連載
posted:2017.7.5 from:神奈川県足柄下郡真鶴町 genre:食・グルメ
〈 この連載・企画は… 〉
おすすめの地元グルメに、ぜひ見て欲しい絶景や見所スポットetc.
いろんな人に聞いたコロカルならではの、地元ランキングです。
writer profile
Shun Kawaguchi
川口瞬
かわぐち・しゅん●1987年山口県生まれ。大学卒業後、IT企業に勤めながらインディペンデントマガジン『WYP』を発行。2015年より真鶴町に移住、「泊まれる出版社」〈真鶴出版〉を立ち上げ出版を担当。地域の情報を発信する発行物を手がけたり、お試し暮らしができる〈くらしかる真鶴〉の運営にも携わる。
神奈川県の西、相模湾にぽこっと突き出る小さな半島、真鶴半島。
東京からたった1時間半で着く真鶴ですが、海に囲まれた真鶴には、
魚を中心とした独特の食文化がまだ残っています。
そんな真鶴に2年前に移住し、〈真鶴出版〉という出版活動とゲストハウスを営む
私がおすすめする、「真鶴に移住したら楽しめる食10選」を紹介します。
真鶴は港町なので魚屋で簡単にとれたての魚が手に入ります。
中にはヤガラやウマヅラハギなど、東京ではあまり食べられないような
魚が食べられることも。
写真は、駅前にある〈福寿司〉のお刺身。赤坂の料亭で修行を積んだ店主の料理を、
ランチでは1000円から食べることができます。
注文がきてからさばく「地魚握り」も絶品。
information
福寿司
住所:神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴406-6
TEL:0465-68-0862
営業時間:11:00〜20:00
定休日:水曜
真鶴の食卓に欠かせないものが干物。
工場ではなく、ひとつひとつ手作業でつくられた干物は見た目も美しく、
ふっくらしていて匂いもほとんどしません。
調理方法は焼くだけ、冷凍すると1か月近く持つなど、保存食としても優秀。
冷凍庫には必ず常備していて、朝食にも夕飯にも使えます。
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真鶴にはいたるところにみかんの木があります。
これは温暖でみかんが育ちやすい環境であることと、
「実のなる木を見てうれしくない人はいない」と、町が新築の家を建てるときに
「実のなる木」を推奨していることも理由のひとつです。
ときには写真のように風で道端に転がっていることも。
秋の収穫時期には、カゴに入ったみかんと
「ご自由にお持ちください」の看板も見られます。
年明けに必ず真鶴の人の間で話題に上るのが「はば海苔」。
はば海苔とは真鶴で採れる海苔の一種で、1枚2000円以上することもある高級な海苔。
だけど真鶴では人から人に「おすそ分け」するのが一般的。
そんなやり取りまで含めて、真鶴には欠かせない食文化のひとつになっています。
少し炙ってパリパリと砕きご飯にのせて食べると、
口に広がる磯の風味を楽しむことができます。
「ソウダガツオ」とは、普通は鰹節などに用いられる魚。
その理由は、傷むのが早いため、生のままではあまり遠くまで運べないからです。
だからソウダガツオの料理が食べられるのは漁場の近くが中心。
真鶴では刺身にしたり、「しか煮」と呼ばれる玉ねぎとの煮込み料理、
「塩うずわ」(「うずわ」はソウダガツオの地域名)と呼ばれる塩漬けなどで
食べたりします。塩うずわはそのままでは食べられないほどしょっぱく、
少しずつかじりながらお酒のお供として食べます。
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真鶴ではサザエが採れるので、
春になるとおすそ分けでもらうことも珍しくありません。
定番のつぼ焼きももちろんおいしいですが、
大量にもらったときはサザエご飯がおすすめ。
サザエの香り、コリコリとした食感がたまりません。
真鶴の人は「お弁当にサザエご飯」なんて家もあるんだとか。
2016年オープンしたばかりの〈真鶴ピザ食堂ケニー〉では、
真鶴の名産である干物を使ったピザが食べられます。
干物とピザ? と思うかもしれませんが、これが意外と合うんです。
甘めのアジのみりん干しには筍とモッツァレラチーズを合わせ、
塩干しにはオレガノやトマトソースを合わせていただきます。
information
真鶴ピザ食堂ケニー
住所:神奈川県足柄下郡真鶴町岩268-8
TEL:0465-68-3388
営業時間:11:30〜14:30(L.O.)、17:30〜21:00(L.O.)
定休日:火曜・その他不定休(Facebookで確認を)
Web:Facebook
コロカルでの紹介記事:〈真鶴ピザ食堂ケニー〉真鶴で理想の暮らしを手に入れた夫婦がつくるハッピーなピザ
たけのこも春が収穫時期。
竹林がいたるところにある真鶴では、町役場も年に1回たけのこ掘りを企画。
500円でひとり3本程度掘ることができます。
掘ったばかりのたけのこは刺身で食べられるほど!
もちろん煮込み料理やたけのこご飯も楽しむことができます。
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真鶴の人が大好きなのが〈真鶴 味の大西〉のラーメン。
お隣の湯河原にある系列店が発祥とされる「小田原系ラーメン」
(湯河原発祥なのになぜか小田原系と呼ばれる)は、
黒めのスープの色が特徴の醤油ラーメン。
見た目とは違って味はすっきりしていて、肉厚のチャーシューが乗っていて
ボリューム満点です。実はラーメンと同じぐらいカツ丼も人気。
information
真鶴 味の大西
住所:神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1370-3
TEL:0465-68-4043
営業時間:11:00~14:00(麺がなくなり次第終了)
定休日:金曜
駅前の料理屋〈ぎほう〉で冬限定で食べられる名物が鴨鍋。
なんで真鶴で鴨? というのは置いておいて、
鍋には鴨に鶏団子、たっぷりの野菜が入っていて、
なんといってもニンニクを効かせただしがおいしい。
一度食べたら病みつきになる味です。
鍋を食べ終わったあとはご飯を入れて、おじやも食べることができます。
information
ぎほう
住所:神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴398
TEL:0465-68-3951
営業時間:17:00〜23:00
定休日:日曜
*鴨鍋は11月〜3月限定メニュー
以上、「真鶴に移住したら楽しめる食10選」をご紹介しました。
この中で紹介しているものは、移住したあとに
地元の人から教えてもらったものがほとんどです。
たとえ移住せずとも、一度だけでなく、何度も足を運ぶと
だれかが教えてくれたり、おすそ分けしてくれたり(!)するかもしれません。
そんな真鶴の食文化をぜひ体験しに来てくだいさいね。
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