ゲストハウス実現に向けて?
自然と食に恵まれた豊かな土地、
伊豆下田流のおもてなし

おいしいものから温泉まで、
下田の魅力をご紹介!

下田に移住して、初めての夏。
夏の伊豆には海水浴を求めて多くの観光客が集まります。
津留崎家にもたくさんの友人たちが遊びに訪れるそう。
それを迎えるのもまた楽しいという妻の徹花さん。
いつかゲストハウスか民宿をやってみたいと思っている夫妻には
いいシミュレーションになっているようです。

下田の豊かな食でおもてなし!

田に住むようになって、初めての夏がやってきました。
ここ下田は9つの美しい海水浴場に恵まれた土地。
8月に入ると車の往来が一気に増え、
下田駅周辺や海岸沿いの道は常に渋滞しています。
ひと月前までは静かだった海も人があふれかえり、
パラソルで埋め尽くされた浜は
いつもとはまったく違う景色となり驚いてしまいます。

私たちの友人や家族もその例外ではなく、
夏真っ盛りの下田をめがけて次々と我が家に遊びに来ています。
カレンダーを見ると、7月から9月まで
毎週のように誰かしら来るといった具合。

正直忙しくて目が回るのですが、
いずれゲストハウスか民宿をやってみたい我が家にとっては
シミュレーションをするよい機会です。
魚はどこで買うか、地ビールや地酒の用意、温泉はどこがいいか
などなど、来客前には夫婦であれやこれやと談義しています。

もともとふたりとも「人好き酒好き賑やか好き」なので、
そんな計画を立てるのも楽しい時間です。
遊びに来てくれた友人や家族が「下田っていいところだね~」
と言いながら帰途につく姿を見ると、ほっとします。
私たちも友人たちとのんびり過ごすなかで、
あらためて下田の魅力を感じています。

豊かな自然や食に恵まれた下田という土地。
今回はそんな下田の魅力を紹介させていただきます。

この日は吉佐美にある大浜まで出かけてみました。お盆前でもこの人混みです。

下田の海は透明度が高く、快晴のときにはこんなにも透き通っています。遠くから眺めるコバルトブルーの海もそれはそれは美しいのです。

私たちがまず胸を張っておすすめするのが、食まわりのこと。
とにかく魚も野菜も新鮮でおいしくて、さらにとても安いのです。
夏の時期には身のしっかりとした立派な鯵や鰯の近海ものが並ぶので、
それを刺身やフライでいただきます。
身が厚く食べ応えのあるフライはビールとの相性抜群で、
夫は「こんなにおいしい鯵フライ食べたことない」と恍惚としていました。

この日は伊東で水揚げされた鰯が安く手に入ったのでフライにしました。最近パンづくりに夢中になっていて毎日のように焼いています。自家製酵母のバゲットとともにいただきました。

下田は金目鯛の漁獲量で全国1位を誇る港町でもあります。
「下田といえば金目鯛だよね!」という友人も多く、
これが食卓にのぼるとやはり盛り上がるわけです。
金目鯛といえば高級魚ですが、スーパーの鮮魚売り場に行くと
尾頭つきの近海物が1000円~3000円くらいで手に入るので
高嶺の花ではないのです。

金目鯛のお刺身にちょこっとわさびをのせるわけですが、
ここはもちろん伊豆名産の生わさび。
生わさびも高級なイメージですが、下田の直売所だと
300円程度で手に入るのだからうれしくなってしまいます。
我が家は生わさびというものがすっかり気に入ってしまい、
冷蔵庫で常備するようになりました。
このおいしさを知ったら、もうチューブのわさびには戻れません。

金目鯛とかんぱちの刺身を盛り合わせに、生わさびをすりおろして。どちらも下田港で水揚げされたもの。脂がのっていておいしかった!

