第44話
わが家のプレゼント選びには
3つのルールあり。
2017年も残りわずかとなるなか、
今回グレアムさんは、クリスマス一色につつまれた
〈三ノ宮センター街〉へと向かいました。
目的は、クリスマスの買い物……と思いきや
お父さんの誕生日プレゼント選び。
なにやらミックニー家では、プレゼント選びに
3つのルールがある模様。
グレアムさん、お父さんにいったい何を贈る?
今回もスルスルと横にスライドしながら、お楽しみください。
近年高まる地方移住への関心。
たしかに、都市部とは違った豊かさのある地域での暮らしは魅力的だが、
不安材料も多い。では実際はどうなのか?
コロカルでこれまで取材してきたいろいろなケースを見ながら、
地方移住へのヒントを探っていこう。
「国土交通省白書」によると、地方から都市への人口流出は続いているものの、
過疎地域で人口の社会増を実現した市町村が占める割合は、
横ばいまたは微増傾向にあるという。
また、地方移住というと、かつてはリタイア後、
老後の暮らしの選択肢として考えられていたのが、
近年では地域を志向する若年層が増えている。同白書によると、
「2005年調査に比べ2014年調査では、30代の農山漁村への定住願望が
17.0%から32.7%へ、40代では15.9%から35.0%へと伸びている」というのだ。
「国土交通省白書・都市住民の農山漁村への定住願望」

出典:国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h26/hakusho/h27/html/n1211000.html)「都市住民の農山漁村への定住願望」の資料・データをもとにコロカル編集部が作図。
ただし、「いますぐ」というわけではなく、
「いずれ」そうしたいと考えている人が多いのも事実。
移住を実現するにはまだまだ大きな壁があるようだ。
移住を考えるときに、人は何を重視しているのだろう?
移住希望者が移住定住に際して重視する条件として挙げられるのは、
以下のようなポイント。
■ 日用品の買い物環境
■ 交通インフラの充実度
■ 地域の固有の魅力
■ 収入源
都市部で暮らす人にとって地方での暮らしは魅力的だが、
やはり利便性が失われたり収入が減少することには抵抗があるようだ。
また同白書によると、現在の居住地に住むようになった理由として、
Uターン者は「実家・家業を継ぐため」、
I・Jターン者は「現在の居住地でやりたい仕事がある」
という回答が突出して多いという。
このようなことから、地方移住はやはり、仕事と密接な関係があるといえる。
東京・三軒茶屋生まれ、三軒茶屋育ちが、
不思議な縁から長野県飯山市にIターン、しかも山伏として。
そこで気の合う仲間を得て、地元と東京をつなぎ始める。
2017年9月には自然体験イベント〈自然足りてますか?〉の第2回目も開催。
彼はどうやって飯山に新しい渦を起こしたのだろうか?
長野県飯山市と言われてもピンとこない人も多いだろう。
野沢温泉に向かう途中のまちといえば、少しはわかるはず……。
長野県の観光ガイドブックを見ても紹介されているページ数は少なく、
グッとくるスポットがないのが正直なところ……。
飯山市は長野県の最北部に位置し、
全国Iターンランキングで毎回首位を争う長野県のなかでも、
飯山市に移住する人は県内トップ。
しかしまち自体はそこまで盛り上がっていない。
長野新幹線の停車駅として乗降客数は多いものの、
観光客は隣町の野沢温泉へと直行してしまいがち。
停車駅としての知名度は高いが、「まちを知っている人」は少ない。
そんなまちに魅了され、住みたいまちランキングでも
常に上位に位置する東京・三軒茶屋からIターンで
この飯山に移住してきた人がいる。志田吉隆さんだ。
過去には芸能事務所で働き、六本木ヒルズなどの飲食店でマネージメントを経験。
「人が好きだから」
とあっけらかんと彼は言うが、それだけで移住してしまうものだろうか。

それに加え、山伏の道にも入ってしまう。
職を捨て、地位を捨て、ステータスを捨て、飯山に移住して1年。
地域おこし協力隊員として活動し、
徐々に地元の人にも受け入れてもらえるように。
Iターン移住者というと、聞こえはいいが、地域住民との問題はたくさんある。
行政がウエルカムでも、決してすべての地元住民が望んでいるわけではない。
自然環境などを理由に移住しても、
その後の暮らしの充実ぶりを左右するのは、結局は 「人とのつながり」だ。
都会のマンションなら、隣の住人を知らなくても構わず生活できるが、
田舎はそうはいかない。田舎には田舎のルールがあり、自身の対応力を試される。
そんななか志田さんは、持ち前の明るさと人懐っこい性格で新生活をスタート。
単身、静かな山間の集落で古民家を借り、テレビも置かず、自然の音を楽しんでいる。
移住を決断する前、ひょんなことから
修験で有名な出羽三山の星野先達さんと東京で出会うことに。
「修験とは山に身を置いて感じたことを考える哲学。
山伏とは山と里、神と人をつなげる存在」
などの山伏の話に魅了され、修験の道に入る。
震災以降、“食”に対しても、どこか都会的なシステムには違和感があり、
「まにまに(流れに逆らわず、あるがままに)」
という言葉を聞いたときに移住を決める。
移住先の飯山市小菅地区は、昔、修験の地として
多くの山伏がいたことも要因のひとつだ。
「このご縁を信じたことが始まりです。ノリ的なとこもありましたね(笑)。
『まにまに』って言葉が好きで、これからの流れって部分もあるけど、
いままでの自分の流れも大切にしています。
人と人がつながることができれば、地域には新たな流れができて、
おもしろいことがきっとできるはず」



