床の基本材料。

「ぬか」というのは、玄米を精米したときに削られる米粒の外側の部分。この米ぬかと水、塩がぬか床の基本材料。

今まで何度か、ぬか漬けには挑戦してきました。
きっとみなさんのなかにも、ぬか漬けに挑戦してみた、
またはぬか漬けをしてみたいなと思ったことがある方が
けっこうたくさんいるんじゃないかと思います。

我が家のぬか漬けの挑戦記録としては、もうはっきりと覚えていませんが、
私が3日坊主くらいで終わらせたぬか漬け、
たくちゃん(夫)が1か月くらいで終わらせたぬか漬けなど、きっと2、3回はあります。
ぬか漬けを続けることの難しさを知っているのに、
今年再びぬか漬けをしようと思ったのは、近所の友だちが漬けてくれる
キュウリのぬか漬けがいつもとってもおいしいから。
塩味と酸味が最高なんですよ。ビールのあてに(笑)。

キュウリはたくさんある!
なぜならうちは農家だから。
今年こそは、うちの畑でたくさん採れるキュウリのぬか漬けをなんとしても食べたい! 
と思い、三村家の「ぬか漬け生活2023」を始めることにしました。

今年の夏も、ホームメイカーズの畑ではキュウリが豊作。

今年の夏も、ホームメイカーズの畑ではキュウリが豊作。

イボイボのある昔ながらの四葉(すうよう)キュウリ。ポリポリした食感がぬか漬けにぴったり。

イボイボのある昔ながらの四葉(すうよう)キュウリ。ポリポリした食感がぬか漬けにぴったり。

ぬか漬けを始めるのに、ベストなシーズンは初夏と秋といわれています。
室温が20〜25度くらいの環境が、ぬか床の発酵が上手に進んでいくから。
ぬか床というのは、材料を混ぜたらできあがり! ではなくて、
材料を混ぜてから1か月くらいかけて熟成させて、
ぬか床のなかの乳酸菌や酵母などの量やバランス、
活動レベルがいい状態になって、ようやくおいしいぬか漬けができるようになります。
その状態に育てるために、ぬか床を育て始めるときの最初の温度はとっても重要。

5月下旬に、ぬか床の仕込み。精米したときに出たぬかを友人から分けてもらいました。

5月下旬に、ぬか床の仕込み。精米したときに出たぬかを友人から分けてもらいました。

ライブ、ワークショップ、展示もある!
道内各地からつくり手が集まる
『みる・とーぶフェスティバル』

イベントに参加したい、その声に応えて

2021年から、近隣にある閉校となった美流渡(みると)中学校を舞台に、
私が代表を務める地域PR 団体が、展覧会やワークショップなど、
さまざまな企画を開催してきた。

そしてこの夏、新しい取り組みとして、7月28日(金)、29日(土)、30日(日)の
3日間、『みる・とーぶフェスティバル』を開催しようとしている。
「みる・とーぶ」という名前は、北海道岩見沢市の山あいのエリアが東部丘陵地域と
呼ばれていることから「東部」を取って、それを「見る」という意味を込めた。

みる・とーぶフェスティバルのフライヤー。こちらがライブとワークショップの情報。

みる・とーぶフェスティバルのフライヤー。こちらがライブとワークショップの情報。

こちらが屋外テントと校舎での展示の情報。

こちらが屋外テントと校舎での展示の情報。

今回のイベントで新たな挑戦となったのは、
さまざまな地域のみなさんの参加を募ったこと。
これまで旧美流渡中学校では、地域のつくり手の作品を集めた『みる・とーぶ展』と
画家・MAYA MAXXさんの新作を展示する『みんなとMAYA MAXX展』を開催してきた。
『みる・とーぶ展』の参加者は主に、この地域や近隣の市や町のつくり手。
各地からゲストがやってきて作品を発表することもあったが、
基本は地域の人々が参加し、回を重ねるごとに工夫を凝らし、腕を磨く場となってきた。