かんぱちのカルパッチョ。徳島出張で購入したすだちをギュッとしぼり、キンと冷えた白ワインとともに。

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塩むすびに干物、
日常のシンプルごはんがおいしい

野菜は、来客のある日の朝直売所へ行ってみつくろいます。
そうすると、その日の朝採れた野菜を夕食にいただけるわけです。
夏野菜のトマトやなすやピーマンにオリーブオイルをまわしかけて
オーブンで焼き、塩をぱらり。
もぎたて野菜は、そんなシンプルな調理法でも最高においしいのです。

シメには下田産のお米を土鍋で炊きます。
近くに住む方が「下田のお米っておいしくないでしょ?」
とおっしゃっていましたが、いやいや充分においしいです。

我が家が日常食べている下田のお米は、
いわゆる魚沼産コシヒカリのような、もちもち系ではありません。
さらっとしながらも甘い風味のあるお米は、
我が家の食卓にはとてもよく合います。
炊きたてのご飯を下田のおいしいお塩でギュッと握った塩むすびは、
子どもたちも夢中になって食べてくれます。

友人の子どもに「なにが一番おいしかった?」と聞くと、「塩むすび!」と。
子どもにとっては、どうやら金目鯛の刺身にも勝るようです。
夕食はそのようにして自宅で食べるようにしています。
ゆっくりお酒を楽しめるし、子どもも眠くなったら
すぐに寝られるので安心です。

近所の直売所で下田産のお米を購入しています。お塩は下田外浦海岸の海水を薪で炊き上げたもの。甘くまろやかなこのお塩も、おいしいおむすびには欠かせません。

朝ごはんは土鍋ご飯と、夜ごはんに食べた魚のアラで
汁ものをつくります。おかずは下田名物の干物。
東京にいるときにはそれほど興味がなかった干物ですが、
下田で買った干物があまりにもおいしくて大好物となりました。
「あ~、干物食べたい」とときどき欲するほどに。

下田には昔と変わらず塩だけを使って漬け込み、
機械を使わず天日だけで干しているお店があります。
店前で丁寧に干している姿を初めて目にしたときには
タイムスリップしたみたいで、うれしくて胸が踊りました。
店構えもお店のおばちゃんもとっても味があるので、
干物を買いにちょっと立ち寄るというのが、
生活のなかでひとつの楽しみとなっています。

このお店では早朝からお母さんと息子さんが魚をさばいて漬け込み、1枚ずつ丁寧に天日で干しています。天気の悪い日はつくることができないので、干物を買うことができないのです。いろんなお店で干物を買ってみましたが、この〈山田干物店〉の絶妙な塩加減が我が家の好みです。住所:静岡県下田市二丁目5-17 TEL:0558-22-2909

下田は飲食店が多いので、昼ごはんは外に出かけたりもします。
ちょっとひとりで息抜きしたり、家族で気分転換したり、
いろんなシチュエーションで楽しめるほどバリエーションが豊富です。
座敷のあるお店も多いので、子連れの友人たちとも
ゆっくりすることができます。

天気のいい日は、お弁当を持って海へ出かけることもあります。
家からふらりと近所の外浦海岸へ行ったり、
少し離れた海まで足をのばすことも。
遠く広がる海を眺めながらの昼ごはんは、
この環境ならではのとびっきり贅沢な時間です。

家から歩いて10分のところにある外浦海岸。子どもたちが海ではしゃいでいるあいだに、大人たちは浜辺でまったり。海風が心地よい。

夏はスイカ割りとビールだね! ということで、夕方になってから弁天島の公園に出かけました。ビールを片手に赤く染まりゆく海を眺める、至極の時間です。

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下田のお楽しみ。温泉、そして花火!

海で遊んだあとは下田のもうひとつのお楽しみ、温泉です。
下田には蓮台寺温泉や観音温泉など有名な温泉もいくつかあり、
日帰り入浴できる施設もたくさんあります。
まだまだこれから我が家も開拓していきたいと思っているのですが、
いまのところのお気に入りは〈昭和湯〉という温泉銭湯です。

ナマコ壁の佇まいと「昭和湯」と書かれた暖簾からは
情緒が漂っていて、なんともいいんですよね。
中に入ると昔ながらの番台があり、担当がおじさんの場合は
お金を受け取るとすっと席をはずしてくれるので、
女性の方もご安心を(おそらく)。

こぢんまりとした浴場は自宅にいるような感覚でとてもくつろげます。
さらりとしたお湯ですが、じんわりと身体の芯まで温めてくれます。
なんとこちら源泉掛け流しなのですが、
銭湯なので400円で入浴できてしまうのです。

