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このように学童保育がないのであれば、
ないなりに暮らしを考えていくしかないのでしょう。
ただ、移住者をより増やしていかなければならない自治体
下田市としては、このままではいいけない気がします。
市としても、今年の4月に過疎地域に指定されたことを受けて、
移住者受け入れのために力を入れ始めたそうです。
移住促進PRの資料をつくったり、いままで整備されていなかった
空き家バンクなどの仕組みも準備しているとの話も聞きました。
もちろん、移住希望者にとっては
そのような仕組みが整備されているというのは魅力的で、
移住のしやすさにつながっていくのかとは思います。
それは移住先を検討していたとき、僕も実感として感じていました。
移住に関して問い合わせをした自治体の中でも、
下田市は特に取り組みが遅れていたので、
その動きが始まったことは喜ばしいことです。
でも、移住のしやすさも大切ですが、
移住してからの暮らしやすさがあってこその移住促進だと思います。
前述しましたが、子育て中の親にとっては
学童保育があるかないかは切実な問題です。
教育委員会の担当の方としても、予算がつかなければ
これ以上やりようがないという現実があるので、
その担当者に学童保育を整備してくれと訴えても何も変わらないのでしょう。
では予算をつかさどる立場の人にこの現実を知ってもらいたい、
そんな思いがふつふつと湧いてきました。
といっても、どうしたらよいのだろうか?
考えを巡らせていたそのとき、回ってきた回覧板に、
これは! というイベントのチラシが入っていました。
その名も「市長と語る会」。
市長、副市長をはじめ、市役所の各部門の責任者と市民が、
市が抱える問題についての意見を交換できる場とのことです。
まさに、予算をつかさどる人たちが一堂に会する場といえます。
下田市の各地で開催するそうで、わが家が暮らす地区では
11月末に予定されています。参加希望の市民のことを考えてか、
開催時間も平日19時からと参加しやすく、全10回も開催するようです。
このような機会をつくってくれる
市民に寄り添った役所であることに感謝するとともに、
寄り添った役所であればこそ、声をちゃんと聞いて
対応してくれるのではないか? という期待に胸を膨らませて
「移住者のリアル」を訴えてみようかと思っています。
教育委員会の担当の方とはすっかり顔なじみになりました
(うるさいのが移住してきたと思っているかもしれません……)。
ほかの部署の方にも何人か顔なじみの方ができました。
何年も住んでいた杉並区の役所には、
誰ひとり知っている人はいませんでした。
小規模な自治体ならではの、役所と市民の近さといます。
一移住者の声にも耳を傾けてくれるのでは、とも感じています。
だからこそ僕のような一移住者が
まち全体のことを考えてしまうのかもしれません。
学童保育を通じてあらためて考えた「まち」のこと。
11月末に参加する予定の「市長と語る会」でどんなやり取りになったか、
機会があればご報告したいと思います。
さてさて、一移住者の声はどこまで届くのか。