連載
posted:2023.1.2 from:香川県小豆郡小豆島町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/
あけましておめでとうございます。
2023年が始まりましたー!
今年も『小豆島日記』をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、この新しい年の始まりに、小豆島で訪れてほしい場所があります。
棚田が美しい農村、中山地区にあるギャラリーショップ〈うすけはれ〉で開催中の
『月樹舎のアトリエと原画展』です。
昨年、小豆島で草木染めをしている〈月樹舎(つききしゃ)〉の植松優子さんと、
絵を描いたりアート雑貨を制作したりしている
〈artHouse tematoca(アートハウス・テマトカ)〉の高野ゆっこさんと
『植物からのメッセージ』という本をつくりました。
優子さんが草木染めをしているときに受け取った植物からのメッセージを、
ゆっこさんの素敵な絵とあわせて伝える本です。
私は編集という立場で本づくりに携わりました。
詳しくは小豆島日記vol.301をご覧ください。
昨年秋に発売し、多くの友人たちが手にとって読んでくれました。
「植物からのメッセージ読んだよ! めっちゃ感動した。すごくよかったよー」
と言ってくれた友人が何人かいて、わー、こんなに反響があるんだと
とてもうれしくなりました。
うすけはれの店主、上杉道代ちゃんも本を読んでくれて、
とてもよかったと話してくれました。
彼女がこの本を初めて読んだときに感じたぬくもりややさしさを、
ほかの誰かとも共有したい、本とはまた別のかたちで届けたいという思いから、
展示会『月樹舎のアトリエと原画展』を企画してくれました。
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うすけはれの店内には、展示やイベントを開催できるスペースがあります。
今回の展示では、そのスペースが、本の著者である月樹舎の優子さんの
アトリエをイメージした空間に大変身し、草木染めに使う道具も置かれています。
壁や天井に飾られているのは、本に登場したミモザやオリーブなど10種類の植物たち。
それぞれの植物から受け取ったメッセージと、本で使われた絵の原画が展示されていて、
本の世界が現実に出てきてしまったよう。
というか、そこにいる自分が本のなかに入り込んでしまうのかもしれませんね。
そうそう、展示エリアに入るところには、いつもは存在しない扉が置かれているんです。
この扉は、優子さんの旦那さん(大工さんです!)がつくったもので、
置かれているというより、新たに扉と壁ができたといってもおかしくないくらい
しっかりつくられています(笑)。
この扉を開けると、その先に本のなかの世界が広がっていて、
そんな演出もすばらしいなぁと思いました。
あまりここで詳細を書いてしまうのはやぼなので、
あとは実際に訪れて感じていただけたらうれしいです。
この展示にあわせて、優子さんが草木染めしたレッグウォーマーやはらまき、
ゆっこさんが新たに描いた小さな絵(原画)も販売されています。
本のなかに登場する植物たちの絵です。
気に入った植物があったら、ぜひお部屋に飾っていただけたら。
絵を見るたびに、その植物からのメッセージをふと思い出すかもしれません。
自分たちの思いを込めた本ができあがり、
その本の世界を体感できる展示会が開かれるなんて夢のよう。
草木染めをしたり、絵を描いたり、文章を書いたり、歌を歌ったり、空間をつくりあげたり、
いろんな手段で、自分たちがいいなと思っていることを表現して、
誰かに伝えることができるのはとてもすてきなことだなとあらためて思いました。
『月樹舎のアトリエと原画展』は、小豆島の〈うすけはれ〉で、
2023年1月15日(日)まで開催しています。
ぜひ訪れてみてください。
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