ただ、シャワーがなく温度が少し高めなので、
子連れや長髪の女性には少々不便かもしれません。
そうした場合には、蓮台寺温泉にある老舗の〈金谷旅館〉や、
海を臨める露天風呂が気持ちのよい
〈下田ビューホテル〉などにスライドしています。

以前、長崎県の雲仙に移住された方に
「雲仙は温泉があるからみんな喜んできてくれるし、満足してくれるよ」
とうかがったことがありました。
温泉というのは日本人にとって特別な存在ですよね。

日本人にとって特別な存在といえば、花火もそのひとつではないでしょうか。
下田と周辺地域を含めると、花火大会を見られる機会が
ひと夏のあいだに何度もあります。

我が家も今年は下田で2回、となりの南伊豆町での
弓ケ浜花火大会と合わせて3回ほど花火大会を見ました。
私は人混みがとても苦手なもので、混雑が予想される都内の花火大会には
一度も足を運んだことがありませんでした。
下田でも混むんだろうな~と躊躇していましたが、
友人が誘ってくれたので思い切って出かけることに。

友人のリサーチしていた場所に行ってみると、
心配していたような右にも左にも進めないという混雑もまったくなく、
レジャーシートを広げてゆっくり鑑賞できるという雰囲気。
しかも、打ち上げ会場は川をはさんだすぐ目の前で、
もう大迫力の花火を楽しめたのでした。

子どもたちはあまりの迫力に空いた口がふさがらないほどでしたが、
それはそれはすばらしい夜となりました。
こうした花火大会を人ごみをかきわけずに見られるというのも、
下田のひとつの魅力かもしれません。

弓ケ浜の花火大会。今年は40周年ということで、いつもにも増して迫力があったのだそう。来年も楽しみです。

こうして来客があるたびに一緒に遊んでしまっている我が家なのですが、
来年の夏には何らかのかたちで宿泊業を始めたいと思っています。
友人たちを迎えるうちに、少しずつそのイメージがわいてきました。

自然にも食にも恵まれた下田という土地なら、
自分たちにもできる方法があるかもしれない。
もちろん、営業期間やスタイルなどさまざまな工夫が必要だと思います。
そして、私はカメラマンと二足のわらじを、
夫もほかの仕事と両立しながらできるかたちを考えています。

そういえば数年前、私の母が突然ぽつりと言いました。

「あなたたち、民宿やったらいいと思うよ」

ふと母のその言葉を思い出しながら、
いよいよその時がやってきたのかな? と感じています。

さて、前向きな話をしてきましたが、やはりいいことばかりじゃないんです。
以前この連載でも書いたように、ムカデの度重なる襲来。
なんと! 慣れてきました。

先日も出くわしましたが、トングを引っ張り出しひょいと摘んで冷静に処理。
それを見ていた夫が「てっちゃん、強くなったね!」と言うので、
なんだか自分がとっても成長したようでうれしくなりました。
数年前までは、ムカデをつかんで夫にほめられるなんて
想像していませんでしたが。

そんな喜びもつかの間、次にやってきた新たなる敵はカビ。
台所のカゴや洋服ダンスの衣類、
私が持っている中でおそらく一番高級な皮のバッグ。
あげればきりがないというくらい、
いろんな箇所でカビが勃発しているじゃありませんか。

古民家はカビが生えやすいとか、
海が近いとカビやすいと耳にしたことはありましたが、
これほどの猛威で迫ってくるとは知る由もなく。

取りあえず片っ端から天日に干し、除湿剤と布団乾燥機を新規購入。
「てっちゃん、久しぶりに落ちてるね!」と、
ビール片手にニコニコしている夫にイライラしながらも、
動じないこの夫のタフさに安心するのでありました。

さあ、このカビとのステージも超えられるのでしょうか……(涙)。

続く。

自宅の庭からは星空を眺めることができます。東京からたった3時間で、こんな景色に出会えるのです。

information

map

山田干物店

住所:静岡県下田市二丁目5-17

TEL:0558-22-2909

https://www.shizuoka-navichi.net/shop/shop.shtml?s=791

文 津留崎徹花

text & photograph

津留崎徹花 Tetsuka Tsurusaki
つるさき・てつか●フォトグラファー。東京生まれ。料理・人物写真を中心に活動。移住先を探した末、伊豆下田で家族3人で暮らし始める。自身のコロカルでの連載『美味しいアルバム』では執筆も担当。

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