小豆島の遍路道をトレッキング。
歩くことで、10年暮らしても
知らなかった景色に出会う

小豆島の遍路道を歩いてみる

ここ数年、冬のアクティビティとして楽しみにしていることがあります。
小豆島の遍路道をトレッキングすること!

「お遍路」といえば四国が有名だと思いますが、
小豆島にも八十八か所の霊場(お寺や庵など)があり、
その霊場をまわる遍路道があります。
昔と比べたらお遍路する人の数はぐっと減ってしまったと思いますが、
今でも白衣(はくえ)を着て菅笠(すげがさ)をかぶり、
金剛杖(こんごうつえ)を持って歩いているお遍路さんの姿を時々見かけます。

お遍路の案内表示。前の札所、次の札所と遍路道を歩いて巡礼します。

お遍路の案内表示。前の札所、次の札所と遍路道を歩いて巡礼します。

意識して歩いていると、遍路道の案内表示は小豆島のいたるところにあります。こういう案内表示をたよりに歩いていきます。

意識して歩いていると、遍路道の案内表示は小豆島のいたるところにあります。こういう案内表示をたよりに歩いていきます。

2020年の春、新型コロナウィルス感染症が広がり始め、
子どもたちの学校が休みになり、遠出しにくくなり、
大人数で集まれなくなってしまったときに、私たちは静かに歩き始めました。
小豆島には遍路道というすばらしいトレイル(歩く道)がある。
そこを歩いてみようと。歩き始めたときのことは、
小豆島日記vol.268「小豆島ハイキング! 景色を楽しみながら遍路道を歩く」
に書いているのでぜひ読んでみてください。
どうやって歩き始めたらいいかなど、まとめてあります。

「第56番 行者堂」付近の遍路道。瀬戸内海がよく見渡せます。

「第56番 行者堂」付近の遍路道。瀬戸内海がよく見渡せます。

「第88番 楠霊庵」から「第12番 岡ノ坊」へ続く山の中の遍路道。

「第88番 楠霊庵」から「第12番 岡ノ坊」へ続く山の中の遍路道。

小豆島の遍路道は全行程で約150キロ、どれくらいで歩き終えられるかわからないまま、
少しずつ時間があるときに歩き続けて、この冬で4年目。
つい先日も1日で10キロほど歩いて、これで96キロ歩き終えました。
全体の3分の2ほど歩いたことになります。


iPhoneのアプリを使って記録した、歩いてきた軌跡です。だいぶ道がつながってきました。

地元民が愛する吉祥寺のコロッケ、
旬のハタハタ、
実家で食べるおいしい料理と酒。
「ごちそう」といえば何?

今月のテーマ 「ごちそう」

ひと言に「ごちそう」と言っても
いつも食べているけど大好きなものや、
季節のおいしい食材、誰かの手料理などなど、思い出すものは人それぞれ。

今回は全国にお住まいのみなさんに
「ごちそう」をテーマにおいしいものをリサーチしてみました。

家族が集まるイベントが多いこの時期、
おいしいものを食べた人も少なくないはず。
みなさんが「ごちそう」と聞いて思い出すものは何ですか?

【東京都武蔵野市】
人気グルメの裏に隠れた名物あり!素材にこだわったお総菜とは?

東京・武蔵野市にある吉祥寺はグルメタウンの一面を持っていて、
話題のグルメやスイーツのお店が代わる代わるオープンしています。
店の入れ替わりが激しい激戦区のなかで、
流行りのグルメに負けない、吉祥寺名物があります。

「元祖 丸メンチカツ」目当ての行列が絶えない。

「元祖 丸メンチカツ」目当ての行列が絶えない。

なかでも、黒毛和牛専門店の〈吉祥寺 さとう〉の「元祖 丸メンチカツ」は
テレビや雑誌にもたくさん登場している吉祥寺名物の代表格。
そんな「丸メンチカツ」人気の裏に隠れた名物があるんです。

NHK大河ドラマ『天地人』をはじめ、数々の映画やドラマ、イベントの題字を手がける書道家・武田双雲氏がロゴをデザインした袋。

NHK大河ドラマ『天地人』をはじめ、数々の映画やドラマ、イベントの題字を手がける書道家・武田双雲氏がロゴをデザインした袋。

それは「コロッケ(180円)」。
同店の初代が修業していた洋食店のレシピでつくったこだわりの逸品。
「コロッケのほうが好き!」という地元民も多く、
隠れた人気商品なのです。

コロッケ

ひと口食べるとじゃがいものゴロゴロ感としっとりなめらかな舌触りが楽しめます。

ひと口食べるとじゃがいものゴロゴロ感としっとりなめらかな舌触りが楽しめます。

メンチカツと違い、行列に並ばずに購入できるので
タイミングが合えば揚げたてのコロッケが購入できます。
国産の素材にこだわったコロッケはまさに「ごちそう」。
ソースをつけずに、そのままパクッ!
じゃがいもの甘みとお肉のジューシーな味わいが口いっぱいに広がります。
吉祥寺を訪れたら、ぜひ〈吉祥寺さとう〉のコロッケも味わってみてくださいね。

information

map

吉祥寺さとう

住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-8

TEL:0422-21-6464

営業時間:10:00~19:00(コロッケの販売は10:00〜、メンチカツの販売は10:30〜)

定休日:年始のみ

Web:吉祥寺さとう

photo & text

Momo*Kinari きなり・もも

ライター・エディター。東京在住。Webや雑誌、旅行ガイドブックで撮影・執筆。 国内外でグルメや観光スポットを取材。たまに料理やモノづくり、イラストの仕事もしています。 Twitter:@Momo_kinari

写真家・高橋ヨーコ
東京→カリフォルニア・ベイエリア
→横須賀
形もルールも違う「移住」という双六

「東京は引きこもるには最高なんです」

「カメラマンとして独立したころは都会が好きでした。
人がたくさんいて、ひっきりなしに動いているまちの感じが。
誰もいないところでのんびりと、という気持ちはなかったですね。
いまは都会がそこまで好きかはわかりませんけど」

写真家の高橋ヨーコさんが
10年間続いたカリフォルニアのベイエリアでの生活にひと区切りつけ、
神奈川県横須賀市秋谷の家に拠点を移したのは
2020年、パンデミックの最中だった。

渡米までは東京に暮らしていた高橋さん。
旅をベースにさまざまな撮影を続ける高橋さんにとって、
ローカルシフトは必然のことかと思いきや、
東京での生活にさしたる不満はなかったようだ。

「独立した頃は東京で引きこもっているか、
海の向こうで写真を撮っているという2択の生活でした。
幸い外から見ると身軽に見えるのか、いろいろな撮影が舞い込んできました。
景気もよかったですし、いい時代でしたね。

そもそも自分は京都で育って、最初は市内にいました。
のちに田舎に引っ越して、それが嫌だった記憶があります。
引きこもるには東京は最高なんです(笑)。
人が多いので、そんなに寂しくもないですし、仕事もあります。
むしろ地方で引きこもるのは辛いと思いますよ。
とことん孤独になりますから。

当時、住んでいたのは目黒でした。
低層のささやかな集合住宅で、高級という感じではなかったですが、
場所も家も環境も最高でした。
さりげない中庭にふわっと光が灯っていて、
夜に帰ると、なんか気分が上がるんですよ。
『外国みたいで、いいところだな』と帰るたびに思っていました。
ほんとうに満足で、東京にいてこれ以上のところはもうないだろうなと。
仕事も順調でしたし、双六のゴールのように“あがり”かなと」

