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後日、高橋さんから連絡が。
先日の畑とは別の、自宅近くのブルーベリー畑が
鹿に荒らされてしまったというのです。
その獣害対策のため、柵をつくるのを手伝ってくれないかとのことでした。
ブルーベリーは蜜源植物でもあり、
作物としても出荷している高橋養蜂にとって大切な果樹です。
獣害対策の柵……、田舎暮らし初心者の僕は
もちろんつくったことがありません。
そんな僕が行って力になれるのだろうか?
一瞬ひるんでしまいましたが、先日の高橋さんの言葉を思い出し、
ありがたく引き受けました。
そして、「高橋養蜂は俺が守る!」くらいの気持ちで
獣害対策の柵づくりに向かいました(単純なのです)。
こうして対策を講じながらも、昨年は出なかった被害が
今年は出るようになったことが気になってしまいます。
森の生態系に何か変化が起きているのでしょう。
問題は根深いのかもしれません。
今回の柵のつくり方は下田の隣、南伊豆町で
野生動物の食肉処理を通して森を守る活動を行っている
株式会社〈森守(もりもり)〉の黒田利貴男社長、直伝の方法です。
当初、高橋さんは柵の見積もりを一般的な方法でとったところ、
想像以上に高くなってしまったそう。
そこでいつもサポートしてくれる黒田社長に相談を持ちかけました。
そして、安い材料でできる確実な方法を
教えていただけることになったといいます。
黒田社長は「この方法が獣害に悩む農家さんに浸透していってほしい」と
おっしゃっていました(詳細を知りたい方は僕まで連絡ください)。
世代間でこうして知恵が伝わり地域が守られるというのは、
本来あるべき姿といえます。
2日間でブルーベリー畑の獣害対策の柵は完成しました。
この方法でミツバチの楽園の獣害対策もしていくのです。
楽園づくりのため、何ができるのだろうと尻込みしていた自分ですが、
この経験を通してできることが増えたわけです。
こうしてひとつひとつできることを増やしてこつこつと積み重ねていけば、
楽園は夢ではない、そんな実感が涌いてます。
そして、この2日間、下田や南伊豆の農家さんや山に関わる人たちが、
入れ替わりたちかわり訪れてきました。
それほどに高橋さんの養蜂が地域に受け入れられ、
愛されているということでしょう。
ありがたいことに僕も高橋さんの人望にあやかって
多くの方との縁ができました。
さらっと紹介しましたが、それぞれの方が深く魅力的な活動をしていて、
じっくりとお話をうかがってこの連載であらためて
取り上げたいと思える方たちばかりです。
それまでも縁が広がっている実感はありましたが、
暮らし始めた場所が下田のまちの中心に近い立地ということもあり、
知り合う人はまちの飲食店や自営業者の方が多かったのです。
vol.19『思いもしなかった心地よさ。移住した伊豆下田、小さなまちでの小さな暮らし』で書いた通り、
まちでの暮らしを楽しんではいたものの、
当初思い描いていた移住のイメージ「里山での農的暮らし」から
離れていることに焦る気持ちはありました。
そんななか、こうして農的暮らしを実践する人たちとの縁が
でき始めたのです。
いまのところは、そんな暮らしをする人たちと出会っただけで、
自分は何も実践できていません。まだまだです。
でも、少なからず道が開けてきたように感じています。
さあ、これからどのような展開が待っているのでしょうか。
下田暮らしは始まったばかりです。
身軽でいたからこそのこの展開。
しばらくはこんな感じでいこうと思っています。
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高橋養蜂