『みる・とーぶ展』のショップコーナーでは地域のつくり手の作品が販売された。写真は美流渡在住の陶芸家・こむろしずかさんの陶器。

『みる・とーぶ展』のショップコーナーでは地域のつくり手の作品が販売された。写真は美流渡在住の陶芸家・こむろしずかさんの陶器。

今年の春に開催された『みんなとMAYA MAXX展』。青い海のような、森のような背景に、人物が浮かび上がる新作を展示。

今年の春に開催された『みんなとMAYA MAXX展』。青い海のような、森のような背景に、人物が浮かび上がる新作を展示。

今年で『みる・とーぶ展』は3年目となり、少しずつ展覧会が周知されるなかで
「作品を発表したり、販売したりしてみたい」という地域外からの声が多くなってきた。
ただ、校舎のスペースには限界がある。
それならば屋外を会場にしてはどうだろう? 
テントをたくさん張って、フードも作品販売もある、
お祭りのようなにぎわいの場が生まれたらいいなと考えた。
事前に公募を行い、テントブースには、道内各地から18組の参加者が集まった。

初参加となる長沼町にある小さなジャム屋さん〈HIROKA JAM〉。

初参加となる長沼町にある小さなジャム屋さん〈HIROKA JAM〉。

初参加となる札幌を拠点に動植物の絵を描いて活動する〈モントペペリ〉。

初参加となる札幌を拠点に動植物の絵を描いて活動する〈モントペペリ〉。

屈斜路湖畔の無人直売所
〈ミナソコマーケット〉
ウッドデッキに人が集まる。

小屋のウッドデッキに惹かれるワケは?

屈斜路湖畔の〈SOMOKUYA〉。
道民ならきっと誰もが知っている、すてきなカヌーガイド&雑貨屋。

営んでいるのは、土田祐也・春恵夫妻である。

2年前、私が弟子屈町に移住してから初めて
〈SOMOKUYA〉を訪ねたとき(移住前に何度も来ていた)、
店先にある、建設中の小屋のウッドデッキでおしゃべりをして、
この小屋は、祐也さんがコツコツ手づくりしていると聞いて、
「さすが北海道!」とうれしくなったことを、よーく覚えている。

北海道の人はDIY精神に溢れている。
「なかったら(買うのではなく)つくればいい」という考え方が大好きだ。

廃材を集めてつくられた、なんとも愛着がわく小屋。
「ここで、東京のあんな店やあんな人のPOP-UPストアをしたら楽しいだろうなぁ」と、
次々とイメージが湧いたことも覚えている(まだ実現できていないけど……いつか必ず!)。

そしてこの小屋が昨年から、なんだかいい働きをしている。

入り口に掲げられているのは、
〈ミナソコマーケット〉と書かれた看板。
並んでいるのは、ピチピチの野菜、コーヒー、焼き菓子、刺し子の小物、etc.

それぞれの商品の横にはBOXが置かれていて、代金を入れるようになっている。
そう、ここは無人直売所なのだ。

小屋に取り付けられた看板も、もちろん手づくり。

小屋に取り付けられた看板も、もちろん手づくり。

6年目の米づくり開始。
田んぼで培われた
人とのつながりと子どもの成長

米は1年ごとだが、
子どもは毎年成長を続ける

伊豆下田に移住した津留崎徹花さん。
2年目からは自分たちの手による米づくりを始め、
今年の田植えで6年目を迎えることになりました。
さまざまなよろこびや苦労があったなかで、
米づくりを通して
自分の子どもや手伝ってくれる子どもたちの
成長を感じるといいます。

今回は、6年間の米づくりを、
子どもの成長とともに振り返ります。

横浜のまちとつながる 新しいサービスアパートメント 〈シタディーンハーバーフロント横浜〉

“Heritage Port”なサービスアパートメントが登場

2023年6月14日(水)、横浜の日本大通りに「横浜の街とつながる」を掲げる
サービスアパートメント〈シタディーンハーバーフロント横浜〉がオープンしました。

「シタディーン」は、フランス語で“そのまちに住む人々”という意味です。
「アスコット」「lyf(ライフ)」「オークウッド」「サマセット」などを展開する
アスコットがグローバルに展開するサービスアパートメントブランドで、
現在「シタディーン」は世界中で180施設以上を展開。
レジャー、ビジネス両方のゲストをターゲットに、自由で機能的、
そして利便性の高い快適な滞在を提供しています。
日本では、東京・新宿に2施設、京都・五条、大阪・なんばで展開。
〈シタディーンハーバーフロント横浜〉を合わせると計5施設となります。

〈シタディーンハーバーフロント横浜〉

シタディーンハーバーフロント横浜は地上17階建て、延床面積約13800平米、
客室数242室を有し、敷地内には地下鉄みなとみらい線「日本大通り」駅の
出入口が新設され、天候に左右されずアクセスできます。
徒歩圏内には横浜スタジアムや山下公園、横浜中華街などの名所や、
神奈川県庁などの官公庁があり、観光やビジネスの拠点として利便性に富んでいます。