塗装をし直すなどの手は加えたもののほぼオリジナル。

横須賀の家は、塗装をし直すなどの手は加えたもののほぼオリジナル。

そんな不満のない環境のなか、高橋さんは海外への移住を決意する。
目的地として選んだのはカリフォルニア、サンフランシスコに近いバークレー。
せっかくあがりまで進めたコマをまた振り出しに戻した。

「振り出しといっても、変なところに止まって戻されたのではなくて、
また新しい双六が始まった気分でした。
いつか海外に住んでみたいという小さな夢はあったんです。
大きな夢はある程度、東京で叶えたというか、やりたいことはやってきたので、
今度はちょっとささやかな願望に手をつけたいと」

仕事関連ではある程度の感触を得た高橋さんを駆り立てたのは、
海外移住という、以前から抱いていた夢。
きっかけは海外との仕事で意思の疎通が難しいことがよくあり、
もう少しスムースに進められないかという悩みだった。

「それには海外に住むのが一番かなと思ったんです。
だとするとアメリカかなと。
LAは仕事でよく行っていましたが、広すぎるし、クルマもすぐに必要。
サンフランスコも候補に上がりましたが、最初は嫌でした。
なんかおばさんの観光地みたいな印象があったんです。
そうしたら長尾(智子・料理研究家)さんが
『バークレーはどう?』って薦めてくれたのです。
バークレーってどこですか? から始まって、いろいろと調べていたら、
大学があったり、ヒッピーカルチャーがいまだ息づいていたりと、魅力的でした。
で、『バークレーにします』ってことになったわけです(笑)」

グラフィックデザイナーの黒田益朗さんとつくった庭。春に向けて手入れする。

グラフィックデザイナーの黒田益朗さんとつくった庭。春に向けて手入れする。

小豆島の里山暮らし、
冬は薪を切ったり割ったり
「薪活」が楽しい

薪ストーブを導入して初めての越冬

昨年3月に薪ストーブを我が家に導入してから初めての本格的な冬を過ごしています。
クリスマス寒波、1月下旬の寒波と、今シーズンは小豆島も
雪がちらつくような極寒の日が何日かありましたが、
薪をがんがん燃やしているので、薪ストーブの暖かさに救われています。
(薪ストーブの導入については、小豆島日記vol.290もぜひ読んでみてください)

冬の朝。窓から暖かい日差しも入ってきます。

冬の朝。窓から暖かい日差しも入ってきます。

電気も灯油もガスも使わないで部屋を暖められるというのは、思っていた以上にうれしい。
燃料にお金を払わなくていいので得した気分になるし、
身の回りにあるものを燃料にできるエコロジカルさがとても気持ちいいんです。
ちなみに去年までうちでは灯油ストーブとエアコンをメインで使っていました。
今年は灯油ストーブを使うのをやめたので、灯油はなし。
エアコンは薪ストーブがない部屋や、朝起きた直後などで使っています。

朝起きてすぐに薪ストーブの火をつけるのは私の仕事。

朝起きてすぐに薪ストーブの火をつけるのは私の仕事。

電気も灯油もガスも使わないかわりに燃料として使うもの、それは「薪」。
ストーブの中で燃やす薪が大量に必要なんです。
「たくさん薪いるよー」と薪ストーブを使っている先輩たちから
いわれていましたが、ほんとにたくさんいる!
家の軒下に積んである薪は、みるみるうちになくなっていきます。

家の軒下に積んである薪。これくらいの量だと1週間ほどでなくなる。

家の軒下に積んである薪。これくらいの量だと1週間ほどでなくなる。

さて、薪ってどうやってつくるんでしょ。

まずは薪となる丸太を集めます。
私たちは小豆島のなかで間伐された木や、
理由があって切り倒された木をもらってきています。
「薪が必要なんです」とあらかじめ友人や知人に伝えておくと、
切り倒された木の情報がたくさん入ってきます。これは本当にありがたいこと。

人の力で持ちあがらないような大きな丸太を運ぶ場合は
ユニック車などの重機が必要ですが、だいたいの場合は、
軽トラとチェンソーがあれば人力で運べるくらいの丸太が多いです。
時間があれば、軽トラに乗って現地まで行き、切られた木を集めてきます。

この日は、廃材をもらいに軽トラで出かけました。

この日は、廃材をもらいに軽トラで出かけました。

木材を固定するためのロープワーク。南京結びをようやく覚えました。

木材を固定するためのロープワーク。南京結びをようやく覚えました。

LivingAnywhere Commons伊豆下田
都市と地方の
「スキルの交換」の場をつくる

ローカルに必要なことは、
スキルの交換である

2022年4月から
ワーケーション施設〈LivingAnywhere Commons 伊豆下田〉の
運営に携わるようになった津留崎鎮生さん。

場所にとらわれずに働くリモートワーカーに接することで感じた、
伊豆下田に起こった変化を綴ってくれます。

リモートワーカーと地域がお互いに必要性と理解を高める肝は、
観光地と観光客のような一方通行の流れではなく、
「スキルの交換」。

それが進めば、地方に人が集まり、
地方が活性化される未来を感じたといいます。

ふるえるほど好きな
アート、音楽、文学を熱く語る
MAYA MAXXのローカルラジオ
playpray

撮影:佐々木育弥

遊び、祈ることは、個を磨くために必要なこと

「こんばんは。MAYA MAXXです」
毎週金曜夜9時、そんなフレーズから始まるラジオ番組『MAYA MAXXのplaypray』は、
昨年4月からはじまり、もうすぐ1年が経とうとしている。
放送局は、北海道岩見沢市のローカルラジオ〈エフエムはまなす〉。
2020年、MAYAさんが東京から岩見沢市の美流渡(みると)地区に移住したあと、
はまなすの番組にゲストで呼ばれたことがきっかけでスタートした。

MAYAさんが「playpray」という言葉を、美流渡でまず描いたのはアトリエの向かいに建つ倉庫だった。

MAYAさんが「playpray」という言葉を、美流渡でまず描いたのはアトリエの向かいに建つ倉庫だった。

playは「遊ぶ」。prayは「祈る」。
「人間や大人には、働くとか育てるとか、やるべき役割があるけれど、
そうした枠をなくした“個”として考えたときに、自分を磨くために必要なのは
遊ぶことと祈ることだと私は思います。
遊ぶとは、生き生きと魂がふるえ、喜ぶことです。
そういう魂の発露をどこに向けるのかといったら、それは祈りなんじゃないかと。
自分のボルテージが高い状態であるときの祈りは、
きっと世界全体をよくしていく力を持っているのではないかと思います」

ラジオは1時間。
その時々の気持ちに寄り添う曲を挟みながら、基本的にはMAYAさんのひとり語り。
毎回、ゆるやかにテーマを設定していて、初回から何回かにわたっては、
なぜ絵を描き始めたのかが語られた。

きっかけは27歳のとき。
今治から上京し早稲田大学に入学。
卒業後、自分が就職するというイメージがわかず、アルバイトをして暮らしていた。
ある日、銀座界隈のギャラリーにイベントポスターを配る仕事があった。
通りを自転車で走っていたとき、何かとても美しいものが目に入ってきたという。
窓越しに見えたのは画家・有元利夫の遺作展の会場だった。
仕事を忘れてMAYAさんは会場に入り、絵に引き込まれた。
2時間以上が経過して、そろそろ仕事に戻らなくてはと気づき、
ギャラリーの扉を開いたとき「絵を描いてみようかな」と思ったという。

第2回、第3回と話が進むにつれ、絵を描き始めたものの、
もともと内向的な性格だったこともあり、
その後数年間は引きこもりのような暮らしを続けていたこと、
そこから掃除のバイトを始めて、心身の健康を取り戻し、
やがてMAYA MAXXという名で活動を始めたことなどが語られていった。