普段は市役所に勤務。年数回、山形の出羽三山で修行し、住んでいる小菅の山に祈り入れている。
今回グレアムさんが向かったのは、
阪急三宮駅西口付近の、細い路地道や高架下。
格安で楽しめる、立ち飲みやバー、レストランが
所狭しと並ぶ、グレアムさんおすすめエリアです。
そこで、ストリート哲学者で友人のマークとばったり。
時間を忘れて4軒5軒……、とハシゴしてしまった模様。
哲学者のマークさんならではのコメントと合わせて
今回もスルスルと横にスライドしながら、お楽しみください。
神奈川県の西、相模湾にぽこっと突き出る小さな半島、真鶴半島。
東京からたった1時間半で着く真鶴ですが、海に囲まれた真鶴には、
魚を中心とした独特の食文化がまだ残っています。
そんな真鶴に2年前に移住し、〈真鶴出版〉という出版活動とゲストハウスを営む
私がおすすめする、「真鶴に移住したら楽しめる食10選」を紹介します。

真鶴は港町なので魚屋で簡単にとれたての魚が手に入ります。
中にはヤガラやウマヅラハギなど、東京ではあまり食べられないような
魚が食べられることも。
写真は、駅前にある〈福寿司〉のお刺身。赤坂の料亭で修行を積んだ店主の料理を、
ランチでは1000円から食べることができます。
注文がきてからさばく「地魚握り」も絶品。
information
福寿司
住所:神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴406-6
TEL:0465-68-0862
営業時間:11:00〜20:00
定休日:水曜

真鶴の食卓に欠かせないものが干物。
工場ではなく、ひとつひとつ手作業でつくられた干物は見た目も美しく、
ふっくらしていて匂いもほとんどしません。
調理方法は焼くだけ、冷凍すると1か月近く持つなど、保存食としても優秀。
冷凍庫には必ず常備していて、朝食にも夕飯にも使えます。
香ばしく焼きあがった鯖の、鼻腔と空腹を刺激する香り。
しっとりとほぐれた身を口に運べば、ジュワ~っと広がる旨み・塩味・甘み。
思わずガッツポーズをしてしまう、イメージ通りの、いや、完璧なお味。
銚子港にほど近い、茨城県波崎というまちに、
越田英之さんが3代目を務める〈越田商店〉があります。
越田商店は、波崎で45年続く干物屋。
鯖の文化干しを主力商品とし、製造・卸・販売をしています。
こちらの鯖のおいしさに、噂が噂を呼び、
東京都内をはじめとした多くの飲食店やレストランから注文が殺到。
ブランド的な鯖文化干しとして、食通の間で話題となっています。
その名も〈もの凄い鯖〉。
ネーミング、ものすごい!

この名前をつけたのは、越田商店の鯖のファン。「うちの鯖を応援してくれる、〈tasobi〉という魚卸会社を運営している堀田幸作さんがつけてくれた名前です。さすがに自分ではつけられないよ(笑)」と越田さん。
ところで皆さん。
鯖の文化干しのつくり方って、ご存じですか?
ただ天日干しするだけが、文化干しではないのです。
越田商店では、以下のような手順でつくられています。
1. 鯖を三枚におろす
2. 熟成つけ汁につける
3. さっと水で洗う
4. 天日で干す
作業としては単純ですが、それぞれの工程には、熟練の技と
越田商店の伝統が詰まっています。

加工場左側にある四角い水槽に熟成つけ汁が。つけ込んだ鯖を引き上げ、これから天日干しに入ります。
越田商店では、45年前の開業当時から1度もつけ汁を変えず
塩を注ぎ足してきた、熟成つけ汁を使用しています。
つけ汁の原料は、塩・水のみ。
こちらに三枚おろしにした鯖をつけ込むと、鯖のエキスや骨髄が溶け出し
独特の香りと旨みをなす、熟成つけ汁になっていくのだとか。
つけ汁の管理には手間がかかるため、
効率化が進む現代では、熟成つけ汁を使用する干物屋は
伊豆諸島でつくられるクサヤを除いて、ほとんどなくなったと言われています。
ちょっと舐めさせてもらったつけ汁のお味は……、
塩辛い印象はなく、魚醤を思わせるようなまるい旨みと、魚独特の芳香。
でも、つけ汁の底をすくってみると、大量の溶けきらない塩が。

溶け切らない塩がどっさり。なのに、塩辛くないのが不思議。
「塩分は飽和状態なんだけど、あんまりしょっぱくないでしょ?
つけ汁は、熟成されるごとに味わいがまろやかになってくるんだ」
聞けばこのつけ汁、ものすごいエピソードだらけ。
「このつけ汁の中には、不思議な菌が隠れているのでは?」
そういう知人の言葉で、つけ汁を微生物の検査機関で調べてみると
機関の職員が狂喜乱舞するような菌の生態系が……!
毎年ミャンマーに採取しに行くような特殊な菌や、
南イタリアから取り寄せる発酵用の菌が、
なぜかこのつけ汁の中に存在するという事実。
「彼らは“これは財産ですよ!”って言うんだけれど、
俺は、おいしい干物はこうすればできるっていう、
初代のお祖父ちゃんから受け継いだ製法を守ってきただけ。
調べたら、たまたまそういう菌の世界ができていた、っていうだけの話なんだよね」
たまたまにしても、ものすごい話……。
ほかにも、医学分野での有効な可能性があるとして、
某製薬会社にて、つけ汁の成分分析が進められているという話も。
なんだか、ものすごい話になってきているようです。