一部客室からは横浜ベイブリッジ、大さん橋などのハーバービューや、晴れた日には富士山の眺望を楽しむこともできます。

ルームタイプは全11種・24~93平米のゆったりとした間取りで、
一部客室からは横浜ベイブリッジ、大さん橋などのハーバービューや、
晴れた日には富士山の眺望を楽しむこともできます。

ペットフレンドリーの客室も完備。

また、ペットフレンドリーの客室も完備。
家族の一員である愛犬とともに、その街での滞在がより快適で楽しい
ひとときとなるよう、ドッグベッドを始めとしたペット専用アイテムを揃えています。

船をモチーフにした壁面やアートなど、港町・横浜らしさを感じられるデザイン

船をモチーフにした壁面やアートなど、港町・横浜らしさを感じられるデザイン

ホテルのある日本大通は、日本初の西洋式街路として海外の文化が
いち早く取り入れられた場所でもあります。
そんな歴史の上に、いまでは高層ビル群が建ち並ぶ現代の横浜が共存する
“Heritage Port”がシタディーンハーバーフロント横浜のデザインコンセプトです。

館内には20作品以上のアートが散りばめられている

客室には港町ならではの船のモチーフを取り入れ、共用部の壁面には
横浜らしさを感じる街灯に模したライトやレンガ積みのデザインが施されています。
館内には20作品以上のアートが散りばめられており、中でも版画家・西脇光重氏
によるオリジナル銅版画の8作品は、現代そして旧横浜の歴史や文化をテーマとし
〈シタディーンハーバーフロント横浜〉のために作られた作品となっています。

レセプションやロビーなどホテル共用部は天井高が6メートル。

レセプションやロビーなどホテル共用部は天井高が6メートル。
暖炉やテレビ、ソファを設け、待ち合わせ、歓談などに適した
寛ぎの空間がゲストを迎えます。

約半数の客室には、サービスアパートメントならではのキッチンや洗濯乾燥機を完備。

約半数の客室には、サービスアパートメントならではのキッチンや洗濯乾燥機を完備。
1泊からのレジャーやビジネスでの利用はもちろん、1か月以上の長期滞在の
ゲストにも、まるで自宅にいるような寛ぎの時間と快適なサービスを提供しています。

海風を感じられる7階の屋外テラスにつながるラウンジ

海風を感じられる7階の屋外テラスにつながるラウンジには、コーヒーマシンのほか
共有のキッチンがあり、人が集い、交流を生みだすイベントスペースとして
利用することができます。
同じくテラスに面した開放的なフィットネスジムや、ビジネスにも対応する
ふたつの会議室、ペットと宿泊時に利用できるペットベッドを始めとしたアイテムの用意
があるなど、さまざまなシーンに応じたアクティブな滞在が可能です。

野草や山菜をもっと食卓に。
「思い立ったら、すぐに食べる」を
今年は実行!!

春に食べた野草と山菜をまとめてみた

雪解けが始まった途端、北海道の季節は駆け足で過ぎていく。
「ああ、ようやくあの山菜の芽が出てきたなー」なんて、のんびり構えていると、
数日後には大きくなって食べごろを逃してしまうこともしばしばだ。

本業である、執筆や編集の締め切りが重なってくると、ついつい後回しにしがちなのだが、
「今年は野草や山菜をモリモリ食べるぞ!」と、春から意気込んでいた。
その記録を今回は紹介してみたい。

フキノトウの簡単天ぷら

3月下旬、まだ残雪があるなかで顔を出すのはフキノトウ。
庭先にも土手にもどこでも生えている。
その芽が大きくならないうちにつんで、さっと天ぷらにするとおいしい。
ただ、天ぷら粉をつくるとなると、やや面倒だし、
1人前よりもたくさんできてしまうので、
シンプルに片栗粉だけで2、3個揚げてみることにした。

春の訪れを告げる山菜。フキノトウ。

春の訪れを告げる山菜。フキノトウ。

庭から小さめのものをとってきたら、さっとゆがいてアク抜き。
その後、片栗粉をまぶして揚げたあと、塩をふりかけ食べてみた。

山菜はアクが強いので、1日に少量とるのがおすすめ。

山菜はアクが強いので、1日に少量とるのがおすすめ。

ひと口食べるとフキノトウ独特の苦味が感じられ、ああ春の香り!! 
片栗粉だけのほうが、天ぷら粉よりも、さっぱりとしておいしいと感じた。

野草の薬味をなんにでものっける

フキノトウに続いて出てくるのは、チャイブ(あさつき)とミツバ。
私の仕事場の庭にはいつもたくさん自生していて食べ放題。
お昼になると摘みとって、お弁当の上にのっけて食べている。

チャイブとミツバ。チャイブはネギの味!