MAYA MAXXという名で活動を始めたのは1993年。その後、ラフォーレ原宿などで個展を開催し人々に知られるようになった。その頃に制作された『Ten Supporters』。いつどんなときでも自分を応援してくれる人形がいたらと考えたという。(撮影:佐々木育弥)

MAYA MAXXという名で活動を始めたのは1993年。その後、ラフォーレ原宿などで個展を開催し人々に知られるようになった。その頃に制作された『Ten Supporters』。いつどんなときでも自分を応援してくれる人形がいたらと考えたという。(撮影:佐々木育弥)

東京で活動を続け、2008年にNYで滞在制作し、その後京都へ。この間、世界各地を旅し、その記憶についてもラジオで語られた。写真は2007年のワークショップの様子。

東京で活動を続け、2008年にNYで滞在制作し、その後京都へ。この間、世界各地を旅し、その記憶についてもラジオで語られた。写真は2007年のワークショップの様子。

阿武町地域おこし協力隊・
藤尾凜太郎さん
全国で山口県に200頭しかいない
「無角和牛」の未来をつくる

「なにもない」を解決する人間になりたい

山口県北部にある人口約3000人のまち、阿武町。

日本海に面しているので冬は降雪もあるが年間を通して温暖な気候だ。
阿武町は萩市と合わせておよそ50か所に小型火山が分布する
阿武火山群と呼ばれる火山性土壌で、
古くから野菜や穀物、果物などの栽培が盛んに行われてきた。

山口市の中心部から車を1時間ほど走らせると、
緑豊かな山間にある〈無角和種繁殖センター〉に到着する。
そこで地域おこし協力隊として「無角和牛」に携わるのは藤尾凜太郎さんである。

無角和種繁殖センターの入口では牛が彫り込まれた巨大な看板が出迎える。

無角和種繁殖センターの入口では牛が彫り込まれた巨大な看板が出迎える。

神奈川県出身の藤尾さんは、
阿武町の地域おこし協力隊に着任する前は横浜の大学に通う大学生だった。

幼少期に祖父母の暮らす田舎への帰省や家族と訪れた旅先での思い出から、
生まれ育ったまち以外の地域に対する興味や憧れが芽生えたという。
大学では海外へ日本のよさを伝えたいと語学やまちづくりを学べる学科を選び、
4年次は地理学を専攻した。

「旅行や在学時のフィールドワークで地方を訪れたとき、
自分の知らない日本がまだまだ沢山あることに気づきました。
同時に、訪問した地域の人たちが『なにもない所によく来たね』と言うんです。
それがすごくもったいない。
『なにかある』と思って訪れているのに
『なにもない』と地元の人が突き返してしまうミスマッチ。
謙遜なんかいらないと感じていました。
もっと自信を持ってもらうには、
その地域をおもしろがる若者が必要なのではないだろうか。
将来、その『なにもない』を解決する人間になりたいと思っていました」

さらに、同級生が学校を休学して地域おこし協力隊の活動を始めたことも、
進路を考えるうえで大きなきっかけになったという。

アカエゾマツからどんどん広がる
北海道針葉樹の輪

ショップコンセプトは、森の研究室

森と湖の温泉郷、北海道弟子屈町。
アカエゾマツの森に隣接する〈川湯ビジターセンター〉で
ショップを始めることになって、考えた。
町民には「暗い」「怖い」という印象もあるこの森に、
少しでも関心を持ってもらうきっかけづくりができる場所。
それが、このショップの意義だと思った。

年末から連日の雪。川湯ビジターセンター裏にあるアカエゾマツの森は、真っ白な雪に包まれている。

年末から連日の雪。川湯ビジターセンター裏にあるアカエゾマツの森は、真っ白な雪に包まれている。

コンセプトは、森の研究室。
眺めた姿の美しさだけでなく、アカエゾマツを解剖して、
隠された魅力を引き出して、紹介する。
それらを来館者が、体験しながら感じることのできる空間。

ズラリと並んだのは、弟子屈町〈Pine Grace〉、陸別町〈種を育てる研究所〉、浜中町〈とどろっぷ〉、芽室町〈いろどりファーム〉、ニセコ町〈HIKOBAYU〉、下川町〈フプの森〉、道外から〈日本鳥類保護連盟〉の精油。いずれも道内のアカエゾマツやトドマツをメインにしてつくられている。

ズラリと並んだのは、弟子屈町〈Pine Grace〉、陸別町〈種を育てる研究所〉、浜中町〈とどろっぷ〉、芽室町〈いろどりファーム〉、ニセコ町〈HIKOBAYU〉、下川町〈フプの森〉、道外から〈日本鳥類保護連盟〉の精油。いずれも道内のアカエゾマツやトドマツをメインにしてつくられている。

主となるのは、精油と蒸留水。
弟子屈町には、アカエゾマツの蒸留所を構える
〈一般社団法人Pine Grace〉があり、精油や蒸留水だけでなく、
それらをベースにしたロウリュ水、芳香スプレー、マスク用シールなど、
ユニークな商品を開発している。

ほかにもアカエゾマツの商品を、と探したら、さらに3社見つかった。
う〜ん、もう少しほしい……。
選択肢を増やして、北海道の針葉樹をテーマにしたら、
トドマツの精油や蒸留水を販売する生産者が3社加わった。
計7社による「北海道針葉樹の香り嗅ぎ比べ」は、
ここならでは楽しみのひとつに。

次に扱いたいと思ったのが、ウッドチップ。
森に興味を持ってから、青森ヒバやヒノキのウッドチップと
その香りに触れる機会があり、
活用してみたいと気になっていた。
ところが探し始めると、アカエゾマツのウッドチップが見つからない。
弟子屈町にはこんなにたくさんアカエゾマツがあるのに……。
釧路管内2市10町1村まで捜索範囲を広げて、
厚岸町に工場がある〈土井木材株式会社〉に分けてもらえることになった。

アカエゾマツのウッドチップ袋詰め販売。インパクトのあるスコップもアカエゾマツ製。町内のカヌーガイド(兼、木工作家)の祖父江健一さん作。

アカエゾマツのウッドチップ袋詰め販売。インパクトのあるスコップもアカエゾマツ製。町内のカヌーガイド(兼、木工作家)の祖父江健一さん作。

農家がつなぐ人と食材の輪。
小豆島の暮らしの循環型コミュニティ

農家にとって、冬はゆったり過ごせる季節

穏やかな冬の日々、私が大好きなシーズンです。
ホームメイカーズは、毎年1、2月はカフェの営業を冬季休業というかたちで
お休みしていて、いつもよりゆったりとしたペースで過ごしています。

この時期は私たちにとってとても大切で、昨年の野菜栽培や経理を振り返って、
今年の計画を立てたり、気になっていた場所や仕組みをメンテナンスしたり、
自分のことも、まわりの環境のことも、整える時間。
なんなら、ずっと続いてほしいと思うくらい好きな時期です。
とはいえ、働かなければ(笑)。

