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学童保育がない…?
移住先での子育てで直面した、
悩ましい問題|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.024

Page 3

学校が終わったらどうする?

その問題とは、入学予定の小学校やその近辺には、
学童保育が実施されていないということです。

学童保育をご存知ない方のために補足すると、
日中、保護者が仕事で家にいない家庭の小学生に対して提供される
生活の場、その保育事業のことです。
自治体の運営で小学校や児童館などの
既存を施設を利用して行われていることが多く、
保育園に通っていた子どもの大部分が利用します。

そんな学童保育がないということは、
小学校が終わる昼過ぎには娘は帰宅するということになります。

そもそもは、家族と過ごす時間を大切にしたいと移住することを決めました。
こちらに住むようになってから、保育園の帰りのバスの時間16時に、
妻か僕が都合をつけて娘を迎えに行っています。
朝食、夕食を家族3人揃って食べるようにもなりました。
それは、東京にいるときにはできなかったことです
(保育園なのに帰りのバスが16時って早すぎない? 
と当初はびっくりしましたが……)。

けれど、小学校が終わるのは昼過ぎ。いまよりももっと早くなります。
さらには1か月以上もある夏休みもあります。

わが家の食卓。朝は僕が、夜は妻がつくります。

どちらかが仕事をしないで娘と過ごせばよいだけの話かもしれません。
でも、移住して間もない、働き方も手探り状態のわが家においては、
僕だけの収入で、もしくは妻だけの収入で暮らすというのも厳しいです。

例えば収入を担うほうが、東京で会社員として働いていたときのように
労働時間を増やせば可能なのかもしれませんが、
それこそ移住をした意味がないように思います
(ふたりとも仕事人間というわけではないのですが、
仕事にそれなりにやりがいを感じているので、
続けたいという思いもあります)。

最初から学童保育がある地域で家を探せばこんな問題はなかったのでしょう。
浅はかといえばそれまでですが、
家から小学校の距離や立地などは重視していましたが、
その点は確認していませんでした(言い訳をするわけではありませんが、
なかなか確認しない点のような気がします)。

では、この地域の共働きの家庭はどうしているのか?
下田出身の夫婦の場合、すぐ近くに親がいることが多く、
そちらに預けていることが一般的なようです。
なるほど……。では、我々のような移住者はどうすれば……?

下田市も多くの地方の自治体と同じように人口減少が問題になっています。
今年の4月には市内全域が過疎地域に指定されました。
少子高齢化に加え、進学・就職による若年層の流出が原因のようです。

そんななか、人口減少に歯止めをかけるには
移住者を増やすことが必須と感じます。
そして親が近くにいない移住者、子育て世帯には
学童保育があるかないかは切実な問題です。

具体的に下田市としてはその辺をどう考えているのか? 
今後、学童保育が実施される可能性はあるのか?
学童保育を担当する部署「下田市教育委員会」に出向き話を聞きました。

現状、下田市には7つの小学校があり、
そのうちの2校で学童保育を実施しているそうです。
実施していない地域の保護者から学童保育の要望はあるそうですが、
現状は予算がなく実施できないとのこと。
そして、いまのところ学童保育施設を増やす計画もないと。

ただし、実施していない学校の児童も、
2校の学童保育を利用することができるとの説明がありました。
その場合には、放課後に、通っている学校から学童保育の学校に送り、
学童保育の終了する17時半にまた迎えに行かなければいけません。
学童保育は終了時間が遅くなるため、
終了時には必ず保護者の迎えが必要なのです。

仕事をしながらその動きをとるのは現実的ではないでしょう
(実際このように学童保育を利用している世帯はいないらしいです)。

ただ、学童保育を実施していない学校の児童が、
夏休み・冬休みの長期休暇だけ学童保育を利用しているケースは
多いようです。休みでない期間は通っている学校だけで済ませ、
長期休暇期間は朝から夕方まで学童保育に預ける。
確かにこちらのほうが現実的な気がします。

ただし、学童保育を実施している学校は
家からは歩いて行ける距離ではないので、車で送り迎えが必要です。
当面はわが家もこのやり方でいくしかないのでしょう。

いまは保育園の終わる夕方に、どちらかが家に戻れるように
調整しながら仕事をやりくりしています。
来春からは小学校の終わる昼過ぎにどちらかが家にいるように、
働き方を少し変える必要がありそうです。

働く時間を変える。
家でできる仕事をつくる……。

民泊やゲストハウスであれば家で仕事ができるわけか……。
ほかに家でできる仕事はなんだろうか? 
店舗を借りて店を始めたらそこで娘が過ごせばよい? 
仕事についての妄想がまた始まっています。

「お宿を家族でやるの楽しそう!」と娘。「お宿の名前は『笑顔』に決めた!」と。すっかりその気の娘。