チャイブとミツバ。チャイブはネギの味!

この日は豚と大根の煮つけ弁当。上にのせると豪華!!

この日は豚と大根の煮つけ弁当。上にのせると豪華!!

エゾエンゴサクのおひたし

少し日差しに暖かさが感じられるようになる4月、
エゾエンゴサクという野草が土手のあちこちで花開く。
甘い匂いの花をいっぱい摘んだら、さっと茹でておひたしに。
シャキシャキっとした歯応えで、花の甘い香りとかすかな苦味がある。
サラダとして食べることもできる。

エゾエンゴサク。青と紫の花。ほかに白い花もあるという。

エゾエンゴサク。青と紫の花。ほかに白い花もあるという。

行者ニンニクの卵焼き

東京でまったく馴染みがなかったが、
北海道では春になると食卓にお目見えする山菜といえば行者ニンニク。
知り合いの農家さんは、山でとった苗を増やして栽培したりも。
アイヌ民族も薬草として、昔から食べていた山菜で、
ニンニクとネギとニラが混ざったような味がする。

道民に食べ方を聞いてみると、味噌汁に入れたり、餃子に入れたり。
このほか卵とじにもするというので今年はやってみた。
ニラよりもクセがなくてあっさりとした味。
子どもたちにも人気で、夕食に出したらあっという間に完食!

行者ニンニク。

行者ニンニク。

行者ニンニクの卵焼き。

行者ニンニクの卵焼き。

イラストレーター・松尾たいこ
東京・軽井沢・福井、3拠点の循環で
得たもの、不要になったもの

福井で見つけた、海の目の前のリノベ古民家

海まで歩いて50歩。
水着を着たまま家を飛び出して、そのまま家に帰ってこられる。
海の目の前にある築100年を超える古民家のリノベーション住宅。
ここを生活拠点のひとつにしているのは、イラストレーターの松尾たいこさんだ。
「拠点のひとつ」というのは、ここが3つめだからである。

東日本大震災、そしてコロナ禍の影響で、2拠点生活を始める人が増えた。
東京からわりと近い長野、山梨、静岡あたりに移住、
もしくは拠点を構えることが人気だ。
ただ、もうひとつ拠点を増やし、
松尾さんのように3拠点生活をする人はまだそう多くはないだろう。

東京で長く暮らしていた松尾さんは、
まず2011年の東日本大震災後に、軽井沢との2拠点生活を始める。
避難の意味やすべての機能が東京へ集中していることへのリスク分散のためだ。

「当時は、軽井沢ということもあり、
2拠点というより別荘を借りた、くらいに見られていたと思います」

実際には、どちらでも仕事をできるようにして、生活の一部として機能させていた。
どちらも日常だ。

愛犬も一緒に拠点間を移動する。

愛犬も一緒に拠点間を移動する。

そして2015年、新拠点として選んだのは福井県だった。

「その頃、絵を描くことに自分のなかで少し行き詰まりを感じていて、
水墨画や日本画をやってみました。
そのひとつで陶芸にも挑戦してみたら、
自分の手でそのまま形をつくることにおもしろさを感じたんです」

こうして陶芸に興味を持ち、周囲にそんな話をしていたところ、
偶然、福井県に窯を持っている友だちがいて、そこへ通うようになった。
そのうちにもっと本格的にやってみたいと思うようになり、
〈越前陶芸村〉のなかに作業場がついた部屋を借りた。
すると、夫でジャーナリストの佐々木俊尚さんも福井に興味を持ち始め、
それならと、ふたりで拠点をつくることになる。

協力してくれたのは
NPO法人〈ふるさと福井サポートセンター〉理事長の北山大志郎さんだ。
美浜町にあり、築100年を超えるがリノベーション済みの古民家を紹介してくれた。

そもそも福井への接点もあった。
2006年頃から夫の佐々木さんが福井の企業などを取材したことがあり、
知り合いもいた。
それをきっかけにカニを食べに行ったり、鯖江にメガネをつくりに行ったり、
年1回程度は訪れるような土地だった。多少なりとも土地勘はあったという。

離れの納屋をリノベーションした仕事部屋。

離れの納屋をリノベーションした仕事部屋。