穏やかな冬の農村。山歩きしたときに、山の上から眺めた私たちが暮らす小豆島肥土山(ひとやま)集落。

穏やかな冬の農村。山歩きしたときに、山の上から眺めた私たちが暮らす小豆島肥土山(ひとやま)集落。

カフェは冬季休業中ですが、野菜の栽培と出荷作業はいつもどおりしています。
毎週火曜日と金曜日が野菜の収穫&発送日です。

野菜出荷作業の日。畑で収穫してきた野菜をひとつひとつ整えていきます。

野菜出荷作業の日。畑で収穫してきた野菜をひとつひとつ整えていきます。

洗ったにんじん。なるべく葉っぱも含めてまるごとお届けするようにしています。

洗ったにんじん。なるべく葉っぱも含めてまるごとお届けするようにしています。

先日の野菜出荷の日、とってもいいなぁと感じたことがありました。
今回はそのいいなぁと感じたことについて書きたいと思います。

野菜出荷の日は、いつもの畑作業メンバーに加えて、出荷お手伝いメンバーが来てくれます。
私と同世代の女性たち。
小豆島で暮らすようになってから仲よくなった友人だったり、
もともとは野菜を購入してくれていたお客さんだったり、
つながったきっかけはさまざまですが、今はみんなともに働く仲間であり、
友人でもあるメンバーです。
収穫チーム4人、出荷チーム4〜5人の合計8〜9人で朝から作業をしています。

人が9人くらい集まって働くと、まぁまぁ賑やかで活気があります。
各自がパソコンの前に座って働くような、いわゆるデスクワークではないので、
みんな動きながら話しながら、ワイワイガヤガヤ働きます。
出荷の手伝いに来てくれる友人たちはみんなおしゃべりするのが大好きで、
手を動かすのと同じくらい口も動いてますね(笑)。

夕方4時頃になると、事前に注文していただいた野菜セットを
お客さんたちが受け取りに来ます
(野菜セットは遠方の方には郵送でお届けしていますが、
近くの方は直接取りに来られます。送料がかからなくてお得です)。
朝からせっせと洗ったり、切ったり、選別したりして整えられた
野菜を詰め合わせたセットをお渡しします。
受け取りに来るのは、主には小豆島で暮らしている人たちなのですが、
時々旅行で島に訪れた方がバーベキューや自炊するための食材として
注文していただき受け取りに来られることもあります。

その時期に採れる旬の野菜9品ほどを詰め込んだ「旬野菜セット」。

その時期に採れる旬の野菜9品ほどを詰め込んだ「旬野菜セット」。

アニメの聖地から
林業、漁業、航空開発まで。
まちを支える産業について
調査してみました!


今月のテーマ 「まちの産業」

特色を生かしたそのまちならではの特産物や名産品は全国に数多くあります。
今回はまちで盛んな「仕事」「産業」という側面から
全国の都市を深堀りしてみました。

自然の恵みを産業にしている地域から、
新たなものを創造する都市まで幅広く紹介します!

みなさんのお住まいのまちの産業について
ちょっと考えてみてください。
まちの新たな魅力が見つかるはずです。

【北海道羅臼町】
サケ、イカ、ブリ、サバがどっさり! 「魚の城下町」の定置網漁

世界自然遺産の知床を有する羅臼町は自然だけでなく
「魚の城下町」といわれるほど漁業も盛んなところ。
羅臼の海は一年通してさまざまな魚種がとれるのですが、
いちばん盛り上がるのは9~11月の秋鮭定置網漁。
漁獲量もほかの魚に比べて最も多いんです。

深夜2時頃、まちは寝静まっていますが、港にぞくぞくと漁師さんが集まってきます。
船に乗り込み、真っ暗な海原へ出港。

15分ほど進んで、定置網のポイントに着いたら全員で一斉に網を手繰ります。
網の中にはサケを中心にイカ、ブリ、サバなど
さまざまな魚がどっさり入っていました。

港に戻り、種類、雌雄、大きさごとに1匹ずつていねいに選別していきます。

港に戻り、種類、雌雄、大きさごとに1匹ずつていねいに選別していきます。

この魚たちは朝の間に羅臼漁港市場で競りにかけられて、
その日のうちに札幌や東京へ配送されていきます。
町内の加工場や飲食店へもすぐに配送されます。

羅臼で鮮魚を買うなら、道の駅〈知床・らうす〉の隣、羅臼漁協直営の〈海鮮工房〉へ。その日にとれた魚たちが並んでいるので、旬の魚を知るのにももってこいです!

羅臼で鮮魚を買うなら、道の駅〈知床・らうす〉の隣、羅臼漁協直営の〈海鮮工房〉へ。その日にとれた魚たちが並んでいるので、旬の魚を知るのにももってこいです!

遠くにお住まいの方は、ふるさと納税でも
羅臼の海産物がたくさん出品されていますのでぜひご覧ください!
ほかには、ブリやウニも羅臼のものはおいしい! と評判です。

information

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海鮮工房

住所:北海道目梨郡羅臼町本町361番地

TEL:0120-530-370

Web:海鮮工房

photo & text

佐脇 星 さわき・ひかり

兵庫県神戸市の人工島で生まれ育つ。子どものときに読んだ「シートン動物記」をきっかけに野生動物が好きになり、「野生動物の息吹を身近に感じられるところに住んでみたい」という思いから、大学卒業後、世界自然遺産の町である知床羅臼町の地域おこし協力隊に着任。関西人から見た羅臼町の魅力をSNSで発信している。

繰り返し使える「小豆カイロ」のつくり方と、
体を温めるツボ5選

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

体調不良のためしばらくお休みしておりましたが、
また無事に連載を再開できることになりました。
(あたたかく待っていてくださった皆さま、本当にありがとうございました!)

体調を崩して学んだのが、日頃のセルフケアの大切さ。
家で簡単にできる健康管理として、
今回は小豆を使った「カイロ」のつくり方を紹介したいと思います。

厳しい寒さが続き、体を冷やしやすいこの季節、
元気な体づくりのためにも手づくりカイロで体を温めてみませんか?

つくり方は簡単、小豆を布袋に入れて電子レンジでチンするだけ。
小豆に含まれる水分が蒸気になり、
穏やかな温もりで体を温める自然素材のカイロになります。
PCやスマホで疲れた目を癒すアイピローとしてもぴったり。
冷蔵庫で冷やせば、夏の冷感アイテムとしても使えます。

布袋に入れたり、手ぬぐいやハンカチに包むだけなので、
縫わずにつくれるのもポイントです。
繰り返し使えるからお財布にも地球にもやさしい◎

お正月のおせちやお料理で使いきれなかった小豆が、
キッチンに少しだけ余っていたりしませんか? 
簡単なつくり方のレシピから、お手入れ方法、
さらには体を効果的に温めるおすすめのツボまで、まるっとご紹介します。

あったかいアイピロー でリラックス。小豆には毒素を吸い取るデトックス効果もあるとされています。

あったかいアイピロー でリラックス。小豆には毒素を吸い取るデトックス効果もあるとされています。

自然素材が身近にあるからこそできた。
縄文土偶を野焼きで再現!

どこでもバーベキューをしているのを見て、アッと思った

北海道岩見沢市の美流渡(みると)地区に移住して、本当によかったと思うことがある。
私は自宅とともに、仕事場も同じ地区に借りていて、どちらも敷地は広く、
何台か車をとめられるし、花火やバーベキューもできる(除雪は大変ですが!)。

北海道にやってきて驚いたのは、短い夏を惜しむかのように
休日ともなれば、みんな外で頻繁にバーベキューを楽しんでいること。
公園の専用スペースに行くのではなく、
庭先でキッチンの延長線上のような感覚(!?)で行っている。
我が家はアウトドア熱がまったくないので、年に1、2回しかしていなかったが、
いつでもバーベキューができる環境があってこそ、実現したことがあった!!

