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とてもとても濃厚で充実した最高の6日間! だったのですが、
大変だったことも正直ありました。
それはズバリ準備です。
写真の展示というと、
多くの方はパネルの製作を業者に依頼するか
既製品のパネルを使用すると思います。
ですが、今回展示したパネルは
すべて夫が木材を組んでつくってくれました。
プリントは私が自宅や東京のレンタルラボで出力し、
それをひたすら貼っていくという作業をおよそ1か月間、
夫と二人三脚で続ける日々。

もともと建築畑で仕事をしていた夫。大工仕事に慣れているとはいえ、サイズがばらばらのパネルを10枚以上つくるというのは、想像以上に大変だったようです。

夫がつくってくれた大判パネルに、9枚の写真を貼り終えたところ。
途中「こんなに大変だとは思わなかったね」と夫がつぶやく。
業者に依頼する方法もあるにはあったのですが、
自分たちでつくるという考えが先に頭に浮かんだのです。
というのも下田で暮らすようになってから、
必要なものがあれば自分たちでつくったり修繕することが増え
(家のリノベーションも夫がやってくれました)、
自分でつくることのハードルがかなり低くなりました。
「自分たちでつくればよくない?」というのが
ごく自然な流れだったのです。
最後の1枚が完成したとき、
夫も私も涙がでそうになるほどうれしかった……。

夫がつくってくれたパネルは木の温かみがあり写真の雰囲気ともマッチ。会場でも評判でした。
パネルの準備、食堂の準備、諸々の作業。
とにかく考えることと作業が多すぎて、私は大混乱。
夫婦喧嘩も度々ありましたが、
夫は最後までしっかりと私を支えてくれ、
そして何より一緒に楽しんでくれました。
イベントが終わった翌朝の夫の第一声、
「すっごい疲れた……、けど最高に楽しかった! ありがとう」と。
外注してしまえば簡単に済むパネルづくり、
誰かにお願いすれば楽な食堂の準備、などなど、
夫と二人三脚でやり遂げました。
途中でつらくて泣きそうになったけれど、
大変な思いをしてあたふたしていたからこそ
みんなが手を差し伸べてくれたんだと思います。
だからこそ味わえた幸福感があったわけで、
こんなふうにジタバタしてみるのも悪くないのでは?
と、今は思います。

追伸
写真展を無事に終えたことを報告するために、
海女さんのご自宅を訪ねました。
すると、玄関先に案内状を飾ってくださっていて
「毎日これ見ながら、今日もやってるな、頑張ってるかな〜って
思ってたよ」と。
それがまたとてもうれしくて、ジーンとしてしまいました。