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看板づくりの仕事(Vol.17参照)が終わってから駅周辺に買い物に行きます。
スーパーではその時間になると下田港であがった魚が
3割~5割引きになっていることも。
東京の値段からしたらもともとが安いのですが、
さらに値引きされて驚くような値段で地物の魚が手に入ります。
(買わずに残ってしまうと捨てられてしまうのかもと考えると
いいことをしている気にもなります)
週末、たまにはまちに出て外食をしようか? となることも。
観光地でもある下田はまちの規模に対して飲食店が多く、
和洋中どこで食べるか悩んでしまうほどの店があるのです。
やはり自転車に乗ってまちへと出かけます。
駅周辺には他にも役所、警察署、図書館、郵便局、銀行、本屋、
家電量販店、金物屋などなどがあり、日常の生活は自転車で事足ります。
移住する前は、こんな暮らしをするんだ! と肩肘をはっていました。
オフグリッド化もそうですが、米や野菜の自給、
水は水道水やペットボトルでなく湧き水か井戸の水で! と。
ここ下田での暮らしは、そんな理想とする暮らしとはだいぶ違っています。
そのことに対して妻はストレスを少なからず感じているようです。
全然、思い描いていた暮らしと違う……と。
僕はというと、いまのこの暮らし、これはこれでいいのでは?
と思っています。
もちろん、敷地の畑で野菜の自給を、部分的にでもオフグリッド化をと、
ここに暮らし始める前からの計画は諦めていません。
それらがなかなか実践できないことに焦るときもあります。
でも、移住前のイメージとは別に、暮らしてわかる心地よい暮らし方
というのがあるはずです。僕にとってはそれが
「なるべく車に頼らずに自分の脚で移動する暮らし」でした。
そんな暮らしは、
子どもがひとりで出歩ける年齢になったときのことを考えても、
また自分たちが歳をとって、車の運転ができない状況に
なったときのことを考えても、大きなメリットを感じます。
例えば、持続可能な社会のために
極端にストイックな暮らしを選択したとしても、
その暮らしが長続きしなければ意味がありませんし、
それは一般解にはなりません。
では、持続可能な社会での持続可能な暮らしとは、
どんな社会でのどんな暮らしだろう。
そんなことを考えながら小さなまちの片隅で楽しく暮らしています。
うろうろ歩いてこっちへと、自転車ふらふらあっちへと。
車でビュンビュン動いていると見えないものが見える気がしてきました。
information
魚助
住所:静岡県下田市1-6-8
TEL:0558-27-3330
営業時間:11:30~15:00、17:00~22:00
定休日:火曜、年末年始
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B&Bことぶき荘