仕事場の周囲。以前は住宅が建ち並んでいたが、その一部が取り壊され、空き地となっている。

仕事場の周囲。以前は住宅が建ち並んでいたが、その一部が取り壊され、空き地となっている。

昨年の夏からこれまで3回、陶芸作品を焚き火で焼く「野焼き」にチャレンジした。
発端は、以前からずっと好きだった縄文時代の土器や土偶を自分で再現してみたいと
思うようになり、近くで陶芸ができる施設に時々通って、2年間制作を続けていたこと。
これまでその施設の電気窯で焼成をしてもらっていたが、そこが昨年休館となってしまった。

制作した土偶。施設の電気窯で焼成し、絵具で着彩して風合いを縄文土偶と近づけた。

制作した土偶。施設の電気窯で焼成し、絵具で着彩して風合いを縄文土偶と近づけた。

ならば、縄文時代と同じ方法で焼成をやってみたらいいのではないか!
バーベキューができる環境があるのだから!! と、あるとき思い立った。
ネットで「土器」「野焼き」と検索すると、その方法は詳しく出ていたし、
実際に野焼きをしたことのあるという友人からもアドバイスをもらうことができた。

野焼きの材料は周りにいくらでもあった!

まずは手のひらサイズの土偶や耳飾りなどで試してみることにした。
準備は、耐火煉瓦と廃材、そして家の周りの草を刈って干した藁
(イネ科の雑草なので、ここでは藁と呼びます)を大量に用意しておいた。
そして、重要なのはバーベキューとは違うので消防署への届出!! 

縄文の耳飾りの再現。最大のものの直径は約10センチ! 耳たぶにピアス状の穴を開け、そこに耳飾りを入れて少しずつその穴を大きくしていったのではないかといわれている。

縄文の耳飾りの再現。最大のものの直径は約10センチ! 耳たぶにピアス状の穴を開け、そこに耳飾りを入れて少しずつその穴を大きくしていったのではないかといわれている。

野焼きを行うことにした場所は、仕事場の家の裏にあった倉庫を
撤去したあとのコンクリートの土台。ここに耐火煉瓦を四角く並べた。
大物を焼くときは土に穴を掘って炉にするようだが、
煉瓦のほうがお手軽で火のコントロールがしやすそうと考えたからだ
(あくまでバーベキューのイメージで)。

レンガをロの字に組んだ。着火剤として使ったのは松ぼっくり。油分があってすぐに火がつく。

レンガをロの字に組んだ。着火剤として使ったのは松ぼっくり。油分があってすぐに火がつく。

冬の下田を楽しむ!
絶景ハイキング&
お手軽登山コースをご紹介!

下田住民だからこそ知っている
冬のアクティビティ

9つも海水浴場があり、夏のイメージを抱いてしまう伊豆下田。
もちろん冬にもたくさんの魅力があります。
そのなかから、津留崎鎮生さんがおすすめの
ハイキング&プチ登山のコースを紹介してくれました。

どちらもお手軽にアクセスできる場所でありながらも、
それなりのアップダウンもあり、いい運動になるようです。

そしてご褒美には下田らしい絶景を望むことができます。

ローカルこそが知る、夏、そして海以外の
アクティビティに注目です。

北海道に移住して12年。
カバンの中身から
移住のリアルを語ってみる

いつでもどこでも軍手が活躍

東京から北海道へ移住して、今年で12年目。
出版社に毎日出勤していた頃と、暮らしは本当に大きく変わった。

この連載では、仕事、家庭、子育てなどをテーマに北国での生活について書いてきたけれど、
なんだか核心部分を伝えきれていないような気がしてならない。
それは頭で理解する部分ではなくて、体が反応する部分。
それをどうやって書き表したらいいのだろうかと考えていたとき、
ふとカバンの中身が思い浮かんだ。
東京生活で必需品だったものが消え、予想もしなかったものが加わっていたからだ。

私の住む岩見沢市は豪雪地帯。元旦の夜から降り始めた雪は、4日間断続的に降り続き、胸くらいまで積もった。

私の住む岩見沢市は豪雪地帯。元旦の夜から降り始めた雪は、4日間断続的に降り続き、胸くらいまで積もった。

こちらに来てから、いつも持ち歩いているのは、A4サイズくらいのサコッシュ。
スマートフォンやお財布、手帳は、以前と変わらぬアイテム。
そこに新たに加わったのはゴムのグリップつき軍手、ハサミ、懐中電灯、車のキー。

MAYA MAXXさんのクマの絵がプリントされたサコッシュをいつも持ち歩いている。畑仕事をしたり山に入ったりするので、結構汚れている……。

MAYA MAXXさんのクマの絵がプリントされたサコッシュをいつも持ち歩いている。畑仕事をしたり山に入ったりするので、結構汚れている……。

軍手はとにかくよく使う。
春から秋にかけて私は庭とともにある。
基本的には植物が生えたいように生えてくるのをじっと見つめているだけだが、
ほんの少し手をかける。
小道の草を整えたり、一角で草花を育てたり。
そうした細かな作業のときに軍手は欠かせない。

また、家のまわりを歩いていると、山菜や木の実を見つけるので、ここでも軍手が活躍する。
さらには、最近、蔓カゴ編みにハマっていて、道すがら木に絡まっている蔓を採ることも。
植物の採取には、軍手とともにハサミも使っている。

あらゆるところに素材がある。つい蔓を見つけると編まずにはいられない衝動がわく。

あらゆるところに素材がある。つい蔓を見つけると編まずにはいられない衝動がわく。

東京にいたときも、公園で落ち葉を拾ったり、クローバーで花の冠をつくったり
していたけれど、その何十倍もの頻度で土や植物を触っている。
以前は「自然と触れ合う」というような言葉を使っていたが、
今ではその表現は他人行儀な感じがする。
家を一歩出ればそこは自然。
ときおり私もその一部なんだという思いが溢れてくることがある。

11月、北海道は朝晩、氷点下となる。雪に覆われる前のいっとき、植物が凍って朝日に輝く姿は本当に美しい。

11月、北海道は朝晩、氷点下となる。雪に覆われる前のいっとき、植物が凍って朝日に輝く姿は本当に美しい。

小豆島で暮らす人たちの
手でつくられた本と展示
『月樹舎のアトリエと原画展』

新年に訪れてほしい展覧会

あけましておめでとうございます。
2023年が始まりましたー!
今年も『小豆島日記』をどうぞよろしくお願いいたします。

さて、この新しい年の始まりに、小豆島で訪れてほしい場所があります。
棚田が美しい農村、中山地区にあるギャラリーショップ〈うすけはれ〉で開催中の
『月樹舎のアトリエと原画展』です。

小豆島の中山地区にある〈うすけはれ〉。もとはそうめん工場だった建物を改修した、とても素敵なお店です。

小豆島の中山地区にある〈うすけはれ〉。もとはそうめん工場だった建物を改修した、とても素敵なお店です。

店内には、セレクトされた衣服や陶器、雑貨などが並びます。企画展やライブなども開催。

店内には、セレクトされた衣服や陶器、雑貨などが並びます。企画展やライブなども開催。

昨年、小豆島で草木染めをしている〈月樹舎(つききしゃ)〉の植松優子さんと、
絵を描いたりアート雑貨を制作したりしている
〈artHouse tematoca(アートハウス・テマトカ)〉の高野ゆっこさんと
『植物からのメッセージ』という本をつくりました。
優子さんが草木染めをしているときに受け取った植物からのメッセージを、
ゆっこさんの素敵な絵とあわせて伝える本です。

私は編集という立場で本づくりに携わりました。
詳しくは小豆島日記vol.301をご覧ください。

〈artHouse tematoca〉のゆっこさん(左)と〈月樹舎〉の優子さん(右)。

〈artHouse tematoca〉のゆっこさん(左)と〈月樹舎〉の優子さん(右)。

2022年に月樹舎から出版された『植物からのメッセージ』という絵本。

2022年に月樹舎から出版された『植物からのメッセージ』という絵本。

昨年秋に発売し、多くの友人たちが手にとって読んでくれました。
「植物からのメッセージ読んだよ! めっちゃ感動した。すごくよかったよー」
と言ってくれた友人が何人かいて、わー、こんなに反響があるんだと
とてもうれしくなりました。

