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ゲストハウス実現に向けて?
自然と食に恵まれた豊かな土地、
伊豆下田流のおもてなし|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.020

Page 4

下田のお楽しみ。温泉、そして花火!

海で遊んだあとは下田のもうひとつのお楽しみ、温泉です。
下田には蓮台寺温泉や観音温泉など有名な温泉もいくつかあり、
日帰り入浴できる施設もたくさんあります。
まだまだこれから我が家も開拓していきたいと思っているのですが、
いまのところのお気に入りは〈昭和湯〉という温泉銭湯です。

ナマコ壁の佇まいと「昭和湯」と書かれた暖簾からは
情緒が漂っていて、なんともいいんですよね。
中に入ると昔ながらの番台があり、担当がおじさんの場合は
お金を受け取るとすっと席をはずしてくれるので、
女性の方もご安心を(おそらく)。

こぢんまりとした浴場は自宅にいるような感覚でとてもくつろげます。
さらりとしたお湯ですが、じんわりと身体の芯まで温めてくれます。
なんとこちら源泉掛け流しなのですが、
銭湯なので400円で入浴できてしまうのです。

ただ、シャワーがなく温度が少し高めなので、
子連れや長髪の女性には少々不便かもしれません。
そうした場合には、蓮台寺温泉にある老舗の〈金谷旅館〉や、
海を臨める露天風呂が気持ちのよい
〈下田ビューホテル〉などにスライドしています。

以前、長崎県の雲仙に移住された方に
「雲仙は温泉があるからみんな喜んできてくれるし、満足してくれるよ」
とうかがったことがありました。
温泉というのは日本人にとって特別な存在ですよね。

日本人にとって特別な存在といえば、花火もそのひとつではないでしょうか。
下田と周辺地域を含めると、花火大会を見られる機会が
ひと夏のあいだに何度もあります。

我が家も今年は下田で2回、となりの南伊豆町での
弓ケ浜花火大会と合わせて3回ほど花火大会を見ました。
私は人混みがとても苦手なもので、混雑が予想される都内の花火大会には
一度も足を運んだことがありませんでした。
下田でも混むんだろうな~と躊躇していましたが、
友人が誘ってくれたので思い切って出かけることに。

友人のリサーチしていた場所に行ってみると、
心配していたような右にも左にも進めないという混雑もまったくなく、
レジャーシートを広げてゆっくり鑑賞できるという雰囲気。
しかも、打ち上げ会場は川をはさんだすぐ目の前で、
もう大迫力の花火を楽しめたのでした。

子どもたちはあまりの迫力に空いた口がふさがらないほどでしたが、
それはそれはすばらしい夜となりました。
こうした花火大会を人ごみをかきわけずに見られるというのも、
下田のひとつの魅力かもしれません。

弓ケ浜の花火大会。今年は40周年ということで、いつもにも増して迫力があったのだそう。来年も楽しみです。

こうして来客があるたびに一緒に遊んでしまっている我が家なのですが、
来年の夏には何らかのかたちで宿泊業を始めたいと思っています。
友人たちを迎えるうちに、少しずつそのイメージがわいてきました。

自然にも食にも恵まれた下田という土地なら、
自分たちにもできる方法があるかもしれない。
もちろん、営業期間やスタイルなどさまざまな工夫が必要だと思います。
そして、私はカメラマンと二足のわらじを、
夫もほかの仕事と両立しながらできるかたちを考えています。

そういえば数年前、私の母が突然ぽつりと言いました。

「あなたたち、民宿やったらいいと思うよ」

ふと母のその言葉を思い出しながら、
いよいよその時がやってきたのかな? と感じています。

さて、前向きな話をしてきましたが、やはりいいことばかりじゃないんです。
以前この連載でも書いたように、ムカデの度重なる襲来。
なんと! 慣れてきました。

先日も出くわしましたが、トングを引っ張り出しひょいと摘んで冷静に処理。
それを見ていた夫が「てっちゃん、強くなったね!」と言うので、
なんだか自分がとっても成長したようでうれしくなりました。
数年前までは、ムカデをつかんで夫にほめられるなんて
想像していませんでしたが。

そんな喜びもつかの間、次にやってきた新たなる敵はカビ。
台所のカゴや洋服ダンスの衣類、
私が持っている中でおそらく一番高級な皮のバッグ。
あげればきりがないというくらい、
いろんな箇所でカビが勃発しているじゃありませんか。

古民家はカビが生えやすいとか、
海が近いとカビやすいと耳にしたことはありましたが、
これほどの猛威で迫ってくるとは知る由もなく。

取りあえず片っ端から天日に干し、除湿剤と布団乾燥機を新規購入。
「てっちゃん、久しぶりに落ちてるね!」と、
ビール片手にニコニコしている夫にイライラしながらも、
動じないこの夫のタフさに安心するのでありました。

さあ、このカビとのステージも超えられるのでしょうか……(涙)。

続く。

自宅の庭からは星空を眺めることができます。東京からたった3時間で、こんな景色に出会えるのです。

information

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山田干物店

住所:静岡県下田市二丁目5-17

TEL:0558-22-2909

https://www.shizuoka-navichi.net/shop/shop.shtml?s=791

文 津留崎徹花