連載
posted:2022.12.19 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/
いよいよ2022年も残りわずかとなりました。
今年はどんな1年だったかなと写真を見ながら振り返ってみると、
なんだかんだと、いろいろあったなぁと。
私たちにとって小豆島暮らし10周年となった2022年。
10年経っても、日々新しい出会い、発見、学びがたくさんあって、
まだまだ飽きることはありません。
三村家の個人的なことも含めて、今年最後の小豆島日記で、
この1年の大きな出来事、これからの生き方の
ターニングポイントになるであろう出来事について書いておこうと思います。
それではさっそく、2022年の三村家トピックスひとつめ!
とっても個人的な出来事なのですが、今年は年明け早々、
我が家に新たなメンバーがやってきました。
出会いは元旦の夜。
家のすぐ近くで「ミャーミャーミャーミャー」と鳴く声がずっとしていて、
もういてもたってもいられないうちのお父ちゃん(旦那)と娘。
伐採されて積まれた枝のなかに隠れていて、
ちらりと顔を見せたのは小さなハチワレの子猫ちゃん。
目があった瞬間から保護しようと決めていたそう(旦那の後日談)。
その日は逃げてしまったのですが、三村家の心のなかから消えることはなく、
こんな寒いなかでは長く生きられないだろうと心配はつのるばかり。
3日後、また庭で子猫の鳴き声が。あの子に間違いない!
痩せた小さな体で家の前をちょろちょろと走り回っていました。
とても寒い時期だったので、そのまま外に放置することもできず、保護することに。
すでにうちには体調を崩していた15歳の老犬と、先住猫1匹がいるのに、
さらに増えて大丈夫なのかという思いもよそに、気づけば我が家の一員になっていました。
そんなこんなで2022年は新年早々新メンバーが加わり、
ベイビーニャンコに長老ワンコと、毎日生き物をお世話しました。
犬も猫もかわいい、でもやっぱり老いたときのお世話はとても大変で、
お金がかかったり、気兼ねなく出かけることもできなかったりします。
それでもともに暮らすことを我が家は選びました。
心配することもあれば、癒やされることもあり、
大変だけどそれが家族だなとあらためて思います。
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さて続いて、2022年の三村家トピックスふたつめ!
10年越しの思いが叶って、ようやく薪ストーブが我が家にやってきました。
薪ストーブ導入ついては、小豆島日記vol.290
「薪ストーブのある暮らし、どうやって薪を集める?」で書いたので、
工事のことや導入コストなどはそちらを読んでいただければ。
今年の3月、すでに寒さがやわらぎ始めた頃に設置したので、
薪ストーブがある冬を迎えるのは今シーズンが初めて。
はたして薪ストーブだけで寒さをしのげるのか、今まさに実験中です。
薪ストーブの導入は、単に暖房器具が変わっただけでなく、
私たちの暮らしに思った以上の大きな変化をもたらしました。
まず、冬場に家族が集まる場所が薪ストーブの前になりました(笑)。
とにかく暖かい、そして火の前にいると落ち着くんです。
本を読んだり、お茶を飲んだり、ゴロゴロしたり。
人間も猫も薪ストーブの前に集まってきて、それぞれの時間を過ごしている様子は
とても愛おしくて、薪ストーブを導入してほんとによかったなぁと思います。
それともうひとつ、思った以上に薪がいるので、薪仕事をするようになりました。
薪ストーブだけで我が家を暖めようとすると、相当な火のパワーがいります。
家にいる時間が長いので、1日中、火がついていることも。
薪はしっかり乾燥していないといけないので、
来シーズンの薪を集めて乾燥させておかなければいけません。
薪仕事ってただのタスクにしてしまったら本当にしんどいだけなので、
友人と一緒に楽しみながらやっています。
薪でお湯を沸かして、コーヒー淹れたりしながら。
私はその時間を「薪活」と呼んでいるのですが、木々に囲まれた自然のなかで、
体を動かして、木を切って割って、積んでいく作業はとても心地よいのです。
身近にある間伐した木や廃材を、エネルギーに変えているという循環を
ダイレクトに感じられるのもとてもうれしいこと。
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そしてこれが最後のトピックス、2022年の三村家トピックス3つめ!
2022年はイベント出店再開の年でした。
2020年の春からイベントや行事などが、またかまたかと中止になり、
人との出会いがすっかり減ってしまった2年間。
ただひたすら畑作業、出荷作業に集中する、そんな時期もよかったけれど、
やっぱりみんなで集まって音楽やごはんを楽しんだり、
新しいものや人との出会いを楽しんだり、そういう時間って大切だなぁと
あらためて思いました。
今年は夏から秋にかけて、いつもより積極的にイベント出店したり、
企画したりしてきました。
もっとかっこいい店構えを考えたいし、
賑わっている風景を生み出せたらおもしろいなと思っています。
そうそう、少し先にはなりそうですが、
小豆島でファーマーズマーケットを定期的に開催したいと企んでいます。
春がきて夏が過ぎて秋が終わり、今年も冬が始まりました。
めぐっていく季節のなかで、同じことを繰り返しながらも、
ちょっとずつ成長していたり、違うことに挑戦してみたり、同じ1年なんてない。
小豆島で10年暮らしてきたけれど、この島のことを知れば知るほど、
飽きることなく、勉強したいこともあるし、ここでやりたいこともまだまだある。
そのことをここで書き続けていけたらいいなと思っています。
今年も小豆島日記を読んでくださり、ありがとうございました。
2023年もどうぞよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください。
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