うすけはれの店主、上杉道代ちゃんも本を読んでくれて、
とてもよかったと話してくれました。
彼女がこの本を初めて読んだときに感じたぬくもりややさしさを、
ほかの誰かとも共有したい、本とはまた別のかたちで届けたいという思いから、
展示会『月樹舎のアトリエと原画展』を企画してくれました。

萩市の魅力って?
山口県の移住者に会えるイベントで
地域の暮らしと仕事のイリグチを探る

「萩の入口」となる拠点を知ることから始める

移住への第一歩として、まずは地元の人たちに話を聞くのが近道だと考える。
でも実際には、都心で地方在住者や移住者に
どうやって出会えばいいかわからないという人もいるだろう。

先日、山口県萩市での移住に関するイベントが都内で開催された。
2022年10月2日(日)、場所は東京・有楽町の〈東京交通会館〉。
今年度4回目の開催となる〈YY! ターンカレッジ〉は、
山口県と密接につながりながら
新しい働き方・暮らし方・生き方を見つけた先輩たちなどと語り合えるイベントだ。

今回は「山口とつながる」part.1として、
「地域へのイリグチからシゴトまで」をテーマに開催、約40名の参加者が集まった。

“YY! ターン”とは、「やまぐち」のYと「わいわい楽しい暮らし」のYを組み合わせた山口県へUJIターンを意味するキャッチフレーズ。

“YY! ターン”とは、「やまぐち」のYと「わいわい楽しい暮らし」のYを組み合わせた山口県へUJIターンを意味するキャッチフレーズ。

ゲストは〈株式会社b.note〉の代表取締役である新井達夫さん、
〈萩市商工観光部 企業誘致推進課〉課長の大平憲二さん、
〈萩市総合政策部おいでませ、豊かな暮らし応援課〉課長補佐の
釼物(けんもつ)佳代子さん。

「地域の入口」となる拠点をつくる3名が、萩市内でどんな事業や取り組みを行っているか、
地域とのつながりや地域性を交えながら“萩の魅力”を探っていった。

左から釼物さん、大平さん、新井さん。

左から釼物さん、大平さん、新井さん。

札幌で、もうひとつの
『みんなとMAYA MAXX展』。
不安や心の影が現れた絵画を展示して

まるで洞窟のような空間に、東京時代の絵を並べて

春、夏、秋の年3回、北海道の美流渡(みると)地区で
『みんなとMAYA MAXX展』を開催してきた画家・MAYA MAXXさん。
今年の締めくくりとして、もうひとつの『みんなとMAYA MAXX展』を
札幌で2022年12月14日から2週間開催。
場所は「HUG(ハグ)」の愛称で呼ばれている
〈北海道教育大学アーツ&スポーツ文化複合施設〉。

札幌軟石でつくられた石蔵をギャラリーとして改装した空間で、
まるで洞窟のような重厚な雰囲気を感じさせる。
窓から山々が見渡せる開放的な旧美流渡中学校の展示スペースとは対照的で、
「この空間にはどんな作品が合うのだろうか?」と考えるところから
展示の構想はスタートした。

2022年1月にもHUGで『みんなとMAYA MAXX展』が開催された。MAYAさんが骨折中に描いた鹿の連作が展示された。(撮影:佐々木育弥)

2022年1月にもHUGで『みんなとMAYA MAXX展』が開催された。MAYAさんが骨折中に描いた鹿の連作が展示された。(撮影:佐々木育弥)

これまで描いたもののなかから、コロナ禍となる少し前に
東京で描いたキャンバス作品を選んだ。
2008年から10年、京都で制作発表を行っていたMAYAさんは、
その後、東京に戻って活動を再開させた。
約1年、原宿にある美容サロンの一角で絵を描き、
2020年に吉祥寺に部屋を借りてアトリエをつくった。

展示されたのは、その頃の作品。
木枠に貼らずに切りっぱなしのキャンバスに海や動物、人物などが描かれている。
それぞれに一貫したテーマはないが、
いずれの作品にもどこか所在なげな雰囲気が漂っているのが特徴だ。

美流渡のアトリエに比べると決して広くはなかった吉祥寺のアトリエだが、床いっぱいにキャンバスを広げると250センチほどの幅まで描くことができた。

美流渡のアトリエに比べると決して広くはなかった吉祥寺のアトリエだが、床いっぱいにキャンバスを広げると250センチほどの幅まで描くことができた。

「東京は大学時代からふるさとにいるよりも長く住んでいた場所。
だけど10年ぶりに戻ってみたら、周りの人との関係が変わっていました。
仕事で知り合った人たちは、前よりずいぶん偉くなって時間が取れなくなっていたり、
仕事を辞めたり、連絡がつかなくなっていた人も」

これから自分はどうやって東京で人との関係をつくっていけばいいのかと
考えていた矢先に描いたのがこれらの絵だった。

「あのときの不安な状態が出ている絵を、この薄暗い石蔵に展示したら
シュールな感じになるんじゃないかと思いました」

自然というミュージアムを
巡るための出発点、
〈川湯ビジターセンター〉

アカエゾマツの森に隣接する〈川湯ビジターセンター〉

最近の私の仕事は、朝の収穫から始まる。
庭にあるアカエゾマツの枝葉を数本伐って、袋に入れて、いざ出勤。
車の中には森の香りが漂って、極寒の朝もとてもいい気分だ。

引っ越したときは気づいていなかったけど……庭にアカエゾマツの木があった。ラッキー!

引っ越したときは気づいていなかったけど……庭にアカエゾマツの木があった。ラッキー!

北海道の右側、「ひがし北海道」と呼ばれるエリアには、国立公園が3つある。
知床国立公園、釧路湿原国立公園、阿寒摩周国立公園。
そしてこれらの中には、
各地の自然情報を展示・解説するビジターセンターが10か所もある。

私が勤務しているのは、そのうちのひとつ〈川湯ビジターセンター〉。
阿寒摩周国立公園の半分、摩周・屈斜路エリアを紹介する施設である。

弟子屈町川湯温泉にある〈川湯ビジターセンター(旧・川湯エコミュージアムセンター)〉。

弟子屈町川湯温泉にある〈川湯ビジターセンター(旧・川湯エコミュージアムセンター)〉。

アカエゾマツの天然林に抱かれるようにして建っている、
面積500平方メートルを超える大きな館。

いまから10年以上前、まだ東京に住んでいた頃、
北海道旅行の途中で偶然立ち寄った記憶がある。

森の中にポツンとあるロケーションに惹かれて
「こんな場所で働いてみたいなぁ」とぼんやり感じたことを覚えている。
気がつけば実現していたなんて、なんだか不思議だ。

三村家の春夏秋冬。
2022年も小豆島で
ドラマチックな暮らし

小豆島での2022年を振り返る

いよいよ2022年も残りわずかとなりました。
今年はどんな1年だったかなと写真を見ながら振り返ってみると、
なんだかんだと、いろいろあったなぁと。

私たちにとって小豆島暮らし10周年となった2022年。
10年経っても、日々新しい出会い、発見、学びがたくさんあって、
まだまだ飽きることはありません。
三村家の個人的なことも含めて、今年最後の小豆島日記で、
この1年の大きな出来事、これからの生き方の
ターニングポイントになるであろう出来事について書いておこうと思います。

小豆島暮らし10年目。庭のサクランボの木もずいぶん大きくなりました。

小豆島暮らし10年目。庭のサクランボの木もずいぶん大きくなりました。

三村家に新たなメンバーが加入!

それではさっそく、2022年の三村家トピックスひとつめ!
とっても個人的な出来事なのですが、今年は年明け早々、
我が家に新たなメンバーがやってきました。

保護したときは、推定生後1か月のハチワレ子猫ちゃん。

保護したときは、推定生後1か月のハチワレ子猫ちゃん。

出会いは元旦の夜。
家のすぐ近くで「ミャーミャーミャーミャー」と鳴く声がずっとしていて、
もういてもたってもいられないうちのお父ちゃん(旦那)と娘。

伐採されて積まれた枝のなかに隠れていて、
ちらりと顔を見せたのは小さなハチワレの子猫ちゃん。
目があった瞬間から保護しようと決めていたそう(旦那の後日談)。
その日は逃げてしまったのですが、三村家の心のなかから消えることはなく、
こんな寒いなかでは長く生きられないだろうと心配はつのるばかり。

3日後、また庭で子猫の鳴き声が。あの子に間違いない!
痩せた小さな体で家の前をちょろちょろと走り回っていました。
とても寒い時期だったので、そのまま外に放置することもできず、保護することに。

幸い健康状態はそこまで悪くなく、ごはんも自力で食べました。

幸い健康状態はそこまで悪くなく、ごはんも自力で食べました。

小さい猫はとってもとってもかわいいんです。でも保護するなら責任も大きい。

小さい猫はとってもとってもかわいいんです。でも保護するなら責任も大きい。

すでにうちには体調を崩していた15歳の老犬と、先住猫1匹がいるのに、
さらに増えて大丈夫なのかという思いもよそに、気づけば我が家の一員になっていました。

我が家のワンニャンズ。縁側でそろって日向ぼっこしていた2022年春。

我が家のワンニャンズ。縁側でそろって日向ぼっこしていた2022年春。

そんなこんなで2022年は新年早々新メンバーが加わり、
ベイビーニャンコに長老ワンコと、毎日生き物をお世話しました。
犬も猫もかわいい、でもやっぱり老いたときのお世話はとても大変で、
お金がかかったり、気兼ねなく出かけることもできなかったりします。
それでもともに暮らすことを我が家は選びました。
心配することもあれば、癒やされることもあり、
大変だけどそれが家族だなとあらためて思います。

東京に戻ることも考えていた?
移住してから5年、
ようやく「始まった」下田での暮らし

下田と東京で揺れ動いていた気持ち

下田に移住して5年が経った津留崎家。
それでも「下田で暮らしていくのか」と徹花さんが実感したのは
ごく最近だといいます。

移住以来、東京に戻るべきか否か、
という悩みを持っていましたが、
周囲のライフステージが変わったことによって、
徹花さんの気持ちにも変化があったようです。

季節到来!
だまっこ鍋、はっと、おでん、
鍋のお供の辛い調味料まで
全国の鍋事情をチェック


今月のテーマ 「鍋事情」

少しずつ気温も下がり、
あったかい食べ物が欲しくなる季節がやってきました。
冬のあたたかメニューといえば、そう「鍋」です。

今回は全国にお住まいのみなさんに
地元で食べられている「鍋」について紹介してもらいました。

知っている具材や鍋料理も地域によって呼び名が違ったり、
みんなが知っているあの名物が地元ならではのつくり方で食べられています。
晩ごはんの参考にしてみてください。

【新潟県南魚沼市】
うま味をググッと引き上げてくれる鍋のお供、神楽南蛮と麹の辛味調味料

さてさて、今月のテーマはそれぞれの地域の「鍋」。

山形県には芋煮があるし、
秋田県にはきりたんぽ鍋がありますが、あらためて考えてみると
「新潟ならではの鍋ってなんだろう……」と、悩んでおりました。

ところがバイパスを運転中に突如閃いたのです!

「そうだ! 実家のある南魚沼市では鍋のお供に
神楽(かぐら)南蛮※と麹でつくった辛味調味料が、
食卓に登場しているではないか」と。
※夏に採れるピーマンのような形のコロッと太った唐辛子。

実家で食べるこの「神楽南蛮の辛いやつ(正式名称不明)」は、
義妹のおばあちゃんお手製の逸品。
ただ辛いだけじゃないんです。
神楽南蛮のフルーティーなさわやかさと麹のまろやかさが、
鍋のうま味をググンと引き上げてくれる、そんな鍋の名脇役。

調べてみると神楽南蛮は南魚沼市の伝統野菜なのだそう。
もしかしたら地元で脈々と受け継がれてきた
神楽南蛮を常備するために考えられたのが、
この辛味調味料なのかもしれません。

義妹撮影「神楽南蛮の辛いやつ」。

義妹撮影「神楽南蛮の辛いやつ」。

ただこの辛味調味料、
実家には大切に保管されていたとしても、我が家にはございません。
ましてやおばあちゃんと同じように手づくりすることもできません。

代わりに、新潟県内であれば比較的どこでも手に入りやすい
妙高市(新潟と長野の県境)の名物、かんずりで鍋をいただくことにしました。

〈越後妙高かんずり〉。

〈越後妙高かんずり〉。

 上から見てもかわいい。

上から見てもかわいい。

かんずりは唐辛子が原材料ですが、
神楽南蛮の辛味調味料と同じくフルーティーさを感じられます。

せっかくなので、ほかの具材もいくつか新潟の食材を選んでみました。

南魚沼市の名産〈八色しいたけ〉と阿賀野市の〈川上どうふ〉。

南魚沼市の名産〈八色しいたけ〉と阿賀野市の〈川上どうふ〉。

調理を進めて気がついたことが。
「そうだ、そうだ。このキュートな土鍋も
三条市でつくられたお鍋なんだよね」

株式会社クリヤマの〈耐熱セラミック土鍋〉。めちゃくちゃキュートで、そして軽い。ちなみに我が家は米もクリヤマさんの〈かまどご飯釜〉で焚いています。

株式会社クリヤマの〈耐熱セラミック土鍋〉。めちゃくちゃキュートで、そして軽い。ちなみに我が家は米もクリヤマさんの〈かまどご飯釜〉で焚いています。

「新潟の鍋ってどんなのだろう」と、考えあぐねていましたが
食材も豊富でキッチンツールのメーカーもたくさんある新潟県だったら、
食材も調味料も調理器具も「すべて新潟産の鍋」がつくれそうです。

profile

齋藤悦子 さいとう・えつこ

新潟在住のフリーライター。しばらく勤め人でしたが、ひょんなことからライターの道へ。南魚沼市→新潟市→阿賀町→新潟市と県内を転居する生活をしています。寝るのが大好き、朝が苦手、スノーボードとたまに登山、ラジオとエッセイとレモンチューハイが好き。
Instagram:@suzuki_epi/

労働と食べ物はお金では換算できない。
そばを育てた記録を小さな本に

下書きなしで一気に書き上げる

11月のこの連載で、そばを育て、それを収穫し、
製粉して食べるまでの道のりについて書いた。

そのとき、私は
「まだはっきりとは言葉にできないのだが、お金には換算できない手作業の尊さや、
穀物を食べるということの重みを感じとっている」と締めくくった。
その後、この重みとは一体なんだろうと、おりに触れ考えるようになった。
そして急に、そばづくりのプロセスを1冊にまとめるアイデアが浮かんだ。

閉校した中学校の敷地でそばを育てた。秋にはたわわに実をつけた。

閉校した中学校の敷地でそばを育てた。秋にはたわわに実をつけた。

以前に私が刊行した『山を買う』『続・山を買う』のように、
文字も絵も手書きの、手のひらサイズの本をつくることにした。

A6サイズの小さな本。文字も絵もすべて手書きした。

A6サイズの小さな本。文字も絵もすべて手書きした。

いつものように、ページ構成をメモしたり、下書きはせずに、
頭からぶっつけ本番で一気に走り切る。
ページ配分を先に決めてしまうと、できたような気分になって
ワクワク感が半減するし、下書きから清書という段階を踏むと、
新鮮さが失われるように感じられるからだ。
鉛筆で書くので、間違ったところがあれば消しゴムで消して書き直す。

まずは、そばづくりを一緒にやってくれた美唄市の農家・渡辺正美さんの紹介から。
その後、4月からひと月ごとに行った作業について書いていった。
そばは、夏の間はほとんど手間いらずなのだが、
10月には脱穀、選別、製粉作業が待っていた。
電動機械はできるだけ使わないようにしたいと渡辺さんの提案があり、
昔ながらの道具で作業を進めることになった。

『そばの1年』より。

『そばの1年』より。

今回使ったのは、郷土資料館にあるような農耕器具で、それらは素晴らしく役立った。
これまでも、こうした道具を見る機会はあったが、触ったことがなかったため、
さして気にも留めてこなかったが、今回ググッと距離が縮まったように思った。
特に、タネとそれ以外の葉っぱや茎、ホコリなどを選別する
唐箕(とうみ)という道具には感動した。
ハンドルを回すと風が起こり、タネより軽いものを吹き飛ばすことができるのだ。

実は昨年、手でよりわけたり息を吹きかけたりすることによって、
タネとそれ以外を分けてみたのだが、
数時間かかって選別できたのは、手のひらにのるくらいの量。
しかも、息を吹きかけすぎて酸欠状態になって、完全にきれいにはできなかった……。
昔の人も、きっとそんな経験があったはず。
中国から伝来したという唐箕を初めて使ったとき、本当に喜んだに違いないと実感した。

『そばの1年』より。

『そばの1年』より。

アパートのリノベーション事例集!
アトリエ、宿泊施設、スタジオ……
リノベで生まれ変わるアパートの可能性

日本全国で見られる空き家問題、
その約半数は賃貸用住宅だといわれています。
老朽化した古いアパートも例外ではなく、
リノベーションによって、新たな活用方法が見出されています。

本記事では、各エリアに眠っているアパートが
新たなカタチに生まれ変わった実例をまとめてご紹介します。
アパートは建物の特性上、部屋が小分けにされていることから
工事内容に小回りが効き、低予算でもアレンジできるのが
アパートリノベの特性といえるでしょう。

アパートリノベ:01 
〈大辻の家〉アトリエ

大阪府大阪市此花区で建築事務所〈NO ARCHITECTS〉を営む
西山広志さんは、シェアハウス、通称〈大辻の家〉に住んでいます。
その大辻の家と繋がったアパート4室のうち2室をセルフリノベーションした事例です。

2室の空き部屋は、押し入れ付きの6畳の座敷がふた間と、
板の間の台所がひと間のL型2DK。
かなり長いあいだ空き部屋だったので、廃墟同然で
カビ臭いどんよりした空気が流れていました。

そこで西山さんは、同居人であるパティシエの遠藤倫数さん、
アパレルデザイナーの黒瀬空見さんと共用できる、
ものをつくったり考えたりするためのアトリエとして活用できないか考えます。

玄関を入ってすぐ左手は遠藤さんが使用するキッチンやバーカウンター、
その奥は共有のリビングで、みんなでごはんを食べたり、まったりできるスペースを想定。
右の突き当りの窓際あたりが黒瀬さんのブランド〈ツクリバナシ〉のアトリエです。

床は、下地の角材で高さを揃えてベニヤ板を張り、フラットなワンルームに。
玄関横の壁は、ほかの壁と仕様を変えて大壁(柱を見せない構造)にしました。
トイレ脇の押し入れを解体してできた小さな窪みは
遠藤さんの自転車のカスタムスペースになりました。

この時点ではまだ塗装はされておらず完工には至っていなかったものの
自由なスペースを自分たちらしく楽しく暮らしていけるように
つくり変えていく、という思いのもとに工事を進めていきました。

記事はこちら:NO ARCHITECTS vol.8:シェアしたみんなが思うようにつくる家 後編

アパートリノベ:02 
〈キッチンスタジオ アオイエ〉キッチンスタジオ

埼玉県熊谷市にある設計事務所〈ハクワークス〉の白田和裕さんは
建築家でありながら空き家を使った施設の運営を行っています。

白田さんの地元である埼玉県草加市で、
〈リノベーションスクール@そうか〉というイベントに参加した際、
プロジェクトの題材は取り壊しを待つばかりだった
草加駅前にある2階建て、木造風呂無し賃貸アパートでした。
スクールに参加した10人で構成されたユニットで
近隣のエリアに変化をもたらす事業提案に取り組みました。

白田さんチームは、地域コミュニティが弱体化する草加で、
食を通じて人がつながる地域の食卓のような場所をコンセプトに
料理教室を軸とした、新たな場づくりとして
〈キッチンスタジオ アオイエ〉を提案。

一部の違法な部分を適法化したり、断熱性能や耐震性の
向上を行いつつ、予算を抑えるため塗装は自分たちでやるなど
知恵を絞りながら進めていきました。

アオイエの隣には再建築不可の土地があり、そこに畑をつくり
畑で採れた野菜を使って料理をすることも考えました。

完成後、地元の飲食店のシェフや店主が
料理教室の講師を務めることで、さらに人とまちとがつながっていきました。
SNSでグループができたり、開催を楽しみにしてくれる方々も増えていっているようです。

記事はこちら:草加市〈キッチンスタジオ アオイエ〉 人と人、人とまちがつながる ダイニングキッチン

倉庫リノベーション実例集!
オフィス、カフェ、イベントスペースと
自由度が高い倉庫の再活用法を紹介

思い通りに間取りを設計できる倉庫のリノベーションは、
自由な発想が膨らみ、広々とした空間の使い道は無限に広がります。
そして、地域の交流の場をつくるという点においても
多くの人を集められる箱なので選択肢の広いテナントとして機能します。

本記事では、各エリアのリノベのプロが
これまで手がけた倉庫リノベーションの実例を紹介。
空っぽだった倉庫が、新しい活用方法で再生を遂げる物語をお届けします。

倉庫リノベ:01 
〈SOCO〉カフェ、コワーキングスペース

栃木県宇都宮市で不動産業を営む〈ビルススタジオ〉の塩田大成さんは、
宇都宮でオフィスを構えようと考えているお客さんが少ないことに
疑問を感じていました。

調べてみると自宅兼オフィスとして働いている人が多く、
「個人経営者同士が集まれるワークスペースをつくれば、
仲間同士でよりよい仕事が生まれるのではないか」と考え、
空き倉庫を探し、シェアオフィスとしてリノベーションすることにしました。

施設名はSOHOをもじって〈SOCO(倉庫)〉。

リノベーション工事は、仲間を募ってほとんどをDIYで進めていきます。
工事期間は3か月かかり、仲間たちとペイントしたり、
家具をつくったりしながら少しずつ進めていきようやく完工。
1階にはカフェ、2、3階にはコワーキングスペースが入居し
次々と施設内でのビジネスも生まれてきたようです。

マルシェイベントなども開催され、日々新しい出会いが創出されています。
宇都宮のまちに、またおもしろい場所ができました。

記事はこちら:ビルススタジオ vol.5:倉庫をDIY、はたらく場所をつくる